NSST HIROHATA report No.M-1306 水蒸気導入TG-DTA(示差熱・熱重量)測定 1.概要 ≪水蒸気導入TG-DTA対象材料≫ 通常のTG-DTA測定は、Dryガスを流して測定を行います。 TG-DTA2000SAは水蒸気圧力を制御して湿度調整を行ったガス雰囲気での 測定が可能な装置です・・・ <水蒸気圧制御原理>参照 高分子材料、電子部品材料、 セラミックス 等 各種材料の加湿雰囲気下での熱分析測定が可能であり、高温多湿 環境を想定した評価ができます。 水蒸気発生ユニット 2.装置仕様(水蒸気導入測定時) TG-DTA測定方式 上皿式差動型天秤 測定上限温度 10 00℃max.(加湿時) 測定雰囲気 N2、Air、各水蒸気圧制御ガス 計150or250ml/min ガス流量 Dry+Wetガス 100 or 200 ml/min+Dry ガス 50 ml/min(保護ガス) TG-DTA本体 0kPa~45kPa(導入水蒸気圧や測定温度に制約があります) TG-DTA2000SA装置外 水蒸気圧制御範囲 例)200℃等温時:max30kPa 700℃等温時:max40kPa 10kPa導入時:75℃以上 20kPa導入時:90℃以上 水蒸気圧安定性 ±0.5kPa以内 容器 Al(500℃max.)・Pt・Al2O3 昇温速度 Max20℃/min(通常10℃/min) コントローラー 水蒸気圧センサー MFC Wetガス 混合ガス 測定ガスの圧力は常圧(=1気圧=101.3kPa)です。 この1気圧中の水蒸気の量を制御することで、測定ガスの湿度調整を行います。 天秤ケース Dryガス MFC 水蒸気圧信号 Dryガス ⇒ 0(kPa)/101.3(kPa)=0(%) 20 kPa=Wetガス+Dryガス ⇒ 20(kPa)/101.3(kPa)=20.3(%) ガス 電気炉 <水蒸気圧制御原理> 例:導入水蒸気圧 0 kPa=Dryガスのみ MFC=マスフロー 保護ガス ボイラー Wet ※1気圧(101.3kPa)を基準とした相対水蒸気圧 水蒸気圧コントローラー 水蒸気コントロール図 3.測定事例 3.測定事例 ● シュウ酸カルシウム水和物の熱分解測定 同じ温度プログラムで、水蒸気圧を変えて測定を行いました。 緑線・・・0kPa ピンク線・・・10kPa 青線・・・20kPa TG曲線 熱分解反応を化学式で表すと 1段目 CaC2O4・H2O → CaC2O4 + H2O↑ 2段目 3段目 CaC2O4 → CaCO3 + CO↑ CaCO3 → CaO +CO2↑ 1段目の反応が 高温側へシフト 水蒸気圧が上がる(=ガスの湿度が上がる) と、1段目の反応が高温側にシフト! DTA曲線 シュウ酸カルシウム水和物中の水分の脱離 が、測定ガスの湿度により抑制された! Dryガス← →Dry+Wetガス ①水蒸気ガス導入開始 ②昇温開始 日鉄住金テクノロジー㈱ 広畑事業所 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 TEL079-236-0041 FAX079-236-1501
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