プラスチックフィルム・シート市場を調査

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PRESS RELEASE
第14095号
株式会社 富士キメラ総研
2014年12月15日
〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町
12-5 小伝馬町YSビル
TEL.03-3664-5839 FAX.03-3661-1414
http://www.group.fuji-keizai.co.jp/
http://www.fcr.co.jp/
広報部 03-3664-5697
プラスチックフィルム・シート市場を調査
―2018年プラスチックフィルム・シート市場予測(2013年比)―
●国内市場は1兆7,540億円(5.9%増)−PMMAの偏光板保護フィルムとしての採用が加速
●世界市場は4兆9,534億円(16.0%増)
−自動車、太陽電池などに使われるエンプラフィルムを中心に市場が拡大
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 田中 一志
03-3664-5839)は、食品容器・包装、エレクトロニクス・電子材料、自動車、環境・エネルギー、農業、建材、メ
ディカル・ライフサイエンスなどで幅広く使用されているプラスチックフィルム・シートの市場について調査した。
その結果を報告書「2014年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、汎用樹脂フィルム18品目、エンプラフィルム16品目、スーパーエンプラフィルム6品目、シ
ート6品目、その他6品目、合計52品目を対象に国内市場※1および世界市場※2について調査・分析するとと
もに、新規用途や注目成長分野の動向、技術開発のトレンドなどをまとめ、今後の方向性を明確にした。
※1:国内市場は52品目中49品目を対象とするが、内PCシートと合成紙は国内市場+輸出で算出している。
※2:世界市場は52品目中主要30品目を対象とする。
<調査結果の概要>
●プラスチックフィルム・シートの国内市場※1
2014年見込
2013年比
2018年予測
2013年比
1兆6,847億円
101.7%
1兆7,540億円
105.9%
2014年の市場は、原料高騰による値上げがあり、前年比1.7%増の1兆6,847億円が見込まれる。需要
は、ほぼ横ばいで今後もこの傾向は続くとみられる。
汎用樹脂フィルム領域は、成長率が低いが、LCDなどのディスプレイに採用される無延伸PVAフィルムやP
MMAフィルムの伸びは高い。特に、PMMAフィルムは、TACフィルムからの置き換えにより偏光板保護フィ
ルムとしての採用が加速するとみられる。包材としては、環境への意識の高まりから詰め替え容器向けの需要の増
加がみられる。また、真空断熱材向けとしても需要が増加しており、冷蔵庫だけでなく、自動販売機の省エネにも
貢献している。
エンプラフィルムやスーパーエンプラフィルム領域では、
LCD関連とリチウムイオン電池関連向けの需要が伸
びている。また、フッ素系フィルムなどは、スタジアムの屋根膜やオフィスビル防音壁などの建築用途において需
要の増加が期待されている。
シート領域では、A-PETシートの伸びが顕著である。A-PETシートは、原料高騰が続くOPSシートの需
要を獲得しているほか、コンビニエンスストアなどのカウンターコーヒー容器向けで需要が増加している。
●プラスチックフィルム・シートの世界市場※2
2014年見込
2013年比
2018年予測
2013年比
4兆4,033億円
103.1%
4兆9,534億円
116.0%
2014年の市場は、前年比3.1%増の4兆4,033億円が見込まれる。2011年から2013年まで年率
5∼6%で伸びてきた。今後も拡大が期待され、2018年には4兆9,534億円になると予測される。
数量ベースでは2014年に1,093万トンが見込まれる。PPフィルムとPETフィルムが8割以上を占め
る。包材用の汎用フィルムとして世界中で採用されており、需要が多い。今後需要が増加する用途としては、光学
フィルム、自動車、太陽電池関連などがある。これらの用途に使われるのはエンプラフィルム領域が中心となって
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いる。
品目別にみると伸びているのは、耐熱透明フィルムである。軽量化やフレキシブル化の付与という特徴があり、
太陽電池や電子ペーパー、有機ELなどのディスプレイ基板材料として近年採用が拡大している。PMMAフィル
ムは、偏光板保護フィルムとして拡大が期待されており、韓国メーカーの採用を契機に世界でも採用が拡大する見
通しである。また、PPSフィルムも電気自動車(EV)などの自動車関連の需要にあわせて伸びていくとみられ
る。PLAフィルム・シートは、世界的な環境意識の高まりから好調に拡大している。PLA樹脂に限らずバイオ
マス由来や生分解性樹脂を使ったフィルムの採用は、コストアップになるが、今後も拡大が予想される。PVDF
フィルムは主に太陽電池用途を中心に、今後も拡大するとみられる。太陽電池は中国や台湾メーカーの生産が中心
となっており、コストダウンが大きく進んでいる。そのためPVDFフィルムは、競合のPVFフィルムやETF
Eフィルムから、コストを理由にシフトしており、伸びている。
<注目市場>
■PVBフィルムの世界市場
2014年見込
世 界
1,820億円
国 内※3
110億円
2013年比
101.4%
96.5%
2018年予測
2,041億円
116億円
2013年比
113.8%
101.8%
※3:国内市場は、世界市場の内数である。
PVBフィルムは、ガラスとの接着性、耐貫通性、透明性に優れていることから、合わせガラスの中間膜として
自動車のフロントガラスや、建築用途に採用されている。
2014年の市場は前年比1.4%増の1,820億円が見込まれる。多くの国でフロントガラスへの合わせガラ
スの搭載が義務付けられていることから、自動車用途が需要の中心である。中国や東南アジアでの自動車生産が好
調であることから、市場も拡大している。
建築用途は欧米での採用が中心であるが、すでに普及が進んでいることから微増となっている。今後、東南アジ
アなどの新興国で建築用ガラスの安全基準が見直されることで、合わせガラスの採用が増加するとみられ、市場の
押し上げが期待される。
中間膜以外では、太陽電池封止材としても採用されているが、同用途の中心はEVAフィルムで、さらにPVB
フィルムと相性の良かった薄膜太陽電池の生産が低迷したことで需要は減少している。
■PENフィルムの世界市場
2014年見込
世 界
132億円
国 内※4
124億円
2013年比
97.1%
96.9%
2018年予測
139億円
130億円
2013年比
102.2%
101.6%
※4:国内市場は、世界市場の内数である。
PENフィルムはPETフィルムと同じポリエステルの一種である。PETフィルムと比較すると耐熱性、寸法
安定性、強度、耐久性、電気特性などあらゆる性能において優位性があるが、高価である。
2014年の市場は前年比2.9%減の132億円が見込まれる。需要の6割以上を占める磁気テープ向けにお
いて、PETフィルムとの競合により需要が減少していることから、市場は縮小するとみられる。
2016年頃からは車載用の固体高分子型燃料電池や照明、太陽電池、ディスプレイなどのフレキシブル基板材
料向けの需要増により、市場は拡大に転じると予想される。ただし、フレキシブル基板材料はさまざまなフィルム
の採用が検討されており、特に安価なPETフィルムとの競合が想定される。
また、自動車用途ではワイヤーハーネス代替FPC、シートセンサー用基板、HV・EVモーター絶縁材などに
採用されているが、HV・EVモーター絶縁材向けは、今後のHV・EVの生産台数拡大による需要増が期待され
る。
■不織布の国内市場
2014年見込
2013年比
2018年予測
2013年比
1,340億円
107.2%
1,610億円
128.8%
不織布の主な製造方法は、スパンボンド法やメルトブロー法があるが、近年は製造方法の複合化が進んでおり、
多層構造からなるスパンボンドとメルトブロー法を複合した製造方法もある。市場はこれら製法の不織布を対象と
した。
本件に関するお問合せ:広報部 (Tel.03-3664-5697 Fax.03-3664-5842またはmail address:[email protected])
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2014年の市場は前年比7.2%増の1,340億円が見込まれる。
需要の中心である生理用品や紙おむつなど
の衛生材料向けが非常に好調であることから拡大している。スパンボンド法の不織布にはPP、ポリエステル、P
A、PE、レーヨン、ポリ乳酸などの素材が採用されているが、需要の約8割はPPであり、次ぐのはポリエステ
ルである。PPを素材とする不織布は衛生材料向けが中心である。一方、ポリエステルは耐熱性、耐溶剤性、強度
などに優れることから、自動車、土木や建築、産業用などの部材用途が中心である。一時的な消費税増税前の駆け
込み需要や、また東日本大震災後の継続した復興需要を背景に、土木や建築資材用途の需要が拡大している。
<調査対象>
領域
汎用樹脂フィルム
エンプラフィルム
スーパーエンプラフィルム
シート
その他
対象品目
PVCフィルム、PE系フィルム、PPフィルム、PO系フィルム、PSフィルム、
二軸延伸PVAフィルム、無延伸PVAフィルム、EVOH系フィルム、PVDCフ
ィルム、PVDC系共押出フィルム、EVAフィルム、PVBフィルム、PMPフィ
ルム、PMMAフィルム(光学用)、PMMAフィルム(その他)、TPUフィルム・
シート、セロハン、TACフィルム
PAフィルム、PCフィルム、COP/COCフィルム、変性PPEフィルム・シー
ト、PETフィルム(包装用)、PETフィルム(工業用・その他)、PETフィル
ム(光学用)、PENフィルム、PBTフィルム、PANフィルム・シート、PTF
Eフィルム・シート、ETFEフィルム、PVFフィルム、PVDFフィルム、その
他フッ素フィルム(FEP、PFA、PCTFE)、その他エンプラシート(POM、
PPS、PAI、PA12)
PPSフィルム、LCPフィルム、PEIフィルム、PIフィルム、PEEKフィル
ム・シート、耐熱透明フィルム
PPシート(汎用、高透明、フィラー、発泡)、スチレン系シート(GPPS、MS)、
A−PETシート、EVOH系共押出シート、PMMAシート、PCシート
PLAフィルム・シート、バイオプラスチックフィルム、生分解性プラスチックフィ
ルム・シート、合成紙、PTFE多孔質膜、不織布
<調査方法>
富士キメラ総研専門調査員によるヒアリング及び関連文献、データベース活用による調査・分析
<調査期間>
2014年7月∼10月
以上
資料タイトル :「2014年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
体
裁 : A4判 341頁
価
格 :97,000円+税
CD−ROM付価格 107,000円+税
調査・編集 :株式会社 富士キメラ総研 研究開発本部 第二研究開発部門
TEL:03−3664−5839
FAX:03−3661−1414
発 行 所 :株式会社 富士キメラ総研
〒103−0001 東京都中央区日本橋小伝馬町12−5 小伝馬町YSビル
TEL:03−3664−5839(代) FAX:03−3661−1414
E-mail:info@fcr.co.jp
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