主要な経済指標の発表予定と予測 - みずほ総合研究所

経済指標解説
2014 年 11 月 28 日
経済調査部
主要な経済指標の発表予定と予測
松浦大将
(12/1~12/5)
[email protected]
【来週の注目材料】※(
03-3591-1435
)内はみずほ総研予想
1日 :7~9月期の法人企業統計調査
:11月の新車販売台数
2日 :10月の毎月勤労統計
5日 :10月の景気動向指数(CI一致指数109.9、CI先行指数103.9)
個人消費は緩やかに回復
本日発表された 10 月の小売業販売額(季節調整値)は前月比▲1.4%(9 月
同+2.8%)と 3 カ月ぶりに減少した。織物・衣服・身の回り品小売業の落ち
込み(同▲8.4%)が下押し要因となった。月前半の 2 度の台風による天候不
順や、9 月に販売が大きく伸びた反動などが影響したとみられる。家計調査の
実質消費支出(全世帯)は前月比+0.9%(9 月同+1.5%)と 2 カ月連続で増
加しており、個人消費は基調としては緩やかに回復している。
2カ月連続の増産
本日発表された 10 月の鉱工業生産指数は前月比+0.2%(9 月同+2.9%)
と 2 カ月連続で上昇した。在庫調整が続いている輸送機械(同▲2.6%)など
が減産した一方、はん用・生産用・業務用機械(同+4.4%)や電気機械(同
+3.2%)がプラスに寄与した。11 月(同+2.3%)、12 月(同+0.4%)とも
に増産計画となっており、生産は緩やかな持ち直しが続く見込みである。
全国コアCPIは前年比
プラス幅が縮小
本日発表された 10 月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、前
年比+2.9%(9 月同+3.0%)と前月から伸びが縮小した。消費増税の影響を
除くベースでは前年比+0.9%と 12 カ月ぶりに 1%を下回った。内訳をみると、
自動車保険料(任意)の伸びが拡大した一方、電気代・ガス代などのエネルギ
ー関連や生鮮食品を除く食料などのプラス寄与が縮小したことが押し下げ要
因となった。原油価格が下落していることや、円安による輸入物価を通じた国
内物価の上昇圧力が徐々にはく落していることから、消費者物価の上昇ペース
は緩やかに鈍化している。
来週は、法人企業統計や景気動向指数が発表される。
1
7~9月期の収益は前年比
増益を維持した模様
12 月 1 日に発表される 7~9 月期の法人企業統計では、製造業・非製造業と
もに前年比増益となる見込みである。製造業では、輸送機械や電気機械の海外
売上好調や円安が増益に寄与したとみられる。非製造業では、訪日外国人観光
客の増加などが収益を下支えした模様だ。また、7~9 月期のGDP2 次速報値
(12/8 発表)の推計材料となる設備投資・在庫投資の計数も注目される。
一致CIは横ばい圏、先行
CIは低下
5 日に発表される 10 月の景気動向指数は、CI一致指数が 109.9(9 月:
109.8)、CI先行指数が 103.9(9 月:105.6)と予測する。耐久消費財出荷な
どが押し下げに寄与する一方、投資財出荷などが押し上げに寄与し、一致CI
はほぼ横ばいになるだろう。先行CIは、消費者マインドや東証株価指数など
大部分の指標が悪化したため、2 カ月ぶりに低下する見込みである。
図表1
経常利益の推移
図表 2
(前年比、%)
30
25
20
15
10
5
0
▲5
▲ 10
▲ 15
▲ 20
景気動向指数の推移
(2010年=100)
非製造業
116
製造業
114
全産業
112
予測値
CI先行指数
110
108
CI一致指数
106
104
102
100
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 (期)
2011
2012
2013
2014
98
12/01
(年)
(注)全規模・全産業(金融・保険業を除く)ベース。
(資料)財務省「法人企業統計」
12/07
13/01
13/07
14/01
14/07
(注) 2014年10月の値はみずほ総合研究所による予測値。
(資料)内閣府「景気動向指数」
執筆担当~ 松浦大将
予測担当~ 景気動向指数:徳田秀信
米国主要経済指標(ダイアリー掲載分):山崎亮
●当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに
基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。
2
(年/月)
【 来週のダイアリー 】
日 付
12/1(月) 日
経 済 指 標 等
予 想
法人企業統計(7~9月期)
経常利益[全産業]
設備投資[全産業](ソフトウェア除く)
前 回
前々回
N.A.
N.A.
4~6月期
+4.5%
+1.9%
1~3月期
+20.2%
+8.3%
50.5
50.8
51.1
50.0
11月速報
50.0
10月確報
50.4
[59.5]
59.0
56.6
N.A.
+0.7%
+0.9%
N.A.
53.8
54.0
HSBCサービスPMI(11月)
N.A.
52.9
53.5
米 非製造業ISM指数(11月)
[59.1]
57.1
58.6
[300千人]
313千人
292千人
先行DI
一致DI
先行CI
一致CI
[22.2%]
[60.0%]
[103.9]
[109.9]
40.0%
70.0%
105.6
109.8
50.0%
20.0%
104.4
108.3
雇用統計(11月)
失業率
非農業部門雇用者数
前月差
時間当たり賃金(全従業員ベース) 前月比
[5.7%]
[235千人]
[+0.2%]
5.8%
+214千人
+0.1%
5.9%
+256千人
±0.0%
財・サ収支
▲410億㌦
▲430億㌦
▲400億㌦
前年比
前年比
中 製造業PMI(11月)
HSBC製造業PMI(11月確報)
米 製造業ISM指数(11月)
12/2(火) 日 毎月勤労統計(10月速報)
名目賃金
前年比
10年利付国債入札
12/3(水) 中 非製造業PMI(11月)
ベージュブック(地区連銀経済報告)
伯 金融政策決定会合(2・3日)
12/4(木) 米 失業保険新規申請件数(~11/29)
欧 ECB政策理事会
英 英中銀金融政策委員会(3・4日)
12/5(金) 日
景気動向指数(10月速報)
米
貿易収支(10月)
予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、中:中国、伯:ブラジル
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