Oracle Solaris ZFS - スケーラブルなデータ管理 (PDF)

Oracle Solaris ZFS:
スケーラブルなデータ管理
Oracle Solaris ZFS は、簡素化され、セキュアかつスケーラブルにデー
タを管理できるようにすることを目的に 1 から設計された汎用ファイ
ル・システムで、デスクトップからデータセンターにまで対応します。
おもな機能
将来性が保証されたファイル・システム
より安全で優れたデータ管理方法
Oracle Solaris ZFS は、ファイル・システム管理機能とボリューム管理機能を
効果的に統合し、画期的なアプローチでデータ整合性を確保することで、デー
タ管理の簡素化を飛躍的に進歩させました。
 進歩し、簡素化された管理
 256 ビットのチェックサムによる盤石
のデータ整合性
 組込み圧縮機能によるストレージ管理
 統合型データ・サービス:暗号化、圧
縮、重複排除、スナップショットおよ
びクローニング
 FC、NFS、SMB、iSCSI をはじめとする柔
軟なデータ共有プロトコル
 OpenStack の CINDER
(ブロック)
と SWIFT
(オブジェクト)のサポート
 Oracle Solaris の仮想化機能とのシー
ムレスな統合
Oracle Solaris ZFS では、ストレージ・プールにストレージ・デバイスが集約
されるプール・ストレージ・モデルを採用しています。プール内のストレージ
はすべて、ストレージ・プール内のファイル・システムによって使用されます。
サービスを中断せずに、物理ストレージ・デバイスをストレージ・プールに動
的に追加できるため、新しいレベルの柔軟性、可用性、パフォーマンスを実現
できます。
ZFS では実質的に、ファイル、ディレクトリ、およびファイル・システムの数、
あるいは対応できる物理ストレージの量に上限がありません。
 高速 SSD にアプリケーション・データを配置することで、ファイル・システ
おもな利点
 ZFS の冗長機能の使用によりストレー
ジの複雑さが軽減
 ZFS の圧縮機能によりストレージ・フッ
トプリントが 3 分の 1 に減少
 SPARC ハードウェア上では ZFS の暗号化
処理速度が 3 倍
ムのパフォーマンスを向上
 電力、冷却、および維持管理を 3 分の 1 にして、より高速でより環境に優し
いソリューションを実現
管理の簡素化
ZFS の管理は極めて容易です。その理由は、設計が洗練され、実際に必要な容
量のみを共通のストレージ・プールからファイル・システムに割り当てること
ができるようになったため、従来のボリュームが不要になり、
ストレージのパー
ティショニング、プロビジョニング、孤立化といった付随する問題がなくなっ
たことにあります。
ZFS は Oracle Solaris 11 のデフォルト・ファイル・システムであり、それゆ
え、インストール、仮想化、セキュリティ、およびシステムのクローニングと
リカバリの基盤となっています。次に例を示します。
 ZFS のブート環境を保存でき、更新が失敗した場合はロールバックすること
もできます。
 クラウド・アプリケーション環境も開発環境、テスト環境、および本番環境
にレプリケートできます。
 レプリケートしたクラウド開発環境またはテスト環境は、本番環境に容易に
デプロイでき、必要に応じてロールバックできます。
ZFS は Oracle ZFS Storage Appliance の基盤でもあります。つまり、Oracle
Solaris サーバーにもストレージにも簡素化と信頼性がもたらされるということ
です。
ZFS のデータ・セキュリティ
重要なビジネス・データや顧客データは、ZFS の暗号化を使用して保護します。
マルチテナント・データは、ZFS の読取り専用ファイル・システムを使用して
ロック・ダウンします。クラウドのテナントに一部の権限を委譲し、ZFS のス
ナップショットとクローニングを実行できるため、アプリケーション所有者は
Oracle Solaris ZFS ファイル・システムをクラウド環境にすばやくデプロイし
て構成することが容易になる一方、マルチテナント全体のセキュリティと整合
性は引き続き保護されます。
コストと複雑さの軽減
Oracle Solaris ZFS は、次に示す複数の方法でコストを削減します。
 組込みの圧縮機能でストレージ容量を効率的に削減します。
 ボリューム・マネージャなどの追加ソフトウェアが不要になるため、ライセ
ンス・コストがかかりません。
 すべての管理タスクをオンラインで実行できるため、管理が大幅に軽減され
ます。
 ZFS は個別の保守契約が不要です。そのため、サポートに関する問題が大幅
に簡素化されます。1 つの問合せ窓口と 1 つの保守契約で、アプリケーショ
ンからストレージ・リソースまでの間にあるすべてのソフトウェア・レイ
ヤーがカバーされます。
 ZFS の冗長化機能にはコスト削減効果があり、これは、高価なハードウェア
RAID アレイを使わずにデータを冗長化する方法、またはノンブランドのス
トレージを無秩序に増大させずに効率的なクラウド・ストレージを構築する
方法で実現します。
盤石のデータ整合性
関連製品
Oracle Solaris と一緒に次の製品を使用
することを推奨します。
 Oracle Solaris Cluster HA
 Oracle Enterprise Manager
Center Management Suite
–
Ops
 Oracle Solaris Studio コンパイラ
Oracle Solaris ZFS では、Copy-On-Write テクノロジーとエンド・ツー・エンドの
チェックサムを組み合わせて使用します。データは必ずディスク上の新しいブロッ
クに書き込まれ、その後、データを指すポインタが変更され、書込みがコミットさ
れます。Copy-On-Write を使用すると、一貫性バックアップを取得したり、ある時
点にデータをロールバックしたりすることもできます。
 Oracle Premier Support for Systems
Oracle Solaris ZFS はデータの正確さを保証するために絶えずデータの読取りと
チェックを行い、ミラー化プール内でエラーを検出すると、破損データを自動的に
修復します。可用性を維持するためにこのように常時警戒することで、多くのコス
トと時間を消費するデータ損失や、事前に検出できず発見されにくいデータ破損も
防ぎます。
 Oracle Premier Support for Operating
Systems
統合型データ・サービス
関連サービス
Oracle Solaris について、オラクルは次の
サポート・オプションを提供しています。
 Oracle Solaris Premier Subscription
for Non-Oracle Hardware
Oracle Solaris ZFS は、データの暗号化、重複排除、圧縮、ファイル・システムの
スナップショットおよびクローニング機能を備えています。つまり、追加コストを
かけずに要件に基づいてデータの特性を容易に決定できるということです。ZFS は、
FC、NFS、iSCSI、SMB などの柔軟なデータ共有サービスを Oracle Solaris 11 に提
供します。
2 | ORACLE SOLARIS 11 – ENGINEERED FOR CLOUD
エンタープライズ OpenStack の統合
OpenStack は、クラウド管理インフラストラクチャを提供する、広く支持されてい
るオープンソース・プロジェクトです。Oracle Solaris 11.2 には完全な OpenStack
ディストリビューションが統合されています。OpenStack の CINDER(ブロック・ス
トレージ)インタフェースまたは SWIFT(オブジェクト・ストレージ)インタフェー
スを使用して ZFS 上にクラウド・ストレージを構築できるため、ZFS の優れた機能
がクラウド・ストレージの簡素化、セキュリティ、およびスケーラビリティに生か
されます。
ZFS の統合型機能のほかに、妥協なき仮想化機能、ライフ・サイクル管理機能、お
よびセキュリティ機能が装備されているため、クラウドからすべての仮想化環境も
含めたファームウェアに至るまですべてが 1 クリックで更新され、必要に応じて
フェイルセーフの完全ロールバックを実行することもできます。
スケーラブルなパフォーマンス
アプリケーションからハードウェアまでのコード・パスが ZFS のアーキテクチャに
よって最適化および簡素化されるため、抜群のスピードのスループットが持続しま
す。ブロック割当てアルゴリズムが新しくなり、従来のアルゴリズムでは多数の小
規模なランダム書込みになっていたものが 1 つの順次操作に集約されて効率化され
ることで、書込み操作が高速化します。
互換性
業界に変化をもたらす Oracle Solaris ZFS の各種機能は、アプリケーションを変更
したり修正したりしなくても利用できます。ZFS のインタフェースは一般的な POSIX
であるため、何も変更しなくても既存のストレージ・インフラストラクチャ(デバ
イス・ドライバ、ストレージ・ファブリック、およびデバイス)が動作します。ブ
ロック・デバイス上で直接操作したほうがよいアプリケーション向けには、ボリュー
ム・エミュレータが用意されています。これにより、トランザクションの整合性と
チェックサムによるメリットをすべて享受できます。
Oracle Solaris ZFS は Solaris 10 と Solaris 11 の両方のリリースでサポートされ
ており、機能セットはほぼ同じです。
 すべての ZFS ファイル・システム上のビジネス・インフラストラクチャを制
御ドメインと論理ドメイン、または Oracle Solaris 大域ゾーンと非大域ゾー
ンに統合します。
 UFS やほかのレガシー・ファイル・システムのデータを、シャドウ・マイグレー
ションを使用して Oracle Solaris ZFS に容易に移行できます。
結論
データのセキュリティと整合性を確保し、統合型データ・サービスを備え、管理を
簡素化する Oracle Solaris ZFS は、要件の厳しいアプリケーション・インフラスト
ラクチャやクラウド・インフラストラクチャのストレージ管理およびデータ管理の
簡素化に今すぐ役立つだけでなく、将来にわたり役立ちます。
追加情報
Oracle Solaris 11.2 について詳しくは、
http://www.oracle.com/jp/products/servers-storage/solaris/solaris11/ov
erview/index.html を参照してください。
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