2014 年度 能力強化研修 募集要項 公共財政管理セミナー(概論編) 2014 年 12 月 24 日(水)- 12 月 26 日(金) 独立行政法人 国際協力機構 国際協力人材部 人材養成課 はじめに 近年、国際開発コミュニティでは公共財政管理(Public Financial Management、以下 PFM とする) の重要性に対する認識が強まっています。2013 年 1 月には世界銀行を含む 7 つの二国間・多国間機関 で構成する Public Expenditure and Financial Accountability(以下 PEFA とする)が PFM 改革のシ ークエンスに関するグッドプラクティス・ノートを取り纏めるなど、 新たな展開を見せつつあります。 その背景には、途上国がミレニアム開発目標(MDGs)や国家開発計画に掲げられた開発目標を達成す る上で、安定的かつ持続的な財政運営が不可欠であり、そのためには財政規律の維持、戦略的な資源 配分、効率的なサービスデリバリーの実現のための制度・仕組みとして PFM が重要であるとの認識が 広がっていることがあります。 JICA では、JICA 事業の円滑な実施、援助効果及び開発効果の持続的な発現のためには、有償資金協 力、無償資金協力、技術協力などすべてのスキームにおいて、事業実施関係者が途上国の PFM が制度・ 仕組みとして適切に構築されているか俯瞰する目を養う必要があると考えています。また、JICA 事業 の円滑な実施や援助効果・開発効果の発現にネガティブな影響を与える要因として PFM 上の問題が特 定された場合、適切な「PFM を見る目」がなければ、誤った PFM 像を相手国に求めてしまう可能性が あり、このようなリスクを避けるためにも、先ずは相手国の PFM をバランス良く、かつニュートラル に俯瞰できる必要があります。しかし、一つの国の PFM 改革の進度の観察には PFM に関する知識や経 験などが必要とされることから、多くの事業実施関係者にとっては難しい作業となっています。 そのため、今後、専門家等として途上国開発における公共財政管理(歳出、歳入、会計ルール・執 行改善、報告/透明性の向上、内部統制/内部監査、外部監査等)1の活動および調査を行う案件に携 わりたい方々を対象として、途上国の公共財政管理の概念、公共財政管理診断ツール及び診断の実際 への理解を深め、途上国の現場でその国の公共財政管理の状況を診断し、プロジェクトを形成・実施 する能力を身につけることを目的として本コースを実施します。 皆様のご応募をお待ちしております。 1 広義には、財政の視点を取り入れた地方行政分野も含む。 1 応募要件 本研修の応募者は、下記の全ての要件を満たすものとします。 (1) 研修の全日程に参加可能であること (2) 専門能力・経験:以下のいずれかを満たすこと。 ・途上国において通算 5 年以上の開発事業の実務経験を有し、公共財政管理分野及び公共財政管理の 視点を必要とする他の分野の協力準備調査など各種調査または専門家等の業務に携わることを志望 する者(ガバナンスや公共財政管理分野以外の者も歓迎します) 。 ・現在、国内にて会計や監査など公共財政管理に類似した業務に携わっており、今後途上国での関連 分野業務への参入を考えている者。 ※ 語学力は応募要件とはしませんが、応募者多数の場合、本研修参加者が途上国での業務に従 事することを念頭に置いていることから、選考の判断材料とすることがあります。そのため、保 持している語学力に係る公的資格を、取得年月日が新しい順に必ず履歴書に記載してください。 ※ 2012 年 12 月 26 日に実施した能力強化研修「公共財政管理セミナー」 、或いは 2013 年 7 月 19 日、11 月 28 日、2014 年 7 月 18 日の能力強化研修「公共財政管理セミナー(イントロダクシ ョン編)を受講済みであることが望ましいですが、応募要件ではありません。 2 開催日、募集人数 (1) 開催日:2014 年 12 月 24 日(水)- 26 日(金) (2) 募集人数:20 名程度 3 応募方法 下記提出書類を揃え、締切日までに JICA 国際協力人材部人材養成課(研修管理室)に郵送、若しく は電子メールへの書類添付により提出してください。応募書類受付後、ご本人に対し電子メールにて 選考番号をご連絡します。 (1)締切日:2014 年 11 月 5 日(水)17:00 必着 3 (2)人材登録と履歴書の作成 研修の応募に際しては、JICA 国際協力人材センターホームページ「PARTNER」より国際協 力人材登録を行うことが必須となります。 「PARTNER」アドレス http://partner.jica.go.jp/ 国際協力人材登録への登録後、応募に必要な「専門家履歴書」を PARTNER ホームページ上 で作成できます。 (履歴書への写真添付は不要です。 )登録手続きには本人確認のための必要 書類の郵送に要する日数も含めて約一週間かかりますので、締め切り直前の登録は避け、余 裕を持って登録してください。 なお、海外居住や応募締め切りまでの期間が短いため国際協力人材登録が不可能という方 は、国際協力人材簡易登録をお願いします。簡易登録ではシステムからの履歴書の作成が出 来ませんので、別紙様式 2 へご記入いただくか、または JICA ホームページから様式をダウン ロードしてご応募ください。 【国際協力人材登録に関する問い合わせ先】 独立行政法人国際協力機構 PARTNER 事務局 以下URL、PARTNERホームページの「お問い合わせ」からお願いします。 https://jica-partner.secure.force.com/inquiryEdit (3)提出書類: ≪JICA ホームページ(http://www.jica.go.jp/recruit/kyokakenshu/flow.html#a02)から 各種様式の Word または PDF をダウンロードできます。≫ ① 推薦書: 【別紙様式 1】 所属先のある方は、必ず所属先の研修参加の了承を得てください。推薦書が用意できな い場合は、その理由を記載してください。自営の方や所属先のない方は不要です。所属 先において応募者ご本人が代表を勤めている方も必要ありません。 ② 履歴書: 【別紙様式 2】 履歴書の写真添付は必要ありません。 ③ 自己申告書: 【別紙様式 3】 (4) 電子メールで応募する場合の注意事項 ① 全ての書類を PDF 若しくは Word 形式でご送付ください。 ② メールの件名は、必ず「能力強化研修:公共財政管理セミナー(概論編) 」として ください。 4 ③ 応募書類受領後、研修管理室から 3 営業日以内に電子メールで選考番号をご連絡します。 ④ Hotmail, Yahoo メールなど、フリーメールからの応募の場合は迷惑メールと誤認識さ れて届かないケースがあります。応募締切日までに人材養成課(研修管理室)からの返 信メールを受信できるよう余裕をもってご応募ください。なお、応募書類送付後、3営 業日までに研修管理室から返信メールが届かない場合は、必ず下記の人材養成課(研修 管理室)までお問い合わせください。ご連絡がない場合は、応募書類を受理していない ものと判断し、選考対象外となりますのでご注意ください。 【書類送付先、応募に関する問い合わせ先】 独立行政法人国際協力機構 国際協力人材部人材養成課(研修管理室) 〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町 10-5 JICA 市ヶ谷ビル TEL: 03-3269-3471 E-mail: [email protected] ―ご提出頂く応募書類の取り扱いについて― 提出書類は、選考の結果に関わらず返却しませんので、あらかじめご了承願います。 【個人情報の利用目的】 当機構が収集した応募者の個人情報は、以下の目的で利用させていただきます。当機構は、ご本人の 同意を得ないで、この利用目的の達成に必要な範囲を超えて応募者の個人情報を利用いたしません。 1.当機構が能力強化研修の受講者の選考を行うため 2. 当機構の研修実施にかかわる、各種情報(セミナー・イベントやホームページの案内等)の提 供や連絡等を行うため 3.応募者についての統計、データ分析を行うため 4. 研修の修了後、研修修了者へ能力強化研修の成果の活用状況について照会し、この結果を統計 データとしてまとめ、将来的な研修カリキュラム改善に活かすため 【個人情報の取扱いについて】 当機構は収集した個人情報を当機構の責任のもとで適切に管理し、研修の受講に至らなかった場合は、当 機構の責任のもとで適切に廃棄致します。この場合、書類の返却は致しておりませんのでご了承ください。 4 選考結果の発表 応募書類を審査の上、2014 年 11 月 28 日(金)を目途に下記ウェブサイト上で合格者の選考番号 を発表します(書面による通知は行いません) 。 http://www.jica.go.jp/recruit/kyokakenshu/top.html 5 なお、下記の PARTNER のマイページからでも、2014 年 11 月 26 日(水)を目途に合格者の選考 番号を確認できます。下記 URL からログインしてください。 http://partner.jica.go.jp/ ※ 研修の実施に支障が生じますので、原則として、受講が決定した方は受講をキャンセルする ことはできません。 ※ 選考結果に関する個別のお問い合わせには一切お答え出来ませんので、あらかじめご了承 願います。 5 開催場所 〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町 10-5 JICA 市ヶ谷ビル 6 資料代の徴収 資料コピー代として 2,000 円を徴収させていただきます。支払い手続きにつきましては、選考結果 発表後に受講者へご連絡します。 7 修了証書の交付 全日程の研修を修了された受講者へ、研修修了証書を交付します。 なお、円滑な研修運営に支障を来す恐れがあり、受講者本人や他の受講者の不利益になると JICA が判断した場合は、研修期間中であってもその後の研修参加をお断りする場合があります。 8 研修概要 (1) 目的 ① 公共財政管理支援に関するポジションペーパー(JICA の公共財政管理支援に関する現状認識、 これまでの協力実績、協力コンセプト、今後の課題などを取りまとめたもの)を通じ、現在 の JICA の公共財政管理支援の基本的考え方を理解する。 ② 実務的観点から、開発援助の国際場裏で議論される公共財政管理の概念及び構成要素(歳出、 歳入、会計ルール・執行改善、報告/透明性の向上、内部統制/内部監査、外部監査等)を より詳細に理解する(注:公共財政管理の概念整理の他、構成要素ごとに、内容及び一般に 途上国の現状分析が中心) 。 ③ JICA 作成資料「PFM ハンドブック-途上国の公共財政管理(PFM)を『見る目』-」を基に、フラン ス、ノルウェー、スイス、Department for International Development (DFID)、EC、世界銀 6 行、IMF で構成する PFM 分野の国際的なプラットフォームである Public Expenditure and Financial Accountability(PEFA)の資料等を参照しながら、途上国における公共財政管理 診断ツールと PFM 分析を理解する。 (2) 日程(案) 講義日時 12 月 24 日 (水) 午前 プログラムオリエンテーション/出席者自己紹介・問題意識の共有 JICA の公共財政管理の考え方・質疑応答 午後 パート1: PFM ベーシック①(PFM の基礎、予算分類) パート1: PFM ベーシック②(MTEF、予算編成・業績予算) 午前 12 月 25 日 (木) テーマ 質疑応答・振り返り パート 1: PFM ベーシック③(国庫管理、公的債務管理) 午後 パート 1: PFM ベーシック④(監査、質疑応答) パート 2: PFM 実践編① プロジェクト事例紹介、 「PFM ハンドブック」を用いた PFM 分析グループワーク 12 月 26 日 (金) 午前 パート 2: PFM 実践編②「PFM ハンドブック」を用いた PFM 分析グループワーク 午後 パート 2: PFM 実践編②「PFM ハンドブック」を用いた PFM 分析プレゼンテーション 意見交換 振返り・評価会 ※講義時間は、9:30-17:30 を予定しています。 ※本日程は、暫定版のため変更の可能性があります ※講師は、三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社の坂野太一主任研究員、JICA 産業開発・公共政 策部ガバナンスグループ行財政・金融チームの職員が務めます。 <パート 1:Public Financel Management (PFM)ベーシック(概念編)> PFM の主要概念について、定義、構成要素(歳出、歳入、会計ルール・執行改善、報告/透明性の向 上、内部統制/内部監査、外部監査、公的債務管理等)の概要及びポイント・論点など基本的な内容 を紹介する。 <パート 2:PFM 実践編> PFM の最新の国際潮流、PFM 診断ツール及び診断作業の実際、診断結果の読み取り方、PFM プロジェク ト事例などについて紹介する。JICA 作成資料「PFM ハンドブック-途上国の公共財政管理(PFM)を『見る 目』-」を用いて、途上国の PFM 状況を分析するグループワークを実施する。 7 (3) 参考資料 <基本資料> ① JICA「Public Financial Management(PFM)ポジションペーパー」 http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/ff4eb182720efa0f49256bc20018fd25/1c99f7f2a 4d2250249257b1700325807/$FILE/%E5%85%AC%E5%85%B1%E8%B2%A1%E6%94%BF%E7%AE%A1%E7%90%86%E 3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83% BC.pdf) ② JICA「PFM 課題別指針」 http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/ff4eb182720efa0f49256bc20018fd25/47125d86f 3a53a6d492579d400295663/$FILE/%E8%AA%B2%E9%A1%8C%E5%88%A5%E6%8C%87%E9%87%9D%E3%80%8C%E 8%B2%A1%E6%94%BF%E2%80%95%E5%85%AC%E5%85%B1%E8%B2%A1%E6%94%BF%E7%AE%A1%E7%90%86%E2%80% 95%E3%80%8D(H25).pdf ③ JICA「公共財政管理分野における JICA 技術協力の効果的な実施のための留意事項」 http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/ff4eb182720efa0f49256bc20018fd25/1c99f7f2a 4d2250249257b1700325807/$FILE/20130315JICA%20PFM%E5%88%86%E9%87%8E%E3%81%AETA%E5%8A%B9 %E6%9E%9C%E7%9A%84%E5%AE%9F%E6%96%BD%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E7%95%99%E6%8 4%8F%E4%BA%8B%E9%A0%85%EF%BC%88%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E7%89%88%EF%BC%89.pdf ④ JICA「PFM ハンドブック-:途上国の公共財政管理(PFM)を『見る目』 」 http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/B9EBD9A793E2456249256FCE001DF569/8E6942773 B36EE7A49257CC200117AD1?OpenDocument <さらに関心がある方向けの資料> ① PEFA「The Public Expenditure and Financial Accountability (PEFA) Framework」 http://www.pefa.org/en/content/pefa-framework-material-1 ② PEFA「Good Practice Note on Sequencing PFM Reforms」 http://www.pefa.org/sites/pefa.org/files/v8-Good_Practice_Note_on_Sequencing_PFM_Refor ms_%28Jack_Diamond__January_2013%29_0.pdf ③ Wolrd Bank, Budgeting and budgetary institutions / edited by Anwar Shah. http://siteresources.worldbank.org/PSGLP/Resources/BudgetingandBudgetaryInstitutions.p df ④ FASID「公共財政管理と日本の開発援助」 http://www.fasid.or.jp/_files/publication/DP_9_J.pdf ⑤ JICA 調査研究「途上国における財政管理と援助 -新たな援助の潮流と途上国の改革-」 http://jica-ri.jica.go.jp/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/fie ld/2003_04.html ⑥ JICA「テーマ別評価:開発効果の持続性確保のための途上国政府による公共財政管理に向けての 考察」 http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/tech_ga/after/theme.html 8 ⑦ JICA「PFM ハンドブック:技術協力のパイロット事業におけるファイナンシャル・プランニング」 http://gwweb.jica.go.jp/km/FSubject1001.nsf/3b8a2d403517ae4549256f2d002e1dcc/0a25357ddb84c 8ab49257c4d0006e4fc?OpenDocument 9 留意事項 (1) セミナー中の盗難、紛失、事故等については、JICA は一切責任を負いません。予めご了承くだ さい。 (2) セミナー修了一定期間の後、コース参加後の国際協力事業へのかかわり等に関するフォローア ップ調査をアンケート形式で実施しますので、回答にご協力願います。 (3) 資料代の他、受講に際し発生する費用(交通費、宿泊費、食費等)は、受講者の自己負担とな ります。また、宿泊先の紹介および斡旋は行っていませんので、あらかじめご了承願います。 以上 別紙: 様式 1 推薦書 様式 2 履歴書 様式 3 自己申告書 9
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