平成21年度第5回(PDF形式:102KB) - 長崎市

日
時
平成 22 年 2 月 13 日(土)10:00∼12:00
場
所
男女共同参画推進センター アマランス研修室
対象者
市内にお住まいか、通学している大学生
参加者数
33人
【次第】
1
開会
2
市長挨拶
3
市政の取り組み状況などについて
(1)市政の主な取り組みについて
(2)大学生に関する施策について
4
意見交換
5
閉会
【意見交換の概要】
参加者 A
私は佐賀出身だが、長崎県は本当に大学が多いと思う。「遊学のまち長崎」のプランにあるような大学だけ
でなく、佐世保市には長崎国際大学、諫早市にウエスレヤン大学と、実に大学がたくさんあるのに、その大学
間での交流が非常に薄い気がする。長崎が遊学のまちというのは授業で習った。その歴史があるのに大学間の
交流が希薄で、学園都市とも言えない環境ではないのかと思う。この遊学のまちのプランで、もちろん大学側
が主体になるべきだと思うけれども、行政側から推進していることというのは何かあるのだろうか。
田上市長
大学の連携が薄いというのは、どんなときに感じられるのだろうか。
参加者 A
他大学との交流がなかったりするので、大学側が何か設けてくれないのかなと思うことがある。
田上市長
もっと他の大学と交流したいと思うことがあるということだろうか。交流というのは、例えばどういう感じ
の交流をイメージしているのか教えて欲しい。
参加者 A
今考えられるのは、共同で授業をやったりするのはいいと思う。私は医学部だが、3月に長崎国際大学薬学
部と県立大学の看護学科と、長崎大学薬学部と看護学科で、チームを組んで、寝たきりの高齢者や障害者の所
を訪問して、自宅介護の体験実習をしようという企画が進められている。この企画は、国際大学や県立大学の
学生と交流できるいい機会だと思う。それを学部だけでなくて大学全体で行えないのだろうかと思う。
田上市長
長崎に大学が多いというところに着目した非常にいい発想だと思う。私も、そういうことがすごく大事だと
思っている。大学と地域も、もっと連携してできることがあるのではないかとか、大学が学生さんを集めたり
するときに、市役所が何かお手伝いできるかもしれないとか、いろいろ共同でできることがあるのではないか
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ということで、遊学の動きを、学長さんたちに呼びかけてスタートした。
今、話があった、いろんな大学の人が一緒に同じ場で体験したり、授業を受けたりというのはすでに始まっ
ており、単位の互換制度、他の大学に行って授業を受けたりしても、単位になるという制度がある。それはま
さに大学が連携して、同じ長崎のまちで勉強するのだから自分の大学に他の学生が来て受けても、単位にする
というのを作ってくれている。それを是非、活用してみてほしいと思う。それから、例えば長崎大学だと、オ
ープンキャンパスに高校生達が来る時に、他の大学のオープンキャンパスの日程をお知らせしたり、大学同士
で協力できることは協力したりしようという動きをしてくれている。留学生についても、せっかく大学に来て
いる留学生が、気持ちよく過ごすため、あるいは長崎に来て良かったと思ってもらうために、市役所に何がで
きるだろうかということで、第一弾でやったのが、留学生の人達は市の施設に無料で入っていいですよという
仕組みである。
そういうことをいろいろと考えているので、もしアイデアがあったら、是非寄せてほしい。協力できること
があれば協力しようということで、できることから少しずつ始めて、アクションプランというのを作っている。
長崎遊学のパンフレットも、今までなかったが、同じまちにある大学が一緒になって作ろうということで作っ
たパフレットである。そういう意味で皆さんからも、こんなことを大学の連携でできたらいいなというアイデ
アがあれば教えてほしい。
参加者 B
大学の連携の話になるかはわからないが、先ほどオープンキャンパスの時に、他の大学の日程も呼びかけて
もらうということだったが、そういうオープンキャンパスも、日程を合わせて、何日間か外から来て泊まって
いくつかの大学を見るという方法はどうかと思う。わざわざ外から長崎大学や長崎にある大学を見にこようと
はなかなか思わないと思う。私は佐世保だが、長崎大学のオープンキャンパスの時、何で長崎まで行かないと
いけないのかなと思っていたので、観光と一緒にして旅行のパックを作れば、旅行に行ったついでに大学を見
て、受験勉強の息抜きにもなるとかそういう魅力があったら、オープンキャンパスも行こうと思うし、長崎の
良さも持って帰って、こういういいまちだったら住んでみたいと思って、頑張って受験しようと思うのではな
いかと思う。
田上市長
このまちで学生時代を過ごしたいというそういう思いが繋がると、頑張って長崎大学に行こうかなと思った
りする。それはすごくいいアイデアだと思う。そういうことを考えて、一つ一つ実践していきたいと思う。他
にまだアイデアはないだろうか。知恵を貸してほしい。こんなことがあったら、長崎の大学同士でこんなこと
したら楽しいとか、このまちで勉強してみたいと思うというような、そういうアイデアがないだろうか。さっ
き言ったナイスキャンパスに参加したことがある人がいればどんな感じだったか感想を聞かせて欲しい。
参加者 C
オランダの文化という授業を受講したことがあるが、とても人数が少なくて、もうちょっと宣伝したほうが
いいなと思った。
参加者D
私は、総合科学大学だが、月曜日のオランダの言語と、木曜日の私の大学主催の21世紀の科学技術文化の
最前線という授業をとった。木曜日の方は、一般の方も少し来られているが、ほとんどうちの学生ばかりで、
オランダの言語の方は、一般の方も多いが、最初は30人くらい登録していたはずが最後は4人くらいになっ
ていた。せっかく来ている学生も、途中でやめないで、最後まで通えばいいのにと思った。
田上市長
それは、一般の方も入れるような仕組みになっているのだろうか。
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参加者D
コーディネート科目なので一般の方も入れるようになっている。
企画理事
長崎とオランダの交流ということで、ナイスキャンパスの科目として実施されている。長崎大学には今オ
ランダから留学生が 10 人程来られている。オランダの方がこのように留学しているところというのはほとん
どないので、長崎らしい、いい学問だと思う。これは、長崎大学の場合だが、もう少し積極的に学んでいただ
ければ、特色ある学問になると思う。
参加者D
私は、去年の4月に神奈川から長崎に来て、せっかく来たからと、他の大学の講演会とか授業とか結構参加
している。しかし、せっかくこのように他の大学と交流できる機会があるのに、なかなか学生よりも一般の方
の参加の方が多いように感じる。もう少し宣伝をしたほうがいいというか、来やすい環境があったほうがいい
のではないかと思う。
田上市長
ナイスキャンパスという仕組みはすでにできているが、知らなかったり、知っていても行かなかったりとい
うことなのだろうと思う。何故参加しようと思わないのかというのを教えてもらいたい。
参加者E
ナイスキャンパスの紹介は掲示板に張ってあったり、冊子をもらったりするが、それを受講してどういうメ
リットがあるのかとか、長崎大学ではできなくて、隣の大学でできるから何がいいのかということが、いまひ
とつわからない。それだったら受講しようという気持ちに到達できていない。伝え方が足りないのかなという
ふうに思う。それぞれの大学の特色があると思うが、それが表に出ていないので、わざわざそっちに行って勉
強しようと思わない。それに、学生はそんなに勉強したいというふうに思っていないのではないかと思う。
田上市長
わざわざ遠くまで行って受けようという動機付けになってないから、授業のタイトルやセールスポイントを、
もっと分かり易く、ここに行く価値があるということを伝えてほしいということだと思う。それは大事なこと
だと思う。他に行かない理由やこんなふうにしたらもっとみんな使うのではないかというアイデアはないだろ
うか。
参加者F
ナイスキャンパスという言葉は知っている。入学した時に冊子をもらった気がする。活字慣れしていない若
者が悪いのだが、冊子は分厚くもないが、書いていることがよくわからない。1枚か2枚くらいに簡単にまと
めてくれたら、少しは目を通そうという気になるのかなと思う。
田上市長
確かに、実施することについて、一遍にではなく、時期をわけて冊子を薄くして知らせるというのも一つの
方法だと思う。他に、こういうふうにしたらとか、こういうのが嫌だとかいうのはないだろうか。次の後輩達
に残していけるかもしれないので、アイデアがあったら発言して欲しい。
参加者G
私も冊子をいただいた時に、たくさんの授業が載っている中で、後ろの方に付いていてあまり目を惹かれな
いというのもあった。それに、他の学校に行ってまで受講したいと思えるような魅力が伝わらなかった。学生
にとっては、長崎大学から総合科学大学の方に行くと、時間もお金もかかる。アルバイトのことや他の単位と
の兼ね合いを考えると、集中講義等でまとめてそちらに行くということであれば、短期間で終えられるのでい
いのではないかと思う。やはり15回くらいの講義が毎回そちらであると大変なので、短期間というのがある
と行きやすいかもしれない。
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田上市長
それも大事な点だと思う。アルバイトがあったりすると、時間の都合もあるし、離れていると大変だと思う。
他の大学の学生さん達と一緒に例えばイベントやったり、一緒に授業に行って友達になったり、他の学校の学
生と一緒に何かやった体験がある人はいるだろうか。
参加者 I
私はつい最近、リーダーストレーニングというのに参加した。意見交換の場があったり、みんなで何かした
り、リーダー養成、リーダーになるためにはどうしたら良いかみたいな感じのことをした。大学間の体育会の
中で、長崎が第 5 グループになっていて、大学ごとの体育会が主催で開催している。体育会の人だけが参加す
るのではなくて、体育会が主催になって参加を呼びかけているようなものだった。
参加者I
私は活水女子大学だが、今、中学校と高等学校の社会科の免許を取ろうとしている。その中で「公民科教育
法」という授業があり、受講している学生が8人位しかいないため、ウエスレヤン大学の4人と、10人ちょ
っとで一緒に模擬授業をしたり、ビデオを見たりというふうな授業をした。一緒にやることによって、模擬授
業をする時に、自分の悪い点とか良い点とかについて意見交換ができたし、活水女子大学は女子しかいないの
で、男の人はこういう授業をするのだなというようないろんな観点を持つことができていい勉強になった。
田上市長
さっきのリーダー養成セミナーはやってみて面白かっただろうか。よその大学のいろいろな人と会うと、自
分の大学の中だけと違う経験ができたのではないか。
参加者H
自分達の中だけだと、長崎総合科学大学は女の子もいるが少ししかおらず、男が多い。友達が男だけだと、
意見も硬い。男の考え方だけだと、駄目なことも、女の子だったらこういう考え方をするというような意見も
聞けてよかった。
田上市長
今日のタウントークの会場である男女共同参画推進センター「アマランス」は、男女の共同参画に関するこ
とにいろいろと取り組んでいる。大人の人でも、特に男の人はあまり知らなかったりする。ここは女性しか入
ってはいけないというところではないので、いろんなことに使える。ここは貸会場としても使えるので、今後
何かの時には利用して欲しい。
参加者J
私は若者の雇用についてお話をしたい。今日いただいた資料の長崎市の職員数、人件費の推移のところで、
平成21年度は人件費324億円になっていて、職員数が4,054人である。人件費を遡ってみると、平成
8年度には329億円で、4,655人となっている。つまりこの減り方は、人件費は変わっていないという
ことなので、若者の新規採用数を抑えて、自然減による職員数の減少を進めているということだと思う。現在、
若者、特に高校生を中心として、女子は6割の内定率であり、大学生も8割の内定率で、結構厳しい状況であ
る。市も若者を採用しないということなので、さらに拍車をかけると思うのだが、今後、長崎で勉強をして長
崎のためにと思っているのに、長崎で全然就職できないと、県外に行く、東京や大阪に行くというふうに、若
者の雇用の流出はこのままでは止まらないと思う。そういう点をどうするのか。また、そういうことを食い止
めるために、市では観光を中心に力を入れているということだが、観光を中心にして10年くらい経つと思う。
「さるく」も5年以上になる。でも、全然雇用が生まれていないという現状がある。その点を振り返られて、
観光では生み出せない雇用の確保について、どういうふうな新規の産業を創出していくのか。長崎市として、
若者のために何をしていくのか。若者に痛みを与えるのでなくて、若者をどう救っていくのかということを教
えていただきたい。
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田上市長
雇用の問題、就職の問題は、大学を卒業しようと思っている皆さんにとって、一番切実な問題だと思う。時
代の流れがあって、就職が簡単にできる年があったり、すごく難しい年があったりする。特に、厳しい時期に
就職を迎えた人の場合は、とても大変である。今、まさにそういう状況にある。その中で、雇用全体の話から
言うと、すぐに今年雇用をいっぱい作ろうというのは難しい。一つは、景気自体が大きな波の中にあるという
ことがある。経済対策のような形で雇用を作ろうということで、今年300人分雇用を作ったというような場
合があっても、それがずっと続いていくというのはその中の一部分であったりする。簡単に雇用は作れないと
いうのがある。
それでは、どういうふうにしていくのかというと、長崎市として取り組んでいることの一つは、地場の産業
を少しずつ元気にしていくということである。そして、雇用を広げるように、もう少し事業を広げよう、働い
ている人を増やそうというふうに持っていくという流れになるようにしている。また、新しい企業に長崎に来
てもらって、そこで働く人を増やそうというのも一つの方法である。もう一つは、新しい事業、これまでやっ
てなかった事業を、生み出すために、ベンチャーのようなものを含めて新しい企業を起こす人達をサポートし
ようという、そういうことに取り組んでいる。
例えば、地場産業をサポートして応援するというところでは、具体的にどういうことをしたらいいかという
ことを知るために、まず経済成長戦略というのを作って、長崎の経済の特徴や強みや弱みを分析して、どうい
うところが足りない、どういうところを活かせば、長崎の経済がもっと伸びるのかということをしっかり分析
をする。その後、企業を1件1件回って、企業の現状や困っていることを教えてもらったり、課題を把握した
りということを第二段階でやって、その中で分かってきたことがある。長崎の企業の場合は、技術をもってい
る企業は非常にいい技術を持っている。とてもいい製品を持っている企業もあるのだけれど、そういうところ
が長崎の中を販売のネットワークにしていて、外に製品を出したり、支店を出したり、外と連携して企画販売
をしたりとか、契約する、会社を作る、東京に持って行ったりということをしていないということが分かって
きた。そこで、もっと長崎の企業も外に進出してもらおうということで、販路を拡大する。例えば、商談会み
たいなのにどんどん出て行くようにサポートするとか、ホームページを持ってないがいい技術があるのにと言
うところはホームページを作る等、とにかく外に出て行くサポートをしている。
あれこれいっぱいやっていて、融資制度を作ったりしているけれども、これはなかなか未来に進んでいかな
い。今、一番力を入れているのは、外に広げていく、出て行くということである。もちろん企業そのものが出
て行ったら困るけれど、企業そのものは長崎に置いたまま、外に出て行くということを後押ししている。
企業誘致については、長崎はすごく難しい。西の端ということもあるし、水の問題等もあって難しい。これ
はすごく確率が低いと言われているが、努力して一つでも実を結ぶようにということで、去年は暮れに全日空
のコールセンターが神の島に来てくれる事になった。ここは、障害者の皆さんの雇用に力を入れたいというこ
となので、すごくありがたいと思っている。
もう一つは、起業支援である。これは、まさに大学などとも連携して新しい技術を育ててそこから出て行っ
てもらおうということで、今、出島にD-FLAGというのを作っている。そこからも実際に LED を作ったり
して、いろんな企業が少しずつ生まれ始めている。企業誘致みたいにすぐに何百人何十人雇うというふうな効
果が出るものもあれば、時間がかかるものもある。それだけではなくて、雇用をどうやって増やしていくかと
いうところも含んでやっている。
学生さんにとって今年は、去年より10%くらい内定率が低い。特にその中でも、求人と求職のミスマッチ
がある。医療関係は看護士さんやお医者さんも含めてすごく求人が多いけれども、応募する人たちがいなかっ
たり、逆に一般事務のところは応募が多いのに、雇いたいという枠が限られていたりするというミスマッチが
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あり、なかなか希望するところに就職できないという状況がある。だから、市内でこういう企業があるのを知
らなかったということがないように、顔を合わせる場を作ったりして、後押しをしている。今年が特に厳しい。
市としてできる事は限られているし、市だけではできない事もあるので、ハローワークや大学、県と連携をし
ながら、一人でも雇用が生まれるようにという後押しをしている状況である。
それから、観光の部分で雇用が生まれていないという指摘があったが、今、市としてやろうとしているのは、
魅力を磨いて、さるくの仕組みを作って、長崎に観光客の人達が来てくれるような基盤作りというのを、ここ
5∼6年くらい力を入れてやっている。じゃあ、それだけでいいかと言ったらそれだけじゃ良くない。観光産
業を育まないといけない。例えば、宿泊施設であったり、お土産屋さんだったり、タクシーとか電車の交通機
関であったり、いろんなところが観光には関わっていて、それぞれが現場を持っている。現場で、どれくらい
しっかりリピーターを作っていけるかとか、もう一泊したい、またこのホテルに来たいと思ってもらえるよう
にできるかとか、そういう連携が大事で、その部分でまだまだできることがあると思っている。また、お客さ
んやリピーターが増えていくことによって、雇用の安定や拡大にも繋がっていくと思う。そういう意味では、
観光産業の育成という観点が、すごく大事になっていると思っている。だから、「さるく」などを使って、ど
んどん儲けてほしいと思う。今、タクシーが「タクシーさるく」というのを作って、特に龍馬伝のところは、
亀山社中なので行きにくいので、タクシーで駅から行ったり、往復をしたりしているし、お土産も、龍馬伝に
関しては新たなものがたくさん生まれている。その中の全部が何年も残らないと思うが、少しでも残ってほし
いと思う。そういうチャンスを作ることができるので、そのチャンスを、商売をしたり、経済活動をしたりと
いうことに活かしてほしいと思っている。誰かが何かをやってくれるのを待つという状態では、特に経済は進
まない。やっぱり、自分ができる事を精一杯やろうとしているところが、チャンスを活かすことができる。そ
ういうチャンスが、今、長崎にはきているので、これをどういうふうに活かすかということは、是非、現場で
経済活動をやっている皆さんにも頑張ってもらいたいと思うし、そのためのサポートを一生懸命やっていきた
いと思っている。その面で、具体的にこんなことができないのかというようなアイデアを教えてもらいたいが、
何かないだろうか。
参加者J
私は、市内ホテルの専務に知り合いがいて、現状を聞くと、とにかく観光客があまり来ないとか、長崎市の
方での会合が少なくなっていて、利用が少ない、回転が悪くてきつい、雇用できないという現状だと言われる。
今、市長のお話を聞いていると、内需での喚起、日本人にここに来てもらうというのが中心になっていると思
うが、私は、内需は厳しいのではないかと思う。例えば、九州新幹線の問題だが、通らない公算もあるので、
なおさら客足が伸びないかもしれない。そこで、上海とか韓国とか外需に目を向けるべきじゃないかなと思う。
特に韓国に目を向けると、韓国と日本の定期船、船の方は、五島か対馬で止まる。長崎市まで来ないというこ
とは、そのまま福岡に行ってしまう。福岡の発展に寄与するだけである。それを長崎市に持ってくるとか、長
崎市に直結してしまう。もしくは、可能ならば、経済特区みたいな形にして、韓国ウォン、中国元をそのまま
長崎市内で通用ができるということにしてはどうかとか、いろんなことがある。とにかく外需を引っ張って来
たい。引っ張って来られれば、全然違うと思うが、その点はどういうふうに考えておられるのか伺いたい。
田上市長
まさにそれもとてもいい視点で、特に中国、韓国からのお客様、東アジアのお客様にこれからどうやって長
崎に来てもらうかというのは、大きなテーマである。特に、数が違う。中国の人達の1%と言ったら、1 千万
人を越えてしまうほどの数なので、富裕層の数だけでも、何千万人という数である。その人達が今動き始めて
いて、長崎にとって非常に大きな可能性があると思う。
観光面で言うと、いくつかポイントがあって、一つは国内の観光需要である。これは、日本中の観光がここ
2年くらい落ち込んでいる中では、長崎は今まだいい方なのだが、国内需要の部分がある。それから、国際観
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光の外国からお客様を迎えるという面がある。
もう一つ長崎にあるのは、自然系の、合併した地区にある需要である。これは小さいが、グリーンツーリズ
ムみたいな、農業や海を活かした観光というのは、マーケットはそんなにたくさんなくても、受け入れる方も
小さいので、それができることで地域が活性化するという方法もひとつ作っていかないといかない。これは、
実際に動き始めている皆さんがいるので、そこをしっかりサポートすることが大事だと考えている。
それから、コンベンションという形である。今年、Uni(ユニ)という、世界中の労働組合の団体があって、
そこが国際会議を長崎で11月に開催してくれるのだが、これに延べ1万人くらいを見込んでいる。これは、
1回目がベルリンで、2回目がシカゴ、3回目が長崎であるという国際会議である。そういうのが来てくれる
ことで、また長崎の名前があちこち世界中に広がるというのを考えると、非常に大きい。また、スポーツコン
ベンションという形で、今年、日本プロゴルフがパサージュ琴海に来る。石川遼くんも来てくれると思うが、
そういう形で大会があるということで、ギャラリーやスポンサーも含めていろんな人達がきてくれるというこ
とは非常に経済効果を生む。コンベンションは非常に経済効果が大きい。去年の8月にあった、福山雅治さん
のライブも、前後を含めて一週間くらい、長崎には相当の人とお金が落ちた。これもすごく効果が大きいので、
コンベンションの部分は、これから長崎が大事にしなければならないポイントである。
こうしたいくつかのポイントがあり、それを並行しながら進めていこうとしている。中国からのお客さんの
ことで言うと、去年クルーズ船が46隻くらい入った。中国からのお客さんを乗せた船が松ヶ枝に停泊したが、
去年夏のころに1万9千人くらい来られて、そのうちの1万2千人くらいが浜の町にバスで行って、買い物を
楽しんでくれた。それで、どのくらいお金が落ちるのか、どういうものが好まれるのか、というデータを取っ
た。今年はまた、違う会社の船で中国のお客さんがたくさん来られるので、その皆さんを受け入れることで、
去年の体験を活かした工夫ができる。既に中国からのお客様を受け入れる準備というのはスタートしていて、
去年は中国からのお客さんが来られる前に、浜の町の近辺のほとんどのお店で、中国のクレジットカードが使
えるように導入をしていた。クレジットカードの導入まで一緒に準備しておこうということで大変だったが、
それを先にやっていてくれたので、そのおかげで買い物がしやすくて、受け入れもできた。今年は、新しい皆
さんが来るので、去年の体験を活かして、通訳をどういうところに配置したらいいのかとか、今年は一段と工
夫した受け入れができると思う。話があったように、アジアからの観光客はすごく大きいマーケットだと思う。
船の航路の話でいうと、いろんな航路があった方がいいが、実際にそれが成り立っていくのかどうかという
のが難しい。長崎上海航路というのもあったが、しばらくすると人の出入りというのを成立させられるとこま
で至らないというのがあってやめになっている。今、長崎上海間の飛行機便があるが、これも採算的にいうと
非常に厳しい。厳しいけれども、長崎は中国と関わりがあるし、実際に物を運んでいるというのもあるので、
中国東方航空が維持してくれているという感じである。だから、当然、長崎と釜山間というのも、成り立つの
であれば可能だが、今のところ非常に厳しいだろうということである。福岡が便利なので、むしろ福岡から陸
路で長崎に入ったほうがいいというようなマーケットの都合もあって、今は航路というのは飛行機も含めてい
ろいろ話をしているけれど難しいという状況である。今、釜山には荷物を運んでいて、その便はある。週 1 便
なのだがそれでは足りなくて、週2便に増やしてほしいという話をしているが、荷物があればいい。向こうか
らこちらに輸入する分は多いけど、こちらから向こうに輸出する分が少ない。こちらへ荷物を運んでも、帰り
は空っぽで一隻帰らないといけないので、荷物さえあれば2便で何の問題もないが、荷物がなかなか見つから
ないという難しい問題がある。
観光にはいくつかのポイントがある。それはすごく大事なことである。魅力を高めて、国際観光、グリーン
ツーリズムのようなもの、コンベンションの部分、それからついでにいうと、平和の部分というのも、実はそ
れを目的に長崎に来てくださる方もたくさんいるので、そこでいろいろなネットワークを広げて行けるような
受け入れを用意しておくというのも非常に大事である。いろいろな方面の中で進めていく中で、国際観光の部
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分はとても大事である。
参加者K
障害者雇用の問題についてだが、実は私も障害者手帳を持っており、腎臓が悪くて透析をしていたころもあ
ったのだが、見た目には普通そうに見えるが障害があるという方もたくさんいると思うが、そういう方は月に
1回、2回病院に通うことを決められた方もいる。私もそうである。就職を考えるときに、自分を診てもらっ
ている病院に通いたいという気持ちが強いので、まずは長崎で仕事をと思ってしまう。月に1回、2回病院に
通うとなると、仕事もお休みをもらったりしないといけないし、そういうことを考えると、ちゃんと仕事に就
けるのかと思う。そういう、障害者の雇用について思っておられることや取り組んでいることがあったら、教
えていただきたい。
田上市長
まさにそういうケースで長崎にいたいという方はいらっしゃると思う。全日空から話があったときに、これ
はすごくいいチャンスが来たので、どうしても長崎にきて欲しいということで、あちこちと競争しながら、最
終的に長崎に決めてもらって嬉しかった。今、募集は終わったかもしれないが、全国から応募があって競争率
も高かったみたいだが、就職の時期になったら考えてみて欲しい。もう一つ、障害のある方の雇用で、実際に
なぜ雇用をしないのかと企業の皆さんに聞いたときに、どういう仕事があるのか、できるか、自分の会社のど
の仕事を任せられるのかわからないというのが根っこにある。今年やろうと話しているのが、実際にうちの会
社ではどんなことをやってもらっているとか、こんな人が働いているというのを、ビデオに撮って紹介しても
らう方法である。写真とか冊子にしてもそんなに伝わらないだろうから、実際に仕事している現場を見てもら
ったり、インタビューで話をしたり、そんな感じのものを作った方が早いのではないかということである。ま
ず、企業の皆さんに理解をしていただくためには、話をしにいくのと同時に、ツールというのを作って今年や
ってみようと思っている。それが、一番現場の企業の皆さんの中で引っかかっている部分だと思う。実際に現
場でいろんなことをやろうとしてうまくいかないときもあると思うので、しっかりと現場の情報を伝えて、一
つでも企業の貢献というか、企業の責任として、そういうことをしっかりしないといけないと思ってもらわな
いといけない。そういう話をするためにも、ツールを作ってみようとしている。
参加者L
先程の外需と内需の話に戻るが、私の考えとしては、少し長崎は外需の方に経済成長のベクトルを向け過ぎ
ているのではないかと思う。もちろん観光都市というのは、長崎の文化を大事にしている特色あるまちづくり
だと思うが、県外や国外に消費を求めてしまうと、景気によって左右されて、消費が年によって違ったり、時
期によって違ったりして、経済が不安定になって、結局あんまり発展しないということも考えられるのではな
いかと思う。私は、内需の方にもっと目を向けて、市民レベルの消費を喚起していく、外から来た観光客のお
客さんではなくて、長崎市民が長崎市内にお金を落としていく、長崎市内で消費をする。こういったような方
向性も長崎には必要ではないかと考えている。長崎県の施策で言えば、県産品のような、ああいう施策で長崎
市民の消費を喚起していくような施策が必要だと思う。長崎市としては、市民レベルの消費を拡大していく、
このような施策は何か行われているのだろうか。
田上市長
今言われた経済の話は、このまちの中でお金を回していく。ここにいる人達が全員千円ずつ払って、その中
の人がまた千円払ってというふうにお金を回して、自分のところに千円戻ってきてまた千円使うという効果だ
と思う。お金を中で回していく動きと、外からお金を持ってくる動きと両方ある。中で回す方に注目した方が
いいのではないかという意見だが、それは両方あるので、長崎はどちらかというと、足りないのが、外からの
動きだと思う。もっと可能性があるのにそれをやっていないというのがあるので、それはそれでしっかりやっ
ていかないといけない。特に、よそに無いような観光の力というような可能性がある。製造業でも、造船をは
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じめ外に売るものをたくさん持っていたりする。技術のある会社がある。外からお金を引っ張ってくるという
のは、絶対に長崎が外してはいけない部分である。その部分で言うと、長崎で作る蒲鉾は、よそと比べても絶
対どこにも負けないと思うが、実際にはほとんど外に出せていない。せっかくおいしいものを作っているのだ
から、外に売ろうということで、韓国等に売り込みに行って、今、少しずつマーケットが広がっている。
いいものをどんどん外に出していくというのは、すごく大事なことだと思っている。中で回すというのも、
いろいろな意味で大事で、地産地消という、農産物・水産物はまさにそういった方向で取り組みを進めている。
直売所もそうである。農水産物は体にいいし、環境にもいい。同じものを遠くに運ぶと、その分ガソリンを使
って運んで、いかにコストが掛かっていて、環境負荷をかけているかということを考えたときに、やっぱり、
近場でできるだけそういう負荷をかけない食べ方というのをこれから作っていかないといけない。そういう意
味でも地産地消はとても大事である。だから、地産地消のような考え方というのは、特に観光の場合は、例え
ば長崎の人でも旧長崎市に住んでいる人で、琴海や外海にあまり行ったことがない人がいたりするので、長崎
市の中で観光ができたりする。行くことで長崎のまちを、「うちのまちは良いまちだ」ということで、まちづ
くりの力になったりする。経済的な効果だけではなくて、いろんな副産物も生むので、その中で少しずつやっ
ていくことが大事だと思っている。そういう意味では、特に農水産物を中心に、ながさきの食「夢」市場運動
というのをやっている。今までの農業とか漁業というのは、売る人、作る人、加工する人、料理する人等とい
った人たちや買う人との間が切れていた。これを繋げることで、買う人が欲しいようなものを作ろうとか、こ
ういう材料があったらもっといい料理ができるのだがというようなことを、作る人たちに伝えて作ってもらお
うというような流れを作る試みをしている。少しずつ成果をあげている。それは、繋ぐだけで成果が生まれて
くるということがあって、そういうことを積極的に進めている。一番わかりやすいのは、農林水産業だろうと
思う。
参加者M
私は小中高と時津に住んでいたが、毎年「くんち」の時期が 10 月7・8・9日になっている。土日に重な
ればかなり行きやすいが、学生からすると行きにくい。夜は、比較的自由な家庭ならば問題ないが、例えば娘
さんとか大事にする親御さんが、夜は危ないから行くなとなったら行けない。市内の小学校とか4時間目まで
で授業が早めに終わるというシステムがあるようだが、時津町ではそれがない。市から離れた途端そういうの
がなくなってしまうので、長崎の周辺であればあるほど、早く行きたいのにと心の中で思っていた。さすがに、
佐世保とかのように遠くなったら無理だと思うけれど、周辺地区に対して、配慮していただければと感じてい
た。10 月の7・8・9日にしても、土日にかぶせていく方向性はないのかなと思う。さすがに昔から行って
いる行事なので時期ははずせないと言われればそれまでだが、経済的な視点を考えれば、土日を考えたほうが、
社会人の方も休みが取れるので、「土日だから小旅行で行ってみようか」ということになるのではないかなと
考える。その点について教えていただきたい。
田上市長
まず、10月7・8・9日の話であるが、これは、そう思っている人は結構たくさんいるかもしれない。ラ
ンタンフェスティバルもそうで、今年は2月14日だが、去年は1月から始まったし、毎年日にちが違うので、
何日からと決めた方がいいのではないかという話がよくでる。これはなかなか難しくて、「くんち」の場合は
神事であって、神社のお祭りなのだが、昔から10月7・8・9日になっている。「くんち」というのは旧暦
の9月9日という、そこから名前が出てくるようなお祭りなので、人に見せるものじゃなくて神様に奉納をす
るものだからというところから、どうしてもはずれにくい。だったら、10月の7・8・9日とは別に、次の
日曜とかにもう一度見せるような仕組みができないかなということを、「もってこいくんち」というので何年
かやったことがある。でも、一度7・8・9日で燃え尽きて解散した後に、もう一度集まってやるというのは
なかなか難しい。結局、みんな、うちは遠慮するというようなことでうまくいかなかったというのがある。こ
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れはまだ、消えたわけではない。これからも課題として、もっと見て欲しい、見たいという人に見せられない
かなと思っている。あれだけのものだから、もっとたくさんの人に見てほしいというのはある。その工夫は絶
対必要だと思う。だから、今年、実際にやっている人たちに集まってもらって、いろんな工夫をしようとして
いる。もっとたくさんの人たちに見てもらうためにできることや、運営にもすごくお金がかかっていて、それ
を集めるのも大変なので、どんなふうにしていくか考えようということで、いろんな層の人たちが集まって会
議をすることにしている。そこでもそういう話が出ると思う。
それから、ランタンフェスティバルも、旧正月というので難しい。中国では2月14日が元旦であり、春節
という。お正月をずらすのと一緒なので、ずらさないでおこうということである。ただ、15日間あるので、
どういう曜日になっても、中に2回土日が入るという形になる。
それから時津に住んでいるという話はなるほどと思ったのだが、そのことで実際に一昨年市長になってみて、
そういうことがあると思った。時津のカナリーホール等は長崎市に近い。近郊地域はそういう意味では、生活
圏がほとんど一緒で重なっている。図書館がその後できたが、時津や長与に住んでいる人も利用できるように、
長崎にいるのだから、長崎市の市民でなくても使ってもらっていいじゃないかということで、今は借りられる
ようになっている。そういうことで、去年も町長さんたちと集まって、できることがないか話をしようという
ことで、会議を始めている。「くんち」についても、できることがあったらしていこうと思う。
参加者E
私は今、市の総合計画の会議に傍聴に行くことがあるが、そういうときにも感じることがある。会議の傍聴
ができることを知っている人も少なければ、今回のこういう市長とお話できる機会等を学生が知っていること
も少ないと思う。「広報ながさき」に情報は出ているみたいだが、私達の家にはそれは届かない。ホームペー
ジには載っているが、自分から何か情報が載ってないかなと検索しないと見られない。総合計画もそうだし、
長崎の将来についてこういうまちにしたいというところには、私達みたいな若い人の意見も取り入れてほしい
と思う。私達自身も考えて、まちのために何かできないかなと何かすることが長崎のためになると思う。私達
が行かないのも悪いとは思うが、私達の目に触れるところに、考える機会があるから一緒に長崎を良くしまし
ょうという情報を流してもらったら、もしかしたら観光のことに興味がある学生とか、自分の勉強しているこ
とに関わることを言いに行きたいという人がいると思う。それを友達とどうしたら目に触れるかなと考えたと
きに、「広報ながさき」は見ないけど、タウンワークとかホットペッパーとか、コンビニにあるようなものは
どうかと思う。手にとってバイトはないかなと思って見ているときに、他のページもいろいろ見る。そういう
私達が見ているものに、私達の興味を引く形で情報を出してもらったら、みんな、こんな機会があるんだ、次
の日曜とか土曜は空いているから行ってみようかなと思うのではないかと思う。
田上市長
確かにそうだと思う。大事な意見だと思う。市の広報での若い人向けのメディア活用はどうか。
広報広聴課長
「広報ながさき」は大学にはおかせていただいているが、特に若い人向け専用のメディア活用ということで
はやってない。今後、メールマガジンを新年度から実施したいと考えている。
田上市長
ホットペッパーとかそういうのが活用できたらいいかもしれない。広報ながさきは見ないということなら、
大学で学生さん向けにペーパーという形で作るとか、毎月とは言わないが、直接周知したいときにはチラシを
配ってもらったり、貼ったりしてもいいかもしれない。若い人の意見というのは、本当に聞きたくて、今日も
いろいろと皆さんの話を聞かせてもらって、本当に考えてくれているというのが、一番嬉しい。皆さんがどれ
だけ考えてくれているかというのがわかった。その中で、いろんなアイデアがでて、お互いに自分達ができる
ことが見つかるということがよくある。そういう方法を、他にできることがないか考えていきたいと思う。
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若い人の意見という意味では、いろいろ今年もやるが、提案を3つくらいのグループに分かれて、時間をか
けて研究してもらうというのをやっていて、今年で3回目である。それにも、たくさん参加してもらいたい。
何か月かかけて一つの提案を作っていくので、参加できる人がいたら大いに来てほしいと思う。そこに参加し
てくれている、「新社会人ネットワーク」というグループがある。大学を卒業して社会人になったので、社会
人の若い人達でネットワークを作ろうということで活動をしている人達である。今は大浦地区でまちづくりを
やっている人達と一緒になってクリスマスツリーを作ったりしてくれている。
活動の中に入っていったら輪ができて、思わぬところでいろんなネットワークに繋がっていったというのが
ある。どこか最初に首をつっこんでみるというか、そういうことから始めてきっかけにしてもらえるといいか
もしれない。今は情報がすごく多いので、なかなかほしい情報と届ける情報がマッチングしなかったりする。
情報を届けるためのメディアの研究もしたいと思う。
参加者 P
長崎市の新しいイベントとして考えてみたのだが、カーニバルという感じで、仮装行列なんかはどうだろう
か。幕末の龍馬時代の格好もできる、中国の衣装とかオランダの洋風の衣装も着て、近隣のホテル等は衣装を
貸し出したり、メイクをしたりするというようなことが実現できたらいいと思う。
田上市長
それは結構流行るかもしれない。今、グラバー園で、人気のあるものの一つが、レトロファッションといっ
て、昔のドレス、西洋の女性が着ていたようなのを着て園内を歩けるというのがあって、かなり人気がある。
男性用もあって、カップルで着て歩いて写真を撮ったりとか、そういう普段自分のまちでできないことをして
みたいというのがあったりするので、市民だけじゃなくて、お客さんも一緒になってやれるっていうのは、面
白いと思う。仮装行列は昔やったことがある。その時は、長崎にゆかりのある人達の格好をして市役所から県
庁までの道をパレードした。その行事はやらなくなってから随分時間が経つが、仮装行列はアイデアとしては
面白い。参考にさせてもらう。先日、三菱の駅伝大会に行って、私も龍馬の格好で歩いたけれど、確かに気持
ち良かった。
参加者O
私は佐世保市民なのだが、もうすぐ知事選があるが、佐世保市に籍を置いていて、投票したいが戸籍が佐世
保にあるために帰らないといけない。それを考えると、交通費が3千円かかり、時間も往復3時間くらいかか
る。そういう人が結構いると思う。大学生は長崎市の人だけではないと思うので、ここにいる人達のように、
自分達のまちを良くしようと思って投票をしてくれる人がたくさん学生にはいると思う。制度が邪魔をしてい
るのではないかと個人的には思う。どうにか学生だけにでも、投票がスムーズにできる方法がないだろうかと
思った。
田上市長
これについては、住民票を移してくださいということになる。長崎にいるときは長崎に住民票を移してもら
いたい。今年、10月1日に日本全国で国勢調査というのがある。調査する上で難しいことの一つが、学生さ
んをつかまえることである。5年に1回ある。今年の国勢調査は郵送になったので、たぶん会えなくても調査
はできると思うが、皆さんの所に調査票が来たら、是非、書けるところを書いて送ってほしい。国勢調査とい
うのは、日本全国を調べる唯一のチャンスである。その市のしっかりしたデータがあるかどうかで、次の政策
等がしっかりできるかどうか決められたりする。ここでちゃんとしたデータがとれるかは、日本全体のために
も大きい。こういうことは普通暮らしている人の感覚だと、面倒くさいとか、自分はこのまちに住まないとか、
何でプライバシーを質問しないといけないのとかそういう話になってしまうけれど、自分達が自分達の暮らし
を良くするためには、しっかりデータを届けて、それを基に政策を作って下さいというふうに、間違ったデー
タを送ってもらったら困るというふうに考えないといけないそれは是非、友達にも話をしておいて欲しい。1
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0月以降長崎にいるという人は、是非、国勢調査の回答をしっかりして欲しい。住所は佐世保にあっても、今
住んでいるところでできるので、しっかり協力してもらえればと思う。それから、みんな住んでいるところに
住所を移すというのが、基本になる。移さないのは、移しても何のメリットもないからとか、面倒だったりす
るからとか、移さない積極的な理由があるのだろうか。
広報広聴課主幹
基本的には、住民基本台帳法上は、居住しているところに住民票を移す必要がある。現状としてはそういう
ふうにやっていただかないといけない。保険証については、親の扶養に入っている場合は、遠隔地で出しても
らうことができるという制度がある。そのように、努めていただくようにお願いしたい。
田上市長
最後になるが、私自身皆さんともっと話をしたかった。長崎にもともと住んでいる人も、よそのまちから大
学で長崎に通っている人も、縁があってこの長崎で4年間、若い大事な時期を過ごしてくれているので、長崎
のまちで何らかの繋がりや、思い出を作ってほしいと思う。ずっと住んでいる人は、小さいときからの思い出
があるだろうけれど、学生時代に行ったまちでは、そのまちだから体験できた思い出を是非作ってほしい。今
日話を聞いていて、皆さんが、まっすぐとしっかり世の中や社会を見ようと思っている気持ちがすごく良く伝
わってきた。その気持ちを忘れずに、これからも社会人になっても、残りの学生生活も過ごしてほしいと思う。
いろんな体験をして欲しい。どの体験も、悪い体験はない。失恋するのも、後になったら、その時はつらいけ
れど、いろんな体験をして人間は育っていく。そこでしかできない、例えば会社に入って、来たくなかったな
と思うところに配属されても、そこでしかできない体験というのがあるはずなので、そこでできる体験を精一
杯味わって、次に行くというふうにして欲しい。だから、長崎にいる学生なので、長崎にいる学生でしか味わ
えないものというのをたっぷり味わって欲しい。それをずっと循環しながら行くと、全部時間が栄養になって
自分を育ててくれるので、本当にいろんなことに積極的に関わって欲しいし、いろんな人と会って欲しいと思
う。また、こういう機会があったら、是非参加して欲しいと思うし、友達にもいろんな話をしてほしいと思う。
今日は本当にありがとうございました。
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