シンポジウム1 標準化を考える 標準化の現状 ○森下芳孝(三重大学医学部附属病院) 「標準化涯が、一定の品質を保証する上で必須事項である 3.その他 ことは誰もが認めるところである。検査室は良質な検査結果 認証委員会・標準物質小委員会、認証委員会・TLM小委 を診療側に提供する責務があり、それは標準化された結果で 員会、尿試験紙測定法検討委員会、糖尿病関連検査標準委員 なくてはならない。国際的には、国際標準化機構 会等の各種委員会がある。 (in七ernational Organization£or S七anda■diza七ion,ISO) の「臨床検査と体外診断検査システム専門委員会 B.日本臨床衛生検査技師会(JAMT)による標準化活動 (ISO/TC212)」にて、臨床検査に関する標準化とガイダン 1.JAM1臼臨床検査データの共有化部会 スの検討が進められている。このISO規格に基づいて、騰 平成17年3∫1に、R臨技は各地区及び各都道府県単位で 内においては、日本臨床検査標準化協議会(Japanese 実施している外部精度管理の実態をアンケート調査で現状 Co狐mi七七ee for Chnical Laboratory Sもandards,JCCLS) を 分析し、旧野臨床化学・免疫血清部門のデータ共有化部会」 中心に、旧本臨床衛生検査技師会(JapaneseAssociation of を、ifR液検査部門を含めたギ臨床検査データの共有化部会」 Medical Tbchnologists,JAMT) や纈本臨床イヒ学会 (Japan (委員長:大澤進、九州大学)に改組し、JCCLSの標準化 Society ofC且nical Chemisむ隅JSCC)等の学術学会・団体 基本検討委員会・柱2と協調した標準化活動を展開すること による活発な標準化活動が展開されている。 になった。具体的には、(1)都道府県単位にて精度管理調査 を実施するためのガイドライン及び実施マニュアルの作成、 A、日本臨床検査標準化協議会(JCCLS)による標準化活動 1.ISOITC212国内検討委員会 ISOITC212に対して、日本工業標準調査会(Japanese (2)閏臨技直轄のレファレンスラボ(15施設程度)の選定と 日臨技精度管理調査試料の値付けのためのマニュアル作成 などを行っている。 Industrial Stand肛ds Committee,JISC)から委嘱されて 内検討委員会(委員長=河合忠、国際臨床病理センター)に C.緯本臨床化学会(JSCC)による標準化活動 血清酵素(ASヱAL瓜LD,CK,ALR,GG鳴CHE)活性測 はWG1,WG2,WG3,WG4がある。WG1は臨床検査室のク 定法や∫1巳清申濃度成分(グルコース、尿酸、クレアチニン、 JCCLSが婁務局を摂当している。JCCLSのISOITC212国 オリティマネジメントに関することの標準化を泪指すもの であり、ISO15189(臨床検査室一質と適合能力に対する特 トリグリセリド、総コレステロール、N&,K,C1,Ca2+)測定 法の勧告の他、常用酵素標準物質など標準物質の設定に関す 定要求事項)やISO15190(臨床検査室一安全に対する要求 る勧告等を行ってきた。現在も、酵素・試薬専門委員会、血 事項)等がある。WG2は臨床検査室の精確さを維持するた 漿蛋白専門委員会、遺伝子検査専門委員会等の各種委員会で めの基準システムに関する要件を検討するWGで、 活発な標準化に向けた検討が進められている。 ISO17511(校正物質と管理物質への褻示値6)計量学的1・レ ーサビリティ)、ISO18153(校正物質と管理物質へσ)酵素活 D.その他の学術学会・団体による標準化活動 性表示値の計量学的トレーサビリティ)等からなる。WG3 日本臨床検査自動化学会、黛本検査血液学会、日本血栓止 は臨床検査の製晶について、製造業者が準拠すべき事項を検 討しており、ISO15197(糖尿病管理における自己測定のた めの1亀糖モニターシステムに対する要求事項)等がある。 血学会等の学術団体で標準化活動が進められている。 (連絡先:059−231−5406) WG4は細菌感染症の治療に不可欠な抗菌薬感受性検査の標 準化を霞指すWGで2003年度から発足し、また、新規作業 項目としてr遺伝子検査の質と適合能力」が日本から提案さ れている。 なお、(財)日本適合性認定協会(JAB)との協力体制の 下で、王SO15189に基づく臨床検査室認定制度の導入が進め られている。 2.JCCLS標準化基本検討委員会 臨床検査標準化基本検討委員会(委員長:濱崎直孝、元九 州大学医学部附属病院)では、柱1標準物質・標準法の確 立、柱2標準化及びトレーサビリティ体制の整備(パッチ ワーク方式による外部精度管理調蓋を通して全鰯規模の標 準化を目指す)、柱3データベースの確立、の3本柱をうち 立て、これらを目標として活動中である。 医学ヰ灸奮Vol,56No,42007 353(川
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