平成25年度 下水道事業会計決算について - 福岡市

平成25年度 下水道事業会計決算について
下水道事業では、下水道の使命である快適で安全に
安心して暮らせる生活環境の提供を目指し、浸水対策
のための下水道整備を重点施策として、災害に強い都
市基盤づくりを積極的に推進しています。
浸水対策については、重点的に雨水対策を行う雨水整
整備緊急計画(Doプラン)に基づき推進しており、平
成25年度までに重点59地区の全てに着手し、そのう
ち44地区が完了しました。
特に天神周辺地区については、雨水対策を強化したレインボープランにより,従来の
流下型施設の整備に加え,雨水流出抑制施設の導入も推進しました。
このほか、西部地区(伊都区画整理事業)などにおける水洗化区域の拡大、新西部水
処理センターの整備、天神・博多駅周辺地区における合流式下水道の改善(分流化)、
並びに安定した下水道サービス提供のための施設の改築・更新を推進し、平成26年3
月には新西部水処理センターの供用を開始しました。
また、資源の有効活用を図るため、再生水利用下水道事業を推進しました。
財政状況においては、平成25年度決算の収益的収支において50億9,500万円
の純利益が生じました。これに、前年度からの繰越利益剰余金14億4,884万円を
加えた計65億4,384万円から、減債積立金として計49億円の利益処分を行い、
当年度末の累積損益は16億4,384万円の利益となっております。
これからも市民の皆様に、安定的・継続的に下水道サービスを提供していくために、
事業の効率化や経費節減に努めてまいります。
平成25年度 下水道事業会計主要事業実施状況
(単位:百万円)
21,177
下水道整備事業 計
21,147
1 管渠・ポンプ場・下水処理場等の整備
(1) 公共下水道の整備
20,830
① 浸水対策
8,615
② 老朽施設の改築更新
6,183
③ 未整備区域の解消
4,813
④ 合流式下水道の改善 (分流化)
1,010
⑤ 高度処理
⑥ 再生水利用下水道事業
(2) 事業計画区域外下水道の整備 (3) 福岡県の流域下水道整備への負担金
0
209
23
294
2 分流化の促進対策
(1) 排水設備分流化改造工事費に対する助成
29
29
3 水洗化の促進対策
(1) 合併処理浄化槽の設置費に対する助成
1
1
平成25年度
下水道事業会計決算の内訳
下水道事業会計は管理運営などに関する「収益的収支」と施設の建設などに関する「資本的
収支」に分かれています。
◇概 要
収益的収支については、収入約471億円に対し、支出約415億円で差し引き約56億円とな
り、そのうち消費税調整額約5億円を差し引いた結果、約51億円の純利益となりました。
資本的収支については、収入約344億円に対し、支出約556億円となり、差引約212億円
の資本的収支不足額が生じましたが、損益勘定留保資金(減価償却費等)、消費税調整額及び減債
積立金取崩額等で補てんしました。
(単位:億円、消費税込み)
資本的収支
収益的収支
〔資本的収支不足額の補てん財源の内訳〕
損益勘定留保資金(減価償却費等)等
消費税調整額
減債積立金取崩額
(億円)
合計
179
5
28
212
700
600
資本的収支不足額
205
その他10
〔2.1%〕
500
企業債(借入金)
の元金償還金
443
単年度利益 39
400
一般会計繰入金
( 雨水処理
負担金等)
176
減価償却費等
179
〔37.8%〕
〔42.4%〕
300
消費税
調整額
5
一般会計繰入金42
〔9.1%〕
国庫補助金
81
その他
7
〔1.5%〕
〔66.4%〕
〔17.5%〕
企業債(借入金)の
支払利息等
99
200
下水道使用料
280
〔60.1%〕
100
〔23.5%〕
維持管理費
( 水処理センターの
動力費・薬品費・
委託料等)
144
企業債(借入金)
332
〔71.9%〕
建設改良費
( 下水道施設
の整備費)
224
〔33.6%〕
〔34.1%〕
0
〔収益的収入〕
471億円
〔収益的支出〕
415億円
〔資本的収入〕
344億円
〔資本的支出〕
556億円
○収益的収支:管理運営に関する費用
区
分
収
益 下水道使用料
的
収 一般会計繰入金
入
そ の 他
合 計
区
収
益
的
支
出
分
最終予算
決算額
(A)
(B)
(単位:百万円、△:減)
予算額に比べ
執行率
決算額の増減
(B)-(A)
( B )/( A )
28,045
28,359
314
101.1%
17,684
17,358
△ 326
98.2%
919
1,428
509
155.4%
46,648
47,145
497
101.1%
最終予算
決算額
不用額
執行率
(A)
(B)
(A)-(B)
( B )/( A )
維持管理費
15,497
14,731
766
95.1%
企業債利息等
9,029
8,844
185
98.0%
減価償却費等
17,982
17,971
11
99.9%
合 計
42,508
41,546
962
97.7%
4,140
5,599
1,459
収益的収支差額
-
○資本的収支:施設の建設などに関する費用
区
分
資
企 業 債
本
国庫補助金
的
収 一般会計繰入金
入
そ の 他
合 計
区
資
本
的
支
出
分
最終予算
決算額
(A)
(B)
(単位:百万円、△:減)
執行率
翌年度繰越額 差引増減額
(C)
(B)-((A)-(C))
( B )/( A )
( B )/( A-C )
29,399
22,587
6,739
△ 73
76.8%
99.7%
11,271
7,208
4,010
△ 53
64.0%
99.3%
4,109
3,977
0
△ 132
96.8%
96.8%
750
593
36
△ 121
79.1%
83.1%
45,529
34,365
10,785
△ 379
75.5%
98.9%
執行率
最終予算
決算額
翌年度繰越額
不用額
(A)
(B)
(C)
(A)-(B)-(C)
( B )/( A )
( B )/( A-C )
建設改良費
33,089
22,022
10,785
282
66.6%
98.7%
企業債償還金
33,588
33,588
0
0
100.0%
100.0%
21
11
0
10
52.4%
52.4%
66,698
55,621
10,785
292
83.4%
99.5%
△ 21,169
△ 21,256
0
87
そ の 他
合 計
資本的収支差額
-
-
平成25年度 下水道事業会計決算の業務量・経営指標
◇業務量
区分
25年度
差引
24年度
増減
比率(%)
行政区域内人口
1,510,566 人
1,494,978 人
15,588 人
1.0
処理区域内人口
1,505,000 人
1,488,400 人
16,600 人
1.1
及 率
99.6 %
99.6 %
0.0 %
0.0
年 間 処 理 水 量
179,525,792 ㎥
176,641,138 ㎥
2,884,654 ㎥
1.6
一日平均処理水量
491,851 ㎥
483,948 ㎥
7,903 ㎥
1.6
一 日 処 理 能 力
704,200 ㎥
688,800 ㎥
15,400 ㎥
2.2
処 理 区 域 面 積
17,006 ha
16,876 ha
130 ha
0.8
排 水 区 域 面 積
17,006 ha
16,876 ha
130 ha
0.8
7,000,662 m
6,956,845 m
43,817 m
0.6
人 口 普
管 渠 総
延 長
摘要
※年間処理水量、一日平均処理水量、一日処理能力は本市単独の処理場に係る分で流域関連公共下水道分を除く。
◇経営指標
項目
25年度
24年度
%
施 設 利 用 率
57.2
%
58.3
%
1
最 大 稼 働 率
・
施
設
指
水 洗 化 率
標
84.4
%
91.5
%
99.4
収
率
99.3
81.0
2
・
財
流
務
指
標
自
構
111.5
%
109.5
%
動
比
率
166.3
資
比
本
率
円
使用料単価(A) 179.88
123.2
×100 の割合です。
年間総有収水量
年間総汚水処理水量
×100 水量の割合を表すもので、率が高いほど不明
水洗便所を設置して汚水を処理している人口
処理した汚水のうち使用料の対象となる有収
水が少なく効率的といえます。
経常収益
経常の収入と費用を対比したもので、経営成
(営業収益+営業外収益)
×100 績の主たるものを表します。経常利益が発生
経常費用
すれば100%を越えることになります。
(営業費用+営業外費用)
現金及び比較的短期間のうちに回収または支
払う債権債務を表すもので、比率が高ければ
流動資産
流動負債
×100 高いほど支払能力が高く、理想は200%以上
自己資本金+剰余金
負債・資本合計
×100 高いほど経営の安定性があるといえます。
です。
自己資本金が総資本に占める割合で、比率が
円
179.18
3
・
円
円
料
153.22
処 理 原 価 ( B ) 145.95
金
比
率
%
%
使用料充足率
水洗便所設置済人口
処理区域内人口
%
52.7
54.0
晴天時における最大稼働状況を表すもので、
晴天時一日最大処理水量
×100 率が100%に近いほど処理能力に余裕がなく
処理能力(前年度末)
なります。
%
147.5
%
己
成
晴天時における施設の利用状況を表すもの
晴天時一日平均処理水量
×100 で、率が大きいほど施設を無駄なく利用して
処理能力(前年度末)
おり、効率的といえます。
%
80.4
%
経常収支比率
説明
%
%
有
計算式
116.9
下水道使用料
年間総有収水量
有収水量1㎥当たりの使用料収入で使用料の
水準を示すものです。
総費用-関連収入
年間総有収水量
有収水量1㎥当たりの汚水処理経費で、その
水準を示すものです。
使用料単価(A)
処理原価(B)
使用料による汚水処理経費の回収率を示すも
×100 のです。
下水道の財政について
◇下水道施設を維持・管理するための経費
下水道は、家庭や工場などから排出される汚水を下水管で水処理センターまで運び、きれいにし
て川や海に流すことで、川や海の水質を保ち、豊かな自然環境を守っています。また、地面に降っ
た雨水を、道路側溝、下水管や雨水排水ポンプ場を経て速やかに川や海へ流し、道路や建物が浸水
しないようにまちを守っています。
下水道事業にかかる経費負担区分の考え方は、受益者負担の考えから、家庭や工場などから排出
される汚水の処理は、下水道使用者の皆様から使用料をいただいて事業を行い、自然に起因する雨
水を排水し浸水を防ぐ雨水処理は、税金で事業を行っています。
【雨水公費・汚水私費の原則】
汚れた水をきれいにする
下
水
道
の
果
た
す
役
下水道使用料で負担
汚水は使用料(私費)
浸 水 を 防 ぐ
税 金 で 負 担
雨水は税金(公費)
【汚水処理にかかる経費の内訳】
汚水の処理に必要な費用は下水道使用者の皆様からいただいた下水道使用料でまかないます。
平成25年度は汚水1㎥(1,000ℓ)を処理するのに約146円かかりましたが、その内訳は下記
のとおりで、下水道施設の維持管理や施設建設時の借入金の返済などの経費に使われています。
汚水1㎡をきれいにする経費(平成25年度決算)
(消費税抜き)
汚水を水処理センター
まで運ぶ経費
8円
施設の整備にかかった
借入金の利息等
23円(16%)
汚水1㎥を
きれいにする
費用
(5%)
汚水をきれいに
する経費
40円
(27%)
146円
施設の整備にかかった
借入金の返済金等
61円
(42%)
料金徴収
その他経費
14円(10%)
◇下水道施設を建設するための経費
下水管や水処理センターなどを建設するためにはたくさんの費用がかかります。その費用は国か
らの補助金や借入金(企業債)でまかなわれ、借入金の返済は下水道使用者の皆様からの使用料や
税金でまかなわれています。
本市ではオイルショック以降、本格的な整備を進め下水道の普及向上を図ったため、企業債の残
高も年々増加し、平成14年度がピークで約5,097億円ありましたが、企業債の発行額を償還
額の範囲内に抑制したことで、平成25年度には約4,254億円と11年間で843億円減少し
ました。
本市の下水道整備は、水洗化普及のための整備が概ね完了したことから、現在は浸水対策をはじ
め合流式下水道の改善や施設の改築更新に重点をおいた整備を行っています。
下水道の整備費と普及率の推移
億円
97.3%
99.1%
99.4%
99.5%
99.5%
99.5%
99.6%
99.6%
87.3%
400
350
300
普及率
100%
450
389
365
340
90%
378
80%
65.6%
279
70%
255
261
250
60%
230
224
220
200
50%
40%
150
30%
100
20%
50
10%
0%
0
S60年度
H2年度
H7年度
H14年度
H17年度
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
4,434
4,349
4,254
H23年度
H24年度
H25年度
借入金(企業債)の残高
億円
6,000
5,097
5,000
4,627
4,539
3,697
4,000
3,000
4,853
4,496
2,452
2,000
1,000
0
S60年度
H2年度
H7年度
H14年度
H17年度
H21年度
H22年度