DFS ダイアフラムシール

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Manual
DFS
ダイアフラムシール
IM 06P01D01-01
IM 06P01D01-01
8版
目次 -
DFS
ダイアフラムシール
IM 06P01D01-01 8 版
目 次
1.
2.
3.
4.
はじめに........................................................1-1
1.1
本計器を安全にご使用いただくために....................1-2
1.2
納入後の保証について.........................................................1-2
概要...............................................................2-1
2.1
機能説明 . ......................................................................................2-1
2.2
動作原理.........................................................................................2-1
2.3
標準仕様.........................................................................................2-1
2.4
形名およびコード一覧 .......................................................2-2
2.5
付加仕様.........................................................................................2-3
2.6
外形寸法図....................................................................................2-4
取付...............................................................3-1
3.1
伝送器の取付け ........................................................................3-1
3.2
ダイアフラムアセンブリの取付け .............................3-2
3.3
供給空気と伝送用配管.........................................................3-2
操作...............................................................4-1
4.1
5.
伝送器のゼロ調整 ..................................................................4-1
4.2
負方向遷移機構による補正...............................................4-1
4.3
校正準備 . ......................................................................................4-2
4.4
校正装置.........................................................................................4-2
保守...............................................................5-1
8th Edition: Nov. 2012(KP)
All Rights Reserved, Copyright © 1982. Yokogawa Electric Corporation
IM 06P01D01-01
1.
< 1. はじめに>
1-1
はじめに
このたびは当社の空気式差圧・圧力伝送器をご採用い
ただき,まことにありがとうございました。
警告
本計器は納入に先立ち,ご注文仕様に基づいて正確に
回避しないと,死亡または重傷を招く恐れがある危険
調整されております。
な状況が生じることが予見される場合に使う表示で
本計器の全機能を生かし,効率よく,正しくご使用い
す。本書ではそのような場合その危険を避けるための
ただくために,ご使用前に本取扱説明書をよくお読み
注意事項を記載しています。
になり,機能・操作を十分に理解され,取り扱いに慣
れていただきますようお願いいたします。
■ 本書に対するご注意
・ 本書は,最終ユーザまでお届けいただきますよう
お願いいたします。
・ 本書の内容は,将来予告なしに変更することがあ
ります。
・ 本書の内容の全部または一部を無断で転載,複製
することは禁止されています。
・ 本書は,本計器の市場性またはお客様の特定目的へ
の適合などについて保証するものではありません。
・ 本書の内容に関しては万全を期していますが,万一
ご不審の点や誤りなどお気づきのことがありまし
たら,裏表紙に記載の当社各営業拠点またはご購
入の代理店までご連絡ください。
注意
回避しないと,軽傷を負うかまたは物的損害が発生す
る危険な状況が生じることが予見される場合に使う表
示です。本書では取扱者の身体に危険が及ぶ恐れ,ま
たは計器を損傷する恐れがある場合,その危険を避け
るための注意事項を記載しています。
重要
計器を損傷したり,システムトラブルになるおそれが
ある場合に,注意すべきことがらを記載しています。
注記
・ 特別仕様につきましては記載されておりません。
操作や機能を知るうえで,注意すべきことがらを記載
・ 機能・性能上とくに支障がないと思われる仕様変
しています。
更,構造変更,および使用部品の変更につきまし
ては,その都度の本書改訂が行われない場合があ
りますのでご了承ください。
■ 安全および改造に関するご注意
・ 人体および本計器または本計器を含むシステムの
保護・安全のため,本計器を取り扱う際は,本書
の安全に関する指示事項に従ってください。なお,
これらの指示事項に反する扱いをされた場合,当
社は安全性を保証いたしかねます。
・ 当該製品を無断で改造することは固くお断りいた
します。
・ 本製品および本書では,安全に関する次のような
シンボルマークを使用しています。
IM 06P01D01-01
1.1
本計器を安全にご使用いただくた
めに
警告
1-2
< 1. はじめに>
1.2
納入後の保証について
・ 本計器の保証期間は,ご購入時に当社よりお出し
した見積書に記載された期間とします。保証期間
中に生じた故障は無償で修理いたします。
・プロセスに設置した差圧・圧力伝送器は加圧状態に
・ 故障についてのお客様からのご連絡は,ご購入の当
ありますから,受圧部の締付けボルトを締めたりゆ
社代理店または最寄りの当社営業拠点が承ります。
るめたりすることは,プロセス流体の噴出を招く危
・ もし本計器が不具合になった場合には,本計器の形
険があります。絶対に行わないでください。
・伝送器受圧部内のドレンまたはガスを抜く際に,プ
名・計器番号をご明示のうえ,不具合の内容およ
び経過などについて具体的にご連絡ください。略
ロセス流体が人体に有害な物質の場合,皮膚や目へ
図やデータなどを添えていただければ幸いです。
の流体の付着,流出ガスの吸入などが行われないよ
・ 故障した本計器について,無償修理の適否は当社
う十分ご注意ください。
なお,ドレンまたはガス抜き作業は,測定圧力に外
乱を与えることになりますので,運転中の作業は避
けてください。
・プロセス流体が人体に有害な物質の場合は,メンテ
ナンスなどで伝送器をラインから取りはずした後も
慎重に取り扱い,人体への流体付着,残留ガスの吸
入などのないよう十分ご注意ください。
重要
(1)清浄で乾燥した空気を供給してください。
・ - 40℃に於ても結露しない空気(加圧状態)
をご使用ください。
・ 使用するエアーフィルタは,濾過精度(公称)
が 5 µm のものをご推奨します。
の調査結果によるものとします。
■ 次のような場合には,保証期間内でも無償修理の対
象になりませんのでご了承ください。
・ お客様の不適当または不十分な保守による故障の
場合。
・ 設計・仕様条件をこえた取扱い,使用,または保
管による故障,または損傷。
・ 当社が定めた設置場所基準に適合しない場所での
使用,および設置場所の不適合な保守による故障。
・ 当社もしくは当社が委嘱した者以外の改造または
修理に起因する故障,または損傷。
・ 納入後の移設が不適切であったための故障,また
は損傷。
・ 火災・地震・風水害・落雷などの天災をはじめ,原
因が本計器以外の事由による故障,または損傷。
・ オイルフィルタ等で,油分が除去された空気を
ご使用ください。
(2)固 定減圧弁(GAS または NAS 形)の付いていな
い計器の場合,供給空気圧は 215 kPa 以下として
ください。215 kPa 以上の供給空気圧を加えた場
合,ニューマティックアンプリファイヤ,ベロー
ズ等が破損されます。
(3)現地配管工事などで溶接工事を行う場合,計器へ
溶接電流を流さないように注意してください。
(4)設置後,本計器を足場などに使用しないでくださ
い。
IM 06P01D01-01
2-1
< 2. 概要>
2.
概要
2.1
機能説明
2.2
動作原理
ダイアフラムシール機構は,圧力計または差圧計の受
プロセスの圧力は先ずシールダイアフラムに受圧され,
圧部分に被測定流体が直接導入されては困る場合に使
外装付キャピラリチューブを介して伝送器本体まで伝
用するもので,圧力計または差圧計の付加機構として
えられます。
(キャピラリチューブとダイアフラムカプ
扱われます。
セルの全系統に圧力伝達液が封入されています。
)
ダイアフラムシール機構を推奨する例としては次の場
検出部のダイアフラムだけが直接測定流体と接液しま
合が考えられます。
すので,伝送器内の構造・測定素子の材質には無関係
(1)
温度を下げると晶出,固化などにより測定ができ
なくなるとき。
に高温腐食性,高粘性,真空圧での凝固性流体などの
測定が可能になります。
(2)
温度を上げると反応が起きたり,腐敗したりするとき。
(3)
導圧管,測定素子中に被測定流体が滞留する結果,
固化,腐敗が起こるとき。
(4)
測定素子材質がその流体に対し,充分の耐食性を
2.3
標準仕様
組合わせ計器:
圧力計…Y/11GM- □□ 8
もたないとき。
P42 および P51 圧力エレメント使用の圧力計
(5)
流体中の固形物により導圧管の閉塞が起こるとき。
(6)
毒性流体のため,容器,管などから測定素子まで
の配管を嫌うとき。
(MC43, MC45, MC55)
差圧計…Y/13A- □□ 8
構造形式:
圧力計…フラッシュ形(2B)または突出し形(4B)
差圧計…フラッシュ形(3B)または突出し形(4B)
測定範囲:
計器
圧力計
差圧計
測定スパン
0.1 ~ 10 MPa
5 ~ 210 kPa
測定範囲 *1
最大 10 MPa *2
- 210 ~ 210 kPa
*1: 使用圧力が負圧の場合は表 2.1 を参照してください。
*2: フランジ定格と組合せ計器から制限されます。突出し形
の場合は 7MPa 以下となります。
組合わせ精度:
組合わせ計器の標準精度に準じます。
材質:
接液部…「形名およびコード一覧」参照
取付フランジ…SUS304 または S25C
キャピラリ…SUS316
F0201.ai
図2.1
外観
プロテクションチューブ…SUS304 塩化ビニル被覆付
(塩化ビニルの最高使用温度:100℃)
封入液:
表 2.1 を参照
IM 06P01D01-01
2.4
< 2. 概要>
2-2
形名およびコード一覧
(突出し形)
( フラッシュ形 )
形名
基本仕様コード
//DFS · · · · · · · · · · · · · ·
フランジ -WB · · · · · · · · ·
-WC · · · · · · · · ·
サイズ
フランジ K · · · · · · · · · · ·
S···········
材質
フランジ
10K · · · · · · · ·
20K · · · · · · · ·
規格
40K · · · · · · · ·
63K · · · · · · · ·
150 · · · · · · · ·
300 · · · · · · · ·
600 · · · · · · · ·
151 · · · · · · · ·
301 · · · · · · · ·
601 · · · · · · · ·
ダイアフラム -0 · · · · · · · ·
突出し長(X2)
接液部材質 *5 -1 · · · · · · ·
-2 · · · · · · ·
-3 · · · · · · ·
-4 · · · · · · ·
-5 · · · · · · ·
封入液
0·······
1·······
2·······
3·······
4·······
キャピラリ長さ (m) L□· ·
組合わせ計器
-2
-4
付加仕様コード
仕様
ダイアフラムシール
3B フランジ(差圧計用)
2B フランジ(圧力計用)*1
炭素鋼 S25C
ステンレス鋼 SUS304
JIS 10K
JIS 20K
JIS 40K
JIS 63K *2
ANSI クラス 150
ANSI クラス 300
ANSI クラス 600
JPI クラス 150
JPI クラス 300
JPI クラス 600
0 mm
タンタル *3
SUS316L
チタン
ハステロイ C-276
モネル
シリコンオイル(一般用)
フッ素系オイル(禁油用)
シリコンオイル(一般用)
エチレングリコール(低温用)
シリコンオイル(高温用)
1, 2, 3, … 9m より選択 *4
Y/11GM, Y/13A
MC43, MC45, MC55
/ □付加仕様
形名
//DFS
フランジ
サイズ
フランジ
材質
フランジ
規格
基本仕様コード
··············
-NB · · · · · · · · · ·
-NC · · · · · · · · · ·
S············
10K · · · · · · · · ·
20K · · · · · · · · ·
40K · · · · · · · · ·
150 · · · · · · · · ·
300 · · · · · · · · ·
151 · · · · · · · · ·
301 · · · · · · · · ·
ダイアフラム -2 · · · · · · · ·
突出し長(X2)-4 · · · · · · · ·
-6 · · · · · · · ·
接液部材質 *5 -6 · · · · · · ·
封入液
0·······
1·······
2·······
3·······
4·······
キャピラリ長さ (m) L□· ·
組合わせ計器
-2
-4
付加仕様コード
仕様
ダイアフラムシール
4B フランジ(差圧計用)
4B フランジ(圧力計用)*1
ステンレス鋼 SUS304
JIS 10K
JIS 20K
JIS 40K
ANSI クラス 150
ANSI クラス 300
JPI クラス 150
JPI クラス 300
50.8 mm
101.6 mm
152.4 mm
SUS316 *6
シリコンオイル(一般用)
フッ素系オイル(禁油用)
シリコンオイル(一般用)
エチレングリコール(低温用)
シリコンオイル(高温用)
1, 2, 3, … 9m より選択 *7
Y/11GM, Y/13A
MC43, MC45, MC55
/ □付加仕様
*1: P42 圧力エレメントを使用する場合の注意
レンジの下限値が 0MPa 未満(負圧)で,かつスパンが
0.4MPa 未満の測定レンジの場合はご相談ください。
*2: フランジサイズコード WC にのみ適用可。
*3: 接液温度は最高 200℃までとなります。
*4: 接液部材質コード 1, 3, 4, 5 および封入液コード 4 の場合,
キャピラリ長さは 5m 以下で指定。
*5:
接液部材質は,使用するプロセスの特性を十分考慮
して選定ください。間違った材質選定によって,漏
洩したプロセス流体が人体や設備に甚大な影響を与
えたり,破損したダイアフラム破片や封入液がプロ
セス流体に混入する可能性があります。特に塩酸,
硫化水素,次亜塩素酸ナトリウム,150℃以上の高
温水蒸気など腐食性の強い流体については十分ご注
意ください。製品の接液部構造について,少しでも
ご不明な点は必ずお問い合わせください。
*6: 接液ダイアフラム材質は SUS316L。
*7: 封入液コード 4 の場合,キャピラリ長さは 5m 以下で指
定。
IM 06P01D01-01
表2.1 プロセス接液温度および周囲温度
シリコンオイル
封入液
接液温度 *1
(℃)
周囲温度 *2
(℃)
使用圧力
比重
*3
2-3
< 2. 概要>
コード
0
- 10 ~
+ 250
- 10 ~
+ 100
コード
2
- 30 ~
+ 120
- 10 ~
+ 100
コード
4
+ 10 ~
+ 300
+ 10 ~
+ 100
*1
*1
*1
1.07
0.94
1.09
フッ素系 エチレン
オイル グリコール
コード
コード
1
3
- 20 ~ - 50 ~
+ 120
+ 100
- 10 ~ - 40 ~
+ 100
+ 100
50.7 kPa.A 負圧は
以上
不可
1.90 ~
1.09
1.92
*1: 図 2.2 の使用圧力と接液温度の関係を参照してください。
*2: この周囲温度は封入液およびキャピラリ部(塩ビ被覆付
き)の使用温度範囲で定められたもので,伝送器本体の
周囲温度ではありません。
*3: 温度 25℃における概略値です。
封入液コード 0
封入液
コード 2
封入液コード 4
フランジ
最高使用
圧力
2.5
付加仕様
[ ]内は付加仕様コード
1. FEP テフロン膜付(フッ素系オイル付)
:
[T]
使用温度範囲
+ 20 〜 150℃
使用圧力範囲
0 〜 2 MPa
注:測定流体が粘着性流体の場合に有効です。
(耐腐食性を
目的としたものではありません)
フラッシュ形の場合にのみ適用可能です。
2. キャピラリ塩ビ樹脂被覆なし:
[NV]
注:キャピラリ部の周囲温度が 100℃を越える雰囲気の場所
で使用する場合,あるいは塩化ビニールの使用が禁止さ
れているような場合には NV と指定してください。
3. 接液温度零補正:
[OTC □]
□の中に温度を記入
指定された温度におけるゼロシフト量をデータプ
レートに明示します。
補正可能範囲は+ 80 〜+ 300℃で,封入液,テフ
ロン膜等の使用温度範囲内であること。
ただし差圧計の場合,高低圧側とも同一温度で行
います。
100
大気圧
使
用
圧
10
力
kPa abs
2.7
1
0.1
−50 0
50
100 150 200 250 300℃
F0202.ai
図2.2 使用圧力と接液温度の関係(シリコンオイルの場
合)
IM 06P01D01-01
2.6
2-4
< 2. 概要>
外形寸法図
● DFS-WB
● DFS-WC
31
f
φC
単位:mm
31
t
t
f
φC
φ90 *1
φD
φ61 *1
φ104
φD
φ133.5
n-φh
n-φh
200
200
MC43, MC45, MC55形
φ15
φ15
Y/13A形
低圧側
Y/11GM形
*1: ガスケット座の内径
高圧側
F0203.ai
フランジサイズ:80A(3B)
φD
フランジ規格
t
JIS 10K
185
18
JIS 20K
200
22
JIS 40K
210
32
ANSI クラス 150 190.5 23.9
ANSI クラス 300 209.6 28.5
ANSI クラス 600 209.6 31.8
JPI クラス 150 190
24
JPI クラス 300 210 28.5
JPI クラス 600 210
32
*2
f
0
0
0
1.6
1.6
0
0
0
0
φC
150
160
170
152.4
168.1
168.1
152.4
168.1
168.1
n
8
8
8
4
8
8
4
8
8
φh
19
23
23
19.1
22.4
22.4
19
22
22
フランジサイズ:50A(2B)
φD
フランジ規格
t
JIS 10K
155
16
JIS 20K
155
18
JIS 40K
165
26
JIS 63K
185
34
ANSI クラス 150 152.4 19.1
ANSI クラス 300 165.1 22.4
ANSI クラス 600 165.1 25.4
JPI クラス 150 152 19.5
JPI クラス 300 165 22.5
JPI クラス 600 165 25.5
f*2
0
0
0
0
1.6
1.6
0
0
0
0
φC
120
120
130
145
120.7
127
127
120.6
127
127
n
4
8
8
8
4
8
8
4
8
8
φh
19
19
19
23
19.1
19.1
19.1
19
19
19
*2:フランジ材質が S25 のとき f 寸法は 0 となります。
IM 06P01D01-01
2-5
< 2. 概要>
● DFS-NB
● DFS-NC
φD
単位:mm
φD
φC
φC
φ154.5
φ96±0.5
φ154.5
φ96±0.5
n-φh
X2
X2
n-φh
Y/13A形
低圧側
t
f
14 .3
t
f
14 .3
MC43, MC45, MC55形
Y/11GM形
高圧側
F0204.ai
フランジサイズ:100A(4B)
φD
フランジ規格
t
JIS 10K
210
18
JIS 20K
225
24
JIS 40K
250
36
ANSI クラス 150 228.6 23.9
ANSI クラス 300
254
31.8
JPI クラス 150
229
24
JPI クラス 300
254
32
f*1
0
0
0
1.6
1.6
0
0
φC
175
185
205
190.5
200.2
190.5
200.2
n
8
8
8
8
8
8
8
φh
19
23 ダイアフラム突出し長さのコード 2:X2 = 50.8 mm
25
4:X2 = 101.6 mm
19.1
6:X2 = 152.4 mm
22.4
19
22
*1:フランジ材質が S25 のとき f 寸法は 0 となります。
IM 06P01D01-01
3.
3-1
< 3. 取付>
取付
3.1
重要
・伝送器はダイアフラムアセンブリより低い位置に取
付けるようにしてください。高い位置に取付けた場
合,封入液のヘッド圧によりダイアフラムアセンブ
リが変形することがあります。
・ダイアフラムアセンブリを先に取付け,次に伝送器
を取付けてください。
伝送器の取付け
伝送器は垂直に取付けます。
U ボルトでパイプに取付金具を取付けます。U ボルトを
水平パイプに取付ける場合,垂直位置にして取付けま
す。
パイプは他のパイプに固定するかまたはフランジをつ
けて床や壁に取付けます。
・振動のある場所や,温度変化の激しい場所を避けて
取付けてください。
・受圧部(ダイアフラム波形状部分)に傷をつけない
伝送用配管(3.3項参照)。
でください。また導管(キャピラリ)はつぶしたり,
切ったり,ねじったりしてはいけません。赤エナメ
ルでマークされているボルト,ナット,ねじは絶対
にゆるめないでください。受圧部および接続部分を
損傷した場合は,計器全体(ダイアフラムアセンブ
リ,導管および伝送器)を当社に修理のためにご返
送ください。
注記
取付金具
・導管引出部の保護管が下向きになるように取付け
て,雨水等が溜まらないようにしてください。
・導管をクリップ,止め金具またはテープで支持して
ください。
(つぶさないように注意)
2Bパイプ
(φ60.5)
Uボルト
F0302.ai
図3.2
伝送器の取付け
・余分の導管はゆるく巻いて同じ位置に支持します。
保護管
導管
F0301.ai
図3.1
ダイアフラムシールの取付け
IM 06P01D01-01
3.2
3-2
< 3. 取付>
ダイアフラムアセンブリの取付け
3.3
供給空気と伝送用配管
ダイアフラムアセンブリをフランジのくぼみにはめて 2
本の押さえねじでフランジに取付けます。
(5/32″六角
レンチ使用)
開閉弁
受信計
供給空気
1/4B 配管
プロセスのフランジ取付ボルト穴は,フランジの中心
減圧弁
線上にあけておきます。
差圧測定の場合は HIGH および LOW のラベル指示に
従って,プロセスの高圧側および低圧側にダイアフラ
F0304.ai
図3.4
ムアセンブリを取付けます。密閉タンクの液位測定の
注記
場合は,HIGH ・ LOW のダイアフラムアセンブリを 2 項
・供給圧は 140kPa に調整します。
に示す位置に設置します。
合フランジ
押さえねじ
フランジ
供給空気および伝送用配管
ガスケット
・伝送器は平常動作で 0.5Nm3/h の空気量を消費しま
フランジ取付
ボルト穴
す。
・空気は清浄で乾燥していなければなりません。フィ
ルタは定期的にドレン抜きしてください。
・伝送配管には洩れのないことを確認します。
フランジボルト
ダイアフラム
アセンブリ
F0303.ai
図3.3
ダイアフラムアセンブリの取付け
*フランジボルト,ガスケットおよびプロセス側の合フラン
ジは,お客先でご用意願います。
IM 06P01D01-01
4-1
< 4. 操作>
4.
操作
4.1
伝送器のゼロ調整
低圧側
伝送器を始動させる前にプロセスに取付けた状態で調
整をしてください。下記の計算式を使用して,タンク
最高液位
の中の液位に対応する出力を算出します。負方向遷移
調整ねじで粗調整をしてからゼロ調整ねじで微調整を
行ない,計算値に合わせます。これらの調整法は,付
高圧側
属する伝送器本体の取扱説明書に詳述してあります。
最低液位
計算式(空気式伝送器)
出力 = 80 ×
基準液位-最低液位
最高液位-最低液位
+20
例:基準液位= 10kPa
F0401.ai
図4.1
最高液位= 14kPa
最低液位= 4kPa
10 - 4
出力 = 80 ×
14 - 4
+20=68kPa
ダイアフラムアセンブリの取付位置
*伝送器本体の取付位置は高圧側ダイアフラムアセンブリよ
り下位にします。
計算例
4.2
負方向遷移機構による補正
スパン= X・Gp
負方向遷移= d・GL - Y・Gp
プロセス接続口の高さが同じレベルにない場合(通常,
最小レンジ限界=負方向遷移
低圧側ダイアフラムアセンブリは上部に,高圧側ダイ
最大レンジ限界=負方向遷移- X・Gp
アフラムアセンブリは下部に設置します)負方向遷移
ここに Gp =プロセス液体の比重
機構による遷移が必要です。高圧側接続口と最低液位
GL =伝送器用液体の比重
との差が測定スパンの 10%以内であるなら,遷移は伝
送器のゼロ調整ねじで行なえます。しかしレベル差が
例:X = 1500mm
10%以上の場合は,負方向遷移機構を取付けなければ
Y = 500mm
なりません。この場合負方向遷移調整ねじで粗調整を,
d = 2500mm
ゼロ調整ねじで微調整を行なってください。
Gp = 0.8
GL = 1.07(約)
伝送器の取付位置は制限されません。また静圧調整も
スパン= 1.5 × 0.8 × 9.807 = 11.77kPa
要しません。負方向遷移量の計算は下例を参照くださ
負方向遷移= (2.5 × 1.07 - 0.5 × 0.8) × 9.807 = 22.31kPa
い。
レンジ=- 22.31 ~- 10.54kPa
(負の記号がついているのは伝送器の低圧側に圧力がか
かっていることを意味します)
この例では,
(1)実際は伝送器の低圧側には,高圧側より高い圧力が
かかっています。
(2)負方向遷移がスパンの 10%より大きいため,負方向
遷移機構が必要です。
IM 06P01D01-01
4.3
< 4. 操作>
4-2
校正準備
校正用の圧力は実際に液位を変化させる方法(実置校
正)または下図のように校正用加圧装置を使用する方
法(ベンチ校正)のどちらでもできます。
校正は,レンジ,正方向あるいは負方向遷移を変更す
る場合に必要です。校正手順は付属する伝送器本体の
説明書を参照ください。
注意
通常伝送器は負方向遷移させて使用されます(伝送
器の低圧側の圧力のほうが高圧側の圧力より大きい)
。
負方向遷移で使用しないときには,校正圧力をHI側
ダイアフラムに加圧してください。
4.4
校正装置
ダイアフラムアセンブリを正方向遷移相当の位置に置
きます。
ゼロ調整は伝送器を実際の取付位置に戻してから行な
います。
・ 供給圧(140kPa)を加圧します。
・ 校正圧力配管に 0 ~ 150kPa の圧力計を接続します。
・ 伝送器出力を読みとるために 0 ~ 150kPa の圧力計
を接続します。
・ HI 側のダイアフラムアセンブリには圧力をかけま
せん。
(但し,4.3 項の注意参照)
中央にRc1/4のタップ付きの
3B合フランジ
ダイアフラムシール
付属フランジ
圧力計
供給空気
校正圧力
圧力計
HI側ダイアフラム
アセンブリ
F0402.ai
図4.2
校正装置
IM 06P01D01-01
5.
< 5. 保守>
5-1
保守
重要
・液体封入部(キャピラリまたはダイアフラム)が損
傷した場合は,修理のため伝送器全体を当社にご返
送ください。
・液体封入部のねじおよびナット類は絶対にゆるめな
いでください。
・伝送器の調整部分は伝送機構にあります。伝送器の
受圧部は調整を要しません。伝送機構の保守につい
ては,付属する伝送器本体の説明書をご参照くださ
い。
IM 06P01D01-01