第 2 章 統計的方法 (前半)

第 2 章 統計的方法 (前半)
和田 晃実
概要
非常に数の多い粒子の力学の計算には統計的手法が必要である.前半では,まず,ギッブスのアンサンブ
ルに対する分配関数を求める.次に,古典的方法により理想気体の分配関数の表式を求め,古典的理論から
は熱力学関数の正しい表式が得られないことを示す.
統計的方法
2 つの粒子の相互作用の問題は,力学の方法によって解くことができる.3 つ以上の粒子が相互作用してい
るような系の問題は,複雑すぎてその一般解を求めることができない.1mol (6 × 1023 個) の粒子を含むよう
な系ついては,各粒子ごとのふるまいを知ることは全く不可能である.
しかし,各粒子ごとのふるまいについて知ることを諦めるのであれば,粒子の数が増せば増すほど,ある性
質をもった粒子の割合,ある現象が起きる確率を正確に予言することができる.
マクスウェル-ボルツマンの理論
マクスウェル-ボルツマンの理論では,系とは 1 原子または 1 分子の単一粒子のことを言い,N 個の粒子の
巨視的な集合はその系が N 個あると考える.この N 個の系が一定体積中に含まれ,その全エネルギーは一定
に保たれるとする.また,各粒子間の相互作用は小さく,全系がある状態をとる確率は各粒子の状態の確率の
積によって表せるものと仮定する.
この理論の基本的な 2 つの欠点はすぐ分かる*1 .まず,系の数は大きいものの有限であるということであ
る.次に,各粒子間の相互作用が小さいと仮定していることから,この理論で扱うことができるのは理想気体
だけであるということである.
ギッブスの理論
ギッブスの理論では,1 つの系として,N 個の粒子を含む容器を考え,それが L 個の同一の系から成る熱
浴に浸されていると考える.ここで,L は無限に大きい数であり,各容器はその壁を通して他の容器とエネル
ギーのやり取りができると仮定している.
この“ギッブスのアンサンブル”は次のような性質を持つ.(a) アンサンブルのある状態に対する全体の確
率は各系の確率の積で与えられる.(b) 物質が理想気体でなくとも扱える.(c) 系の各々が一定温度に保たれ
ている.(d) 系の数は無限大である.
ギッブスのアンサンブルは離散的なエネルギーをもつ離散的な状態にある巨視的な系から成る.これらの系
*1
量子力学で考えた場合,もう 1 つ非常に重要な欠点が出てくるが,それについては後で議論する.
1
の状態は本来同じ確率を持っていると仮定する.アンサンブルの配置はある状態にいくつの系が存在するかを
指定することによって示すことができる.ある状態 (エネルギー ui ) にある系の数を Li とする.ギッブスの
理論での系は全て巨視的な容器であるので,異なる状態にある系は区別できる.よって,この場合のアンサン
ブルの配置の数は,
P =
L!
L1 !L2 ! . . .
で与えられる.P は規格化されていない確率を表している.また,
∑
i
Li = L であり,
∑
i
Li ui は全エネル
ギー U に等しい.
確率と熱力学的性質との関係――分配関数
ボルツマンによって,確率 P はエントロピー S と,
S(P ) = k ln P
という関係で結ばれた.k はボルツマン定数と呼ばれ,実験により求められる定数である*2 .
物理的に実現する状態は最も確率の大きい状態であると仮定すると,物理系のエントロピーは,
ST = k ln Pm
と表される.ST は全アンサンブルの物理的に観測されるエントロピーで,Pm は確率の極大値である.
では,ギッブスのアンサンブルについてエントロピーを求める.ギッブスのアンサンブルでは確率は,
P =
L!
L1 !L2 ! . . .
であった.両辺の対数をとり,スターリングの公式:ln N ! ∼ N ln N − N を用いると,
ln P = L ln L −
∑
Li ln Li .
i
これが極大値をとる条件は,
δ ln P = −
∑
ln Li δLi = 0
i
であり,また,L,U は一定なので,
∑
∑
δLi = 0,
i
ui δLi = 0
i
を満たさなければならない.α,β を未知パラメータとしてラグランジュの未定乗数法を用いると,
∑
(ln Li + α + βui )δLi = 0
i
→ ln Li + α + βui = 0
→ Li = e−α−βui .
これが P が極大となるときの Li である.このとき,
(ln P )m = ln Pm = L ln L −
∑
Li (−α − βui ) = L ln L + αL + βU.
i
*2
k = 1.38 × 10−23 J/K.
2
エントロピーは,
ST = k ln Pm = k(L ln L + αL + βU ).
ここで,
L=
∑
Li = e−α
∑
i
e−βui
→
L
.
−βui
ie
e−α = ∑
i
簡略化のため,
∑
≡
∑
e−βui
i
とすると,
α = − ln L + ln
これを ST に代入し,
ST = k(L ln
∑
∑
.
+βU ).
ここで,エントロピーの変化分は,
∑
)
d
dST = k L ∑ + U dβ + βdU
(
であるが,
e−βui
Li = e−α e−βui = L ∑
∑
∑
ui e−βui
U=
Li ui = L i ∑
i
であるので,
d
∑
=d
∑
e−βui
i
=−
∑
e−βui (βdui + ui dβ)
i
∑
∑
∑
Le−βui dui
ui e−βui
d
L ∑ = −β i ∑
− dβL i ∑
∑
= −β
Li dui − dβU
i
→ dST = kβ(dU −
∑
Li dui ).
i
右辺第 2 項は外力によってなされる仕事であると分かるので,
dST = kβ(dU − δW )
と書ける.また,熱力学第 1 法則,および第 2 法則より,
dU = T dS + δW
なので,両式を比べ,
β=
3
1
kT
を得る.したがって,エントロピーは,
ST = Lk ln
∑
+
∑ ∑
(
=
e−ui /kT ).
U
T
i
1 つの系の平均エネルギー u
¯ = U/L を用いると,1 つの物理系のエントロピーは,
S = k ln
∑
+
u
¯
T
と表される.また,自由エネルギーは全体で,
FT = U − T ST = −LkT ln
1 つの系に対しては,
F = −kT ln
∑
∑
∑
.
.
は分配関数と呼ばれている.この自由エネルギーについての関係式を用いれば,他の様々な熱力学的関
数が計算される.たとえば,
(
)
∂F
∂V T
(
)
∂F
エントロピー S = −
∂T V
圧力 P = −
(
)
∂F
内部エネルギー U = F + T S = F − T
∂T
(
)
( 2 )V
∂U
∂ F
定積比熱 CV =
= −T
∂T V
∂T 2 V
統計理論に対する古典的アプローチ
自由度
古典的方法ではまず自由度の概念が利用される.系が持つ自由度を n とすると,自由座標は qi (i =
1, 2, 3, . . . , n) で書かれる.また,各自由座標に対して,共役な運動量 pi = ∂L/∂ q˙i が定義される.ここで,L
は系のラグランジアンである.ハミルトニアンを H とすると,qi ,pi はそれぞれ,
q˙i =
∂H
,
∂pi
p˙i = −
∂H
∂qi
を満たす (正準運動方程式).自由度が n の系には方程式が 2n 個あることになる.
相空間
次に,相空間の概念が用いられる.相空間は系の自由座標と共役運動量の直交座標系によってつくられてお
り,その次元は 2n である.したがって,その系は相空間の 1 点によって完全に記述されることになる.そし
て,系の時間変化はその相空間の 1 点の軌跡によって表されることになる.
4
リューヴィルの定理
ここで,リューヴィルの定理を示す.リューヴィルの定理は相空間における点の密度が時間によって変化し
ないということを表している.
簡単のため,n = 1 の系を考える.
p
✻
qdt
˙
dp
dq
✲q
図1
相空間において,大きさ dpdq を持つ長方形内の点の数の時間変化を計算する.点密度を ρ とすると,単位
時間当たりに,長方形の左からは ρqdp
˙ の点が入り,また,右からは (ρqdp
˙ + ∂/∂q(ρqdp)dq)
˙
の点が出ていく.
したがって,左右の辺からの出入りによる点の数の変化は (−∂/∂q(ρq)dpdq)
˙
である.同様に上下の辺からの
出入りによる点の数の変化は (−∂/∂p(ρp)dqdp)
˙
である.よって,単位時間当たりの点密度の全変化は,
∂ρ
∂
∂
= − (ρq)
˙ −
(ρp)
˙
∂t
∂q
∂p
となる.積の部分を微分して正準方程式を用いると,
(
)
∂ρ ∂ρ
∂ρ
∂
∂
+
q˙ +
p˙ + ρ
q˙ +
p˙ = 0
∂t
∂q
∂p
∂q
∂p
(
)
dρ
∂ ∂H
∂ ∂H
→
+ρ
−
=0
dt
∂q ∂p
∂p ∂q
dρ
→
=0
dt
この式は点密度が時間変化により変化しないことを表している.また,このことから,相空間中のある体積
が時間変化に対して保存することが分かる.
分配関数
そこで,相空間のある体積に対して,その体積を占める確率は先験的に等しいという仮定をおき,確率を考
えることにする.アンサンブルの実現される状態は確率最大の状態であるとすると,確率は e−u/kT の形でエ
ネルギー u に比例することが分かる.分配関数は,
∑
∫
=
e−u/kT dp1 dq1 . . . dpn dqn
5
となるが,このままでは (運動量 × 位置)n の次元をもつので,適当な量を用いて無次元化する.不確定性関係
から,∆p∆q ∼ h なので,プランク定数 h を用いて無次元化を行うことにすると,分配関数は,
∑
∫
=
e−u/kT
dp1 dq1 . . . dpn dqn
.
hn
古典的アプローチとマクスウェル-ボルツマンの 1 粒子系の応用,理想気体
の分配関数と熱力学的性質の計算
理想 1 原子気体に対して古典的アプローチとマクスウェル-ボルツマンの理論がどのように使えるか,そし
て,この方法にはどんな制限があるかを確かめる.
マクスウェル-ボルツマンの理論において,アンサンブルが独立な N 個の同一の単原子気体から成るとする
と,アンサンブルの分配関数は各系の分配関数の積で表され,
∑
(∫
=
e−u/kT
dxdydzdpx dpy dpz
h3
)N
となる.簡単のため,ポテンシャルは零として,
u=
p2x + p2y + p2z
2m
を代入すると,
∑
)N
dxdydzdpx dpy dpz
=
e
h3
(∫
)N
2
2
2
VN
= 3N
e−(px +py +pz )/2mkT dpx dpy dpz
h
(∫
=
−(p2x +p2y +p2z )/2mkT
VN
(2πmkT )3N/2
h3N
となる.
仮定の妥当性
この関数を使った計算に移る前に上記の分配関数を求めた時の仮定の妥当性を議論する.仮定ではアンサン
ブルの実現される状態は最も確率の高い確からしい配置で表されるとした.この仮定の妥当性を外部の影響か
ら孤立した理想気体の密度のゆらぎを考えることによって示す.
体積 V の孤立した箱の中にある N 個の原子からなる理想気体を考える.その体積をいくつもの区分に分
け,i 番目の区分の体積を Vi と表すとする.このとき,ある 1 つの原子が i 番目の区分に見いだされる確率
wi は,その区分の全体に対する体積比に等しく,
wi =
Vi
V
である.i 番目の区分に Ni 個の原子があるとすると,可能な配置の数は,
P =
N!
wN1 wN2 . . .
N1 !N2 ! . . . 1 2
6
である.w1N1 w2N2 . . . の項は与えられた数の原子が与えられた区分に見いだされる確率である.N !/N1 !N2 ! . . .
の項は原子が識別できることを仮定したマクスウェル-ボルツマンの理論にしたがって書かれる項で,N 個の
原子を与えられた区分に配当する方法の数を表す順列因子である.各々の P は (w1 + w2 + . . .)N の多項式展
開の 1 項になっており,
(w1 + w2 + . . .)N = (
∑
Vi /V )N = (V /V )N = 1
i
であるので,確率 P はすでに規格化されている.P の対数をとり,スターリングの公式:n! ≃ (2πn)1/2 (n/e)n
を用いると,
) ∑
∑(
1
1
ln P = N ln N − N + ln(2πN ) −
Ni ln Ni − Ni + ln(2πNi ) +
Ni ln wi .
2
2
i
i
ここで,各々の区分の分子数 Ni は,最も確からしい値 Ni0 から微小量 vi だけ変わった,つまり,Ni = Ni0 + vi
であるとする.また,
f (Ni ) = Ni ln Ni − Ni +
1
ln(2πNi )
2
とおくと,f (Ni ) は Ni0 のまわりで,
f (Ni ) ≃ f (Ni0 ) + f ′ (Ni0 )vi + f ′′ (Ni0 )
vi2
2
と展開される.そして,
f (Ni0 ) = Ni0 ln Ni0 − Ni0 +
f ′ (Ni0 ) = ln Ni0 +
f ′′ (Ni0 ) =
1
ln(2πNi0 )
2
1
≃ ln Ni0
2Ni0
1
Ni0
なので,これらを用いると,
) ∑
∑ v2
∑(
1
1
i
0
0
0
0
ln P = N ln N − N + ln(2πN ) −
Ni ln Ni − Ni + ln(2πNi ) −
vi ln Ni0 −
0
2
2
2N
i
i
i
i
∑
∑
+
Ni0 ln wi +
vi ln wi
i
i
となる.確率最大の条件は密度が一定,つまり,Ni0 = N wi なので,
∑
vi ln Ni0 =
∑
i
vi ln N +
i
∑
vi ln wi =
i
∑
vi ln wi
i
また,最大確率の表現式は,
P0 = ∏
2πN
0
i (2πNi )
であり,以上を用いると,
ln P = ln P 0 −
∑
vi ln Ni0 −
i
∑ v2
i
= ln P 0 −
0
2N
i
∑ i2
0
→ P = P 0 e− i vi /2Ni
7
∑
∑ v2
i
+
vi ln wi
0
2Ni
i
i
となる.これはゆらぎ vi が大きくなるにしたがって,P が指数関数的に減少することを示している.
ここで,特別な例として,V1 = V2 = V /2,N10 = N20 = N/2 の場合を考える.N の値として標準状態にお
ける理想気体の密度 2.69 × 1019 cm−3 を採ると,P 0 の値は 2 × 10−19 となる.このときに,粒子数のゆらぎ
の絶対値の平均 |vi | を求める.
∑2
i=1
vi = 0 なので,|v1 | = |v2 | = v として,
P = P 0 e−2v
v 2 の平均を求めると,
∫∞
∫∞
v 2 = −∞
v 2 P 0 e−2v
P 0e
−∞
2
/N
.
2
/N
dv
−2v 2 /N
dv
=
N
4
したがって,
√
√
N
2
|vi | ≃ v =
2
1
|vi |
→ 0 = √ ∼ 5 × 10−11 .
Ni
N
よって,ゆらぎは最も確からしい値に比べて非常に小さいことが分かる.このことから,最も確率の高い状態
が物理的に実現される状態であるという仮定が妥当なものであろうことが分かる.
古典統計理論による熱力学関数
では,話を理想気体の分配関数に戻す.古典論やマクスウェル-ボルツマンの理論に従って求めた分配関
数は,
∑
=
VN
(2πmkT )3N/2
h3N
であった.これを用いると自由エネルギーは,
F = −kT ln
∑
= −N kT
(
)
3
ln V + ln T + const .
2
また,その他の熱力学関数は,
(
)
∂F
N kT
圧力 P = −
=
∂V T
V
)
(
3
∂F
= N k(ln T + 1) + N k ln V + const′
エントロピー S = −
∂T V
2
3
内部エネルギー U = F + T S = N kT
2
(
)
∂U
3
定積比熱 CV =
= Nk
∂T V
2
これらの結果は古典論によって理想気体に対する状態方程式,内部エネルギー,定積比熱が導かれることを
示しているが,エントロピーの式は誤った値を与える.そのことを示す例にギッブスのパラドックスがある.
8
ギッブスのパラドックス (古典統計の基本的な誤りの 1 つ)
一定温度にある理想気体が入った箱を考える.この箱が 2 つに仕切られ,その各々の部分の体積が V で N
個の原子をもっているとする.この場合の系全体のエントロピーはそれぞれの部分のエントロピーの和で与え
られる.体積に依存する項を考えると,
S = 2N k ln V
である.次に,仕切りが取り除かれた場合を考える.この場合,2N 個の原子が入った体積 2V の系を考えれ
ばいいので,体積に依存する項は,
S = 2N k ln 2V
となる.よって,両者を比較すると仕切りが取り除かれた場合にエントロピーが 2N k ln 2 だけ増加するとい
うことになる.しかし,このような,同種気体の混合の場合は仕切りを取り除く前後でエントロピーは変化し
ないはずであり,計算結果は矛盾している.この問題はギッブスのパラドックスとして知られている.
古典理論の問題点
古典力学と量子力学の重要な違いに粒子の識別性の問題がある.量子力学によると同種粒子は原理的に区別
できない.ギッブスのパラドックスはこの粒子の識別性の違いに起因している.
確率の古典的な式には N 個の原子を配置する方法の数を表す順列の N !/N1 !N2 ! . . . という項がある.粒子
が識別できない場合,この項は 1 で置き換えられ,量子力学によるものと同じになる.粒子が識別できると考
えるとこの因子は適当な温度以上で N ! に非常に近くなることが分かる.
これは理想気体の量子状態の数を調べることによって示される.相空間の概念に不確定性関係を用いると,
ある狭いエネルギー領域を持つ系が占める事の出来る状態の数は,
dQ =
dpx dpy dpz dxdydz
h3
で与えられる.位置部分は積分し,運動量部分は極座標表示にすると,
dQ =
4πp2 dp
V
h3
となる.大部分の原子が系の平均的なエネルギーをもっているとして積分すると,
Q=
4π
3
3 (pav )
V.
h3
pav は平均エネルギーに対応する運動量である.平均エネルギーは,
3
(pav )2
= kT
2m
2
と表されるので,これを用いると,量子状態の数は,
Q=
4π
3/2
3 (3mkT )
V
h3
となる.ここで,ヘリウム原子を例にとる.V = 1 cm3 ,m = 6.7 × 10−24 gram,h = 6.6 × 10−27 erg·sec,
kT = 4.1 × 10−14 erg (= 300 ◦ K) として計算すると,
Q ≃ 1.1 × 1025
9
という値を得る.このような条件下にある気体の原子の数は 2.5 × 1019 であるので,1 原子当たり,105 個程
度の量子状態があることが分かる.これは 2 つ以上の原子が同じ状態にあることがほとんどないであろうこと
を示している.
さて,以上の結果から,適当な温度以上ではそれぞれの原子が同じ量子状態をとることが稀,つまり,各状
態にある粒子数 Ni がほとんど 0 か 1 となることが分かる.よって,古典的な確率の式に現れる順列因子は
N ! に近くなる.
また,温度が低くなると多くの粒子が低エネルギーの状態を占めるようになる.その結果,古典的な考えで
は順列の数は小さくなり,確率は温度に対しても不確定な依存性を持つことが分かる.
10