工種別テキスト~ダム編~ - BIM Design

Autodesk Civil 3D 2007
工種別テキスト~ダム編~
2006 年 10 月 6 日
目
次
1.ダム軸の作成....................................................................................................................................3
2.ダム軸の高さ設定と標準断面図の作成 ..............................................................................................7
3.ダム堤体のコリドーモデルの作成 .....................................................................................................16
4.ダム堤体の横断図の作成 ................................................................................................................21
5.ダム堤体の縦断図の作成 ................................................................................................................24
6.ダム堤体のブロック毎の数量算出 ....................................................................................................28
1.ダム軸の作成
Civil 3D は、各オブジェクト間で情報を交換し、図面作成に掛かる時間を削減するモデルベース設計をコン
セプトとしています。そのため、既存図面にあるダム軸を Civil 3D のオブジェクトの一つである線形オブジェ
クトに変換し、次章以降に行う、縦横断図や数量算出のための準備を行います。
1.
サンプル図面を開きます。
・ファイル→開く
・Lesson1.dwg を開きます。(JP_MLIT_20.dwt を適用した図面です)
・現況地形が作成してあり、ダム軸がポリライン(中央の赤線)で作図されています。
2. ポリラインを線形として登録します。
・「線形」→「ポリラインから作成」を実行します。
・線形を作成するポリラインを選択:→中央の赤いポリラインを選択→「Enter」を押します。
・線形作成ダイアログ→名前に”ダム軸”と入力→「OK」を押します。
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3
・ポリラインが線形に変換され、測点ラベルが作図されます。
3.
測点ピッチを変更します。
・ダム軸(線形)を選択→右クリック→「線形プロパティ」を実行
・もしくは、ツールスペース上でダム軸を選択→右クリック→「プロパティ」を実行
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4
・線形プロパティダイアログが起動→ラベルタブを選択
・タイプ列にあるスタイルを最上位にある主測点以外の 4 つを削除します。カーソルを合わせて
を押します。
削除するスタイルは…2 行目以下の主測点、ジオメトリポイント、ブレーキ測点、設計速度、の 4 つです。
・ダイアログは次のようになります。
・増分列と測点インデックス増分の値に”15”と入力→OK
・測点ラベルが 15m 間隔に変更されます。
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・再度、線形プロパティダイアログが起動し、ラベルタブを選択します。
・下方にあるラベルセットの保存を押す→線形ラベルセットダイアログが起動
・名前に”ダムブロック”と入力→OK
※2 回目以降、このスタイルを使用できるようになります。
・線形プロパティダイアログに戻ります。OK を押して図面に戻ります。
・以上で、演習は終了です。ファイルは上書き保存せずに、そのまま閉じて下さい。
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2.ダム軸の高さ設定と標準断面図の作成
通常、ダムの堤体高は既に決められていますが、Civil 3D で操作する場合、現況地形からダム軸に沿った縦
断図を作成し、ダムの堤体高を設定する必要があります。その後、Civil 3D のサブアセンブリを使用し、ダム
堤体の標準断面を作成します。これらは、全てパラメトリックに変更可能です。設計変更に伴う、再計算や再
作図は、これまでの業務に比べ格段に工数を削減できます。
1.
サンプル図面を開きます。
・ファイル→開く
・Lesson2.dwg を開きます。
2. ダム軸の縦断面図を作図します。
・「縦断」→「サーフェスから作成」を実行します。
・サーフェスから縦断を作成ダイアログ→「追加」を押す。
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・縦断リストに現況地形がリストされます。→「縦断ビューを作成」を押す。
・縦断ビューを作成ダイアログが表示→「OK」を押す。
・縦断ビューの原点を選択:→平面図の右側で任意点をクリック→縦断図が作図されます。
・「縦断」→「レイアウトによる作成」→縦断図の表題欄をクリック
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8
・縦断を作成ダイアログ→名前に”ダム天端高”と入力→「OK」を押します。
・縦断レイアウトツールが表示→「接線を引く」を実行します。
・始点と終点を指定→Enter(この時、高さは気にしなくて結構です。)
・作図した縦断を選択→右クリック→「縦断ジオメトリを編集」を実行します。
・レイアウトツールの縦断グリッドビュー
をクリック→パノラマウインドウが表示されます。
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・PVI 測点列と PVI 標高列にそれぞれ設計値を入力します。
入力値
PVI 測点
PVI 標高
1
0
75
2
90
75
No.
※ 入力した結果はリアルタイムに更新されます。
・入力後、パノラマウインドウおよびレイアウトツールバーを閉じます。
3. ダム堤体の標準断面図を作図します。
・「コリドー」→「アセンブリを作成」を実行します。
・アセンブリを作成ダイアログ→名前”ダム堤体断面”と入力→「OK」を押します。
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・アセンブリ基線の位置を指定:→平面図、縦断図に重ならない任意点をクリック
・「一般」→「ツールパレットウィンドウ」を実行します。
・ツールパレットウィンドウが表示→日本仕様タブを選択(ない場合は、作成します。)
・ダム堤体の天端幅(W=7.0m)のポリラインを任意箇所に作図します。
・「コリドー」→「ポリラインからサブアセンブリを作成」→ポリラインを選択
→サブアセンブリを作成ダイアログが表示
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・名前に”ダム天端幅”と入力→リンクを作成欄に”単数”に変更→「OK」を押します。
・ポリラインから変換したサブアセンブリを選択→右クリック→「コードを追加」を実行します。
・コードを入力:→”Top”と入力、サブアセンブリのポイント、リンク、シェイプを選択:→ライン上をクリック
※リンクにコードが付与され、赤いサブアセンブリに変換されます。
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・サブアセンブリを選択→右クリック→「コードを追加」を実行します。
・コードを入力:→”ETW”と入力、サブアセンブリのポイント、リンク、シェイプを選択:→左端点の円上をクリック
※ポイントにコードが付与されます。右側も同様の操作を行います。
・サブアセンブリを選択→右クリック→「原点を修正」を実行します。
・新規フック ポイントを指定:→リンクの中点を選択(OSNAP が OFF の場合は ON にします。)
※サブアセンブリフックポイントが変更されました。
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・サブアセンブリを選択→右クリック→「アセンブリに追加」→アセンブリをクリック
・ダム天端幅サブアセンブリが追加されます。
・小段・用排水溝付き法面サブアセンブリをクリック→プロパティが表示
→パラメータを変更し右側、左側に配置します。値は次のように設定します。
作成方向
右側
左側
盛土高
A:100
A:100
盛土法面勾配
A:0.8
A:0.1
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・ダム堤体の標準断面が作図されます。
・以上で、演習は終了です。ファイルは上書き保存せずに、そのまま閉じて下さい。
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3.ダム堤体のコリドーモデルの作成
ダム堤体の縦・横断図および数量算出のために必要なダム堤体のコリドーモデルを作成します。コリドーモ
デルの作成には、線形情報、縦断情報そしてアセンブリが必要となります。コリドーモデルは、現況地形情報
を参照していますので、ダム軸の位置変更や勾配の変更に伴い、コリドーモデルも自動的に変更します。また、
ダム堤体の形状を視覚的に確認出来ますので、発注者、その他関係機関への説明資料としても利用できます。
1.
サンプル図面を開きます。
・ファイル→開く
・Lesson3.dwg を開きます。
2.
コリドーモデルを作成します。
・「コリドー」→「簡易コリドーを作成」を実行します。
・簡易コリドーを作成ダイアログ→名前に”ダム堤体”と入力→「OK」を押します。
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・基線線形を選択 <または ENTER を押してリストから選択>:→「Enter」→ダム軸→「OK」を押します。
・縦断を選択 <または ENTER を押してリストから選択>:→「Enter」→ダム天端高→「OK」を押します。
・アセンブリを選択 <または ENTER を押してリストから選択>:→「Enter」→ダム堤体断面→「OK」を押します。
・ターゲットマッピングが表示→オブジェクト名列で、”ここをクリックしてすべて…”をクリック
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・サーフェスをクリック→現況地形→「OK」→ターゲットマッピング→「OK」を押します。
・ダム堤体のコリドーモデルが作成されます。
3.
コリドーモデルの作成間隔を変更します。
・ダム堤体コリドーを選択→右クリック→「コリドープロパティ」を押します。
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・コリドープロパティダイアログ→パラメータタブを表示
・間隔列の
をクリック→アセンブリに適用する間隔ダイアログが表示
・アセンブリを適用の項目の接線区間→”15”と入力→「OK」を押し、ダイアログに戻るので、さらに「OK」を押す。
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19
・コリドーの再作成が開始し、15m 間隔で作成されます。
・以上で、演習は終了です。ファイルは上書き保存せずに、そのまま閉じて下さい。
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4.ダム堤体の横断図の作成
ダム堤体と現況地形の相関関係を各ブロックで判断し、堤体高および掘削形状の確認、必要な図面の作
図を行います。必要に応じて、ダム堤体の任意箇所の横断面図の作成も容易にできますので、図面作図に
かかる工数を飛躍的に削減可能です。
1.
サンプル図面を開きます。
・ファイル→開く
・Lesson4.dwg を開きます。(ダム堤体のコリドーモデル(15m 間隔)まで作成されています。)
2.
”横断”→”横断抽出ラインを作成”を選択します。
・「Enter」キーを押して一覧から”ダム軸”を選択します。
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21
・“横断抽出ライングループの作成”ダイアログが表示→そのままで「OK」を押します。
・「横断抽出ラインツール」で「コリドー測点から」を選択します。
・抽出範囲や抽出幅を設定します。→今回はこのままで「OK」を押します。
・追加で任意測点の横断を抽出する場合は画面上で場所の指定 or 測点値を入力します。
→特に追加がなければそのまま「Enter」キーを押します。
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3.
”横断”→”複数ビューを作成”を選択します。
・「複数横断ビューを作成」ダイアログが表示→そのまま「OK」ボタンを押します。
・横断ビューの原点を識別:→マウスでプロット位置を指示します。
横断図の原点はこの辺りで
す。平面図、縦断図と重なら
ないように注意します。
・以上で、演習は終了です。ファイルは上書き保存せずに、そのまま閉じて下さい。
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5.ダム堤体の縦断図の作成
ダム軸の位置が適当であるかどうかを判断するために、任意の位置で縦断図を作図し、ダム堤体と現況地形
の相関関係を確認します。この縦断図は、リアルタイムに変更しますので、岩着部分の検討など、工学的判断
のための材料の一つとなります。
1.
サンプル図面を開きます。
・ファイル→開く
・Lesson5.dwg を開きます(ダム堤体の横断図まで作成されています。)
2.
縦断図を作図するためにダム堤体のコリドーにサーフェスを作成します。
・コリドーを選択して右クリック→「コリドープロパティ」を実行します。
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24
・コリドープロパティダイアログで”サーフェス”タブを選択します。
・「コリドーサーフェスを作成」ボタンを押します。
・「コリドーサーフェス 1」が作成されます→「サーフェス項目を追加」ボタンを押します
・コード「Top」がコリドーサーフェス1に追加されます
・コリドープロパティダイアログで「境界」タブを選択します
・「コリドーサーフェス 1」で右クリック→「自動的に追加」を選択
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25
・「Slope_toe」を選択します
・コリドーサーフェス1に境界条件が追加されます
・「OK」ボタンを押す→再計算が実行されコリドーサーフェスが作成されます
3.
ダム軸に沿った縦断図を作図するためにポリラインで作図します。
・ダム軸に沿った断面線を「ポリライン」で作成します
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26
・「グレーディング」→「クイック縦断」を実行します。
・作成したポリラインを選択→縦断ビューの原点をマウスで指示します
・ポリラインを移動すると断面図も自動的に更新されます
4.
作図した縦断図を他の CAD アプリケーションにコピーする。
・「分解」コマンドを実行→作図した縦断図を選択→「Enter」を押します。
・分解した縦断図を選択し、コピーして、別ファイルで修正などができます。
・以上で、演習は終了です。ファイルは上書き保存せずに、そのまま閉じて下さい。
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6.ダム堤体のブロック毎の数量算出
リフトスケジュールを計画するために必要なダム堤体の数量をブロック毎に算出します。これらは全て 3D
形状で算出していますので、これまで熟練技術者の経験や勘に頼っていた岩着部分を考慮した数量を的確に算
出できます。また、各々モデルとして図面の中に存在していますので、ブロック幅変更に伴う数量も迅速に、
そして正確に算出でき、全て Civil 3D の中で計算しますので、人的ミスによる計算ミスも軽減できます。
1.
サンプル図面を開きます。
・ファイル→開く
・Lesson6.dwg を開きます(ダム堤体のサーフェスまで作成されています。)。
2.
土量サーフェスを作成します。
・「サーフェスメニュー」→「サーフェスを作成」→ダイアログが表示されます
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28
・タイプ→”TIN 土量サーフェス”を選択、名前→”ブロック数量”と入力します。
・土量サーフェス項目で、基準サーフェスで、
を押し、リストから”現況地形”を選択し、「OK」を押す。
・同様に、比較サーフェス→”コリドーサーフェス 1”を選択します。
・2 つの設定が完了したら「OK」を押します。
3.
全体の打設量を算出します。
・ツールスペースのサーフェスにブロック数量が作成されています。右クリック→「プロパティ」を実行します。
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・”統計情報”タブを選択→”土量”を展開します。
※掘削形状を作成していないため、一部、切土量が出ていますが、盛土量=打設量となります。
4.
ブロック毎の数量を算出します。
・「画層プロパティ管理」で”ブロック数量”を表示にします。ポリラインで領域が作図されています。
・マゼンタ色のポリラインがブロック数量算出のための領域となります。
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・「サーフェス」→「ユーティリティ」→「領域土量」を実行します。
・<ENTER を押してリストから選択>:→”ブロック数量”を選択し、「OK」を押します。
・境界のポリゴンを選択:→始点側のポリラインを選択します。→第 1 ブロックの計算結果が表示されます。
※掘削形状を作成していないため、一部、切土量が出ていますが、盛土量=打設量となります。
・同様に、第 2~6 ブロックも算出します。
ブロック番号
打設量(m3)
第 1 ブロック
802.41
第 2 ブロック
4,123.63
第 3 ブロック
6,931.13
第 4 ブロック
5,414.94
第 5 ブロック
3,242.11
第 6 ブロック
1,127.87
・以上で、演習は終了です。ファイルは上書き保存せずに、そのまま閉じて下さい。
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