資料5 国際標準化に係る現状分析・課題 - 国土交通省

資料5
自動車安全・環境基準の
自動車安全
環境基準の
国際標準化に係る現状と方向性
自動車基準認証国際化ハイレベル会議
平成22年11月
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
目次
1 戦略
1.
(1)新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)
(2)国土交通省成長戦略(平成22年5月17日国土交通省成
長戦略会議)
2. 現状分析
(1)アジアにおけるモ タリゼ ション等の状況
(1)アジアにおけるモータリゼーション等の状況
(2)我が国における自動車基準の国際調和に関する
これまでの取り組み
(3)欧州における自動車基準の国際調和活動
3. 官民連携による取り組み強化のイメージ
(1)国際的な車両型式認証の実現に向けた基盤整備
(2)アジア諸国を巻き込んだ基準・認証の国際化
2
1.戦略
3
(1)新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)
~「元気な日本」復活のシナリオ~
第2章 新たな成長戦略の基本方針-経済・財政・社会保障の一体的建て直し-
フロンティアの開拓による成長
拓
成
(3)アジア経済戦略
~ 「架け橋国家」として成長する国・日本
「架 橋 家
成 す
本 ~
(日本の「安心・安全」等の制度のアジア展開)
~ 略 ~
環境分野や製品安全問題等にかかる日本の技術や規制・基準・
規格を、アジア諸国等とも共同で国際標準化する作業を行い、国
際社会へ発信・提案することなどにより、アジア諸国の成長と「安
全・安心」の普及を実現しつつ、日本企業がより活動しやすい環
境を作り出す また スマ トグリ ド 燃料電池 電気自動車な
境を作り出す。また、スマートグリッド、燃料電池、電気自動車な
ど日本が技術的優位性を有している分野においては、特に戦略
的な国際標準化作業を早急に進める。
~ 略 ~
4
(2)国土交通省成長戦略-1
ー5つの対象分野ー
海洋分野
観光分野
航空分野
国際展開・
官民連携分野
地域活性化・雇用拡大・
内需拡大
利用者利便性の拡大
住宅・都市
分野
国際化の推進
経 済 成 長 の 促 進
ー国際展開・官民連携の推進に向けた成長戦略ー
1.海外へ進出する日本企業への支援ツールと政府サイドの支援体制整備
~日本の技術と資本で世界展開を~
(政策 )リ ダ シ プ 組織 体制の強化
(政策1)リーダーシップ、組織・体制の強化
(政策2)スタンダードの整備
(政策3)金融メカニズムの整備
2.インフラ整備や維持管理への民間資金・ノウハウの活用(PPP/PFIなど)
5
(2)国土交通省成長戦略-2
国際展開・官民連携分野
政策1 :リ
:リーダーシップ、組織・体制の強化
ダ シップ、組織 体制の強化
自動車産業分野
課題に
対応した政策案
政治のリーダ
シップによる官
民一体となった
トップセールス
の展開
国土交通省内
の体制強化
早期の実現を目指すもの
(平成23年度概算要求を含む)
2~3年後の実現を目指すもの
・相手国政府・国際機関等のキーマ
ンへの働きかけ、親書の活用、要
人招聘や官民共同セミナーの積極 ・相手国政府・国際機関等のキーマ
的推進
ンへの働きかけ、親書の活用、要
人招聘や官民共同セミナーの積極
・相手国政府・国際機関等との会
相手国政府 国際機関等との会
的推進(再掲)
議・政策対話の実施
¾日ASEAN交通大臣会合を通じた ・相手国政府・国際機関等との会
議・政策対話の実施(再掲)
ASEAN各国との連携強化
¾二国間の交通次官級協議の設
置による連携強化
官民連携による自動車分野の国際
民間企業との連携の下、個別プロ
間企業と 連携
個別プ
的な車両型式認証制度の構築等に
ジェクト案件毎の戦略的な国際展開
向けた活動強化のための行動計画
を各分野で実現 等
を策定するための会議体を設立
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(2)国土交通省成長戦略-3
国際展開・官民連携分野
政策2 :スタンダ
:スタンダードの整備
ドの整備
自動車産業分野
課題に
対応した政策案
日本基準の
国際標準化
技術協力支援
(政策のノウハウ
(政策の
ウ ウ
の提供、人材育
成支援等)
早期の実現を目指すもの
(平成23年度概算要求を含む)
2~3年後の実現を目指すもの
日本の革新的自動車技術(電
気自動車等)の国際統 基準
気自動車等)の国際統一基準
策定のための試験研究を実
施し、その試験結果に基づき、
国際統 基準案を国連機関
国際統一基準案を国連機関
・これら作業に当たっては、アジア諸国
(WP29)へ提案し、国際統一
等に対しても働きかけを実施
基準の策定作業を主導 等
協力準備調査、専門家派遣、高官研修、
協力準備調査
専門家派遣 高官研修
セミナー、ワークショップ等を活用した案
協力準備調査、専門家派遣、
件形成の促進・人材育成(再掲)
高官研修、セミナー、ワーク
高官研修、セミナ
、ワ ク
¾ 自動車等交通分野の専門家の派遣
ショップ等を活用した案件形成
や相手国からの研修の受入、ワー
の促進・人材育成
クショップの開催等を通じた人材育
成 等
7
2.現状分析
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(1)アジアにおけるモータリゼーション等の状況
ー保有車両数の推移ー
増減率
ー交通事故の状況ー
2005年を1として指数化
諸外国の死者数と人口10万人当たり死者数
1.70
(2007年)
120 000
中国 1.65
1 65 120,000
1.60
日本
100,000
19 6
19.6
フランス
16.8
13.9
16.1
16.2
中国
15.0
60 000
60,000
タイ
10.0
ベトナム 1.28
40,000
タイ 1.22
インド 1.20
1 20
インドネシア
20,000
1.20
マレーシア
1.12
イギリス 1.03
1 03
0
フランス 1.03
アメリカ 1.02
ドイツ 1.02
日本 1.00
マレーシア
インドネシア
1.20
16.5
80,000
イ ド
インド
1.30
20.0
イギリス
ドイツ
1.40
23.6
人口10万人当たり死者数
アメリカ
1.50
25 0
25.0
死者数
ベトナム
1.10
1.00
7.5
6.0
5.0
5.4
5.0
00
0.0
0.90
2005
2006
2007
2008
年
9
(1)アジアにおけるモータリゼーション等の状況
-
ASEAN地域における
- 日本の自動車メーカーによる ー
国外輸出台数
日本の自動車メーカーの
ー
各地域における生産台数
14,000,000
,
,
日本
アジア
欧州
アメリカ
12,000,000
800 000
800,000
700,000
600,000
10,000,000
500,000
8,000,000
400,000
6,000,000
300 000
300,000
4,000,000
200,000
2,000,000
0
2000
100,000
0
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
10
アジアにおける基準調和活動の重要性が増大
(2)我が国における自動車基準の国際調和に関するこれまでの取り組み-1
自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の概要
自動車基準調和世界フォ
ラム(WP29)の概要
次に掲げるそれぞれの協定に基づく規則の制定・改正作業を行うとともに、それぞれの協定の管理・運営を行う。
・「国連の車両等の型式認定相互承認協定(略称)」 (1958年協定)
・「国連の車両等の世界技術規則協定(略称)」 (1998年協定)
国際連合
○○
専門
分科会
欧州経済委員会
(ジュネーブ)
ITS
に係る
専門
分科会
自動車基準調和世界フォーラム
(WP29)
安全一般
衝突安全
(GRSG)
(GRSP)
水素燃料電
池自動車に
池自動車
係る
専門分科会
ブレーキと 排出ガスと
走行装置 エネルギー
(GRRF)
(GRPE)
ヘッドレストに
係る専門
分科会
水素燃料電
池自動車に
池自動車
係る専門分
科会
日本が
議長等を
: 務める
作業部
会
IWVTA
に係る
専門
分科会
騒音
灯火器
(GRB)
(GRE)
乗用車排ガ
ス燃費試験
燃費試験
に係る
専門分科会
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(2)我が国における自動車基準の国際調和に関するこれまでの取り組み-2
欧州域内の基準調和・相互承認協定であった国連の車両・装置等の型式認定相互
欧州域内の基準調和
相互承認協定であった国連の車両 装置等の型式認定相互
承認協定(58年協定)が日本のはたらきかけで、国際的な基準調和活動に発展。
1987年
2015年
年
1997年
乗用車ブレーキの調和基準の成立
ECE R13H
灯火器取り付けの調和基準の検討
ECE R48
改定58年協定の検討・成立
改正58年協定
日本より、欧州地域外からの参加を念頭においた会議の運営
や平等な議決権を主張。
1998年
1998
年
58年協定へ加盟
国連の協定に基づく装置、部品の相互承認が可能となった
12
(2)我が国における自動車基準の国際調和に関するこれまでの取り組み-3
日本の提案した多くの基準がほぼそのまま世界基準となる
・国土交通省と(独)交通安全環境研究所の技術専門家が産業界とともに一体的に対処し、専門家会合に参加
→人脈の形成、ノウハウの蓄積により、研究成果を最大限に活用し、積極的な提案を実現
1987年
2007年
1997年
1998
1999
2009年
58年協定加盟
国連の車両等の世界の技術規則協定(98年協定)に加盟
日本提案によりWP29は名称を自動車基準調和世界フォーラム
(WP29)に変更
世界統一基準(gtr)のための共通課題の成立
SR1
日本からカテゴリー、質量、寸法の統一の必要性について提案し、議長として会議をすすめ、成立させた。
二輪車排ガス基準の検討
輪車排ガス基準の検討
gtr2
日本の規制値が世界基準となる予定。
歩行者保護基準の成立
gtr9
日本主導で進めていた研究を世界基準として提案し、議長として会議を進め、成立した。
水素・燃料電池自動車の検討
gtrXX
日本の技術基準をもとに世界基準を検討中。議長として会議を進行。
電気自動車の技術基準の成立
日本の技術基準をもとにECE規則を改定した。
ECE R94,95,100
13
(2)我が国における自動車基準の国際調和に関するこれまでの取り組み-4
日本の働きかけによりアジアの基準調和、相互承認の気運が高まる
日本からの働きかけ
要人招聘(基準認証担当官)
基礎調査
環境・安全専門家会議
APECコンサルタント
中国長期研修生受け入れ
アジア官民会議(15回)
専門家会議(22回)
JASIC-中国フォーラム(5回)
JASIC
中国フォ ラム(5回)
JASIC-インドフォーラム(3回)
各国とのパイプ作り
アジア各国の基準・認証制度の現状把握
基準認証制度の基礎知識の提供
準認証制度
礎 識 提供
安全、環境技術の情報提供
58年協定の内容/重要性を説明
各ECE法規の内容を説明
基準調和・相互承認に向けた各国のシナリ
オ作りのサポ ト
オ作りのサポート
韓国、タイ、マレーシアが58年協定に加盟
中国、インド、マレーシアが98年協定に加盟
ASEANは2015年の域内統合に向け、自動車基準調和活動を推進中
→本年11月、日ASEAN自動車基準・認証制度に関する協力プログラムを承認
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(3)欧州における自動車基準の国際調和活動
自動車基準の見直し等により欧州業界の競争力強化を推進
- CARS21(欧州委員会副委員長により設立された官民ハイレベル会合)にて、
(欧州委員会副委員長により設立された官民 イ
ル会合)にて、
官民連携して2020年に向けた行動計画を策定
- また、認証審査におけるヴァーチャル試験の導入などにより、
製品の法的要件への適合性と認証審査の迅速化・合理化を同時に追求
国際基準を積極的に提案
- CO2削減目標達成のため、TPMS(タイヤ圧モニター)規制強化提案
- DRL(昼間点灯ランプ)装備義務付け
- EU車両認証(WVTA)をベースに国際的な型式認証制度を検討するよう提案
アジア地域で 自動車基準調和活動を積極的に推進
アジア地域で、自動車基準調和活動を積極的に推進
- EUは、2015年を目標年として域内の基準・認証制度を構築中のASEAN諸国に
対し セミナ 開催や個別で58協定加盟を働きかけ
対し、セミナー開催や個別で58協定加盟を働きかけ
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3.官民連携による取り組み強化の
イメ ジ
イメージ
16
(1)国際的な車両型式認証の実現に向けた基盤整備
・新技術に関する世界基準作りを日本がリード
新技術に関する世界基準作りを日本がリ
ド
・現在の装置/部品の相互承認を車両全体の相互承認に
1987年
1997年
技術要件
基準調和の拡大
(
ECE規則の改正提案)
非技術要件
新技術に関連する基準等について、
国際基準策定を日本が主導的に進める
ECE規則と調和済基準
・衝突安全
・ブレーキ
・タイヤ
・灯火器
・盗難防止装置
盗難防止装置
等
排出ガス・燃費、騒音
新技術に関連する基準
・電気自動車
・水素燃料電池自動車
・衝突被害軽減ブレーキ
等
日本の交通環境等に
基づく基準
・歩行者保護
・内装材の難燃性 等
その他の技術要件
(独自基準)
ECE規則
車両認可として必要な非技術的要件
・車両型式の定義
車両型式の定義
・車両諸元等を記載した申請書類の提出
・サンプル車両の提示、・車両としての製造均一性
・車台番号、原動機の型式の打刻届出
等
IWVTA提案
2009年
国際的な車両型式相互認証(IWVTA)のイメージ
2007年
車両認可
ルールを
国際標準化
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(2)アジア諸国との関係強化
アジア諸国への展開マップ
展
●ASEAN: 自動車基準の国際調和及び認証の相互承認制度のASEANへの展開を目指し、
本年11月の交通大臣会合(ATM)において提案し、承認された協力イニシアティブ
に基づき様々な協力を実施
に基づき様々な協力を実施。
●中国、インド、韓国などその他のアジア諸国も参加する自動車基準の国際調和活動に関する
意見交換のための官民共同フォーラムを随時開催。
平成22年度
上期
平成23年度
下期
上期
平成24年度以降
下期
上期
下期
ハイレベルの政策対話(Workshopの同時開催 も検討)
TF(8/3-4@マニラ)
LTWG(9/21 22@カンボジア)
LTWG(9/21-22@カンボジア)
政府
来 日 研 修 ( AT M 終 了 後 )
STOM・ATM
(11月上旬頃@ブルネイ)
@
官民共同
フォーラム
理解の共有
来日研修(実務者レベル)
新たな人材育成プログラム
官民
国別に支援
内容を具体化
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官民の専門家の派遣
官民の専門家の派遣