防護・計測 防護・計測2‐2‐4 IEC6 2 2 2 0-1規格の RQA シリーズにおける 線量計校正場構築の基礎検討 駒澤大学大学院 医療健康科学研究科 東京大学医学部附属病院 放射線部 首都大学東京 健康福祉学部放射線学科 駒澤大学 医療健康科学部 ○横山 関本 加藤 佐藤 央季 道治 二久 昌憲 り、IEC 規格によく一致した。しかし、設定した RQA9 に 【目的】 ついて零外挿法を行うと、半価層は11. 3 8㎜ Al となり、 日本放射線技術学会は、駒澤大学を含む全国1 0か所の診 0. 2 4㎜ Al の差がみられた。この厚さが付加フィルターか 断領域線量計標準センターで診断領域 X 線およびマンモ らの散乱線成分であると考えられる。よって、RQA9 を設 グラフィ用線量計の校正定数を提供している。近年、国際 定する際は、零外挿値が IEC 規格の半価層値になるよう 電気標準会議(以下、IEC)の Report 62 2 2 0-1で、デジタ に付加フィルターを調節する必要があると考える。結果と ル画像システムの画質を評価する線質 RQA シリーズが提 して、Table1より、IEC 規格に一致した精度の良い線質 唱され、RQA シリーズによる線量計校正の需要が多くな を設定することができた。 ってきた。そこで、RQA シリーズに関する線質の設定を 行い、校正場構築に向けた基礎的検討を行った。 【方法】 線量計は EXRADIN の A4(3 0㏄)を選択し、焦点−電 離箱間距離は IEC6 2 2 2 0-1が推奨する1 5 0㎝とした。RQA Table 1 RQA5、RQA9 の設定条件(駒澤大学) 半価層 半価層 付加 RADIATION 管電圧 (IEC 規格) (実験値) フィルター QUALITY [kV] [㎜ Al] [㎜ Al] [㎜ Al] No. RQA5 RQA9 7 0 1 2 0 6. 8 1 1. 6 シリーズは、管電圧と付加フィルター、半価層が明記され 6. 8 1 2 2. 7 5 1 1. 6 0 4 5. 6 4 ※ ※零外挿法による半価層 ている。そこで、IEC 規格の線質設定法に基づき、付加フ ィルターを調節して、今回は RQA5(7 0kV) 、RQA9(1 2 0 実験を通じて、厚い付加フィルターを有する RQA シリ kV)の半価層を求めた。また、RQA9(1 2 0kV)について ーズの線質を設定する際は、規定距離1 5 0㎝において十分 は、コリメータサイズを0㎜ Φ に外挿して半価層を求め な電荷量を確保できる線量計を選択しなければならない。 る零外挿法を行い、厚い付加フィルターからの散乱線の影 診断領域線量計線量標準センターが採用する基準線量計で 響を検討した。 は測定が困難であったため、A4 を使用することで、十分 な測定値が得られ RQA シリーズの設定が可能であった。 【結果・考察】 RQA5、RQA9 は付加フィルターをそれぞれ2 2. 7 5、 4 1. 6 5 以上より、本施設での RQA シリーズの線量計校正場の構 築は可能であると考える。 ㎜ Al に調節することで、半価層が6. 8 1、1 1. 6 2㎜ Al とな 第6 8回東京部会春期学術大会 後抄録 55
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