平均気温を用いた大麦「ファイバースノウ」の出穂期予測 農林水産総合技術センター 1 背景・ねらい 大麦「ファイバースノウ」の止葉展開期追肥や病害防除、刈取りなどの作業 は、水稲の播種、育苗、田植え、大豆の播種などの作業と平行して行われるた め、越冬後の生育ステージを的確に把握することは、効率的な作業計画を立て る上で重要である。 そこで、「ファイバースノウ」の幼穂長および気温を用いて出穂期を予測し、 越冬後の生育ステージを的確に把握するシステムの構築を行う。 2 成果の概要 (1)幼穂長(6.8 mm 以上)と、その後の出穂期 までの積算気温との間には高い相関関係 が認められ、幼穂長から出穂期までに必要 な積算気温の推定が可能である。この推定 式をモデル化し、表計算ソフト Excel を用 いた簡易な越冬後の生育ステージ予測シ ステムを開発した(図1、2)。 (2)開発した予測システムについて現地データ との検証を行ったところ、高精度で適合す ることが確認された。 3 成果の活用面 (1)大麦「ファイバースノウ」の追肥時期や防 除時期の目安を把握することで、効率的な 農作業計画の作成に活用できる。 (2)幼穂長は、平均値が 30 mm 以下の時期は 主稈 20 本以上、30 mm 以上の時期は主稈 5 本以上調査する(信頼度 95 %)。 (3)幼穂長 6.8 mm の時期は、出穂 1 ヶ月前程 度である。 4 入 力 調査日の幼穂長 予測モデル Excel による 計算 出穂までの積算気温の推定値 調査日以降の 平年平均気温 出穂期の推定 図1 出穂期予測までのフローチャート 図2 Excel による簡易計算シート 調査日と幼穂長、今後の気象経過の想定値を入力 することで、地域別に越冬後の生育ステージおよ び防除時期が出力される 問い合わせ先 富山県農林水産総合技術センター 農業研究所 TEL:076−429−5280 栽培課
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