一太郎 12/11/10/9/8 文書 - 全国青果卸売市場協会

事
第Ⅰ
業
報
告
書
一般概況
1.情
勢
平成17年度の我が国の経済は、最近の内閣府の月例経済報告では、景気は回復している。企業収
益は改善し、設備投資は増加し、個人消費は増加している。 しかし、景気が長期にわたる低迷から
回復傾向を見せているが、厳しい状況に変わりはなく、特に賃金格差の拡大、地域経済への影響が深
刻となっている。
このような情勢の中、食品流通を取り巻く環境は、消費者ニーズの多様化・高度化等需要動向の変
化、農産物輸入の増大等供給事情の変化、規制緩和による量販店の進出、企業間競争の激化、外食産
業の拡大、情報化の進展、物流の効率化、品質管理の高度化、更には人材不足等、厳しい環境変化の
中にあり、誠に厳しいものがります。
生鮮食料品の流通部門に対しては、消費者の近くに位置していることから食に対するニーズへの的
確な対応、特に消費者の安全・安心な食品を求める動きに対応した流通機能の高度化の一層の推進が
求められている。
平成17年度産の青果物は、台風の影響が残っていたスタート時はやや高値であったものの全体的
に野菜は豊作型で低空飛行を続け、後半に単価高傾向を見せたものの前年度との差は縮まらず対前年
度比で見ると大幅に売上高は大幅に落ち込んでいるなど厳しい状況であります。
国の第8次中央市場整備計画で再編対象となった中央市場、対象となっていない市場も、平成21
年度からの委託手数料の自由化を前に自ら進んで地方市場へと転換し、取引の自由度の高いという地
方市場の特徴を活かし市場の生き残りをかけ積極策を展開する動きが見られる。
2.食品中に残留する農薬等の基準に係るポジティブリスト制度
ご承知のように、平成15年5月の食品衛生法の一部改正により、食品中に残留する農薬等の基準
に係るポジティブリスト制度が導入されました。
この制度は、食品中に残留する農薬等の基準について、改正前は、原則規制がない状態で、規制す
るものについてリスト化されていたものが、改正後は、原則規制(禁止)された状態で、例外(使用、
残留等)を認めるものについてリスト化するものであり、平成18年5月29日から施行されること
となっております。 具体的には、ポジティブリスト制とは「日本で基準が設定されていない農薬等
が一定量以上残留する食品の販売を禁止する制度」です。
①
②
③
人の健康を損なう恐れのない量(一律基準)を0.01ppmに定める。
この根拠は、FAO/WHOの合同食品添加物専門会議で化学物質の許容量を1.5マイ
クログラム/日にしていることです。
人の健康を損なう恐れのないことが明らかな物質(対象外物質)として、65物質を定める。
暫定基準を758農薬について定める。
食品衛生法に基づいて設定されている農薬の取締り基準は、農薬取締法の対象の農薬のす
べてには定められていないので、国際的に広く使用されている農薬について暫定基準を定め
る。
この制度は、現在の食品衛生法に較べて規制が大幅に強化されるものであり、今後、卸売市場業が
必要以上の負担を強いられることのないよう注視していく必要があります。
3.辞任に伴う役員の補選
平成17年度の通常総会(6月7日)において、役員の辞任に伴う役員の補充選任が次のとおり
行われ、登記の変更を行いました。
辞任役員
新(就任)役員
池田 章(副会長=中日本支部)氏
河合 良之(理事=中日本支部)氏
西村純一郎(副会長=九州支部)氏
月田求仁敬(副会長=九州支部)氏
第2
会
第3
会
1.
員
平成17年度における当協会会員の異動はありませんでした。
したがって、平成18年3月31日現在の会員数は45会員であり、会員名簿は別記のとおりで
あります。
議
平成17年度においては、通常総会1回、正・副会長会議1回(協議)、役員会4回、監査会1回
を開催いたしました。
その概要は、次のとおりであります。
総
会(1回)
総会名
平成17年度
通常総会
開催月日
議決事項等
平成17年 第1号議案 平成16年度事業報告書並びに収支計算書・正味財
6月7日
産増減計算書・貸借対照表及び財産目録の承認につ
いて
第2号議案 平成17年度事業計画(案)並びに収支予算(案)
の承認について
第3号議案 平成17年度会費の賦課及び納入方法について
第4号議案 辞任に伴う役員の補充選任について
付帯決議
その他報告事項について
2. 正・副会長会議(協議)
正・副会長
平成17年 特別出荷奨励金の廃止について
会議(協議) 12月16日
(協議)
3. 役員(理事)会(4回)
役員会
平成17年度
第1回役員会
開催月日
議決事項等
平成17年 第1号議案 平成17年度通常総会付議事項決定の件について
6月7日
1 平成 16 年度事業報告書並びに収支計算書・正味財産増減計算
書・貸借対照表及び財産目録の承認について
2 平成17年度事業計画(案)並びに収支予算(案)の承認につ
いて
3 平成17年度会費の賦課及び納入方法について
4 辞任に伴う役員の補充選任について
付帯決議
その他報告事項
第2号議案 補充選任に伴う副会長の互選について
第3号議案 その他
第2回役員会
平成17年 第1号議案 全青協第38回秋の中国・島根大会の開催について
8月2日 第2号議案 青果ネットの利用について
第3号議案 その他
(1)平成17年度ユビキタス食の安全安心システム開発事業につ
いて
(2)平成18年度税制改正等要望について
第3回役員会
平成18年 第1号議案 卸売市場法を取り巻く現情勢について
1月11日 第2号議案 平成18年度予算策定方針について
第3号議案 平成18年度通常総会開催(計画)について
第4号議案 その他
(1)平成17年度第4回役員会の開催について
(2)平成18年度全青協・秋の大会開催地について
(3)地方卸売市場青果取扱高調査について
(4)青果ネットシステムの立上げについて
(5)その他(報告)
ア 平成17年度ユビキタス食の安全・安心システム開発事業に
ついて
イ 全青協グループ保険加入状況について
第4回役員会
平成18年 第1号議案 平成18年度暫定予算案の承認について
3月28日 (書面による表決権の行使方式)
5. 監査会(1回)
平成16年度
監査会
平成17年 1 平成16年度事業報告、収支決算の監査について
5月27日
2 その他
第4 主な事業
1. 全青協秋の大会の開催
本年は、「第38回全青協秋の中国・島根大会」として、10月25日島根県松江市ホテル一畑
において農林水産省・今井流通課長、島根県松尾副知事、松江市能海産業経済部長はじめ食品流通
構造改善促進機構馬場会長、全農島根県本部勝部本部長ほか有効団体並びに業界紙報道関係者等多
数のご来賓と210名を超える会員関係者の参加により盛大に開催いたしました。
第1部の記念講演では、藤岡大拙(島根県立女子短期大学名誉教授)氏の「出雲の魅力」と題し
たお話を意義深く拝聴しました。
第2部の秋の大会では、島根県青果物卸売市場協議会・米原健二会長が歓迎の意を込めた開会の
挨拶をし、物故者の黙祷に続き、全青協飯田会長の挨拶の後、県連から支部を通じて推薦のあった
青果物流通に貢献された21名の方々に全青協会長名の表彰状が授与されました。
続いて、来賓祝辞に移り、農林水産省・今井流通課長、澄田島根県知事(代読)、松浦松江市長
(代読)、馬場食品流通構造改善促進機構会長からそれぞれご祝辞を賜りました。
来賓紹介、祝電披露に続いて、大会宣言は上田島根県青果物卸売市場協議会副会長が提案し、満
場一致で採択されました。
最後に、次期開催地(北海道支部)の工藤(社)北海道市場協会会長から歓迎の言葉が述べられ
た後、閉会しました。
第3部の懇親会では、アトラクションを楽しむなど、和やかなうちに会員間の交流と情報交換が
図られました。
また、翌26日現地研修では、1日コース「松江城・月照寺・堀川遊覧船・ティファニー・大社」、
1泊コース「足立美術館・奥出雲・松江城・ティファニー・出雲大社」へと希望コースに参加し松
江路を満喫されました。
本大会の開催にご支援、ご尽力頂いた島根県、松江市並びに全農島根県本部、島根県青果物卸売
市場協議会、全青協中国支部の会員に心から感謝とお礼を申し上げます。
2. 機関誌「全青協」の刊行事業
平成17年度においては、前年に引き続き、青果物流通に関する識者の意見や提言等のほか、農
林水産省の公表する資料その他会員の事業運営上参考となる記事などを掲載して、計画どおり毎月
1回、計12回刊行いたしました。
3. 青果物流通情報処理協議会について
青果物流通情報処理協議会(全農、日園連、全中青協、全青協で構成)8月31日に開催された
事務局会議の決議をもって、書面による総会が開催され、青果物統一品名コードに野菜13品目、
果実18品目の追加・変更が承認されました。
また、3月30日、同総会が開催され青果物統一品名コードが事務局の提案通り野菜16品目、
果実23品目の追加及び果実1品目が削除されました。
4. 福祉事業について
(1) 全国生鮮食品等卸売業厚生年金基金
全青協傘下の会員と全魚卸連の傘下会員が主力となって構成している年金基金は、平成1
8年3月31日現在で、
加入事業所数
447ヶ所
加入人員
10,970名
で減少傾向にある。
(2) 労災上乗せ補償共済制度
全青協傘下企業の加入人員は1,551人で減少傾向にある。
(3) 全青協クループ保険
関係の皆様方のこ理解とご協力をいただくなかで、平成16年3月1日にスタートした全
青協関係事業所の加入規模(3月末日現在)は、
加入事業所等
79事業所
加入人員
1,221名
で若干増加している。
5. 税制要望
11月∼12月の自民党農林水産部会、税制調査会の開催にあわせて、卸売市場に関する税制改
正について農水省と歩調をあわせ関係の衆参両議員に陳情した。
国税(登録免許税)
卸売市場法に基づく卸売業の合併等に係る登記の税率の軽減措置について、市場開設者を除外し
2年延長した後、0.35%から0.5%等として1年延長。
国税(所得税、法人税 )
特定の事業用資産(卸売市場)の買換え等の場合の譲渡所得等の課税の特例措置の5年延長
地方税(固定資産税)
中核的地方卸売市場に係る課税標準の軽減措置(5年間2分の1)について、連携タイプの対象
を新規取得の施設等に限定して2年延長
6. 地方卸売市場青果取扱高調査結果について
地方卸売市場青果取扱高調査について、全青協と農経新聞社との共同調査による第3回目の調査
として、平成16年度全国地方卸売市場等青果卸取扱高調査を実施しました。 平成16年度の地
方卸売市場等青果卸の平均取扱高前年比は101.09%となり、前年度のマイナスから増加に転
じた。
注目は、厳しい経営状況の中でも、前年比は2年連続で中央市場を上回っていること、再編のさ
なかにある中央市場に対し、産地を育成し地域密着を図る地方市場の健闘ぶりか伺える。
調査結果は、全青協関係青果卸売会社約640社のうち集計されたのは438社と地方卸売市場
以外の6社の、計444社。 数の上では回収率68%であるが、金額ベースでは9割を超えると
見込まれる。 青果取扱金額の合計は、1兆5776億円に達した。 このうち地方市場以外の形
態を除くと1兆4230億円。 ちなみに全農集配センターは合計で1,421億円となり業界最
大手の東京青果に匹敵するほどの規模。
また、地方市場の特徴は、地域性が異なるため取扱金額の前年比の幅が大きい。 上位では、弘
前中央青果を始め、中堅でも茨城県の葉物類の産地市場など取り扱いを伸ばしている。
最後に、全青協会員の皆様に対しまして短い準備期間の中で取りまとめていただきましたことに
厚く御礼を申し上げます。
7. 平成17年度ユビキタス食の安全・安心システム開発事業の結果概要
農林水産省(消費・安全局)補助事業の公募に対して、全青協として安全・安心、地産地消、卸
売市場の活性化等を基本とした事業計画で応募し採択されましたので、この事業に着手し、事業計
画に基づき通いコンテナとマルチ識別タグによる青果物のユビキタス流通システムを構築し、シス
テムに基づく実証試験を実施しました。
その結果概要は、
(1) 安全・安心を求める消費者のニーズに対応して、生産履歴(青果ネットカタログ「SEI
CA」を活用)及び流通履歴の遡及と追跡を可能とするとともに、残留農薬の自主検査とそ
の情報開示をシステム化し、信頼性の高いトレーサビリティシステムを構築した。
(2) 識別子としては、ICタグ、QRコード、バーコード、ID番号のいずれもが利用できる。
ただ、現時点ではICタグは精度とコストの面で有用性が認められなかった。
(3) 産地・卸売市場・仲卸・店舗間を通いコンテナによる一気通貫の流通を実現することでタ
グの再利用を可能にしてコスト負担を軽減するとともに、段ボールを使わないことで省資源、
環境保全、流通経費の削減を図り、メリットのある実用的なシステムを構築した。
(4) 大手量販店、百貨店、中小スーパーの様々な売り場で実証試験を行い、それぞれの売り場
で情報開示と陳列法などの運用を実証した。
(5) 厳しい経営を余儀なくされている地方卸売市場の新しいビジネスモデルを開発し全国の地
方市場の活性化を図るのが目的であり、事業化を目的としたビジネス開発を行った。
第5 主な処理事項
年 月 日
事
項
平成17年 4 月 20 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業申請書提出
4 月 21 日
全国生鮮食品等卸売業厚生年金基金理事会・代議員会
5月 6日
地方卸売市場連携物流最適化推進事業打合せ
5 月 23 日
春の叙勲伝達式(農林水産省)
5 月 24 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業予算積算の説明(農水省)
5 月 27 日
(財)食品流通構造改善促進機構業務説明会
5 月 27 日
(社)全国青果卸売市場協会平成16年度決算監査会
5 月 30 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業打合せ(食品総合研究所)
6月 1日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業二次審査プレゼン
6月 2日
(社)全国野菜需給調整機構第通常総会、理事会
6月 7日
(社)全国青果卸売市場協会平成17 年度第1回役員会・通常総会・叙勲・褒章祝賀会
6月 9日
平成17年度生鮮取引電子化推進協議会通常総会
6 月 15 日
(社)全国野菜需給調整機構第通常総会、理事会
6 月 19 日
岐阜県連服部会長葬儀
6 月 20 日
(財)食品流通構造改善促進機構平成17年度定例理事会
6 月 21 日
全青協東北支部定時総会(宮城県蔵王町)
6 月 21 日
中日本青果卸売市場協会通常総会(名古屋市)
6 月 22 日
平成17年度食品関連産業国際標準システム通常総会
6 月 27 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業打合せ(金額提示)
7月 7日
全国生鮮食品等卸売業厚生年金基金理事会
7月 7日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業割当内示
7 月 28 日
「食」と「農」の連携強化検討会
8月 2日
(社)全国青果卸売市場協会平成17年度第2回役員会
8月 4日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業第1回検討委員会
8月 5日
平成17年度全国みかん生産府県知事会議総会
8 月 24 日
全国生鮮食品等卸売業厚生年金基金理事会、代議員会
8 月 31 日
青果物流通情報処理協議会・事務局会議
9月 2日
ISO22000後援会
9 月 15 日
(財)食品流通構造改善促進機構臨時理事会
9 月 16 日
食事バランスガイド説明会(食流機構)
10 月 5∼6 日
食品トレーサビリティ講習会(東大)
10 月 11 日
平成17年度ユビキタスシステム開発中間報告会
10 月 18 日
熊本県連50周年祈念式典(熊本市)
10 月 25∼27 日 全青協秋の中国・島根大会
10 月 27 日
卸売市場関係団体懇話会(金曜会)
10 月 28 日
平成18年度卸売市場に係る税制要望・自民党本部
10 月 28 日
埼玉県トレーサビリティ講習会(さいたま市)
11 月 10 日
全青協信越北陸支部役員会
11 月 9 日
食品産業議員連盟総会・自民党本部
11 月 16 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業第2回検討委員会
11 月 21∼22 日 平成17年度ユビキタスシステム開発事業第1回実証試験
11 月 28 日
平成18年度卸売市場に係る税制陳情(衆・参議員会館)
11 月 29 日
平成18年度卸売市場に係る税制要望・自民党本部
11 月 30 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業・業務経理検査(農水省外)
12 月 7 日
全国生鮮食品等卸売業厚生年金基金理事会
12 月 14 日
平成18年度卸売市場に係る税制要望・自民党本部
12 月 15 日
平成18年度卸売市場に係る税制要望・自民党本部
12 月 16 日
全青協 正・副会長会議
平成18年 1 月 10 日
農林水産省へ年始あいさつ
1 月 10 日
特別出荷奨励金の廃止について申し入れ(全農園芸販売部)
1 月 11 日
(社)全国青果卸売市場協会平成17年度第3回役員会
1 月 16 日
特別出荷奨励金の廃止について申し入れ(日園連)
1 月 23 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業第2回実証試験
1 月 24 日
平成18年野菜関係団体新年賀詞交歓会
2月 2日
青果物流通情報処理協議会・事務局会議
2 月 6∼7 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業第3回実証試験
2 月 10 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業公開見学会
2 月 24 日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業第3回検討委員会
2月 27日
平成18年度ユビキタスシステム開発事業の継続申し入れ
3月 1∼3日
こだわり食品フェア(ユビタキスシステム出展)
3月 3日
青果物流通情報処理協議会総会
3月 7日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業・業務経理検査(農水省外)
3月 8日
全国生鮮食品等卸売業厚生年金基金理事会、代議員会
3月 9日
(社)野菜需給調整機構理事会
3月 10日
卸売市場関係団体懇話会(金曜会)
3月 14日
トレーサビリティセミナー
3月 16日
(財)食品流通構造改善促進機構臨時理事会
3月 20日
河合圭吉氏葬儀
3月 23日
特別出荷奨励金の廃止について申し入れ(全農園芸販売部)
3月 27日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業検討委員会(農水省・全体)
3月 28日
(社)全国青果卸売市場協会平成17年度第4回役員会(書面)
3月 31日
平成17年度ユビキタスシステム開発事業実績報告書の提出