新聞 呟き 23号 1面 - 足利短期大学附属高等学校

呟 き
世の中
清水雅之
足利市本城3丁目 2120
国歌斉唱、献灯・献香・献
華、上和下睦文、入学許可、
校長や来賓の歓迎の言葉、
新入生代表の見事な宣誓、
校歌斉唱をもって滞りなく
界が待っており、いつか豊かな実りの中
き、努力を積み上げる者には、奥深い世
迷 なな 大 人 に な る だ け で あ る こ と を 説
携帯使用料が十万円などという生徒が
気がつかなかった。そうして、一か月の
いまくられ、携帯に弄ばれていることに
る。自業自得である。何事によらず生徒
出 現し、だ れが見て も異常な 状況が続
新入生の皆さん、皆さんの入学を、本
達は、教育を受けることに専念し、でき
に身を置ける筈であることを理解させ、
校教職員こぞって歓迎する。入学おめで
るだけ 大人の干渉を 受けない ようにす
き、犯罪の多発などによって全国的に社
で記念写真撮影をし、LHRを済ませて
〔教頭〕
純白のキャンバスのような新入生の未来
卒業式も終え、年度末の数日間、早春
帰路に就いた。どの生徒も若者らしい戸
とう。
会問題化し、遂に学校での携帯使用の禁
とは思えぬ暖かい日が続いた。ふと桜の
惑いを感じながらも、希望に胸を膨らま
を、美しい色に染め上げて行きたいと考
小枝に目をやると 、本当に可憐な花が
せているようであった。私達は、彼女た
止 と い う こ と にな っ て し ま っ た ので あ
一,二輪開花していた。早すぎる開花で
ちを見送り、明日からの高校生活が、全
過って足利工大附属高校勤務の頃、生
私達は、日本国の国民として、お互い
えている。
ある。此の儘いくと、今年の入学式の記
ての新入生にとって心地よく、充実した
徒たちに携帯電話が爆発的に普及し始
学式を予感させた。季節はまさに百花繚
春めいて、桜は一気に開花し、満開の入
四月三日入学式の準備の日、ようやく
るかのように、堅く蕾を閉じ、本当の春
さの中、開花しようとしたことを後悔す
桜だって生き物である。凍えるような寒
うのか、真冬のような寒い日が続いた。
て、シャーマニズムに支配されていた民
は、無知と偏見と無理解…である。そし
すれば、才能も可能性も消滅し、残るの
ているものであるが、教育をせずに放置
り可能性であって、若者全てに与えられ
そもそも若さと 成長余力が才 能で あ
ものを心楽しくさせる所以なのである。
性があり、それこそが教師を生業とする
いつの時代で も子供達には才能と可能
それにしても毎年思うことであるが、
は教卓の中に入れるのである。これで生
本体は教室のフックに下げておき、電池
とを考慮して、取り上げ、電池を抜いて
た。携帯には個人情報が詰まっているこ
を 煮やした私 はとうと う実力行使にで
患者達は止められなかったのである。業
あるごとに警告した。それでも携帯中毒
教師から見れば明らかにわかる。私は事
は隠れてやっているつもりでも、教壇の
よう警告した。しかし、止らない。生徒
ものが増えてきた。私は、何度も止める
制を求める。
の生徒に、成長過程の高校生としての自
ことが難くなってしまうのである。全て
体のゆとりが失われ、伸びやかに生きる
規制が厳しくなることによって、社会全
て、厳しいものになる。そして、様々な
り 、我 が 儘 にな っ た りす るこ と に よっ
度は緩いものになり、気配りを 欠いた
文言のルールであっても、その運用の程
ある。
いたことは、誠に残念と言う外ないので
るべきであるのに、今日のこの事態を招
念写真撮影は、葉桜の下でということに
ものになることを願いながら、教職員の
乱、春爛漫である。
のように、受け身で、悪しき慣習や伝統
徒は、取り上げられたことは嫌なことで
してそれは、若者の前途を祝福する天か
勝負であることを肝に銘じ、日々的確に
開花させるためにはこれからの数年が
私達はこの出会いを大切にし、才能を
その後も彼らは、携帯を使い続け、携帯
局私は勝利した。しかし授業を離れれば
の後も「いたちごっこ」が続いたが、結
いから、抵抗せず諦めることになる。そ
5/19~21 中間試験
6/3~5
1 年生迦葉山参禅修養会
6/4
2,3 年生遠足
6/12
クラスマッチ
6/15~19
3 年生三者面談(午後~)
6/26
一部クラス期末試験
6/29~7/2
期末試験
た。すると一転して、寒の戻りとでも言
休日を挟んで迎えた入学式当日は、萌
の中で生き、其の儘生涯を終えてしまう
あっても、個人情報を覗かれることはな
らの贈り物でもあった。
サポートし、積み重ねの大切さを知らし
を便利に使っているつもりが、携帯に追
集合 9:40 開式 10:00
の訪れを待ったのである。
黄色の山、柔らかなコバルトグリーンの
ようなことになりかねないのである。
入学式は、卒業式と違って、新入生だ
め、纏まった努力をしない者は、何れ頑
一部クラス中間試験
5/15
花祭り 授業なし
5/1
かのような見事な春の一日となった。そ
けのこじんまりしたセレモニーである。
5,6 月行事予定表
M・S
空、そして満開の桜。新入生を祝福する
携 帯 電 話
なる。
「新入生には少し気の毒だな。
」な
に気配りをしながら生きていれば、同じ
その後、新入生たちは、満開の桜の下
終了した。
教頭
め、授業中でもメール、ゲームなどやる
迎
足利短期大学附属高校
歓送迎会の会場に向かったのである。
歓
発行者
どと思いながら、年度末の休業に入っ
第23号
足利短期大学附属高校教頭だより
平成21年4月28日