中高全学年共通 記述式数学の 記述式数学の答案作成の 答案作成の掟 (by Aiichiro Kohno) は じ め に 記述式の数学の設問に 対する 取り 組み方と いう のは,本質論から 言え ば,多少極論めく が「問題 の数だけある 」と いう 事に なろ う 。或いは,せいぜい「1 0 0 0 問解いてみた結果,方法を 9 9 通 り に ま で絞り 込む事ができ ま し た」と いう 類のも のに なる のではないだろ う か。つま り ,生徒に と っ て「ワ ッ ァ ! たっ たこ れだけでいいんだ! ! 」と 喜べる よ う な小さ な数に ま で絞り 込む事は,本 質的に はでき ないも のである と 考え ら れる 。 かと 思え ば,「当たり 次第に 条件を 式に し ま く っ て,適当に 式を 組み合わせてつなげれば答え が 出る のだ! 」等と いう 暴論を ,ま こ と し やかに 吐く 先生がいたり , 「経過の説明は“だから ”“よ っ て”“ゆ え に ”など の接続語を 適時に 式に 混ぜと けば,○はも ら え る 」等と いっ た,およ そ知性と 知能の程を 疑いたく なる よ う な戯言を 吐く 輩も いる 。前者は生徒に と っ て実用的かつ本質的な方法論たり え ず, 後者に 至っ ては方法論と は言え ない代物である 。 そこ で,筆者は普段の学習ま たは試験に おける 記述式数学への取り 組むべき “姿勢”を 述べる 事に し ておく 。以下のよ う な地道な努力を 怠り ,徒に 問題演習で自分流の数学を 巻き 散ら かし 続け,添 削等を 受けたと し ても ,決し て力はつかないのだ。ただ以下は所詮,“姿勢”であり “解法”ではない ので自ずと 限界があろ う 。だが,「ど う すればいいのだろ う …? 」と 途方に 暮れたり ,「こ んな答 案でいいのだろ う か…? 」と 不安に から れる 時に は,一つの指針と 自信と を 与え てく れる も のと は なる であろ う 。 ①問題文をじっくり読む まず,問題文をじっくり読んで,「何を求めるのか」「何が与えられた 条件か」を整理する事が大切(その際に,「 0の場合を除く」「 x は 0 以上」などの仮定条件も確認!)である。そして,その問題を解くための 方針を考えていく事になる。ただ,方針が思い浮かばない場合もあるだろ う。その場合には,与えられた条件から導ける事は何か,答えを求めるに は何が分かれば良いかというように2つの方向から考えてみてはどうか。 また図形や関数系の問題などでは,条件を図やグラフに表し視覚的に考察 する習慣も必要である。 複数の方針が思いついた場合には,どれが一番楽な方法であるかを検討 し,普段の学習では採用しなかった方法も復習のためにメモしておいた方 が良いであろう。 ②「良い答案」を心がける 数学という学問は,そもそも答えとなる数値や式を出すためのものでは なく,各々の論理的思考能力を育成するというものであろう。よってこの ような本質から考えるならば,答えそのものよりもその答えを出すまでの “過程”が重要で,“過程”と“最終的な答え”総てを合わせて解答であ り,記述式の試験では実際にその過程に多くの点数が与えられる。そこで, 解答作成の際には,自分の論理的思考が採点者に理解してもらえるような 「よい答案」を作る事が大切なのである。 ○よい答案 よい答案とは 答案とは? とは? Ⅰ 論理の 論理の流れが明確 れが明確で,簡潔にまとまっているもの。 明確 Ⅱ 適切な言葉による説明がなされているもの Ⅲ 丁寧な文字でかかれているもの →自分ではなく全くの他人である採点者に見てもらう事を意識した答案! ●逆に,悪い答案とは 答案とは? とは? Ⅰ 数式の羅列だけで思考の過程が読み取れないもの Ⅱ 回答の論理が破綻,または不明確な所があるもの Ⅲ 言葉の使い方が適切ではないもの Ⅳ 自分だけにわかるわがままな説明がなされているもの Ⅴ 汚い字でメモ書き風に書かれたもの ③わからない時も……まずは諦めずに考えぬく事が大切 試験中である時を除いて,思考錯誤して考えた時間は決して無駄になら ず,自分の実となるであろう。また,それまで自分がやった問題を見つけ, それを真似て解く事も十分勉強になるのである。だが,どうしても解けな かった時は,わかるところまで書いて,自分の誤りを添削や自己採点等で 考えてみるべきである。 ④復習が最も大切! ○できた問題 …「ポイントを過不足なくまとめた答案」になっているかどうかチェック してみよう。そこで添削や解答を参考に,何が足りないか(或いは何が余 計なのか)について考えてみるべきであろう。また,自分の答案が「良い 答案」の条件を満たしているかどうかも確認してみよう。 ●できなかった問題 …まずはミスの原因を見つける事が第一である。計算ミス等の単なるケア レスミスなのか,それとも考え方の間違いなのかを,自分の方針の適切さ まで含めて考えてみるべきであろう。 ・計算ミスの時→単なるケアレスミスか?方針がまずかったために計算量 が多くなったせいですか? ・考え方の間違いの時→そもそも方針は正しかったのですか? ☆そして最後に復習の結果をノートまたは問題集にチェックしておき,ま た別の日に見直しができるようにしておけばナイスである。 おわり に 以上の事を 今ま で意識し てこ なかっ た者に と っ ては,こ れら の事は難し そう に 見え る だろ う が, 一問一問チャ ン と 心がけていけば,必ず身に つく 事だと 思われる 。数学を 極める 事の第一歩を 踏み 出そう !
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