講義18 - chtgkato.com

労作性狭心症(Effort angina)
Stress像で冠動脈狭窄部位に局所
的血流低下を示す。
(運動時は心筋血流が4倍になるが、
冠動脈狭窄部位は、相対的に心筋 流が低下する。)
冠動脈狭窄部位は、相対的に心筋血流が低下する。)
負荷が弱いと、正常心筋血流の増加が4倍にならないので
病変の虚血所見が出ない。危険を伴う検査なので、
救急蘇生設備を備えた場所で医師が負荷をかける。
Rest像で同部位に再分布を示す。 (タリウムは、カリウム
と同じ動態を示し、常に分布が変動している。)
(安静時には、正常部位の分布が低下するので病変部の
安静時
常部
布が
病変部
血流低下所見が消失)
除細動器
トレッドミル
21年 国家試験
解答 5
左前下行枝の狭窄による angina
心筋SPECTにて描出される心臓の画像は、通常は左室心筋壁だけ。
123I
thyroid scintigraphy
123I
γ線 159KeV 半減期 13時間
LEHRコリメータ または 123I 専用コリメータ
123I は、内服薬 ( Na I )。 3.7~7.4 MBq内服
内服前に、薬を頚部ファントムに入れて撮像。
(最近では内服薬をガンマカメラで撮像して
投与カウントを測定する簡便法が多い。)
内服3時間後と24時間後にプラナー撮像。
内服3時間後と24時間後にプラナ
撮像
3時間後と24時間後の画像から
甲状腺ヨード摂取率を算出する。
正常値(24時間) 10~40%
検査1 2週間前から、ヨ
検査1~2週間前から
ヨード制限食の前処置が
ド制限食の前処置が
必要。
甲状腺治療薬 (甲状腺ホルモン剤、抗甲状腺剤)
を内服している場合は
内服を検査1~2週間前から中止する。
甲状腺ヨード摂取率試験
123I
(現在はガンマカメラで撮った画像で行う)
を内服 (現在では131Iは甲状腺ヨ
Iは甲状腺ヨード摂取率試験には使わない)
ド摂取率試験には使わない)
24時間後(必要あれば3時間後も)に甲状腺への123I摂取量を測定。
内服した放射能の10~40%が正常。 24時間値が3時間値より高
いのが正常。(逆なら甲状腺ホルモン産生障害(ヨード有機化障害))
検査の前処置として1~2週間のヨード制限食(海産物の禁止)が必要。
甲状腺機能亢進症の鑑別 ( 123I または
99mTcO ー )
4
(血液中の甲状腺ホルモンが過剰な疾患)
局所的な亢進
プランマー病
ホルモン産生機能
をもつ良性腺腫
functioning
adenoma
びまん性亢進
バセドウ病
(グレーブス病)
グ
ブ 病
甲状腺の腫大と
びまん性の集積
亢進
びまん性低下
亜急性甲状腺炎
ウイルス感染で炎症が
生じ甲状腺組織が破壊
され血液中にホルモン
が過剰放出(一過性)
ほとんどの甲状腺腺腫 (Thyroid adenoma) は、
甲状腺ホルモン産生機能をもたないので
( non-functioning adenoma )
123I、99mTc の集積が欠損する。 良性腫瘍。
99mTcO 4
(パーテクネテート) Thyroid scintigraphy
74~185 MBq 静脈注射 20~30 分後に
顎下部から縦隔上部の範囲を 正面像で数分間撮像。
(異所性甲状腺が顎下部に存在する場合や、甲状腺の
位置が下側に偏位して 部縦隔内に存在することがある。)
位置が下側に偏位して一部縦隔内に存在することがある。)
パーテクネテートは、腺組織に集まるので、正常甲状腺に
集積する。
バセドウ病
異所性甲状腺
99mTcO 4
123I
(パーテクネテート) Thyroid scintigraphy
とは異なり、(甲状腺ホルモンは、ヨードが原料)
パ テクネテ トは 特異的に甲状腺組織に取り込まれる
パーテクネテートは、特異的に甲状腺組織に取り込まれる
わけではないので、前処置としてヨード制限食は不要。
抗甲状腺剤や甲状腺ホルモン剤の中止も不要。
パーテクネテートの甲状腺摂取率の診断的意義は
明瞭ではないが パーテクネテートの30分後摂取率は
明瞭ではないが、パ
テクネテ トの30分後摂取率は、
24時間後ヨード摂取率と相関があり (相関係数 R = 0.74)、
実施している施設もある。
正常値 0.4
0.4~3.0
3.0 % で、有効数字がヨ
で、有効数字がヨードより小さいので
ドより小さいので
不正確だが、前処置が不要なので便利な検査法である。
99mTc-MAA
pulmonary perfusion scintigraphy
• 99mTc 141 keV
keV、 コリメータ
コリメ タ LEHR。
LEHR
99mTc-MAA (macro-aggregated albumin)
(大凝集アルブミン) 185MBq 静脈投与2分後から
撮像可能 肺野正面 背面 左右後斜位プラナ 像
撮像可能。肺野正面、背面、左右後斜位プラナー像。
MAAは直径10~50μmで、肺動脈末梢毛細血管
μ
を通過できず停滞するので、肺動脈血流分布が
画像化される 肺静脈 左心系 大動脈は描画され
画像化される。肺静脈、左心系、大動脈は描画され
ない (右
な
(右左シャントがあると左心系が描画される)。
シャン
ある
心系 描画される)。
肺癌は、胸部大動脈から分枝する気管支動脈から
血流をうける
血流をうけるので、MAA分布は欠損する。
分布は欠損する
99mTc-MAA
Pulmonary perfusion scintigraphy
肺塞栓症 ( Pulmonary
P l
Th
Thromboembolism
b
b li
; PTE )
99mTc-MAA
は数時間肺野内に高集積するので
SPECT撮像が可能 Planar像で判断困難な梗塞巣の
SPECT撮像が可能。Planar像で判断困難な梗塞巣の
描画が可能。
99mTc-MAA
SPECT
99mTc-MAA
で 右左シャント( R-L shunt )の診断が可能。
ASD VSD
ASD,
VSD, TOF(ファロ
TOF(ファロー四徴症),
四徴症) 肺動静脈短絡など。
肺動静脈短絡など
右左短絡率 = (全身カウント-左右肺野カウント)/全身カウント
(HMDP) bone scintigraphy
141 keV
keV、 コリメータ
コリメ タ LEHR。
LEHR
99mTc-MDP
•
99mTc
99mTc-MDP
( methylane diphosphonate ) または
99mTc-HMDP ( hydroxy MDP ) 555~740 MBq
静脈投与3~5時間後に撮像.
静脈投与3~5時間後に撮像
全身正面、背面プラナー像。
1000 counts / cm2 以上で撮像。
必要に応じてSPECT撮像。
尿への正常排泄があるので、排尿をしてから撮像する。
尿
の 常排泄があるので、排尿をしてから撮像する。
下着の尿汚染、導尿チューブがある症例では、
尿の画像が骨の画像に重ならないように工夫して撮像。
尿の画像が骨の画像に重ならないように工夫して撮像
Bone metastases
リン酸の分布図。
骨転移巣は骨代謝が
亢進するので、
リン酸が強く分布する。
CT等で骨の密度異常
が出現する前に所見
が出る。
尿中排泄が多いので、
尿路、膀胱が描画
される。
着衣の尿汚染が骨盤
骨に重なる場合は、
衣服をずらして
をず
Spot像を追加する。
検査による被曝(mSv) (1mSvの被曝で10万人に1人が癌で死亡)
201-Tl心筋,肺
心筋,肺
((111MBq)
q)
25.5 (腎 60
胎児 5.6))
131-I 甲状腺
(74MBq)
11.1 (甲状腺37000 胃 34
67-Ga
(
(74MBq)
)
8.9 (骨髄 13 大腸 15
胎児 3.7)
胎児 5.8))
99m-Tc-MDP骨 (740MBq)
5.9 (骨 47 膀胱 37
18-F-FDG
4.0 (膀胱 25 心臓 10 胎児 3.0)
(148MBq)
11-C-Methionine(370MBq)
2.0 (肝 7 膵 7)
15 O CO2
15-O-CO2
2 0 (肺 11)
2.0
CT
血管造影
胸部X線
( 胸部間接
(3000MB )
(3000MBq)
5 ~ 10 ~ 100 ~
7 ~ 10
(1分で皮膚 0.5)
0 06
0.06
(胎児 0.003)
0 003)
0.3 )
胎児 4.5)
Bone scintigraphy
膀胱が充満していると
( full bladder)
骨盤 左後斜位
LPO
骨盤骨の病的所見が
診断できない箇所が増大
するので、撮像前に排尿
をしてもらう。
排尿障害の症例(前立腺
肥大症など)では、
症 ど
骨盤の前後斜位像を追加
する。
骨盤の斜位像を
追加することで
仙骨や恥骨の
病的集積の有無
判定ができる。
21年 国家試験
解答 1
排尿して再度スポット撮像を。
膀胱摘出術後の症例
人工膀胱 (尿バッグが腹壁に付いている)。
(尿バッグが腹壁に付いている)
骨盤骨と人工膀胱内の RI 停滞像が重なる
ので、骨盤の斜位像を必ず撮る。
(撮像直前に尿バッグを新しい物に交換して
もらう )
もらう。)
前立腺癌 (Prostatic cancer)
骨転移の多い癌。
骨転移の多い癌
造骨性(osteoblastic)骨転移巣が特徴。
骨皮質が肥厚する。
Pelvis RPO
前立腺癌 (Prostatic cancer)
骨転移の多い癌。
骨転移の多い癌
造骨性(osteoblastic)骨転移巣が特徴。
骨皮質が肥厚する。
Pelvis RPO
食道癌 Esophageal cancer
骨転移の頻度は5%程度。
溶骨性(osteolytic)の骨転移巣。
他の検査では診断困難。
2005.
2005
July
2005.
2005
November
Chest RAO
99mTc
のエネルギーピークは 140 (正確には 141) keV。
その±15% は、119 ~161 keV で、ピーク範囲のほとんどを占める。
検査時間は短くなるが、コンプトン散乱線を拾いやすいので、画像が
が
プ
像が
不鮮明になる可能性あり。 ±10% 程度のウィンドウ幅が良い。
ガンマカメラは、コリメータを持つので、カメラから離れた
場所では点広がり関数が広がり、画像が不鮮明になる。
カメラをできるだけ患者体表面に近づけて鮮明な画像を撮る。
検査 4~5 時間前から絶食が必要な検査
201Tl,
99 Tc-MIBI,
99 Tc-Tetrofosmin
Tl 99m
T MIBI 99m
T T t f
i
心筋SPECT
肝、腸管に RI が強く分布するとSPECT像に悪影響。
肺、脳、全身201Tl, 甲状腺201Tl
食後は肝、消化管に強く分布するので病変への
食後は肝
消化管に強く分布するので病変への 201Tl
分布が低下する。肝、消化管に重なる部位の診断が困難。
99mTc-PMT
胆道シンチ、99mTc-GSA (アシアロ)肝シンチ
食後は門脈血流が増加するので 胆汁排泄時間やGSA
食後は門脈血流が増加するので、胆汁排泄時間やGSA
の肝集積時間が短縮して病的所見が消失しやすい。
食後は胆嚢が収縮するので、胆嚢の病的所見が消失。
18F-FDG
PET
FDGは糖の類似物質。検査時に血糖値が低いことが必要。
99mTc
のエネルギーピークは 140 (正確には 141) keV。
その±10% は、126 ~154 keV 。 ウィンドウ幅 ±15% に比べて
検査時間は長くなるが、画像が鮮明になる。
が
像が
現在使用されているガンマカメラは、ほとんど 2ヘッド型なので、
1回の撮像で、全身正面像と背面像の2方向撮像ができるのが普通。
ベッドの速度設定は、 1分間 12cm 程度 が普通。
15分程度で全身像を撮る。
注射漏れ( i. v. leakage
g )や、体格の大きい症例
では 骨のカウントが減少するので、
ベッドの速度設定を、1分間
ッドの速度設定を、1分間 10cm 程度に下げる。
逆に、体格の小さい成人( 普通の病院では、成人
症例は1律に 555MBq 投与 )では、骨のカウントが
高くなるので、 1分間 15cm に速めると撮像時間が
短縮される。
i. v. leakage
厳密な速度設定法は、
胸部背面で 200~300 counts/cm2 の収集になる
移動速度に設定。
計数密度
1 cm2 あたりの収集カウント数
UFOV (有効視野)32x32cm(約1000 cm2)の骨シンチ。
計数密度(counts/cm2)は 左図から 10, 300, 600, 1600。
1000 counts / cm2 以下の画像は、量子ノイズが目立つ。
カメラの有効視野が、1000 cm2 程度 であれば、
planar 像の収集カウントは、最低でも
像の収集カウントは 最低でも 1 M カウント 必要。
必要
全身像の収集カウントは、200~300 counts/cm2 程度。
Bone scintigraphy 撮像前の点検事項
• 排尿を済ませたか。
• 導尿チューブなどが骨の画像に重ならない位置にあるか。
導尿チ
ブなどが骨の画像に重ならない位置にあるか
• 金属の付いた服装を着ていないか。
属
服装を着
。
(特に、ベルトのバックルに注意。)
• 上を向いたまま 数十分 寝ていられる患者か。
(静止状態を保てない症例では 全身撮像は中止して
(静止状態を保てない症例では、全身撮像は中止して
planar 像 を 数箇所撮像して全身像の代用とする。)
p
代
• 腕や足を伸ばせない症例は、無理に伸ばす必要はない。
(無理な姿勢をとると、逆に体動が増え画質が悪化する。)
Bone SPECT の収集マトリックスサイズは、128 x 128 に設定する。
腰椎分離症 spondylolysis
Bone SPECT が有効な疾患.
椎弓根が分離している疾患。
Bone SPECTで、分離部に集積
亢進があれば、分離部に骨代謝が
残っているので、 ルセット装着で
残っているので、コルセット装着で
分離部の癒着が期待できる。
MRI
第2頚椎骨転移
Bone metastasis
in the cervical spine C2
Bone SPECT
21年 国家試験
解答 5
第4腰椎の局所的描画欠損が
金属アーチファクトの可能性大。
金属ア
チファクトの可能性大。 ベルトを外して再度スポット撮像を。