高知県感染症発生動向調査(週報)

高知県感染症発生動向調査(週報)
2014年 第47週(11月17日~11月23日)
★お知らせ
○手足口病に注意して!
インフルエンザ流行の季節
例年の流行時期は過ぎていますが、定点医療機関からの報告数は
がやってきます。
先週の 1.53 から 2.33 と増加し、注意報値を超えています。特に
予防接種はお早めに!
中央東福祉保健所では定点当たり 5.71 と警報値を超えています。
外から帰った後、食事の前、トイレの後に手洗いを行い予防しましょう。
また、回復後に 2 ~4 週間の長期にわたり便からウイルスが検出されることがあるので、幼稚園、保育園、
学校など集団生活ではタオル・コップ等を共用することは避けましょう。
○A群溶血性レンサ球菌咽頭炎に注意して!
定点医療機関からの報告数は先週の 0.90 から 1.70 と増加しています。この病気は、高熱・咽頭痛・おう
吐を主症状とする細菌性の感染症で、熱は 3〜5 日以内に下がり、1 週間以内に症状は改善します。まれに重
症化し、喉や舌・全身に発赤が拡がる猩紅熱といわれる全身症状を呈します。また、リウマチ熱や急性糸球
体腎炎などの合併症を起こすこともあります。通常、患者との接触を介して伝播するため、ヒトとヒトとの
接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭、学校などの集団での感染も多くあります。患者との濃厚
接触をさけることが最も重要です。うがい、手洗いなどの一般的な予防法も励行しましょう。
○RS ウイルス感染症に注意して!
定点医療機関からの報告数は先週の 1.17 ら 1.43 と増加しています。この病気は軽い風邪様の症状で、通
常 1~2 週間で軽快しますが、授乳期早期(生後数週間から数ヶ月)に初感染した場合は、細気管支炎、肺炎
といった重篤な症状を引き起こすことがあります。予防のポイントは、手洗いと咳エチケットです。マスク
を着用するなどして咳エチケットに気をつけ、子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめ
にアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒しましょう。
★県内での感染症発生状況
定点把握感染症 (上位疾患)
疾病名
推移
:急増
:増加
:横ばい
定点当たり
報告数
:減少
:急減
県内の傾向
感染性胃腸炎
3.73
須崎、高知市、中央東、中央西、幡多で増加しています。
手足口病
2.33
中央東、高知市、須崎で増加し、中央東では警報値を、県全
域及び高知市では注意報値を超えています。
A 群溶血性レンサ球菌
咽頭炎
1.70
高知市、中央西、幡多、中央東で増加しています。
RS ウイルス感染症
1.43
幡多、高知市、須崎で増加しています。
マイコプラズマ肺炎
0.75
高知市で 3 人から 6 人に増加しています。
★地域別感染症発生状況
警報
中央西
中央東
手足口病
注意報
高知市
安芸
手足口病
須崎
幡多
高知県全域
手足口病
★気をつけて!
○手足口病:2.33 (注意報値:2.00 警報値:5.00)
定点医療機関からの報告数は定点当たり 2.33(前週:1.53)と増加し、注意報値を超えています。地域別
にみると、中央東(5.71:前週 3.14)高知市(2.36:前週 1.64)須崎(0.50:前週 0.00)で増加し中央東で
は警報値を、高知市では注意報値を超えています。年齢別にみると、患者の約 93%が 5 歳以下になっていま
す。病原体定点からは CoxsackievirusA16 が 4 例検出されています。
8
人
手足口病の週別推移(定点当たり)
H24年
7
警報基準値
H25年
6
H26年
5
4
注意報基準値
3
2
1
0
1
5
10
1月
2月
15
3月
20
4月
25
5月
30
6月
35
40
8月
7月
9月
45
10月
50
53
12月
11月
○A 群溶血性レンサ球咽頭炎:1.70 (注意報値:4.00 警報値:8.00)
定点医療機関からの報告数は定点当たり 1.70(前週:0.90)と増加しています。地域別にみると、高知市
(2.82:前週 1.36)中央西(1.67:前週 0.67)幡多(1.40:前週 0.80)中央東(0.86:前週 0.00)で増加し
ています。年齢別にみると、患者の約 65%が 6~9 歳になっています。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の週別推移(定点当たり)
4
H24-25年
注意報基準値
H25-26年
H26-27年
3
2
1
0
27
30
7月
35
40
9月
8月
45
10月
11月
50
1
12月
5
1月
10
15
3月
2月
20
4月
25
6月
5月
○RS ウイルス感染症:1.43 (注意報値、警報値:基準値無し)
定点医療機関からの報告数は定点当たり 1.43(前週:1.17)と増加しています。地域別にみると、幡多(2.80:
前週 1.00)高知市(1.82:前週 1.27)須崎(1.50:前週 1.00)で増加しています。年齢別にみると、患者の
約 98%が 2 歳以下になっています。
人
RSウイルス感染症の週別推移(定点当たり)
4
H24-25年
H25-26年
3
H26-27年
2
1
0
27
30
7月
35
8月
40
9月
45
10月
11月
50
12月
1
5
1月
10
2月
15
3月
20
4月
25
6月
5月
★全数把握感染症
類型
2類
疾病名
結
核
件数
累計
1
124
内
容
保健所
90 歳代(女)
幡
多
4類
つつが虫病
2
2
60 歳代(女 2 人)
中央東
5類
後天性免疫不全症候群
2
6
30、40 歳代(男)
中央東
★病原体検出情報
前週以前に検出
受付週
臨床診断名
44
急性気管支炎
45
急性発疹症
45
急性細気管支炎
年齢
1
1
2
46
手足口病
46
46
46
46
46
46
手足口病
手足口病
感染性胃腸炎
ヘルパンギーナ
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
性別 保健所
ウイルス、細菌の検出状況
男 中央西 Respiratory syncytial virus A
男
須崎 Parechovirus 1
男 高知市 Respiratory syncytial virus A
Coxsackievirus A16
2
女 中央西
Adenovirus 2
6ヶ月 男 高知市 Coxsackievirus A16
3
男 高知市 Coxsackievirus A16
13
男 高知市 Coxsackievirus A16
0
女 高知市 Echovirus 11
1
男 中央東 Enterovirus 71
4
女 高知市 Streptococcus pyogenes Untypable
★定点医療機関からのホット情報
保健所
安
芸
中央東
医療機関
多
報
アデノウイルス扁桃炎 1 例(1 歳男)
あけぼの小児クリニック
RS ウイルス感染症 5 例(0~3 歳)
手足口病 16 例
おひさまこどもクリニック
アデノウイルス扁桃炎 1 例(3 歳男)
けら小児科・アレルギー科
百日咳 1 例(36 歳女:PTIgG125EU/ml)
カンピロバクター+病原性大腸菌 O-166 1 例(18 歳男)
カンピロバクター腸炎 1 例(4 歳女)
病原性大腸菌 O-18 腸炎 1 例(0 歳女)
アデノウイルス扁桃炎 2 例(1 歳男、2 歳女)
マイコプラズマ肺炎 1 例(4 歳男)
高知医療センター小児科
RS ウイルス感染症 4 例(0 ヶ月 2 人、2 ヶ月、1 歳女)
病原性大腸菌 1 例(15 歳女)
アデノウイルス 1 例(11 ヶ月女)
細木病院小児科
カンピロバクター1 例(4 歳男)
さたけ小児科
ヒトメタニューモ感染症 2 例(1、5 歳女)
乳幼児保育園で RS 患者 8 例
幡多けんみん病院小児科
hMPV
高知市
幡
情
田野病院小児科
2例
★全国情報
第45週(11/3~11/9)
1類感染症:報告なし
2類感染症:結核325例
3類感染症:細菌性赤痢3例、腸管出血性大腸菌感染症38例
4類感染症:A型肝炎1例、チクングニア熱1例、つつが虫病6例、デング熱2例、日本紅斑熱2例、
マラリア2例、レジオネラ症15例、レプトスピラ症1例
5類感染症:アメーバ赤痢10例、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症11例、急性脳炎3例
クリプトスポリジウム症1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例、破傷風1例
後天性免疫不全症候群11例、侵襲性インフルエンザ菌感染症1例、風しん2例
侵襲性髄膜炎菌感染症1例、侵襲性肺炎球菌感染症19例、麻しん1例
水痘(入院例に限る)2例、梅毒13例、播種性クリプトコックス症1例
報告遅れ:腸チフス2例、E型肝炎1例、デング熱1例、日本紅斑熱4例、レプトスピラ症7例、
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症17例、急性脳炎4例、クリプトスポリジウム症10例、
劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、水痘(入院例に限る)3例、
播種性クリプトコックス症1例、薬剤耐性アシネトバクター感染症2例
発行:高知県感染症情報センター(高知県衛生研究所)
〒780-0850 高知市丸ノ内2-4-1(保健衛生総合庁舎2階)
TEL:088-821-4961 FAX:088-825-2869