06_12_02_02_0033内部統制システム - CNSコンサルティング

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商法・会計
内部統制システム
Q.最近、新聞等で「内部統制システム」という言葉をよく目にします。また経済誌などの表紙を見る
と、中小企業も無関係ではいられない様ですが、そもそも内部統制システムとはどのようなもの
でしょうか。
A.
「内部統制システム」に関する会社法上での規定は、会社法第 348 条 3 項 4 号にあり、
「取締役の職務執行
が法令および定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要な
ものとして法務省令で定める体制」ということになります。
また会社法施行規則第100条第1項及び第3項においては、
「業務の適正を確保するための体制」として、
以下の条項を掲げています。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
損失の危険の管理に関する規程その他の体制
取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
当該株式会社並びにその親会社および子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制
監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
補助使用人の取締役からの独立性に関する事項
取締役および使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
これらはいずれも会社法上の大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上の会社)で、委員会
設置会社および監査役会設置会社において求められるものです。
いわゆる中小企業においては、法律的にはこれらの体制の整備・確立は求められておりませんが、会社経営
上は全く無関係とは言えません。
上記の条文をよくご覧いただくと分かるのですが、これらは要は「法令順守(コンプライアンス)
」
、
「企業統
治(コーポレートガバナンス)
」を求めているということとなります。
換言すれば「内部統制システム」とは法令や定款が遵守され、社内外のリスクをコントロールないしは想定さ
れるリスクに対する対策が構築された組織体制ということになります。
この意味において内部統制システムの確立は大会社、中小企業に係らず、すべての株式会社にとって重要な
テーマと言えます。また現実的には今後、これら内部統制システムが整備された大会社が中小企業との取引を
行うに当って、内部統制システムの整備された中小企業を選択する可能性もあります。
なぜなら大会社が、自らのコンプライアンスやリスクマネージメントを行うに当って必要と判断した場合に
は、内部統制システムの整備されていない中小企業ではなく、整備されている中小企業との取引を選択せざる
を得なくなるためです。
常務取締役 山 口 雅 弘
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