AI-6600

AI-6600
仕様・取扱説明書
ダクト用・配管用温度調節器
形TY6800Z、形TTY6800Z
■概
要
ダ ク ト 用 ・ 配 管 用 温 度 調 節 器 ( 形 TY6800Z 、 形
TTY6800Z)は、ダクト内の空気と、配管やタンク内
の液体などの温度制御(二位置式)に使用できます。
空気調和装置、ボイラー熱交換器などの加熱装置、
冷却装置の電磁弁、電動弁、電気ヒータ、コンプレッ
サ・モーターなどの自動運転に利用できます。
■特
長
(1) 電気式2位置制御
動作確実なマイクロスイッチを内蔵し、線電圧
回路を開閉できます。
(2) 広い温度設定範囲
-15~+45℃、15~75℃、65~125℃の温度設
定範囲があります。
(3) 加熱、冷却制御可能
形TY6800Zは、SPDT接点のマイクロスイッチ1個
を内蔵し、加熱制御と冷却制御に使用できます。
形TTY6800Zは、SPDT接点のマイクロスイッチ
2個を内蔵し、シーケンス動作します。加熱制御、
または冷却制御2回路を独立して開閉でき、2段
加熱制御、または2段冷却制御ができます。
(4) 感温体
感温部は、膨張係数の大きい液体を封入した液
体封入形です。
被制御体の温度変化を敏感にとらえ、本体内部
のマイクロスイッチを希望設定温度で作動させ
ます。
右上の写真に示すように、本体と感温体は、細
い導管(キャピラリ)で接続されているリモート
挿入取付構造です。導管(キャピラリ)の長さは、
1.5mと6mの2種類があります。
(5) 簡単な温度設定と動作すき間調節方法
温度設定は、本体前面にある設定ノブを手で回
し、希望温度目盛に合わせるだけで簡単に設定
できます。
形TY6800Zは、動作すき間調節機構があり、こ
れにより装置に適した運転ができます。
形TTY6800Zは、各スイッチの動作すき間が固
定です。スイッチ間の段間すき間は、調節機構
により簡単に調節でき、装置に適したシーケン
ス制御ができます。
(6) 簡単な取付、配線
小形金属ケースに納められています。
取付向きに制限がなく、取付が簡単です。
感温体取付にダクト用の支持金具を使用できま
す。
また、タンクや配管内挿入用にプレッシャ・
フィッティングや保護管などが使用できます。
防雨カバーを使用すれば、本体を屋外の日陰に
も設置できます。
1
AI-6600
安全上の注意
● 本製品設置場所の禁止事項
ご使用前に本説明書をよくお読みのうえ、仕様範囲内
で使用目的を守って、正しくお使いください。
お読みになったあとは、本説明書をいつでも見られる
所に必ず保管し、必要に応じ再読してください。
本製品は、次のような環境に設置しないでください。
正しく動作しない、または短期間で故障する恐れがあります。
• 特殊薬品や腐食性ガスのあるところ(アンモニア、硫黄、
塩素、エチレン化合物、酸、その他)
使用上の制限、お願い
• 水滴や過度の湿気があるところ
本製品は、一般機器での使用を前提に、開発・設計・
製造されています。
本製品の働きが直接人命にかかわる用途および、原
子力用途における放射線管理区域内では、使用しな
いでください。
特に • 人体保護を目的とした安全装置 • 輸送機
器の直接制御(走行停止など) • 航空機 • 宇宙機器
など、安全性が必要とされる用途に使用する場合は、
フェールセーフ設計、冗長設計および定期点検の実
施など、システム・機器全体の安全に配慮した上で、
ご使用ください。
システム設計・アプリケーション設計・使用方法・
用途などについては、弊社担当者にお問い合わせく
ださい。
なお、お客様が運用された結果につきましては、責
任を負いかねる場合がございますので、ご了承くだ
さい。
• 直射日光、その他高温にさらされるところ
• 本体の設置場所がダクトや装置など振動・衝撃のあると
ころ
● 感温体設置場所の注意事項
• 感温体は、被制御体の平均温度を計測できるところに取り
付けてください。
• 感温体は、次のような場所へ設置しないでください。
正しい温度を計測できない恐れがあります。
• 温風、冷風が直接当たりそうなところ
• 空気だまり、すき間風がありそうなところ
• 水位の変化が大きいところ
• 感温体を固定できないところ
• 関係者以外の人が容易に触れられるところ
• 次の内容を守ってください。
故障により接点出力が固定するなど、正しい動作をしな
くなる恐れがあります。
• 感温体や導管(キャピラリ)をねじったり、変形させたり、
つぶしたり、断線、破損させないでください。
• カバーを取り外したままにしないでください。
• 本 体 の 取 り 付 け は 、 本 体 背 面 の 取 付 穴 (3個 ) を 使 用
してください。
取付手順を守らないと、落下などにより本体の誤 動作、
故障の原因となります。
■ 設計推奨使用期間について
本製品については、設計推奨使用期間を超えない範囲
でのご使用をお勧めします。
設計推奨使用期間とは、設計上お客様が安心して製品
をご使用いただける期間を示すものです。
この期間を超えると、部品類の経年劣化などから製品
故障の発生率が高まることが予想されます。
設計推奨使用期間は、弊社にて、使用環境・使用条件・
使用頻度について標準的な数値などを基礎に、加速試
験、耐久試験などの科学的見地から行われる試験を
行って算定された数値に基き、経年劣化による機能上
支障が生ずるおそれが著しく少ないことを確認した時
期までの期間です。
■ 「警告」と「注意」
警告
取り扱いを誤った場合に、使用者が死亡また
は重傷を負う危険の状態が生じることが想
定される場合。
注意
取り扱いを誤った場合に、使用者が軽傷を負
うか、または物的損害のみが発生する危険の
状態が生じることが想定される場合。
本製品の設計推奨使用期間は、11年です。
なお、設計推奨使用期間は、寿命部品の交換など、定
められた保守が適切に行われていることを前提として
います。
製品の保守に関しては、保守の項を参照してください。
■ 絵表示
● システム接続時の注意
• 本製品は、故障時に異常状態を回避する機能や他の機器
に報知する機能を有していません。
本製品とは独立した安全対策を行ってください。
• 封入液の漏れや接点の溶着の場合は、出力がONで固定す
る場合があります。
温水ヒーターなどの加熱装置を制御する場合は、必ず空
だき防止などの安全対策を行ってください。
2

記号は、明白な誤操作や誤使用によって発生する
可能性のある危険(の状態)を警告(注意)する(左図
の例は感電注意)場合に表示。

記号は、危険の発生を回避するために、特定の行
為の禁止(左図の例は分解禁止)を表す場合。

記号は、危険の発生を回避するための特定の行為
の義務付け(左図の例は一般指示)を表す場合に表
示するものです。
AI-6600
 警
告
 注
本製品をシステムに接続して使用する場合は安全
対策を行ってください。
火災の原因になることがあります。

 注
意
本製品は仕様に記載された使用条件(温度、湿度、
電圧、振動、衝撃、取付方向、雰囲気など)を持たす
場所に設置しその仕様範囲内で使用してください。
火災の恐れや故障の原因になることがあります。

取り付けや結線は、安全のため、計装工事、電気
工事などの専門の技術を有する人が行ってくださ

端子ねじは確実に締めてください。
締め付けが不完全だと発熱・火災の原因となるこ
とがあります。

結線作業後、調整作業後は必ずカバーを元に戻し
てください。
カバーをしないと感電する恐れがあります。

本製品を分解しないでください。
故障したり感電する恐れがあります。

本製品が不用になったときは、産業廃棄物として
各地方自治体の条例に従って適切に処理してくだ
さい。
また、本製品の一部または全部を再利用しないで
ください。
い。
配線については、内線規程、電気設備技術基準に
従って施工してください。
重要!! • 本製品を正しく使用するために、本説明書および組み
合わせた機器や装置などの説明書に従ってください。
配線・保守などの作業は、本製品への電源を切っ
た状態で行ってください。
感電の恐れや故障の原因になります。

■形
意
番
温度設定範囲*(℃)
感温体最高
許容温度 (℃)
感温体最低
許容温度 (℃)
導管(キャピラリ)
長さ (m)
TY6800Z2000
-15~+45
55
-40
1.5
TY6800Z2010
-15~+45
55
-40
6.0
90
-40
1.5
形
番
TY6800Z3000
15~
75
TY6800Z3010
15~
75
90
-40
6.0
TY6800Z4000
65~ 125
138
-40
1.5
TY6800Z4010
65~ 125
138
-40
6.0
TTY6800Z2000
-15~+45
55
-40
1.5
TTY6800Z2010
-15~+45
55
-40
6.0
90
-40
1.5
TTY6800Z3000
*
15~
75
形TY6800Zの設定点は、動作すき間の上端にあります。
形TTY6800Zの設定点は、右スイッチ(温度上昇により先に動作する)の動作すき間の上端にあります。
● 別途手配品
名
称
保護管
形
番
112624AA-J
備
R1/2ねじ
考
SUS304
参照先
本説明書(図2)
AI-4074 保護管 仕様・取扱説明書
プレッシャ・フィッティング 83165370-001
1/2NPTねじ 黄銅
本説明書(図3)
感温部支持具
(バルブ・ホルダ)
DY3002A1001
工事部材
本説明書(図4)
AI-4009 感温部支持具 形DY3002A1001 仕様・取
扱説明書
防雨カバー
Q615A1004
本説明書(図5)
AI-4212 防雨カバー 形Q615A 仕様・取扱説明書
3
AI-6600
■ 外形寸法
● 温度調節器
71
58
50
15.5
106.4
145
感温体
材質:銅
24.8
5
5.6
31
導管(キャピラリ)長さ(露出部)
約1500、または約6000
φ22ノックアウト
(2個)
24.8
(130max.)
φ12
図1 形TY6800Z、形TTY6800Z 外形寸法図 (mm)
4
裏面図
AI-6600
● 補助機器
《保護管》
50
140
30
8
φ14
φ16
φ14.3
23
R1/2ねじ
シールリング
図2 形112624AA-J 外形寸法図 (mm)
《プレッシャフィッティング》
パッキン
座金
4個
ナット
導管
(キャピラリ)
1/2NPT
43
25
図3 形83165370-001 外形寸法図 (mm)
《感温部支持具》
ゴム・グロメット
R6.4
2.3
t0.5
グロメット
6.4 穴
17.5
取付穴
7
12.7
19
11
9.9 穴
2-4.6 取付穴
φ5
22
5634
9.4
17.5
83
22.5
4
t2.3
356
14.3
35
35
41.5
2.3
付属品:タッピンねじ(2 個)
(呼び径 4.5mm、長さ 16mm)
83
図4 形DY3002A1001 外形寸法図 (mm)
《防雨カバー》
117
40
17
51
70
75
取付穴(2個)
取付ブラケットを
下向きにして組み付けた場合
φ9.5
15
φ5
22穴
図5 形Q615A1004 外形寸法図 (mm)
5
AI-6600
■仕
様
項
動作すき間
目
仕
形TY6800Z
二位置式一段
約2~6℃、可変
形TTY6800Z
二位置式二段
各スイッチの動作すき間:約1.7℃
スイッチ間の段間すき間:約1.7~5.6℃
スイッチ動作
形TY6800Z
• 温度上昇により、端子R-W間 「閉」 端子R-B間 「開」
• 温度降下により、端子R-W間 「開」 端子R-B間 「閉」
形TTY6800Z
• 温度上昇により、
さらに上昇すると、
• 温度降下により、
さらに降下すると、
付属部品
「開」になります。
「開」になります。
「閉」になります。
「閉」になります。
AC240V
常用
8A
5.1A
起動
48A
30.6A
本体部取付周囲条件
輸送・保管条件
周囲温度
0~+52℃
-20~+60℃
周囲湿度
90%RH以下 (結露なきこと)
95%RH以下 (結露なきこと)
φ12×130mm以下
材質
銅
最高許容圧力
343kPa (直接挿入の場合)
長さ
約1.5m、6m
(注) 凍結する環境では使用しないこと
(注) 形TTY6800Z3000 (温度設定範囲:15~75℃) は、長さ1.5mのみです。
ケース背面の取付穴より取り付けます (図6参照)。
配線接続
主要部材質
「閉」、端子R-B間
「閉」、端子R-B間
「開」、端子R-B間
「開」、端子R-B間
AC120V
寸法
取付
質量
No.1スイッチ端子R-W間
No.2スイッチ端子R-W間
No.2スイッチ端子R-W間
No.1スイッチ端子R-W間
モータ負荷
環境条件
導管
(キャピラリ)
固定
可変
『図9』、
『図12』、
『■ 動作』参照
スイッチ接点定格
感温体
様
マイクロスイッチのねじ端子に接続
形TY6800Z
0.45kg
形TTY6800Z
0.5kg
カバー
ポリカーボネート樹脂 (色:ナチュラルグレー DIC G-261(1版))
ケース
冷間圧延鋼板t1.2、亜鉛めっき処理
導管
(キャピラリ)
銅
本体取付用
丸小ねじ (M4、長さ12mm) :3個
六角ナット (M4)
:3個
6
AI-6600
■取
付

注
● 取付手順
意
温度調節器は、本体背面の取付穴(3個)を用いて、壁、
パネルなどに取り付けます。
感温体は、制御媒体に直接挿入、または保護管に挿
入して用います。
本製品は、仕様に記載された使用条件(温度、湿度、
電圧、振動、衝撃、取付方向、雰囲気など)を満た
す場所に設置しその仕様の範囲内で使用してくだ
さい。
火災の恐れや故障の原因になることがあります。

*
取り付けや結線は、安全のため、計装工事、電気
工事などの専門の技術を有する人が行ってくださ
い。

保護管を使用する場合は、
『AI-4074 保護管 仕様・取扱説
明書』を参照してください。
重要!! • 導管(キャピラリ)をよじったり、鋭く曲げないよう
に注意してください。
『図6、図7、図8』を参照し、正しく取り付けてくだ
さい。
本体を防雨カバー(形Q615A1004)に収納する場合
は、『AI-4212 防雨カバー 形Q615A 仕様・取扱
説明書』に従って取り付けてください。
• カバーを取り外したままにしないでください。
● 本製品設置場所の禁止事項
本製品は、次のような環境に設置しないでください。
正しく動作しない、または短期間で故障する恐れがありま
す。
• 特殊薬品や腐食性ガスのあるところ(アンモニア、硫黄、
塩素、エチレン化合物、酸、その他)
• 水滴や過度の湿気があるところ
• 直射日光、その他高温にさらされるところ
• 本体の設置場所がダクトや装置など振動・衝撃のあると
ころ
● 感温体設置場所の注意事項
図6 壁板取付寸法 (mm)
• 感温体は、被制御体の平均温度を計測できるところに取
り付けてください。
取付ナット
(付属品M4 3個)
• 感温体は、次のような場所へ設置しないでください。
正しい温度を計測できない恐れがあります。
• 温風、冷風が直接当たりそうなところ
• 空気だまり、すき間風がありそうなところ
• 水位の変化が大きいところ
• 感温体を固定できないところ
• 関係者以外の人が容易に触れられるところ
壁板(t1.6 ~ t3.2)
本体部
取付ねじ
(付属品M4、L=12 3個)
取付穴
• 次の内容を守ってください。
故障によりポテンショメータの抵抗値が変動したり、固
定するなど、正しい動作をしなくなる恐れがあります。
• 感温体や導管(キャピラリ)をねじったり、変形させ
たり、つぶしたり、断線、破損させないでください。
• カバーを取り外したままにしないでください。
• 本 体 の 取 り 付 け は 、 本 体 背 面 の 取 付 穴 (3個 ) を 使 用
してください。
取付手順を守らないと、落下などにより、本体の誤
動作、故障の原因となります。
カバー部
図7 取付手順
7
AI-6600
配線引込用穴
ケースを取り付ける前に、ケースの上面と下面にあるノックア
ウト穴のうち配線に使用する方の穴をあけます。
導管(キャピラリ)は、ケース上部からも取り出せます。
カバー止めねじ
このねじをドライバでゆるめると、カ
バーをケースから引き外せます。
ケースは、ケース後面にある取付穴(3 個)を用いて取り付けます。
(付属のねじ、ナットが使用できます。)
断熱材、過度に加熱される取付面に取り付けなければならない
場合は、ケース後面と取付面間に断熱材を入れてください。
設定、調整が行えるように、周囲に適
当な空間を取ってください。
温度設定
ノブ
カバー
感温体は、被制御体の種類などによって取付方法が異なります。
液体には、保護管(形 112624AA-J)、プレッシャ・フィッティン
グ(形 83165370-001)を使用できます。
空気ダクトには、感温部支持具(形 DY3002A1001)を使用できま
す。
取付壁
これらは別途注文品です。取付は、下図を参照してください。
取付の位置決めに際しては、導管(キャ
ピラリ)の長さを考慮に入れてください。
本体の取付方向は、任意です。
感 温 体
導管 (キャピラリ)
コイル状に巻いてあります。
必要以上に巻を解かないでください。
この巻部は、ケースの近くに置いてく
ださい。
導管 (キャピラリ)
鋭く曲げたり、よじったり、切断する
ことは絶対に避けてください。
動作不能状態になります。
感温体の取付注意
正しい温度制御を行うためには、感温体を正しく取り付けるこ
とが必要です。
感温体は、被制御体の平均温度を感じ取れるところに取り付け
てください。
保護管取付*
取付用ソケット
ねじ込接続部はシール
します(R1/2)
導管(キャピラリ)
ダクト取付
配管壁、タンク壁など
感温体
356
83
保護管 形 112624AA-J
スプリングクリップ
(2個)
35
41.5
位置
調節可能
83
保護管に付属されてい
るスプリングクリップ
で導管(キャピラリ)を
固定します。
形 TY6800Z、形 TTY6800Z
の感温体
(保護管の底につくまで挿入
します。)
83
形DY3002A1001
ゴム・グロメット
ダクト
取付ねじ(2個)
プレッシャ・フィッティング取付
1/2NPT ねじ
感温体が流体などによって動かされる場合、
または自重で垂れて曲がる場合は、固定支持
してください。
パッキン
プラグ
タンク壁
(ボイラ)
導管(キャピラリ)
座金
ナット
座金は突起と溝
が互いに合うよ スパナなど
うにします。
で締め付け
ます。
ねじ込み接続部は
シールします。
挿入長さは、導管(キャピラリ)の損傷を
防ぐためできるだけ短くしてください。
* 保護管取付の場合は、特殊グリスを保護管内に充てんすることにより、感温部の応答性能を良くできます(例:ステンレス鋼製の保護管
の場合 値は、約1/2以下)。
このグリスには、シリコングリス(信越化学製品のG-30M、または相当品)をお勧めします。
図8 取付
8
AI-6600
■結
線

注
● 形TTY6800Z
意
No.2スイッチ(左側)
取り付けや結線は、安全のため、計装工事、電気工
事などの専門の技術を有する人が行ってください。
配線については、内線規程、電気設備技術基準に
従って施工してください。
温度上昇
配線・保守などの作業は、本製品への電源を切っ
た状態で行ってください。
感電の恐れや故障の原因になります。

端子ねじは確実に締めてください。
締め付けが不完全だと発熱・火災の原因となるこ
とがあります。

W2
No.1スイッチ(右側)
温度上昇
B2
B1
R2
R1
温度上昇により、No.1スイッチ(右側)、No.2スイッチ(左側)
の順で動作します。
*
は、ねじ端子を表します。
図12 スイッチ構成
配線用のノックアウト穴が、本体上部と下部に1個
ずつ設けられています。
このノックアウト穴を用いて配線をケース内部に引
き込み、マイクスイッチの上部にある所定のねじ端
子(R、B、W符号付)に接続します。
● 形TY6800Z
形TTY6800Z端子
図13 冷却2段制御結線例
温度上昇により、 端子R-W 間 :閉
端子R-B 間 :開
*
W1
は、ねじ端子を表します。
図9 スイッチ構成
形TY6800Z端子
形TTY6800Z端子
図10 冷却制御結線例
図14 加熱2段制御結線例
形TY6800Z端子
図11 加熱制御結線例
9
AI-6600
■設
定
重要!! • 動作すき間の設定は、熱負荷に応じ、ハンチングを起こさないように設定してください。
動作頻度が著しいと故障の原因になります。
• 動作すき間の設定は、広げ過ぎず適度に動作するように設定してください。
接点の故障の原因になります。
温度設定と動作すき間調節を行います。
● 動作すき間 (形TY6800Z)
動作すき間可変ダイヤルを回転させて、動作すき間設定温度目盛をV形切り溝に合わせることにより、動作す
き間の設定を行います。
出荷時に動作すき間は、最小(2℃)に設定されています。可変ダイヤルを時計方向(CW)に回すと、動作すき間
が大きくなります(最大6℃)。
図15 動作すき間の設定(形TY6800Z)
● スイッチ間の段間すき間 (形TTY6800Z)
ドライバの先端を段間調整ねじ組立の切り溝に引っ掛けて回転させることにより、段間すき間の設定を行います。
出荷時にスイッチ間の段間すき間は、最小値(1.7℃)に設定されています。反時計方向(CCW)に回すと、段間す
き間は大きくなります。止まったところが最大値(5.6℃)になります。
図16 スイッチ間の段間すき間
10
AI-6600
■動
作
希望温度に一度設定し、装置に電源を入れる(設定の項参照)と、自動運転に入ります。
● 形TY6800Z
図17 設定点と動作すき間の関係 (形TY6800Z)
《冷却制御》
『図10 冷却制御結線例』で冷却装置を配線し、被制御体を-5℃に制御する場合(設定:-5℃、動作すき間:
2℃)を例に、温度調節器(形TY6800Z)の動作を記します。
① 被制御体の温度が上がり設定温度(-5℃)になると、内部スイッチが動作して端子R-W間を閉じ、冷却装置
を運転します。
② 被制御体の温度が下がり設定温度(-5℃)から動作すき間(2℃)を引いた温度(-7℃)になると、内部スイッ
チが動作して端子R-W間を開き、冷却装置を停止します。
③ ①と②の動作が行われ、あらかじめ設定した温度(-5℃)に自動制御します。
図18 冷却制御動作例 (形TY6800Z)
《加熱制御》
『図11 加熱制御結線例』で加熱装置を配線し、被制御体を50℃に制御する場合(設定:50℃、動作すき間:2℃)
を例に、温度調節器(形TY6800Z)の動作を記します
① 被制御体の温度が下がり設定温度(50℃)から動作すき間(2℃)を引いた温度(48℃)になると、内部スイッチ
が動作して端子R-B間を閉じ、加熱装置を運転します。
② 被制御体の温度が上がり設定温度(50℃)になると、内部スイッチが動作して端子R-B間を開き、加熱装置を
停止します。
③ ①と②の動作が行われ、あらかじめ設定した温度(50℃)に自動制御します。
図19 加熱制御動作例 (形TY6800Z)
(注) 冷却装置のコンプレッサ・モータ、電磁弁と加熱装置のヒータ、電磁弁の運転サイクル数が非常に多い場合(運転、停止の時間が非常に
短くなる装置)は、形TY6800Z内部の動作すき間可変ダイヤルを回して、動作すき間をより大きくし調節してください。
11
AI-6600
● 形TTY6800Z
『図20 設定点と動作すき間の関係 (形TTY6800Z)』に示すように、各スイッチの動作すき間は、1.7℃固定です。
設定点は、No.1スイッチ(右側)の上端にあります。スイッチ間の段間すき間は、約1.7~5.6℃の範囲の任意の
値に調節できます。
図20 設定点と動作すき間の関係 (形TTY6800Z)
《冷却2段制御》
『図13 冷却2段制御結線例』で冷却装置2台を配線し、被制御体を-10℃に制御する場合(設定:-10℃、動作
すき間:1.7℃、断間すき間:3℃)を例に、温度調節器(形TTY6800Z)の動作を記します。
① 被制御体の温度が上がり設定温度(-10℃)になると、No.1スイッチが動作して端子R1-W1間を閉じ、No.1
冷却装置を運転します。
② No.1冷却装置の運転により被制御体の温度が下がり設定温度(-10℃)から動作すき間(1.7℃)を引いた温度
(-11.7℃)になると、No.1スイッチが動作して端子R1-W1間が開き、No.1冷却装置を停止します。
③ No.1冷却装置を運転しても被制御体の温度が上がり続けるときは、設定温度(-10℃)にスイッチ間の段間
すき間(3℃)を加えた温度(-7℃)になると、No.2スイッチが動作して端子R2-W2間を閉じ、No.2冷却装置
を運転します。
④ No.1冷却装置とNo.2冷却装置の連続運転により被制御体の温度が下がり、No.2スイッチの動作した温度か
ら動作すき間(1.7℃)を引いた温度(-8.7℃)になると、No.2冷却装置を停止します。
No.1冷却装置のみの運転になります。
⑤ さらに被制御体の温度が下がり、設定温度(-10℃)から動作すき間を引いた温度(-11.7℃)になると、No.1
冷却装置を停止します。
⑥ 再び温度が上がったときは、①の動作が自動的に行われます。
図21 冷却2段制御動作例
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《加熱2段制御》
『図14 加熱2段制御結線例』で加熱装置2台を配線し、被制御体を50℃に制御する場合(設定:50℃、動作すき
間:1.7℃、断間すき間:3℃)を例に、温度調節器(形TTY6800Z)の動作を記します。
① 被制御体の温度が下がり設定温度(50℃)にスイッチ間の段間すき間(3℃)を加えた温度(53℃)から動作すき
間(1.7℃)を差し引いた温度(51℃)になると、No.2スイッチが動作して端子R2-W2間を閉じ、No.1加熱装置
を運転します。
② No.1加熱装置の運転により被制御体の温度が上がり設定温度(50℃)に断間すき間(3℃)を加えた温度(53℃)
になると、No.2スイッチが動作して端子R2-W2間が開き、No.1加熱装置を停止します。
③ No.1加熱装置を運転しても被制御体の温度が下がり続けるときは、設定温度(50℃)から動作すき間(1.7℃)
を引いた温度(48.3℃)になると、No.1スイッチが動作して端子R1-W1間を閉じ、No.2加熱装置を運転しま
す。
④ No.1加熱装置とNo.2加熱装置の連続運転により被制御体の温度が上がり設定温度(50℃)になると、No.1ス
イッチが動作して端子R1-W1間を開き、No.2加熱装置を停止します。
No.1加熱装置のみの運転になります。
⑤ さらに被制御体の温度が上がり、設定温度(50℃)にスイッチ間の段間すき間(3℃)を加えた温度(53℃)にな
ると、No.1加熱装置を停止します。
⑥ 再び温度が下がったときは、①の動作が自動的に行われます。
図22 暖房2段制御動作例
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● 機器の動作点検
重要!! • 検出部の応答遅れにより見かけ上動作すき間が大きくなる場合があります。
必要に応じて設置位置を見直すなど、検出部の応答遅れのないようにしてください。
(1)
(2)
(3)
(4)
■保
操作用電源をONにします。
設定ノブを設定温度に合わせます。
制御対象機器が正常に運転、停止することを確認します。
使用時まで操作電源をOFFにします。
守
 警

告
配線・保守などの作業は、本製品への電源を切った状態で行ってください。
感電の恐れや故障の原因になります。
保守・点検の周期は、本製品が設置されている周囲条件や使用頻度などを考慮して決めてください。
時々使用するような場合は、使用の都度、直前に動作点検を行うことをお勧めします。
なお、保守・点検は、次の手順で行ってください。
(1) 感温体や導管(キャピラリ)に付着したちりやほこりを、やわらかい布、または歯ブラシなどで清掃し、感
温体が空気や水に十分触れるようにします。
(2) 感温体や導管(キャピラリ)の変形、潰れ、破損などがないかを点検します。
(3) マイクロスイッチの端子とその周辺と設定ノブを手順(1)と同様に清掃します。
(4) 電線の絶縁性を点検します。
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2014年9月
改訂2.0版
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