2011イ暮トータルすこやか運動講習会 (2) 高齢者の生活フィットネス「貯筋運動」和光大学身体環境共生学科矢田秀昭健康で活発な日常生活を遂行するためには、生活環境に適応できる身体能力が必要になります。この身体能力を総称して「生活フィットネス」と呼びます。生活フィットネスは加齢とともに低下します。その低下のパターンには個人差が大きく現れます (図 1)。ごく普通の日常生活を送っている場合に比較して、日頃活発な身体運動やスポーツを実施している場合には、「生活フィットネス」は高い水準を維持することができます。ところが、不活動的な日常となり運動不足状態が続くと「生活フィットネス」が低下し、また、病気などをきつかけにして急激な「生活フィットネス」の低下を引き起こしてしまいます。活動的な生活を送っていれば、この道を行くことができる通常は老化に廃用がプラス病気やけがをきつかけに急激に老イ基・ .、い・年図 1 齢生活フィットネスの年齢変化パターン (福永、2006) 「老化は脚腰から」と言います。下肢 (おしり、太もも)の太さは、男性も女性も年齢が高いほど細くなることを実感します。腕や脚の太さは、それぞれの部位の筋肉量と関係があります。図 2は、加齢による大腿部前部の筋肉の厚さの変化を示しています。加齢にともなう筋肉の厚さの減少が顕著に表れています。筋肉は全身で一様に減少するわけではありません。部位による違いがあります。このような加齢による減少は特に大ももの前とおなかの部位に示されています。筋肉の量の低下は筋力の低下につながります。脚の筋力の低下は加齢とともにどのように変化していくのでしょうか。図 3は脚の筋力の変化を示しています。 20歳代の値を 100%としたときの、各年代の値をみたものです。 70歳代では膝の伸展 (太ももの前の筋肉の力 )は約 60%低下します。伸展筋力・膝｀ヽ、 1∬ 大腿部前部筋厚一 ― 一 ― 、、ミ_ Fヽ ‐ ‐ ヽ｀｀｀ ‐ t、 (%) _.。 80 70 三← ｀｀｀、 60 滝 70 80 ０６ 60 ０ 50 ０３ 40 ０ 30 50 齢。年４女子 20 t― ― _________ ― 10 ｀年齢図2 図3 (福永、2006) 筋厚の加齢変化筋力の加齢変化 (福永、2006) の歩く。走るなどの移動能力は 20歳代以降、年齢が高くなるほど低下します。70歳代では 20歳代 50% 以下まで低下します。移動能力の低下の原因は歩行・走行時のストライドの低下にあります。これは脚筋力の低下により、歩行・走行時に脚が十分に上がらないことが原因と考えられています。貯筋運動プロジェクト研究の成果 __ 貯筋運動ステーションによる身体および体力の前後比較 (m) 体重 (kg) 部部腿腹六身体測定度脂厚 (爾 ) 恥瞳恥瞳匙腹日 (clm) 露朧鳳 ;: : :: 083 ns 露6 :8 617辮 1駕 :￨: l駕 :￨♀ :: 157 ns 138 887椰筋厚 ●m) 六腿吉6 脚体力測定膝伸展トルク細いいす座り立ち(● 上体起こし(回 ) 5m最大速度歩行 0 2010年度星ξ 匙黒匙鵬鳳 l駕翼 : ::荀 49縛 1魏 :: ￨:￢ 557継樹￨:; 1麗 : 盤:つ師 1郷 1:: :;14“ 継 1笙 1:: ::￢ 0"協￨] :: ::1277樹和光大学貯筋運動の成果いす座り立ち (S) 上体起こし (回 ) 5m最大歩行速度 (S) Pre 11.7 Post 10.9 Pre 15.1 Post 17.6 Pre 2.2 Post 2.2 3.背伸び (ふくらはぎ) お■に力●ハ'こ口びや事ない 1 14 ■足ずつ 4.横上げ (お尻、横 ) 5.おなか (お腹 ) :lilil)く ,:tt● さを吟_ バ,ンス 4た・ "を ' 2■ もう―力● ,,「 0 =イ出典 :福永哲夫監修「貯筋運動指導者マニュアル」保健同人社、プロジェクトで使用した貯筋運動 5種目