呟 き 世の中 清水雅之 足利市本城3丁目 2120 国歌斉唱、献灯・献香・献 華、上和下睦文、入学許可、 校長や来賓の歓迎の言葉、 新入生代表の見事な宣誓、 校歌斉唱をもって滞りなく 界が待っており、いつか豊かな実りの中 き、努力を積み上げる者には、奥深い世 迷 なな 大 人 に な る だ け で あ る こ と を 説 携帯使用料が十万円などという生徒が 気がつかなかった。そうして、一か月の いまくられ、携帯に弄ばれていることに る。自業自得である。何事によらず生徒 出 現し、だ れが見て も異常な 状況が続 新入生の皆さん、皆さんの入学を、本 達は、教育を受けることに専念し、でき に身を置ける筈であることを理解させ、 校教職員こぞって歓迎する。入学おめで るだけ 大人の干渉を 受けない ようにす き、犯罪の多発などによって全国的に社 で記念写真撮影をし、LHRを済ませて 〔教頭〕 純白のキャンバスのような新入生の未来 卒業式も終え、年度末の数日間、早春 帰路に就いた。どの生徒も若者らしい戸 とう。 会問題化し、遂に学校での携帯使用の禁 とは思えぬ暖かい日が続いた。ふと桜の 惑いを感じながらも、希望に胸を膨らま を、美しい色に染め上げて行きたいと考 小枝に目をやると 、本当に可憐な花が せているようであった。私達は、彼女た 止 と い う こ と にな っ て し ま っ た ので あ 一,二輪開花していた。早すぎる開花で ちを見送り、明日からの高校生活が、全 過って足利工大附属高校勤務の頃、生 私達は、日本国の国民として、お互い えている。 ある。此の儘いくと、今年の入学式の記 ての新入生にとって心地よく、充実した 徒たちに携帯電話が爆発的に普及し始 学式を予感させた。季節はまさに百花繚 春めいて、桜は一気に開花し、満開の入 四月三日入学式の準備の日、ようやく るかのように、堅く蕾を閉じ、本当の春 さの中、開花しようとしたことを後悔す 桜だって生き物である。凍えるような寒 うのか、真冬のような寒い日が続いた。 て、シャーマニズムに支配されていた民 は、無知と偏見と無理解…である。そし すれば、才能も可能性も消滅し、残るの ているものであるが、教育をせずに放置 り可能性であって、若者全てに与えられ そもそも若さと 成長余力が才 能で あ ものを心楽しくさせる所以なのである。 性があり、それこそが教師を生業とする いつの時代で も子供達には才能と可能 それにしても毎年思うことであるが、 は教卓の中に入れるのである。これで生 本体は教室のフックに下げておき、電池 とを考慮して、取り上げ、電池を抜いて た。携帯には個人情報が詰まっているこ を 煮やした私 はとうと う実力行使にで 患者達は止められなかったのである。業 あるごとに警告した。それでも携帯中毒 教師から見れば明らかにわかる。私は事 は隠れてやっているつもりでも、教壇の よう警告した。しかし、止らない。生徒 ものが増えてきた。私は、何度も止める 制を求める。 の生徒に、成長過程の高校生としての自 ことが難くなってしまうのである。全て 体のゆとりが失われ、伸びやかに生きる 規制が厳しくなることによって、社会全 て、厳しいものになる。そして、様々な り 、我 が 儘 にな っ た りす るこ と に よっ 度は緩いものになり、気配りを 欠いた 文言のルールであっても、その運用の程 ある。 いたことは、誠に残念と言う外ないので るべきであるのに、今日のこの事態を招 念写真撮影は、葉桜の下でということに ものになることを願いながら、教職員の 乱、春爛漫である。 のように、受け身で、悪しき慣習や伝統 徒は、取り上げられたことは嫌なことで してそれは、若者の前途を祝福する天か 勝負であることを肝に銘じ、日々的確に 開花させるためにはこれからの数年が 私達はこの出会いを大切にし、才能を その後も彼らは、携帯を使い続け、携帯 局私は勝利した。しかし授業を離れれば の後も「いたちごっこ」が続いたが、結 いから、抵抗せず諦めることになる。そ 5/19~21 中間試験 6/3~5 1 年生迦葉山参禅修養会 6/4 2,3 年生遠足 6/12 クラスマッチ 6/15~19 3 年生三者面談(午後~) 6/26 一部クラス期末試験 6/29~7/2 期末試験 た。すると一転して、寒の戻りとでも言 休日を挟んで迎えた入学式当日は、萌 の中で生き、其の儘生涯を終えてしまう あっても、個人情報を覗かれることはな らの贈り物でもあった。 サポートし、積み重ねの大切さを知らし を便利に使っているつもりが、携帯に追 集合 9:40 開式 10:00 の訪れを待ったのである。 黄色の山、柔らかなコバルトグリーンの ようなことになりかねないのである。 入学式は、卒業式と違って、新入生だ め、纏まった努力をしない者は、何れ頑 一部クラス中間試験 5/15 花祭り 授業なし 5/1 かのような見事な春の一日となった。そ けのこじんまりしたセレモニーである。 5,6 月行事予定表 M・S 空、そして満開の桜。新入生を祝福する 携 帯 電 話 なる。 「新入生には少し気の毒だな。 」な に気配りをしながら生きていれば、同じ その後、新入生たちは、満開の桜の下 終了した。 教頭 め、授業中でもメール、ゲームなどやる 迎 足利短期大学附属高校 歓送迎会の会場に向かったのである。 歓 発行者 どと思いながら、年度末の休業に入っ 第23号 足利短期大学附属高校教頭だより 平成21年4月28日
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