研究評価委員会 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

研究評価委員会
「生体親和性インプラント材料のテクノロジーアセスメント技術プロジェクト」
(事後評価)
第1回分科会議事要旨
日 時:平成19年12月26日(水)13:00~17:15
場 所:朝日生命大手町ビル27階 A室
出席者(敬称略、順不同)
(分科会委員)
分科会長
浜田 良機
山梨大学 大学院 医学工学総合研究部
整形外科学講座 教授
分科会長代理
勝呂 徹
東邦大学 医学部 整形外科 教授
委員
北澤 京子
日経 BP 社 日経メディカル編集部 編集委員
委員
鈴木 昌彦
千葉大学 医学部附属病院 整形外科 講師
委員
高久田 和夫
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所
バイオデザイン分野 教授
(推進者)
根岸 喜代春
島 真一郎
経済産業省
課長補佐
経済産業省
担当官
商務情報政策局
サービス産業課
医療・福祉機器産業室
商務情報政策局
サービス産業課
医療・福祉機器産業室
弓場 俊輔
NEDO 技術開発機構 バイオテクノロジー・医療技術開発部 主査
吉田 光宏
NEDO 技術開発機構 バイオテクノロジー・医療技術開発部 主査
伊坂 美礼
NEDO 技術開発機構 バイオテクノロジー・医療技術開発部 主任
(実施者)
岡野 光夫
東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 教授、所長(PL)
岡崎 義光
(独)産業技術総合研究所人間福祉医工学部門 主任研究員
矢野 友三郎
(独)製品評価技術基盤機構生活・福祉技術センター センター長
吉田 敏昭
(独)製品評価技術基盤機構生活・福祉技術センター 課長
塩見 佳子
(独)製品評価技術基盤機構生活・福祉技術センター 職員
堤
定美
京都大学再生医科学研究所ナノ再生医工学研究センター 教授、センター長
村中 昭雄
日本メディカルマテリアル(株)股関節事業部股関節開発技術部システム開
発課 責任者
池田 大作
瑞穂医科工業(株)開発部RDプロジェクトグループ マネージャー
住谷 健二
瑞穂医科工業(株)開発部インプラント製品開発グループ チーフマネージ
1
ャー
千秋 和久
テルモ(株)研究開発センター 次席研究員
片倉 健男
テルモ(株)研究開発センター 主席推進役
加藤 泰憲
テルモ(株)研究開発センター 主任推進役
坂井 正宗
(株)ウベ循研 開発部人工血管グループリーダー
(企画調整)
原 健史
NEDO 技術開発機構 企画調整部 課長代理
(事務局)
竹下 満
NEDO 技術開発機構 研究評価部 統括主幹
高松 秀章
NEDO 技術開発機構 研究評価部 主幹
志賀 英俊
NEDO 技術開発機構 研究評価部 主査
峯元 克浩
NEDO 技術開発機構 研究評価部 主査
八登 唯夫
NEDO 技術開発機構 研究評価部 主査
山田 武俊
NEDO 技術開発機構 研究評価部 主査
(一般傍聴者)
46 名
議事次第
【公開の部】
1.開会、分科会の設置、資料の確認
2.分科会の公開について
3.評価の実施方法
4.評価報告書の構成について
5.プロジェクトの概要説明
6.プロジェクトの詳細説明
(1)臨床事例解析技術の開発
(2)長期埋め込み患者を想定したインプラント材料の性能評価技術の開発
(3)生体親和性材料評価技術の開発
7.全体を通しての質疑応答
8.まとめ・講評
9.今後の予定、その他
10.閉会
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議題1.開会、分科会の設置、資料の確認
事務局より、本分科会設置についての説明があり、予めNEDO技術開発機構理
事長より指名された浜田分科会長が紹介された。浜田分科会長の挨拶の後、分科会
委員、プロジェクトの推進・実施部門、NEDO企画担当、事務局の出席者が紹介
された。事務局より配布資料の確認が行われた。
議題2.分科会の公開について
事務局より資料 2-2 に基づき、研究評価委員会関係の公開について説明が行われた。
本分科会について、質疑は全て公開とするが、資料は「資料6 プロジェクトの詳細説明資
料」を非公開とすることが了承された。
議題3.評価の実施方法
議題4.評価報告書の構成について
事務局より資料 3-1~3-5 および資料 4 に基づき、事後評価の実施方法と評価報告
書の構成に係る提案について説明が行われた。事務局からの提案通りに本評価を進
めることが了承された。
議題5.プロジェクトの概要説明
推進・実施者より、資料 5-2 に基づき、プロジェクトの概要について説明が行わ
れ、引き続き質疑が行われた。
主な質疑内容は以下の通りであった。
【主な質疑内容】
・
「情勢の変化①についての説明がなかった」との質問があった。これに対して、
「ス
ライド説明を飛ばしてしまった」との回答があり、中間評価のコメントへの対応
が説明された。情報収集については、メーカーのニーズ、ユーザーのニーズにつ
いてアンケート調査やヒアリング調査を実施したこと、標準化についてはプロジ
ェクト実施期間内で JIS(日本工業規格)の素案を作成したこと、日本固有の問題
については体型や制度に合わせる検討を行ったことが説明された。
・
「非臨床で行うことに意義があるが、リスクをゼロにはできないので、リスクを数
字で表せるとよいが」との質問があった。これに対して、
「リスクとベネフィット
のバランスが大事である。日本ではどの程度救われているかという評価が行われ
ていない。不具合が出るとダメというのではなく、使用しながら進歩させていく
ことが大事である。そのためには基準が必要である。数値化したいが、まだそこ
まで出来ていない」との回答があった。
・
「JIS を作ることは良いが、日本人独特のものにするのはどうか。世界市場を対象
3
にすべきであり、世界標準を中心にすべきではないか」との質問があった。これ
に対して、
「従来は欧米人の体重などを基に数値が設定されていた。日本人用でも
外国人用でも評価を行うことが可能な方法を作りたい」との回答があった。
・
「基準のないものを選んで検討したという説明であったが基準のないものを使うこ
とができるのか」との質問があった。これに対して、
「初めて使用されるものは基
準がなくても使用され、使用する過程の中で基準を作っていくものである。日本
は基準がないから取り組まない。米国は挑戦するところに違いがある」との回答
があった。
議題6.プロジェクトの詳細説明
実施者より、資料 6 に基づきプロジェクトの研究開発成果の詳細について説明が
行われ、引き続き質疑が行われた。
【主な質疑内容】
(1)臨床事例解析技術の開発
・
「FDA のデータを用いている。1980 年代には品質の良くない製品が使われていたの
でデータに入れない方が良いのではないか」との質問があった。これに対して、
「で
きる限り解析から除外した」との回答があった。
・
「日本人のデータはどこから入手したか」との質問があった。これに対して、
「文献
を中心に収集したが、今年からは厚生労働省の届出データも使っている」との回答
があった。
・
「不具合については、材料が原因か、手技に問題があったか、わからないのではな
いか」との質問があった。これに対して、「FDA(Food and Drug Administration、
米国食品医薬品局)のデータには記述のあるものとないものがあり、当初は分けて
いたが、解析には使わなかった」との回答があった。
・
「難しいのはポリエチレンの磨耗やセラミックのライナーなどであり、治験では評
価が難しいものである。こうしたものをシミュレーションで評価できないか」との
質問があった。これに対して、
「是非行いたい。現在、承認は実験結果を基に申請
しなければならず、メーカーは苦労している。シミュレーションも承認基準にでき
るようにしたい。やさしいもので検討し、適用範囲を拡げていきたい」との回答が
あった。
・
「界面の応力が重要だと考えるが、シミュレーションの方法は有限要素法でよいの
か」との質問があった。これに対して、
「有限要素法でも表面のシミュレーション
も行うことができるようになっている。よく使われるソフトが出ているので誰でも
行うことができるようにという点で有限要素法を選んだ」との回答があった。
・
「歪み、応力、エネルギーなどの指標による基準を作ることができる可能性がある
4
のではないか」との質問があった。これに対して、
「設計基準として使用可能であ
ると思う。ただし、審査に使用してもらうことができないのが問題である。FDA は
認め始めた」との回答があった。
・
「シミュレーションでは、正しさの証明が必要である。モデルを作っておく必要が
あるのではないか」との質問があった。これに対して、
「標準品で実験し、検証し
ている」との回答があった。
(2)長期埋め込み患者を想定したインプラント材料の性能評価技術の開発
・
「標準化は海外の方が進んでいる。ASTM(American Society for Testing and Materials、
米国材料試験協会)との関係はどうなっているのか」との質問があった。これに対
して、
「ASTM、ISO(International Organization For Standardization、国際標準
化機構)が定めた基準と矛盾しないようにしている。海外との摺り合わせは大事だ
が、JIS 化して日本発の基準として打ち出していきたい」との回答があった。
・
「脊椎などの複雑な系の性能評価をシミュレーションで行うことができないか」と
の質問があった。これに対して、
「実験しにくいものなので、シミュレーションの
対象としては最適である」との回答があった。
・
「模擬骨には形状がいくつかあるが、どれか一つに決める必要はないか」との質問
があった。これに対して、
「使用頻度が高く、誰でも入手しやすいという理由から、
パシフィック・リサーチ社のものを使っている」との回答があった。
・
「欧米では生体骨を使用して実験を行うことができる。生体骨との比較を行った方
がよい」とのコメントがあった。
・
「透析は 30 年の長期にわたるものがあるが、針刺し実験は3年を想定している。こ
れで十分か」との質問があった。これに対して、
「透析では人工血管を3年ほどで
取り替えるため、3年という期間を設定した」との回答があった。
・
「70℃の試験結果を見ると長期の評価にも使うことができるのではないか」との質
問があった。これに対して、
「今回は、実用的な評価を考えて1ヶ月ほどで結果を
見ることができるように設計した」との回答があった。
・
「光酸化などの検討はどうか」との質問があった。これに対して、
「対象を広げてい
きたい」との回答があった。
(3)生体親和性材料評価技術の開発
・
「コーティングについて、固着性を測定することができないのか」との質問があっ
た。これに対して、
「アパタイトは測定することができるが、そのほかのビーズコ
ートのようなしっかりとついているものについてはむずかしい」との回答があった。
・
「できれば動物試験はあまり行わず、培養系で試験できるようにする必要があると
思うが」との質問があった。これに対して、
「動物保護の観点からも、in vitro の
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実験系の開発が重要だと考えている。技術的ハードルは高いが、欧米の研究も見な
がら進めていきたい」との回答があった。
議題7.全体を通しての質疑応答
・
「学問的評価を確認したいので、論文発表数などの資料がほしい」との質問があっ
た。これに対して、
「成果はまとめて報告書に記載した。ただし、重要な基礎研究
であるにもかかわらず、標準化という地味な分野は、論文にしにくい分野であり、
従来の研究開発の評価のような評価観点での評価は難しいと理解いただきたい」と
の回答があった。
・
「ドライバーで締めてネジが折れることがあるので、トルクレンチのようにインプ
ラントを使う際の器具についても検討が必要である」との質問があった。これに対
して、
「これからの開発課題である」との回答があった。
議題8.まとめ・講評
本分科会全体を通しての講評が各委員より述べられた。
【主な内容】
・臨床にフィードバックされればよいと思う。
・本研究プロジェクトを契機として、研究を拡げてほしい。
・良い結果が出ているが、今後は海外に認めさせていくことが必要である。
・認可を取得するために必要な装置を開発することも重要である。
・易しいところから始めたことは良いことだが、これまで行うことができなか
ったことを可能にすることが望ましい。挑戦していってほしい。
・シミュレーションについては、実際に活用されることが重要であり、期待し
ている。
議題9.今後の予定、その他
事務局より、資料 8 に基づき今後の予定について説明がなされた。
議題 10.閉会
配布資料
資料 1-1 研究評価委員会分科会の設置について
資料 1-2 NEDO技術委員・技術委員会等規程
資料 2-1 研究評価委員会分科会の公開について(案)
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資料 2-2 研究評価委員会関係の公開について
資料 2-3 研究評価委員会分科会における秘密情報の守秘について
資料 2-4 研究評価委員会分科会における非公開資料の取り扱いについて
資料 3-1 NEDOにおける研究評価について
資料 3-2 技術評価実施規程
資料 3-3 評価項目・評価基準 標準的評価項目・評価基準(参考)
資料 3-4 評点法の実施について(案)
資料 3-5 評価コメント及び評点票(案)
資料 4
評価報告書の構成について(案)
資料 5-1 事業原簿(公開)
資料 5-2 プロジェクトの概要説明資料(公開)
資料 6
プロジェクトの詳細説明資料(非公開)
資料 7
質問票
資料 8
今後の予定
以上
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