№17 平成17年4月 湘南青色申告会 歯科医師部会 「接待交際費」について 1 . 接待交際費 の 成立要件 接待交際費となるかどうかは、現在では次のような3要件説によって判断されています。 ①「支出の相手先」が事業に関係ある者であること ②「支出の目的」が事業関係者との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な遂行を図る ためのものであること ③「行為の態様」が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であること 【注1】相手先については、直接的な取引関係先だけでなく間接的に利害関係がある者も含 まれますが、家族や親戚・友人などは該当しませんので注意してください。 2 . 外部 へのお 見舞金 など お祝い、お見舞、香典など得意先や仕入先などの外部の者の慶弔・禍福に際して支出する 金品は、事業上のお付き合いするため贈答であるため接待交際費となります。 ただし、従業員(元従業員を含む)やその家族の慶弔・禍福に際して支出する金品は、一定 の基準(慶弔規定や習慣など)に従っていれば、接待交際費ではなく福利厚生費となります。 【注2】同業者団体(歯科医師会等)が接待・供用・慰安・贈答その他これらに類する行為をし て、その費用を個々に分担した場合については、その費途が会員相互の慶弔費や懇親 会費用であれば間接的な支出であっても接待交際費に含まれます。 3 . ロータリークラブ ・ ライオンズクラブ の 会費 会社役員がこれらのクラブの会員になっている場合の会費は、原則としてその法人の交際 費等として認められますが、個人事業主の場合は必要経費には認められません。これは、個 人の場合は一身専属的な意味を持った会員資格であるのに対し、会社役員は会社の事業を代 表しているだけであり退職と同時に資格を失うという性格の違いに由来するためです。 4 . 他 の 科目 で 計上 すべきもの その他、次のものは接待交際費ではなく、他の科目として必要経費に算入します。 ①専ら従業員の慰安のために行われる忘年会や旅行等のために通常要する費用 ・・・従業員の慰安については福利厚生費となります ②カレンダー、手帳、うちわ、ライターその他これらに類する物品を贈与するために 通常要する費用・・・不特定多数の者に交付するものは広告宣伝費となります ③情報提供等の対価として金品等を交付した場合でも、契約等によりあらかじめ決められ ていた場合や実際に役務の提供を受け対価として相当の金品等である場合 ・・・正当な取引の対価であれば、支払手数料となります 5 . その 他 1~4は税のしるべ『交際費課税』より 抜粋 以下の点にも留意しましょう。 ①飲食の領収書には、相手と接待の理由等を記入し事業上の必要があったことが証明でき るように、また、2次会等についてはその 必要性をよく考え算入するか判断しましょう ②お中元・お歳暮の送り状、慶弔費については会葬のお礼状・結婚式の招待状などを保存し ておきましょう ③基本的に、収入を得るための費用ということを忘れないで下さい
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