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約6割の若者は生活に満足しているが意識格差も懸念される∼「若者の生活意識に関するアンケート調査」を実施∼
約6割の若者は生活に満足しているが意識格差も懸念される
∼ 「若者の生活意識に関するアンケート調査」を実施 ∼
2008年9月1日
株式会社野村総合研究所
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、会長兼社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は今年8月2日から
3日にかけて、全国の20∼30歳代の男女1,000人を対象に、「若者の生活意識に関するアンケート調査」を実施
しました。その結果、約6割の回答者が現在の生活に満足していることがわかりました。しかし、現在の生活に
満足している人の多くが将来の暮らし向きは良くなると考えている一方で、不満を持っている人ほど将来の暮ら
し向きも悲観的に見る人が多いことから、意識の格差が存在すると考えられます。
【生活の満足感の格差が存在】
調査では、「現在の生活にどの程度満足していますか」という問に対して「十分に満足している」「まあ満足
している」と回答したのは、全体の約6割を占める(図1)一方で、回答者全体の4分の1が「将来の暮らし向き
は悪くなる」と考えていることが分かりました(表1)。現在の生活に満足している人の多くが将来の暮らし向
きは良くなると考えていますが、不満を持っている人、年齢が高い人ほど「将来の暮らし向き」を悲観的に見る
人が多いことから、意識の格差が存在すると考えられます。
また、常勤雇用者※(464人が回答)に対して転職に関してたずねると、「今の職場・処遇・経済環境に満足
しており、転職(転業)は考えていない」と回答する人は19.6%である一方、転職を考えていたりその可能性が
あるという人が57.1%を占めていることが明らかになりました(図2)。転職理由は「現在よりも収入を増やす
ため」(55.5%)という点が最も多い結果となっています。他方、派遣社員等※(202人が回答)の職場への満
足度を見ると、62.4%が現状の職場に不満を持っており、79.7%の人が「将来的な継続雇用、処遇改善等につい
ての不安感」を持っていることがわかりました(表2)。
※ 常勤雇用者; 常勤正社員雇用者、弁護士等専門職個人営業、自営業者・家業手伝い
派遣社員等; 派遣社員等・契約社員・嘱託雇用者、及び、アルバイト・パート就業者
【ニート・フリーターの増加に対して「企業側の姿勢」を問題視する意見が約4割】
経済格差の拡大に関する考えを聞いたところ、、19.3%の人が現在の経済格差は「容認可能」と考えているこ
とがわかりました。そして、早急な公的対策が必要と見る人は23.2%であり、30.9%は基礎的な社会保障制度の
信頼性低下が問題だと考えており、また、13.3%は格差解消のための機会の提供が必要と考えていることがうか
がえます(図3)。
さらに、ニート・フリーターの増加に対しては、「将来の生活の安定」(36.9%)、「安定的な社会の維持」
(36.0%)などに問題が現れると回答する人が多くなっています(図4)。そして、このような状況に対して
「企業側の姿勢」を問題視する声が最も多く(41.6%)、「社会全体の問題であり、個人の労働意欲の問題では
なくなっている」という意見(31.1%)を上回りました。しかし、他方では、「願望と現実のズレのすり合せ・
妥協の出来ない資質」を問題視する意見も21.3%を占めました。この問題に対しては、属性による意見の差異が
大きく、その中でも、常勤雇用者と派遣社員等、無職者との意識の落差が大きいことがわかりました。
ニート・フリーター増加問題への対処策としては、本人自身の努力が重要であるとともに、公的機関や経済団
体による企業への働きかけに期待する意見が多く寄せられました。
【個人的な関心は健康と経済問題、関心のある社会事象の内容は多様】
気にかけている不安や悩み、関心を持っている社会事象をたずねたところ、個人的な点では「自分及び家族の
健康問題」が最大の心配事であり、「経済問題」がそれに次ぐことがわかりました(図5)。社会的な問題で
は、「税金・保険料の値上げ」が50.8%で最も多く、次に「食糧問題」(43.2%)、「環境問題の悪化」
(41.1%)、「自然災害」(37.9%)、「資源枯渇、価格上昇」(35.8%)、「治安の悪化、犯罪の増加」
(33.6%)などの問題が挙げられました。
【困ったときの相談相手がいない人が14.1%、休日は一人で過ごす人は30.0%】
回答者に、困ったとき誰に相談することが多いかたずねたところ、その相手は「家族、親兄弟、親戚に相談す
る」人が最も多く66.3%を占める一方で、「相談相手がいない」と答えた人が14.1%いることが分かりました
(表3)。そして、相談している相手の顔が見えないにもかかわらず「インターネットやブログを利用する」と
いう人が10.8%を占めています。
また、休日の過ごし方についてもたずねたところ、「家族と過ごす」という回答が48.7%と半数近くを占めた
ものの、一人で好きなことをするという人も30.0%を占めています(図6)。ただ、休日に「特に何もしない」
という人の69.4%が、また、休日に「一人で好きなことをする」という人の20.3%が「相談相手が居ない」と回
答しています(表3)。
本アンケート調査の詳細な分析結果は、NRIホームページ内にある「研究創発センター」のホームページ
(「研究成果」)に掲載しています。
URL:http://www.nri.co.jp/souhatsu/index.html 【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社野村総合研究所 広報部 日下部、瀬戸 TEL:03-6660-8370 E-mail: [email protected]
【ご参考】
■ 調査概要
「若者の生活意識に関するアンケート調査」
実施時期:
2008年8月2日∼3日
方法:
NRIのインターネットリサーチサービスTRUENAVI(http://truenavi.net)を利用
回答者:
日本全国に在住する20∼30歳代の男女1,000人(20・30歳代男女が各25%の構成となってい
調査担当:
野村総合研究所 研究創発センター 安積、村上、日戸
る)
図1:若者の生活満足度(N=1,000)
表1:現在の生活満足度から見た将来見通し(N=1,000)
(注)この表は、「現在の生活満足度」に関する質問に対するそれぞれの回答者が「将来の暮らし向き」をどのように考
えているかを見たものである。各パーセンテージの数値は、「現在の生活満足度」の各回答における「将来の暮ら
し向き」の回答の内訳の割合を示しており、例えば、現在の生活満足度で「十分に満足している」という81人のう
ち29.6%の人が将来の暮らし向きが「大幅に良くなる」と考えている。
図2:常勤雇用者の転職(転業)の可能性(N=464)
表2:派遣労働者等の職場への満足度と不安感(N=202)
(注)カッコ内は派遣労働者等の202人に対する構成比。
図3:経済格差に対する見方(N=1,000)
図4:ニート・フリーターの増加に対する見方(N=1,000)
図5:気にかけている不安や悩み、関心を持っている社会事象(N=1,000)
表3:休日の過ごし方から見た困ったときの相談相手(N=1,000)
(注)この表は、「休日の過ごし方」に関する質問に対するそれぞれの回答者が「困ったときの相談相手」をどのように
考えているかを見たものである。各パーセンテージの数値は、「休日の過ごし方」の各回答における「困ったとき
の相談相手」の回答の内訳の割合を示しており、例えば、休日の過ごし方で「家族と過ごす」という487人のうち
83.0%の人が困ったときの相談相手として「家族、親兄弟、親戚に相談する」と答えている。
図6:休日の過ごし方(N=1,000)
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