(2014年11月25日予定)について - 建築研究所

資料1
長周期・長時間地震動の予測の
ためのデジタルデータの公開
(2014年11月25日予定)について
(問合わせ)
構造研究グループ
Tel
E-mail
小山
信
029-864-6761
[email protected]
長周期地震動とは
端緒
2003年十勝沖地震
苫小牧市でのタンク火災
2013年東北地方太平洋沖地震
超高層建物の長時間震動、等
長周期・長時間地震動が顕在化
特徴・影響
長周期・長時間地震動とは
a)大都市が発達する堆積平野で卓越する
b)地震動の継続時間が長い
c)超高層建築物や免震建築物が共振し、過大な
変形と多数回の繰返し振動が生じる
南海トラフ巨大地震発生の切迫性が言われている
今日、長周期・長時間地震動に対する超高層建築
物や免震建築物の対策の必要性が高まっている
例:内閣府は南海トラフ巨大地震対策に資する震
度分布、津波高等及び被害想定を行っている
・免震建築物:免震装置周辺の部材破
損や脱落、鉛ダンパー表面の亀裂や
鋼材ダンパーロッド部表面の塗装の
剥がれ、残留変形が見られた
・超高層建物:遠方まで到達した地震
動により、大阪府咲洲庁舎(鉄骨造55
階、256m)では、大きな変位(最大
154cm)が生じた
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建研の取り組みと成果
縮小20層建物試験体の震
動実験(RC造)
鉛ダンパーの二方向加振実験
(破断後の様子)
• RC造 建物損傷に至る変形性能に関する知見を得た
• 免震 長周期・長時間揺すられることで
免震装置の変形が大きくなること
が確認された(限界性能の把握)
• 観測データに基づく観測点固有の
揺れやすさ(地盤増幅率/サイト係
数)の算定
• 深部地下構造に起因する卓越周期を
考慮した任意地点での係数の算定法
果
柱-梁接合部の変形性能評価法の妥当性
が確認された
超高層設計用地震動と
対策試案提案波
成
• S造
取り組み
【入力地震動に関する研究開発】
観測データに基づいた
長周期地震動予測方法の開発
【建物の柱・梁等への影響に関する研究開発】
安全性・機能性等保有性能の把握、
応答解析の高度化(実大実験)
• 東日本大震災の強震データを用いた予測
手法を改良した
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開発した長周期地震動予測手法の特徴
特徴
1)地震記録に基づいた予測手法
⇒建築物に影響を及ぼす地震波の周期範囲(短~長周期)をカバー
2)地震の規模(マグニチュード)、震源からの距離、揺れやすさ(サイト係数)より
地震動の大きさと特徴を予測する
⇒任意地点の揺れやすさ(地震動の大きさや時間)の評価が可能
⇒サイト波*1としての適用が可能
*1サイト波:
建設地周辺における活断層
分布、断層破壊モデル、過
去の地震活動、地盤構造等
に基づいて作成される
設計で用いる模擬地震波
サ
イ
ト
係
数
浅部地下構造
震源
モーメントマグニチュード(Mw)
地震モーメント(M0)
×
断層面
深部地下構造
振幅特性を評価
log10Sa(T)=a1(T)Mw+a2(T)Mw2+b(T)R-log10(Rp(T)+d(T)100.5Mw)+c(T)+cj(T)
位相特性を評価
Y(f)=A(f)M01/3+B(f)X+Cj(f)
緑字の係数をウェブで公開
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予測手法の係数公開、波形例公開
今般、
予測に必要な係数と、
代表的地点(31地点)における南海トラフ巨大地震の予測波形を
建研ウェブサイトに公開
⇒ 建設地点(任意)の長周期地震動を設計者が予測評価できるようになる
長周期地震動の予測手法 ポータルサイト
(http://smo.kenken.go.jp/long/)
予測波形の公開
(http://smo.kenken.go.jp/long/long147.html)
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今後の展開/計画
• 予測波形の比較・検証
⇒内閣府が検討中の南海トラフ巨大地震、首都直下地震
の長周期地震動シミュレーション結果と比較して、予測
された長周期地震動の妥当性を確認する
• 適用対象の拡充
⇒内閣府等の検討を踏まえ、対象とする地震を拡充する
• 予測精度の向上
⇒地震記録の蓄積に応じて各種係数の更新を計る
• 公開ウェブサイトの使いやすさの向上
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