西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関す る - 総務省

報道資料
平成15年10月21日
総務省
西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関す
る接続約款の変更の認可
−加入者光ファイバ概算納期情報開示ステムの導入に係る手続費の設定−
総務省は、本日、情報通信審議会(会長 秋山 喜久)から、西日本電信電話株式会
社が電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第38条の2第2項に基づき変更の認
可申請をした接続約款の変更案に係る平成15年9月16日付け諮問(別紙1参照
(PDF))に対する答申(別紙2参照)を受けました。
この答申は、平成15年9月16日(火)から10月6日(月)まで同審議会が実施した意
見聴取の結果を踏まえて行われたものです。
なお、本件に係る認可は、本日行う予定です。
関係報道資料
○ 西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変
更案に対する意見募集 −加入者系光ファイバ概算納期情報開示システムの導
入に係る手続費の設定−(平成15年9月16日発表)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030916_8.html
○ 西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する接続約款の変
更案に対する意見募集の結果 −加入者系光ファイバ概算納期情報開示システ
ムの導入に係る手続費の設定−(平成15年10月10日発表)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/031010_5.html
(連絡先)
連絡先 : 総合通信基盤局料金サービス課
飯倉課長補佐、久保係長
電話 : (代表) 03−5253−5111
(内線5844)
(直通) 03−5253−5844
FAX :
03−5253−5848
E-mail :
[email protected]
別紙2
(答申)
平成15年9月16日付け諮問第1101号をもって諮問された事案について、審議の
結果、下記のとおり答申します。
記
1 .本件、西日本電信電話株式会社(以下「NTT西日本」という。)の第一種指定電気
通信設備に関する接続約款の変更については、諮問のとおり認可することが適当と
考えられる。
2 . なお、提出された意見及びそれに対する当審議会の考え方は別添(PDF)のとおり
であり、総務省においては、以下の措置が講じられることを要望する(括弧内は別添
において対応する当審議会の考え方)。
NTT西日本においては、接続事業者が遡及精算時に不測の出費とならないよう加
入者系光ファイバ概算納期情報開示システムの実績利用件数について、遡及精算
までの間、3ヶ月ごとにこれを公表すること(考え方3)
別紙1
Ⅰ
申請概要
1
申請者
西日本電信電話株式会社(NTT西日本)
代表取締役社長 上野 至大
2
申請年月日
平成15年9月11日(木)
3
実施予定期日
認可後、速やかに実施。
4
概要
本年3月14日付け情報通信審議会答申において、諮問のとおり認可することが適
当とされた「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社に係る第一種指定
電気通信設備に関する接続約款の変更認可(光ファイバに係る手続の見直し、標準的
期間の設定等について)
〔諮問第1087号〕」のうち、
「加入者光ファイバ概算納期情
報開示システムに係る手続費の設定」については、NTT東日本のみ同システムを導
入し、その手続費を設定した上で既に実施しているところ。
本件は、NTT西日本が同様のシステムを構築するため、接続約款にこれに係る手
続費を規定する。
Ⅱ
主な変更内容
NTT西日本が加入者光ファイバの概算納期情報開示システムを構築して、接続約款
にその手続費を規定するもの。
具体的には、データベースを構築してあるエリアにおける電話番号を入力することに
より、営業日単位又は月単位の概算納期をインターネット経由で開示するシステム。利
用件数見合いで費用負担することとし、利用金額は34円/件。
なお、NTT東日本については、同様のシステムを既に構築済みである(平成15年
3月認可。)。
【加入者光ファイバの概算納期情報開示システムの概要】
利用対象者
【条件(入力)】
電話番号
06−4793−XXXX
06−4793−YYYY
or
・協定事業者
・NTT西日本
複数電話番号
NTT西日本
06−4793−ZZZZ
インターネット
重複ログインの許容/非許容
の選択が可能
【結果(出力)】
概算納期
or
06−4793−XXXX X営業日
06−4793−YYYY Yヶ月程度
06−4793−ZZZZ ZZ営業日
複数概算納期
(処理期間:概ね1日※)
※一度に大量の複数電話番号検索を申し込ま
れた場合や、既に他の複数電話番号検索が 申し込まれている場合には、処理に時間を要
することがあります。
情報開示システム
Ⅲ
接続料算定の概要
(1) 創設費
ソフトウェア
ハードウェア
①開発費
23,675
−
②物品費
5,992
12,195
③その他
5,559
695
④合計
35,226
12,890
※その他には、取付費・諸掛費・共通割掛費を含む
(千円)
合計
23,675
18,187
6,254
48,116
(2) 年経費
①設備管理運営費
②他人資本費用
③自己資本費用
④利益対応税
⑤合計
(3)
ソフトウェア
15,706
207
120
133
16,166
ハードウェア
3,458
80
46
51
3,635
その他
1,967
2
2
2
1,973
(千円)
合計
21,131
289
168
186
21,774
手続費
①要回収額
②利用件数
③1件当たりの
手続費
金額等
備考
10,887 千円 (2)の⑤の年経費の月額 6 ヶ月分(H15.10∼H16.3)
316 千件 当該期間の予測純増契約者数等をもとに算出
34 円 ①÷②
※ 平成16年3月までの利用件数実績を把握し、当該期間の要回収額を利用件数実
績で除して算定した精算額を以って、提供開始時に遡って精算を実施。
別 添
西日本電信電話株式会社の第一種指定電気通信設備に関する
接続約款の変更案に対する意見及びその考え方
(加入者系光ファイバ概算納期情報開示システムの導入に係る手続費の設定)
1
総論
意
見
意見1 今回の接続約款の改正を評価する。
考
え
方
考え方1
−
○
NTT西日本殿において加入者光ファイバ概算納期情
報システムが提供されることは、開通までの期間短縮が
期待され、利用者利便に資することと評価します。(J
T)
意見2 保守委託契約額の内容が不明確で妥当性の判断 考え方2
できない。透明性を確保するため、保守委託契約
額ではなく、接続約款にて定められている設備管
理運営費比率を適用すべき。
○
しかしながら、システム手続費の算定に関しては根拠
が不明確な点があると認識しています。以下に弊社の考
えを述べさせていただきますので、お取り計らいのほど
よろしくお願い申し上げます。
・設備管理運営費について、創設費に対する経費率は約
44%という高率となっています。保守委託契約額に基づ
き算定したとのことですが、保守委託契約の内容が明ら
かにされていないため、当該割合の妥当性は判断できな
いと考えます。手続費算定における透明性を確保するた
めには、保守委託契約額ではなく、接続約款にて定めら
れている設備管理運営費比率を適用することが適当であ
ると考えます。(JT)
接続会計結果に基づかない、簡便な方法によって
計算される手続費については、保守委託契約等によ
り、個別に設備管理運営費が把握される場合には、
原則として、これを用いることが適当である。
なお、保守委託契約内容は以下のとおりである。
・運転監視(警報、メッセージ監視、故障手配)
・ハードウェア保守、ソフトウェア保守(故障分析、
故障復旧、定期点検、故障履歴管理、セキュリテ
ィ対応)
・既存社内システムからのデータ運搬、新規システ
ムへのデータ投入、バックアップ作業
また、NTT東日本・西日本おいては認可申請や
事業者説明会の際に、このような情報を提供するこ
とが望まれる。
意見3 遡及精算を行うまでの間、定期的に実績利用件 考え方3
数を公表すべき。
○
NTT東日本殿における加入者系光ファイバ概算納期
情報開示に伴う手続費の認可時には、「NTT東日本に
おいては、接続事業者が遡及精算時に不測の出費となら
ないよう加入者系光ファイバ概算納期情報開示システム
の実績利用件数について、遡及精算までの間、3ヶ月ご
とにこれを公表すること」との考えが情報通信審議会殿
から示されております。NTT西日本殿においても平成
16年3月末以降に利用件数実績を勘案した上で手続費
の見直しを実施し、遡及精算を行うことになっています
が、接続事業者側の不測の出費を防ぐために、遡及精算
までの間、2∼3ヶ月ごとに実績利用件数が公表される
よう要望します。(JT)
NTT東日本の場合と同様に、接続事業者が遡及
精算時に不測の出費とならないよう加入者系光フ
ァイバ概算納期情報開示システムの実績利用件数
について、遡及精算までの間、3ヶ月ごとにこれを
公表することが適当である。
意見4 本手続費の額は、NTT東西間で約6倍の乖離 考え方4
がある。算定課程が適当か否かを再検討すべき。
受付対応利用件数(240 千件)の算出根拠を明らか
にすべき。
平成15年3月14日に認可されたNTT東日本殿に NTT東日本の手続費の算定においては、営業担
おける加入者系光ファイバ概算納期情報開示に伴う1件 当者がこれから営業しようとする地区の納期を事
当たりの手続費は206円であり、今回のNTT西日本 前に確認する際の利用のみを想定し、当該期間の予
殿における1件あたりの手続費である34円の約6倍と 測純増契約者数をNTT東日本の芯線シェア率で
なっております。同様の機能の提供であるにもかかわら 除すことによって予測利用件数を算定していた。
ず、このように大きな格差が生じていることから、NT ところが、実際には、電話やWebによる申込み
T東日本殿における手続費の算定過程に問題があるおそ 受付や営業担当者への問い合わせの際の利用が相
れがあると考えます。情報通信審議会殿におかれまして 当数あったため、実績利用件数は予測利用件数を大
は、手続費の算定過程が適当であるか否かについて、再 きく上回るものであった。(予測利用件数(H15.2
∼H16.3):12.4 万件、実績利用件数(H15.9 末):83.2
度検討していただきたいと考えます。(JT)
万件)
○ 予測利用件数の算定について、手続費算定根拠中の受 この結果を踏まえ、NTT西日本の手続費の算定
付対応利用件数(240 千件)には「検索したものの契約に においては、顧客からの申込み・問合せの際の利用
至らなかった件数」が含まれていると9月25日に開催 も勘案することとしたものである。
された説明会において説明されましたが、そもそも 240 この結果、NTT西日本の手続費は、NTT東日
千件という予測件数の算出根拠が明らかではありませ 本の手続費を大きく下回ることとなったものであ
ん。当該予測件数の算出根拠の提示を要望します。(J る。
なお、本手続費については、NTT東日本・西日
T)
本のいずれも実績利用件数を用いて再計算し、遡及
精算を行うことで適正な費用負担を担保するスキ
ームとなっている。
○
意見5 本システムの利用は、NTT東西の自社利用が 考え方5
大半を占めていることから、この自社利用が減れ
ば手続費の額は上昇する。こういった場合の激変
緩和措置が必要である。
手続費はシステム原価を予測利用件数で除することに 接続会計結果に基づかない、簡便な方法によって
より、算出されておりますが、当該予測利用件数はNT 計算される手続費については、利用件数の予想の精
T東西の利用件数が大半を占めているため、手続費の精 度を高めることが重要ではあるが、現実の利用が大
算額がNTT東西の実利用件数に大きく左右されること 幅に変動した場合でも、一般的にはその結果に基づ
き精算することが適当である。
になると考えられます。
したがって、接続事業者の精算の支払額が多額なもの また、本件申請の手続費の原価は約1千万円であ
となるケースも懸念されますが、そのような場合におい り、利用件数の変動によって激変緩和措置が必要と
ては、接続事業者の事業運営に対して、大きく影響を与 は認められない。
えることになるため、3ヶ月毎の実利用件数の公表に加
え、激変緩和措置を考慮していただく必要があると考え
ます。(KDDI)
○
2
その他
意
見
考
え
方
意見6 概算納期情報開示システムの機能に「光ファイ 考え方6
バの空き状況を表示する機能」と「検索NGの際
に、未整備のためNGなのか、入力ミスのための
NGなのかが把握できるような機能」を追加すべ
き。
光ファイバの調達について、NTT東西の利用部門と NTT西日本が本システムを開発するにあたっ
接続事業者との間で同等性が担保されていないと考えて ては、事前に接続事業者の意見を十分に聴取したと
おり、同等性を担保するように改善していく必要がある 聞いている。
と考えます。今般認可申請されている概算納期システム 指摘のような要望が新たに発生したとのことで
について、接続事業者が把握できる情報をより充実させ あれば、意見提出者はNTT西日本にこれを要望
ることは、NTT東西の利用部門と接続事業者との間の し、NTT西日本において、当該機能追加の必要性
同等性が担保されていく1つの手段になると考えます。 やコストについて検討がなされた上で、透明な手続
現在のNTT東の概算納期システムで把握できる情報 きを経て、然るべき判断がなされることが適当であ
は、光ファイバの整備状況のみで、NTT東西のホーム る。
ページ上においても光ファイバの空き状況までは把握で なお、NTT東日本についても同様である。
きません。例えば、光ファイバが整備されているエリア
であっても、利用申込み回答では、空きが無いことから
提供不可能という回答を受けるケースがあります。また、
NTT東の概算納期システム上の回答は、整備されてい
る場合以外、どのようなケースにおいても、全て「検索
NG」と回答されるため、未整備なのか入力ミスなのか
判別できません。
NTT東西の利用部門と接続事業者との同等性を担保
させるため、光ファイバの整備状況のみならず、光ファ
イバの空き状況についてもシステム上、把握可能となる
ようにしていただき、また、検索NGの場合もより詳細
な回答にしていただきたいと考えます。(KDDI)
○
意見7 Bフレッツサービスの提供エリア以外も検索で 考え方7
きるようにすべき。
光ファイバの提供エリアはBフレッツの提供エリアに 考え方6のとおり。
限られているわけではありませんので、接続事業者はB なお、本システムでは、接続事業者に限らず、N
フレッツの提供エリアに限らず、それ以外のエリアにお TT東日本・西日本においても、Bフレッツの提供
いても光ファイバを用いたサービス展開を考慮します。 エリア以外において光ファイバの開通可能時期等
しかしながら、現在の概算納期システムは、検索可能エ を確認することはできず、事前照会の手続によるこ
リアがBフレッツサービスの提供エリアに限定されてい ととなるため、接続事業者とNTT東日本・西日本
るため、NTT利用部門が有利な環境となっており接続 の間において同等性は担保されているものと考え
られる。また、本システムにおいて、検索エリアを
事業者との同等性が担保されていないと考えます。
従って、Bフレッツサービス提供エリア以外のエリア 加入者光ファイバ敷設エリア全域とすることは適
についても検索可能となるよう、概算納期システムの整 当であると考えられるが、システム導入当初は、加
入者光ファイバの敷設が進んでいる地域から順次
備をしていただきたいと考えます。(KDDI)
データベースを整備することも合理的であると考
えられる。
○
意見8 NTT東西で同様のシステムを構築することか 考え方8
ら、システムの共同開発やどちらか1社が開発し
たシステムを他方が使用するといった効率化が図
られるべき。
本申請は、既に本年 3 月に認可された接続約款の変更 NTT東日本・西日本は、設立から4年が経過し、
のうちNTT東日本のみ導入し、先行実施しているもの 社内での情報のやりとりやシステムも徐々に異な
を、時期をずらせてNTT西日本も実施しようとするも るものとなりつつあり、新たに光ファイバに係る概
のである。経過措置を置いたために実施時期がずれただ 算納期を開示するシステムを構築する場合におい
けであり、先行するNTT東日本が開始した 3 月の時点 ても、それぞれ効率的・経済的なシステムが異なる
において、NTT東日本と同様の内容で実施することは ことは自然な結果と考えられる。
予定されていたものである。従って、その時点でNTT
東西は、システムを共同開発する、あるいはどちらか 1
社が開発したシステムを他方も使用するといった経済化
を図ったであろうと考えられる。しかし、接続料算定に
おいて、NTT東日本のソフトウェア開発費は28,6
80千円(3 月認可時)であるのに対して、NTT西日本
のそれは23,675千円であり、どのようにシステム
開発の経済化を図ったのかが不明であり、明確にすべき
である。(SBB)
○
意見9 定期的にNTT東西と接続事業者双方の開通期 考え方9
間を公表するルールを作り運用するべき。
接続事業者にとって、加入者系光ファイバの開通期間 加入者系光ファイバは芯線ごとに線路条件やビ
を如何に短縮するかは重要な事業運営上の要素の一つで ルへの入館調整等が異なる状況にあることから、N
ある。そのため、開通期間そのものについて、NTT東 TT東日本・西日本と接続事業者の開通期間を単純
西と他事業者の間で公平性が確保されることが必要であ に比較することをもって公平性の判断を行うこと
る。電気通信事業法においても、第一種指定電気通信設 は適当ではないが、仮に接続事業者の側に開通期間
備に接続する場合の接続の条件が、自己の電気通信設備 等について疑義がある等の場合には、NTT東日
を接続することとした場合の条件に比して不利なものと 本・西日本は接続事業者の求めに応じてその理由等
してはならない旨を明確に規定している。従って、公平 を示していくことが必要である。なお、本年3月に
性が確保されているかどうか客観的に評価できるよう、 光ファイバに関する標準的期間を設定した際に、総
NTT東西が定期的にNTT東西と接続事業者双方の開 務省から今後の実施状況等を踏まえ、標準的期間に
通期間を公表するルールを作り運用するべきである。
(S ついて1年後を目途に見直すよう指導がなされた
ところであり、本指導についての報告の際に、開通
BB)
期間等の情報についても公表することが適当であ
る。
○