EZchip社 - Synopsys

Success Story
シノプシス & EZchip
EZchip 社、シノプシス DesignWare ARC 770D プロセッサを用いて
C プログラマブルな NPS-400 ネットワーク・プロセッサを開発
ARC プロセッサは独自命令による拡張が可能なため、
市場で実績のある当社の TOP コアのパフォーマンスを維持したまま、
C プログラミング環境による開発効率向上を達成できました。
これは今回のデザインの核心的な要件の 1つであり、
これを実現できたのはひとえに ARC プロセッサの柔軟性によるものです。
EZchip 社
NPS プロジェクト担当ディレクタ
Erez Shaizaf 氏
企業紹介
利点
EZchip 社 は ネットワー ク機 器 向 けの Ethernet
▶ カスタマイズ性と拡 張 性に優 れ た ARC プロ
セッサにより、EZchip 社独自の命令セットを
追加可能
ネットワーク・プロセッサを提供するファブレス
半導体メーカーです。同社が提供するソリューション
は、動 作速 度が 数 Gbps ∼数百 Gbps と多岐に
わたります。これらのネットワーク・プロセッサは、
キャリア、クラウド、データセンター・ネットワーク
のレイヤ 2 ∼ 7 の幅広いアプリケーションに対応
する非常に高い柔軟性とパフォーマンス、豊富な
内蔵機能、電力効率を備え、ネットワーク仮想化、
SDN、NFVに基づく新時代のスケーラブルなアーキ
テクチャを実現します。
課題
▶ 開発スケジュールを厳守すること
▶ パフォーマンスを犠牲にせず C プログラミング
と Linux OS に対応すること
▶ 特殊なコンフィギュレーションでプロセッサを
カスタマイズできること
シノプシスのソリューション
▶ DesignWare ARC 770D プロセッサ・コア
▶ DesignWare ARC プロセッサ向け Linux
▶ DesignWare ARC nSIM 命令セット・シミュ
レータ(ISS)
▶ 1GHz のプロセッサ速度の要件を達成
▶ nSIM 命令セット・シミュレータにより、バー
チャル・プラットフォームのモデリングが容易
▶ ARC プロセッサ用 の Linux カーネルと GNU
ツールチェーン、およびシノプシスのサポートに
より Linux ベースの NPU の開発が可能
概要
EZchip 社 の 次 世 代 ネットワ ー ク・プ ロ セッサ
NPS-400 は 400Gbps のワイヤスピード・スルー
プットを発揮するように設計されており、プログ
ラマブルなパケット処理機能とハードウェア・トラ
フィック・マネージャを組み合わせています。マルチ
スレッド化された CPU は C 言語によるプログラ
ミングと Linux 実行に対応しており、高い柔軟性
とプログラミングの容易さを実現しています。この
最適化されたデザインには、256 個のプロセッサ
(各16スレッド)
を集積して合計4Kの仮想処理エン
ジンを実装できるなど、極めて高いデータ・レート
で受信したすべてのパケットへの処理が必要な
高速データプレーン処理にも対応できます。同社
のNPSはデザインの効率が高く、多数のコア、市場
で定評のある同社のハードウェア・トラフィック・
マネージャ、さらにはテーブル参照、DPI、セキュ
リティ処理を効率化する各種アクセラレータまでも
1 チップに統合することに成功しています。
レイヤ 2 ∼ 7 のパケット処理に最適化され、比類ない
パフォーマンスと柔軟性を備えた C プログラマブル
なデータプレーン・プロセッサを開発するという目標
を 達 成 するた め、EZchip 社 は、 仕 様 に 合 わ せ た
カスタマイズが可能で、電力効率に優れたプロセッサ・
ソリューションを必要としていました。シノプシスの
DesignWare ARC プロセッサは仕様要求を完全に
満たした製品を開発する上で必要な機能をすべて揃え
ていると判断し、同社は次世代 NPU の開発に ARC
770D プロセッサを迷わず選択しました。
拡張可能な DesignWare ARC
プロセッサ
従 来 の CPU と NPU に伴う制 約を解消し、 要 求の
厳しいキャリアおよびデータセンター・アプリケーション
向けに高性能で多用途なソリューションを提供する
ため、EZchip 社は独自ロジックによるカスタマイズ
が可能な高性能で小面積なプロセッサ・ソリューション
を必要としていました。 そして大手 CPU プロバイダ
数社のソリューションを評価した結果、同社が選んだ
のがARC 770Dプロセッサでした。決め手となったのは、
電 力 効 率 能(MHz/mW) と面 積 効 率(MHz/mm2)
に優れていること、メモリー管 理ユニット(MMU)
内蔵により Linux をサポートしていること、拡張 性
が 高いことの 3 点で、これによって同社は開発スケ
ジュールを厳守しながら目標どおりの製品を開発する
ことに成功しました。
また、ARC 770D プロセッサはバーチャル・プラット
フォームで ARC nSIM 命令セット・シミュレータを
利用でき、実チップ完成前に NPS-400 NPU のモデル
を顧客に提供することもできました。
EZchip 社がシノプシスを選んだのは、包括的な製品
とサービスの 提 供に加え、顧 客 の 仕 様 要求にきめ
細かく応じたプロセッサを提供する開発体制など、ワン
ストップですべてのニーズが満たされるためでした。
今回、 EZchip 社のマルチコア・デザインでは高い
パフォーマンスが要求されたため、シノプシスは面積
を抑えつつ 1GHzでの動作を可能にした ARC 770D
プロセッサを提供しました。
また、ARC 770D プロセッサ の 拡 張 性 を 活 かして
EZchip 社はレガシーの TOP プロセッサと同じパケット
処理用の特殊命令、特殊レジスタ、特殊機能ユニット
を追加し、TOP プロセッサ・コアの優れたパフォーマ
ンスを維持することにも成功しています。
Linux のサポート
EZchip 社 が 希 望して い た の は、 C 言 語 で 簡 単 に
プログラミングが行え、
なおかつ従来の NPU のような
コ ード・サイズの 制 約 なしに Linux を 実 行 で きる
ソリューションを顧客に提供することでした。その点、
ARC 770D プ ロ セッ サ に は 改 良 型 MMU や Linux
アクセラレーション・パッケージなど、 Linux への
サポートが万全であることが採用の大きな理由となり
ました。ARC Linux ソリューションはすでにいくつかの
企業の SoC への採用実績があり、この強力な基盤に
基づいて EZchip 社とシノプシスの Linux 専門チーム
が 緊 密 な 協 業 を 進 めることで、EZchip 社 の NPU
およびシンメトリック・マルチプロセッシング(SMP)
をサポートした Linux カーネルを開発するとともに、
Ethernet や UART などのバーチャル・ペリフェラル
を完備した ARC nSIM ベースのバーチャル・プラット
フォームを用いて機能検証を行いました。完全な Linux
開 発 環 境 の 中 で Linux ベ ースのアプリケーション・
ソフトウェアを利用することにより、400Gbps という
高い性能を維持しつつ Linux 環境でのプログラミングと
デバッグもサポートした複雑なネットワーク・プロセッサ
を短期間のうちに開発することに成功しました。
EZchip 社は、1 つのプラットフォームで複数の派生
チップを開発できるよう、今後 10 年にわたって開発を
サポートしてくれることを条件にベンダ選びを慎重に
進めてきました。今回、DesignWare ARC コアを
短期間でデザインに統合して満足のゆく結果を手に
したEZchip社は、今後のデザインにもARCプロセッサ
を引き続き採用していく考えです。
NPS-400ネットワーク・プロセッサの設計では、面積を抑えて
高いパフォーマンスと柔軟性、プログラミングの容易さを実現するという
仕様要求を完全に満たすことができましたが、これにはARC 770Dプロセッサの
拡張性、そしてLinux実装とモデリング作業におけるシノプシス社の
積極的な協業体制が重要な役割を果たしました。
EZchip 社
NPS プロジェクト担当ディレクタタ
Erez Shaizaf 氏
日本シノプシス合同会社
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05/14.RP.CS284.