BD バイオコートTM フルオロブロックTM インベージョンシステム 用途 BD バイオコート フルオロブロック インベージョンシステムは、In 製品内容 ● Vitroにおける細胞の浸潤性研究に適した環境を提供します。本シ 番号: 354165) の1プレートパックには、BD ファルコン 24ウェル ステムは、腫瘍細胞の転移、ECM(細胞外基質) 成分や抗腫瘍性 プレート (スタンダード、フタ付き) にBD マトリゲル マトリックス基底 薬剤による転移抑制、転移細胞表面タンパク質の発現変化、線維 膜がコーティングしてあるBD ファルコン フルオロブロック 24マル 芽細胞のような正常細胞の浸潤などの研究に使用できます。BD バイオコート フルオロブロック インベージョンシステムは、BD バイオ BD バイオコート フルオロブロック インベージョンシステム (カタログ チウェルインサートプレート (ポアサイズ 8 µm) 1枚が入っています。 ● コート マトリゲルTM インベージョン チャンバーと蛍光を遮断するBD BD バイオコート フルオロブロック インベージョンシステム (カタログ 番号: 354166) の5プレートパックには、BD ファルコン 24ウェル ファルコンTM HTS フルオロブロック 24マルチウェル インサートシステ プレート (スタンダード、フタ付き) にBD マトリゲル マトリックス基底 ムの長所を組み合わせたシステムです。従って、蛍光プレートリー 膜がコーティングしてあるBD ファルコン フルオロブロック 24マル ダーを使用することにより、腫瘍細胞浸潤や抗転移薬剤のスクリー チウェル インサートプレート (ポアサイズ 8 µm)5枚が入ってい ニング処理能力が高まり、迅速なデータ収集が可能となります。ま ます。 た、本システムは、BD マトリゲル マトリックスを8 µmポアサイズメン ブレンのBD ファルコン フルオロブロック*24マルチウェルインサート 本製品に含まれていない必要材料 に均一にコートしています。マトリゲル マトリックスの均一な層は、再 ● DMEM(無血清) のような重炭酸をベースにした培地 構成基底膜として、In Vitroで非浸潤性細胞にはバリアとなり、浸 ● リン酸緩衝液 (PBS) 潤性研究には適切なタンパク成分となっています。マトリゲルのコー ● ハンクス液 (HBSS) ティング処理**は、メンブレンのポアを塞ぎ非浸潤性細胞がメンブ ● 5%ウシ胎児血清のような化学誘引物質 レンを移動するのを防ぎますが、浸潤細胞 (悪性、非悪性細胞) は、 ● BD ファルコン フルオロブロック 24マルチウェルインサートシステム マトリゲル マトリックス処理されたメンブレンにとどまることなく移動し (細胞移動コントロール用、 カタログ番号:351157 1プレート入り、 またはカタログ番号:351158 5プレート入り) ます。浸潤した細胞の定量は、蛍光色素で浸潤前または浸潤後に 標識し、浸潤した蛍光標識細胞の蛍光強度を測定します。フルオ ● ログ番号:351147) ロブロックメンブレンは、波長490∼700 nmの蛍光が通過するのを 効果的 (効率>99%) にブロックするため、マトリゲルに浸潤しなかっ ● 加湿培養インキュベータ、37℃、5%CO2 た蛍光標識細胞やフルオロブロックメンブレンを通過しなかった細 ● 励起波長および蛍光測定波長が490∼700 nm内にある蛍光色 素(Calcein AM、またはDiI、 Molecular Probes、Eugene、 胞は検出されません。しかし、フルオロブロックメンブレンの下側に Oregon) 移動した細胞は蛍光プレートリーダーにより検出されます。浸潤細胞 からの蛍光シグナルは、浸潤した細胞数に直接相関しています。 ● HT1080、NIH 3T3(ATCC) 等の細胞 BD バイオコートフルオロブロック インベージョンシステムは、プレート ● クリーンベンチ の洗浄、面倒な細胞の除去や細胞数計算等の手作業を必要とせ ● プレート下面からの測定が可能なボトムリーディング型蛍光プ ず、腫瘍細胞の浸潤をリアルタイムで検出できる、信頼性のおける、 レートリーダー (PE Biosystems CytoFluor ® 4000、Wallac 統合された自動操作対応システムです。24個のインサートを一体化 Victor2、PerkinElmer HTS7000、Tecan SpectrafluorPlus されたユニットとして同時に処理できます。各システムには、抗転移 Moleculer Devices FLEXstation、Labsystems Fluoroskan 候補薬剤の自動スクリーニングに適したマトリゲル コーティングのフ Ascent等) ルオロブロック 24マルチウェル セルカルチャーインサートが含まれて 注意: メンブレンを通過した標識細胞および生体分子を検出するには励起&測定波長をプ レートの下部から測定できるプレートリーダーが必要です。測定にはファルコン 24ウェルプ レート用のソフトウェアを使用してください。フルオロブロック 24マルチウェルインサートメ ンブレンの中心は24ウェルプレートの中心よりもアクセスポートから反対側に1.1 mmずれて 位置しています。最高感度を得るために、蛍光プレートリーダーが24マルチウェルインサート の1.1 mmオフセットで測定できるように設定してください。 います。 * U.S. 特許 5,601,997 使用説明書 **U.S. 特許申請中 244 細胞浸潤後標識に使用するBD ファルコン24ウェルプレート (カタ 本製品は研究以外の目的には使用しないでください。 注意事項 a. 保存:製品はオリジナル包装のまま-20℃で保存してください。 b. 全作業は無菌下で行なってください。 2.5 BD バイオコートTM フルオロブロック インベージョンシステムお 使用方法 TM BD フルオロブロック インベージョンシステムは、ヒト線維肉腫細胞 株 (HT1080) の浸潤性、およびマウス線維芽細胞株 (3T3) の低浸 よびフルオロブロック コントロールインサートプレートを20∼22 時間、37℃、5%CO2環境下でインキュべートします。 潤性について評価され、最適化されています。細胞浸潤の定量は、 浸潤前または後でDilやCalcein AM等で浸潤細胞を蛍光標識し、 3.0 細胞浸潤測定 ― 細胞浸潤後のCalcein AM標識 蛍光強度を測定します。下記の細胞標識方法とアッセイ条件は、 3.1 インキュベーション後、静かに上部チャンバーから培地を捨て 細胞標識の蛍光強度が最大になり、しかもHT1080細胞や3T3細 胞への蛍光色素による細胞毒性が最小となるように最適化されて います。結果は細胞の種類、染色試薬、また実験条件 ―特に培 地、染色試薬の濃度、インキュベーション時間、細胞播種濃度、化 学誘引物質― に左右されますので、それぞれの研究内容に適し た条件を確立してください。 注意: フルオレセイン、ローダミン、シアニン系の蛍光染色試薬なども細胞標識に使用できます。 適合性のある蛍光色素のリストが当社のホームページ上に記載されていますのでご参照くださ い。 ホームページアドレス: www.bdj.co.jp/new/falcon 細胞標識の性質上、蛍光色素が細胞膜の流動性に支障をきたしたり、妨害したりする場合があり、 細胞機能や細胞生存率に影響を与える可能性があります。そのため、各細胞種に対して適当な染 色液濃度やインキュベーション時間を設定することをお勧めします。 1.0 調製 1.1 -20℃に保管してあった製品を室温に戻してください。 1.2 あらかじめ37℃に温めてあったPBS 0.5 mLをインサート内側 に加え、37℃、CO2が存在しない環境下で2時間、水和させ てください。これで使用可能な状態となります。 1.3 水和後、メンブレン上のマトリゲルTM マトリックス層を乱さない よう注意しながらインサート内の溶液を除去します。 てください。 3.2 各ウェルに0.5 mLのCalcein AM(4 µg/mL Calcein AMHBSS) が分注された24ウェルプレートにインサートプレートを 移して1時間、37℃、5%CO2下でインキュべートしてください。 3.3 浸潤細胞の蛍光強度は励起/測定波長が485/530 nmであ る下方励起下方測光型蛍光プレートリーダーで測定します。 マトリゲル マトリックスを浸潤後フルオロブロックメンブレンを 通過した標識細胞のみが検出されます。 4.0 浸潤研究 ― 細胞浸潤前DiI標識 注意: インサートに加える前の浸潤前標識細胞は、サンプルを破壊することなく、リアル タイムにおける均一なアッセイを可能にします。各タイムポイントにおけるインサートの 取り外しや破壊をすることなしに、マトリゲル マトリックス、フルオロブロック メンブレン を通過した浸潤細胞移動データをリアルタイムで表示することが可能です。 4.1 フルオロブロック インベージョンシステムのプレートを前述した 方法に従い再水和してください。 注意: 細胞移動コントロール用として使用されるコーティングされていないフルオロブ ロック 24マルチウェル インサートプレートを再水和する必要はありません。 4.2 HT1080細胞、NIH 3T3細胞を10%ウシ胎児血清またはウ シ新生仔血清を含んだDMEMでほぼコンフルエントになるよ 2.0 浸潤研究―細胞浸潤後の標識 Calcein、AM 注意: 以下の作業を行なうことにより、マトリゲル マトリックスを浸潤しフルオロブロッ ク メンブレンを通過した細胞が標識されます。そのため、この浸潤後標識では浸潤細胞 のエンドポイント測定のみが可能となります。細胞移動をリアルタイムに測定する場合は 浸潤前に細胞標識を行なってください (4.0−5.0章参照) 。 2.1 フルオロブロックインベージョンシステムのプレートを上記手順 に従い再水和させ使用可能状態にします。 注意: 細胞移動用コントロールインサートとして使用する、コーティングされていないフ ルオロブロック 24マルチウェル インサートは再水和の必要はありません。 2.2 HT1080細胞およびNIH 3T3細胞が50∼70%コンフルエン トになるように培養します。単層培養細胞をトリプシン処理し、 細胞濃度が5×104 細胞/mLとなるように無血清DMEMで調 整した細胞浮遊液を準備します。多孔性メンブレン表面に接 種する最適細胞密度を決定するために、フラスコ、ディッシュ、 プレートなどの非多孔性表面に使用する接種密度 (細胞/cm2) 域を利用することをお勧めします。例えば現在105 細胞/cm2 いくつか用意してウェルに分注し最適密度を決定します。 2.3 上部チャンバーに0.5 mLのHT1080細胞またはNIH 3T3細 胞細胞浮遊液 (2.5×104細胞/チャンバー) を加えます。 2.4 すぐに化学誘引物質として5%ウシ胎児血清を含んだ培養液 750 µLをサンプルポートから下部チャンバーの各ウェル底に DiI 10 µg/mLで単層細胞を1時間37℃で標識します。 4.3 単層培養細胞をトリプシン処理し、細胞濃度が1×105 細胞/ mLとなるように無血清DMEMで調整した細胞浮遊液を準備 します。多孔性メンブレン表面に接種する最適細胞密度を決 定するために、フラスコ、ディッシュ、プレートなどの非多孔性 表面に使用する接種密度(細胞/cm 2)域を利用することをお 勧めします。例えば現在10 5 細胞/cm 2で接種している場合、 0.5∼5×105 細胞/cm2の異なる濃度をいくつか用意してウェ ルに分注し最適密度を決定します。 4.4 標識したHT1080細胞またはNIH 3T3細胞 (5×104 細胞/上 部チャンバー) 0.5 mLを上部チャンバーに分注してください。 4.5 すぐに 化 学 誘 引 物 質として 5 %ウシ 胎 児 血 清を含 んだ DMEM 750 µLをサンプルポートから下部チャンバーの各 ウェル底に加えます。 4.6 BD バイオコートフルオロブロックインベージョンシステムおよび フルオロブロック コントロールインサートプレートを20∼22時 間、37℃、5%CO2環境下でインキュべートします。 使用説明書 で接種している場合、0.5∼5×105 細胞/cm2の異なる濃度を うに培養します。10%ウシ胎児血清入りDMEMで溶解した 加えます。 245 5.0 浸潤細胞の測定―浸潤前の細胞DiI標識 5.1 インキュベーション後、浸潤細胞の蛍光強度を、使用した蛍 光色素の励起/測定波長(530/590 nm) にあらかじめ設定し てある下方励起下方測光型蛍光プレートリーダーで測定しま す。マトリゲルTM マトリックスを移動しフルオロブロックTM メンブ レンを通過した標識細胞のみが検出されます。 6.0 データ計算 結果の典型例 上記方法に従い、BD バイオコートTM フルオロブロック インベージョ ンシステムによるHT-1080試験細胞とNIH 3T3コントロール細胞で 浸潤アッセイをおこなった場合の典型的な結果を以下に示していま す (20∼22時間アッセイ) 。これらの結果は参考のために示したも のです。実際の結果は、使用する細胞の種類、蛍光色素、化学誘 引物質、アッセイ時間等により異なります。 6.1 データは、マトリゲルがコーティングされたフルオロブロックイン サートを浸潤した細胞の平均蛍光強度(FU) をマトリゲルが コーティングされていないコントロール フルオロブロックイン サートを移動した細胞の平均FUで割って100を掛けたもので 浸潤細胞のFU値 (三重試験) %浸潤 = NIH 3T3 (コントロール細胞) 4592 4439 6010 6015 移動細胞のFU値 (三重試験) 浸潤率 浸潤した細胞の平均FU値 85 6015 3416 3400 73 80 3318 6013 3378 80/3378×100=2.4% S/N比 コントロール フルオロプロックメンブレンを通過した細胞の 82 4915/6013×100=82% 平均 マトリゲルがコーティングされたフルオロブロック メンブレンを 5714 4915 平均 表わされます。 a)%浸潤の計算式: HT-1080 (試験細胞) 4915/80=61.4 平均FU値 ×100 6.2 データは、浸潤したHT1080(試験細胞) のFU値と3T3細胞 (コントロール細胞) のFU値との比率により得られる、シグナル/ 自動操作ガイドライン ノイズ比 (S/N) 比で表すことも可能です。 全インサートは無菌下で取り扱ってください。 a)S/Nの計算式: 自動分注装置を使用される場合は下記事項をお読みください。 S/N = 試験浸潤細胞のFU値(HT1080細胞の浸潤等) 1. ロボットアームが、プレート全体をセットした状態で持ち上げる ことができるように設計されています。フタを上部からの吸引 コントロール浸潤細胞のFU値(3T3細胞の浸潤等) によりインサートプレートとは別に取り外すことが可能です。培 養液の飛散を防止するためにフタが確実にはまるように置い てください。フタに向きの指定はありません。 2. インサートプレートはBD ファルコンTM 24ウェルプレートに、ある 一定方向のみに配置できるように設計されているためウェルの 交差汚染を防ぎます。インサートプレートはどのファルコン 24 ウェルプレートにも適合します。適切にセットするためにイン サートプレートと24ウェルプレート上にあるファルコンのロゴ マークが同じ方向にあることを確認してください。インサートプ レート上のサンプリングポートはファルコン 24ウェルプレートの ノッチのある側と同じ側にあります。 3. ファルコン 24ウェルプレートと併用すれば、標準の200または 使用説明書 1000 µLピペットチップ、または自動分注器のチップを使って、 246 メンブレンの上下でサンプリングが行なえます。上部サンプル ポートはファルコン 24ウェルグリッドにインデックスがついてい ます。 メンブレンインサート製品の使用に関するヒント インサート製品の取り扱いは無菌下で行なってください。細胞に ショックを与えないために、あらかじめ温めた培養液を使用してくだ さい。 インサート内を下部ウェルより先に培養液で満たしてください。イン サート内を先に培養液で満たすことによりインサート下部の気泡の 滞留を防ぎ、インサート下方の培養液からの圧力で細胞やメンブレ BD バイオコート フルオロブロック インベージョンシステムの形状 メンブレンの有効径 6.4 mm インサートの高さ 18 mm インサートの最適培地量 500 µL ポアサイズ 8 µm メンブレンの有効培養領域 0.3 cm2 メンブレンからウェルボトムまでの距離 2.0 mm ウェルの最適培地量 ンコーティングが損傷を受けるのを防ぎます。多孔性メンブレン表面 ポア密度(ポア数/cm2) に接種する最適細胞密度を決定するために、フラスコ、ディッシュ、 U.S.特許5652142, 360698, 5601997, その他製品特許申請中 750 µL 1.0×105 プレートなどの非多孔性表面に使用する接種密度 (細胞/cm2) 域を 利用することをお勧めします。例えば現在105 細胞/cm2 で接種して いる場合、0.5∼5×105 細胞/cm2 の異なる濃度をいくつか用意して ウェルに分注し最適密度を決定します。 安定性 BD バイオコートTM フルオロブロックTM インベージョンシステムは-20℃ に保存した場合には、発送後3ヶ月間安定です。 354165, 354166 注意: 使用説明書 カタログ番号: 研究以外の目的には使用しないでください。 247
© Copyright 2024 ExpyDoc