Windows Server® 2012 Hyper-V - Microsoft

株式会社日立システムズ
Windows Server 2012 Hyper-V を次期クラウド基盤に
採 用し、3 年間で 10,000 サーバーの 仮 想 化を目指す。
Windows Server 2012 Hyper-V で基幹系システムを稼働
させるパイロット環境を構築し、マルチ テナント、マルチ
サイト データ センターの効果を確認。
®
ソリューション概要
○プロファイル
株式会社日立システムズは、日立グループにお
ける情報・通信サービス事業の中核企業です。
業務システムの設計および構築サービス、デー
タ センター基盤を活用したアウトソーシング
サービス、顧客に密着した運用および保守サー
ビスを柱に、幅広い業種、規模の企業に、IT
の全ライフ サイクルをカバーしたワンストップ
サービスを提供。現在はクラウド事業やグロー
バル事業に力を入れたビジネス展開を進めてい
ます。
○ソフトウェアとサービス
・Windows Server® 2012 Hyper-V®
○メリット
・基 幹系システムが安定的に稼働できる高機
能、高信頼なクラウド基盤の実現
・Windows Server 2012 Hyper-V の 新 機 能
であるネットワーク仮想化機能を利用するこ
とで、複雑なネットワーク設計を行わずにマ
ルチ サイトによる集約が実現でき、お客様の
ニーズに合わせた、価格競争力のあるクラウ
ド基盤の提供が可能
・マルチ サイトにあるデータ センター間の接続
を行い、Hyper-V レプリカによる安価なディ
ザスタ リカバリ システムを容易に実現
○ユーザー コメント
「構築が 完了したパイロット環 境については、
Hyper-V 上で基 幹系システムと情報系システ
ムの安 定 的な稼 働が 確かめられ、Windows
Server 2012 Hyper-V が高性能、高信頼のク
ラウド基盤として、利用できることが検証できま
した。また、本番システムの移行では、マイク
ロソフトさんのコンサルタントによるサポートもあ
り、2 週間ほどで稼働させることができました」
株式会社日立システムズ
クラウド・DC 事業グループ
インフラクラウド事業推進プロジェクト
インフラクラウド事業推進部
主任技師
内田 裕司 氏
®
日立グループにおける情報、通信システム事業の中核である株式会社日立システ
ムズは、この 5 年あまり、仮想環境による「Business Stage ROD (Resource On
Demand) 」を基盤に、クラウド事業を進めてきました。同社は、ニーズの多様化と
市場の成熟化の中で、価格競争力があり高い信頼性を持ったクラウド サービスが求め
られているとの判断から、次期クラウド基盤に重要なハイパーバイザの検討を行うこと
にしました。そこで、基幹系システムに対応できる高性能、高信頼性を持ち、運用コ
ストを抑止し事業継続に応えるクラウド基盤の実現という要件をチェックするために、
Windows Server® 2012 Hyper-V® を評価し、さらに社内の基幹系システムと情報系
システムを移してパイロット運用を行いました。その結果、ネットワーク仮想化機能に
よるマルチ サイトの実現や Hyper-V レプリカ機能によるディザスタ リカバリ サイト
の実現とその効果を確認しました。この成果をもとに、同社では顧客企業への提案と
自社データ センターでの運用テストを行った上で、Windows Server 2012 Hyper-V
を次期クラウド基盤のプラットフォームとして採用し、3 年間で 10,000 サーバーを目
標に仮想化を進める計画です。
導入の背景とねらい
注力するクラウド事業の競争力強化のため、
次期クラウド基盤に適したハイパーバイザの検討を開始
株式会社日立システムズ ( 以下、日立システムズ ) は、日立グループにおける情報、通信システ
ム事業の中核企業として、業務システムの設計および構築サービス、データ センター基盤を活
用したアウトソーシング サービス、顧客に密着した運用、保守サービスを柱に、幅広い業種や
規模のお客様に向けて、IT の全ライフ サイクルをカバーしたワン ストップ サービスを提供して
います。
現在、日立システムズが注力している分野のひとつがクラウド事業で、プライベート クラウドや
100 種類以上の SaaS アプリケーションを提供しています。その上で、2015 年度には、SaaS ビ
ジネス支援サービスを中心とした事業者向けパブリック クラウド事業と仮想プライベート クラ
ウドの構築、運用サービスを中心としたプライベート クラウド事業で、クラウド事業を売り上げ
1,000 億円、全売り上げの 20% にまで成長させる計画です。
株式会社日立システムズ クラウド・DC 事業グループ インフ
ラクラウド事業推進プロジェクト 主管技師長 鶴 秀夫 氏が
語ります。
「当社は、仮想環境によるリソース オンデマンド サービス
『Business Stage ROD 』をクラウド サービスの基盤として、
5 年以上にわたって運用してきました。しかし、市場の成熟
化の中で、競争力を高めていくには、多様化するニーズへの
対応とトータル コストのさらなる低減が求められます。そこ
で、次期クラウド基盤に適したハイバーバイザの検討を行う
こととなりました」。
株式会社日立システムズ
株式会社日立システムズ
株式会社日立システムズ
クラウド・DC 事業グループ
インフラクラウド事業推進
プロジェクト
主管技師長
鶴 秀夫 氏
株式会社日立システムズ
クラウド・DC 事業グループ
インフラクラウド事業推進
プロジェクト
インフラクラウド事業推進部
担当部長
佐藤 努 氏
評価環境の構築と検証
株式会社日立システムズ
クラウド・DC 事業グループ
インフラクラウド事業推進
プロジェクト
インフラクラウド事業推進部
主任技師
内田 裕司 氏
に対応可能となりました。また、Windows PowerShell ™ を利用したコ
Windows Server 2012 Hyper-V ベータ版で、
機能検証のための評価環境を構築
センター全体の管理工数を抑制し、クラウド基盤が構築できることを確
日立システムズでは、これからの次期クラウド基盤ビジネスのビジョンと
フラクラウド事業推進プロジェクト インフラクラウド事業推進部 主任技
して、次の 3 つを柱に据えています。1 つ目は、基幹系システムにクラウ
師 内田 裕司 氏が語ります。
マンドレットによる管理機能が強化されています。これによって、データ
認できました。株式会社日立システムズ クラウド・DC 事業グループ イン
ドを拡大したいというニーズに対して、高性能、高信頼のクラウド基盤を
実現することです。2 つ目は、さらなる仮想化で一層のコスト削減を推し
「今までは複数のデータ センターをつなぐ場合、物理 IP などの変更が必
進めたいというニーズに対して、価格競争力のあるクラウド基盤を構築す
要になり、リソースを柔軟に活用できないという問題もありました。これ
ることです。3 つ目は、安価な BCP やディザスタ リカバリへの対応を実
に対して、Windows Server 2012 Hyper-V では柔軟にマルチ サイトを
現したいというニーズに応えて、事業継続性を強化したクラウド基盤を構
実現するネットワーク仮想化機能で、変更工数を最小限に抑えて、サイ
築することです。
ト A とサイト B を接続することが可能です。加えて、Hyper-V レプリカ
一方で、クラウド基盤上のシステムは Windows Server® をゲスト OS に
によるレプリケーション機能が低コストで提供できるディザスタ リカバリ
しているものが多く、ハイパーバイザも含めて、マイクロソフト製品で一
として、有効であることも確認できました」( 内田 氏)。
体化することで、高性能、高信頼、価格競争力のあるクラウド基盤への
実現が期待できます。さらに、障害発生時の解析がしやすく、マイクロ
ソフトからのサポートを得やすいというメリットもあります。株式会社日
立システムズ クラウド・DC 事業グループ インフラクラウド事業推進プロ
社内システム環境への適用
基幹系システムへの対応、価格競争力があり、
事業継続性に強いクラウド基盤であることを確認
ジェクト インフラクラウド事業推進部 担当部長 佐藤 努 氏が語ります。
日立システムズでは、次の段階として実運用中の基幹系システムと情報
「マイクロソフトさんから機能強化された Windows Server 2012 Hyper-V
系システムを移行するため、Windows Server 2012 Hyper-V 社内システ
の提案を受けて、こうした要件を満たした次期クラウド基盤としての可能
ム環境 ( 以下、パイロット環境 ) を構築、評価を行いました。
性があるのではないかと考えました。そこで機能検証のため、RDP (Rapid
具体的には、関東地方のデータ センターにサイト A として、Hyper-V
Deployment Program) 早期先行評価の参加を決めました」。
の本番環境を構築。社内で運用中の基幹系システムと情報系システムを
移行させ、サイト B として関西地方のデータ センターで Hyper-V の仮
評価は (1) 基幹系システムの安定稼働を保障する高性能、高機能の確認、
想環境をディザスタ リカバリ サイトとして構築し、ネットワークで結ぶこ
(2) スケール メリットを有効にする仮想マシン単位でのマルチ テナント機
とにしました ( 次頁図 )。
能、(3) 複数のデータ センターを接続するマルチ サイト機能、の 3 点に
ついて行われました。
「構築が完了したパイロット環境については、Hyper-V 上で、基幹系シ
ステムと情報系システムが安定稼働しています。Windows Server 2012
特に、(3) の複数のデータ センターを接続するマルチ サイトの実現につ
Hyper-V が高性能かつ高信頼のクラウド基盤としての運用性を引き続
いては、従来の仮想 LAN を利用しての実装では、ユーザーごとに仮想
き評価しています。物理マシンを仮想マシンに変換する P2V (Physical
LAN を区切る必要があり、ネットワークの設計と管理が複雑になってしま
to Virtual) ツールについては、マイクロソフトさんから無償提供された
う問題がありました。しかし、Windows Server 2012 Hyper-V の新機
Disk2vhd を利用することで、低コストで仮想環境にスムーズに移行する
能であるネットワーク仮想化機能によって、マルチ サイトの実現が柔軟
ことができました。また、本番システムの稼働では、マイクロソフトさん
株式会社日立システムズ
のコンサルタントによるサポートもあり、2 週間ほどで稼働させることが
2012 について、顧客企業におけるプライベート クラウドの活用を進める
できました」( 内田 氏 )。
とともに、データ センターで運用テストを行い、次期クラウド基盤として
評価していく予定です。
導入効果と今後の展開
マイクロソフト製品に一本化され、一貫したサポートが可能に。
今後は 3 年間で 10,000 サーバーの仮想化を目指す
「仮想プライベート クラウドでは、顧客企業のデータ センターや当社の
データ センター、Windows Azure® などのパブリック クラウドを顧客
の要件に合わせて、クラウド サービスとして一括提供することになります。
日立システムズでは今回、社内システムの仮想環境への移行を短期間
そこでは、Windows Server 2012 のマルチ サイト機能が非常に効果的
で実施できたことから、今後、さまざまな基幹系システムの仮想環境へ
に利用できると思いますので、今後、マイクロソフトさんとも相談しながら、
の移行を数多く実現できると評価しています。また、社内システムでは、
新たなサービスを創出していきたいと考えています」( 鶴 氏 )。
Windows® のインターフェイスに慣れたシステム管理者が多く、Hyper-V
であれば、運用工数を削減できるメリットもあります。さらに、システム
こうした取り組みを通して、日立システムズでは Windows Server 2012
がマイクロソフト製品に一体化したことで、ゲスト OS とハイパーバイザ
を基盤とした次期クラウド基盤上に、3 年間で 10,000 サーバーを目標に
まで一貫したサポートが可能になります。
仮想化を進めていく計画です。
こうした成果を踏まえて、日立システムズでは今後、Windows Server
プライマリ サイト
関東
セカンダリ サイト
関西
フェール オーバー
仮想マシン用 LAN
システム A
システム B
システム C
APP
APP
APP
APP
APP
OS
OS
OS
OS
OS
システム A
システム B
システム C
APP
APP
APP
APP
APP
APP
APP
OS
OS
OS
OS
OS
OS
OS
D
E
APP
APP
OS
OS
レプリカ仮想マシン
クラスター A
FC-SAN※
管理 LAN
バックアップ LAN
クラスター B
FC-SAN※
クラスター&管理 LAN
バックアップ LAN
※ fibre-channel Storage Area Network
図 Windows Server 2012 Hyper-V による社内システム環境 ( パイロット環境 )
株式会社日立システムズ
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