記者発表資料(PDF形式 1.28MB) - 横浜市

横 浜 市 記 者 発 表 資 料
平成 25 年3月 14 日
財政局公共施設・事業調整課
横浜市職員技術提案の表彰を行います
~平成 24 年度 横浜市職員技術提案~
新技術の開発・導入や創意工夫等による技術的な提案を行い、コスト縮減や品質の向上等に
貢献した本市職員を表彰する「横浜市職員技術提案」制度(※)による市長表彰式を行います。
24 年度は 23 件の提案があり、最優秀賞、優秀賞、特別賞、奨励賞、努力賞の各賞について市
長から表彰を行います。
日
時
平成 25 年3月 15 日(金)
表彰式
午前 11 時 35 分~12 時 00 分
所 市庁舎5階 501号室 (JR 根岸線関内駅南口より徒歩1分)
※取材をされる記者の方は、午前 11 時 30 分までに市庁舎4階財政局公共施設・事業調整室
(403 号室)までお越し下さい。
場
※
昭和 28 年度に創設された職員提案制度を基に、平成 15 年度から職員技術提案と
して実施している制度です。
本年度の表彰内訳
分
種
門
別
(単位:件)
土木・造園 / 建築・まちづくり
設備・機器 / 環境・農業
合計
最優秀賞
優秀賞の中から表彰式前に選考
優
秀
賞
2
2
4
特
別
賞
1
1
2
奨
励
賞
5
5
10
努
力
賞
2
5
7
10
13
23
計
お問い合わせ先
財政局公共施設・事業調整課長
國本
直哉
(裏面以降:別添資料)
平成 24 年度職員技術提案審査結果
平成 24 年度横浜市職員技術提案 優秀賞受賞提案要旨
Tel 045-671-3918
平成24年度 職員技術提案 審査結果 (最優秀賞は3月15日の選考会にて決定します)
ID
部門
DZ-007
土木・造園
優 DZ-012
秀
賞 SK-009
土木・造園
SK-010
設備・機器
ID
特 DZ-003
別
賞 SK-004
ID
設備・機器
部門
土木・造園
設備・機器
部門
DZ-001
土木・造園
DZ-002
土木・造園
DZ-004
土木・造園
DZ-008
土木・造園
奨 DZ-011
励
賞 SK-001
提案名
河川護岸等に関する長寿命化指針と河川カルテ
整備~予防保全に向けて
水道システムを実感するための体験型水理実験装
置等の構築と、それを用いた研修の実施
焼却工場における飛灰からの放射性セシウム溶出
防止対策
節電・省エネのための浄水場運転管理シミュレー
ターと電力監視システムの開発(構築)
提案名
東日本大震災における宮城県仙台市の復興業務
の取組み
藤沢市下水処理施設との災害時相互処理協力の
構築
提案名
落ち葉による浸水被害の解消に向けた街きょます
蓋の改良について
下水道施設の耐震補強における日常処理に影響
を与えない工夫
東海道の歴史的資源を活かしたみちづくり(方針策
定)
都市河川におけるアユの遡上を考慮した新形式魚
道の導入について
土木・造園 配水管布設工事に伴う事故防止の取組
設備・機器
合流式幹線流入制御による浸水対策と省エネル
ギー
SK-005
設備・機器 MPレーダーを活用した新雨量監視システムの構築
SK-011
設備・機器
SK-012
設備・機器
SK-008
設備・機器
ID
部門
KN-001
環境・農業
DZ-005
土木・造園
DZ-009
努
力 SK-002
賞
SK-003
市営地下鉄ブルーライン車両の自動列車運転プロ
グラムの省電力化
配水管からの排水による発電電力で稼働する水質
監視機能付自動排水装置に関する研究
電力不足対策におけるごみ発電電力供給増量の
取組み
提案名
焼却工場の発電施設を利用した電気自動車による
省エネルギー・省コスト対策
耐アルカリ性ガラス繊維ネット・誘発目地材を使用
したひび割れ低減対策
土木・造園 安全管理の取組について
道路局
水道局
資源循環局
水道局
提案者
河川管理課、
河川計画課
人材開発課
施設課、資源政策課調査等担当、磯子検認所、
鶴見工場、都筑工場、
金沢工場、旭工場
小雀浄水場、浄水課
提案者
道路局
環境創造局
建設課
西部水再生センター
提案者
環境創造局
港南区
環境創造局
下水道事業調整課、 管路整備課、
港南土木事務所
下水道施設整備課
道路局
建設課
道路局
河川事業課
水道局
給水課
環境創造局
神奈川水再生センター
環境創造局
下水道設備課
交通局
車両課
水道局
中部第一給水維持課
資源循環局
施設課、鶴見工場、
旭工場、金沢工場、
都筑工場
提案者
資源循環局
資源政策課
道路局
建設課
港湾局
港湾整備事務所
設備・機器 汎用シーケンサを使用した漏油検知装置の製作
環境創造局
南部水再生センター
装飾用LED照明を利用した新羽雨水調整池・滞
水池の地下階段照明器具の改善
環境創造局
港北水再生センター
設備・機器
SK-006
設備・機器 PFI方式を用いた下水汚泥燃料化施設の導入
環境創造局
下水道設備課
SK-007
設備・機器 飛灰処理装置混練機逆転回路の追加
資源循環局
旭工場
結果集計
優秀賞 4件
特別賞 2件
奨励賞 10件
努力賞 7件
計 23件
賞内のならびは整理番号順です
平成 24 年度横浜市職員技術提案
優秀賞提案要旨及び講評
○
河川護岸等に関する長寿命化指針と河川カルテ整備~予防保全に向けて
[道路局 河川管理課、河川計画課]
○
水道システムを実感するための体験型水理実験装置等の構築と、それを用いた研修の実施
[水道局 人材開発課]
○
焼却工場における飛灰からの放射性セシウム溶出防止対策
[資源循環局 施設課、資源政策課、鶴見工場、都筑工場、金沢工場、旭工場]
○
節電・省エネのための浄水場運転管理シミュレーターと電力監視システムの開発(構築)
[水道局 浄水課、小雀浄水場]
(
並びは整理番号順です
- 1-
)
優秀賞
部
門
提案者
提
案
概
要
講
評
【DZ-007】
土木・造園
道路局
河川管理課
河川計画課
提案名称
長内
岩山
河川護岸等に関する長寿命化指針と河川カルテ整備~予防
保全に向けて
紀子、津田 桂宏、佐藤
剛、山岡
努
慶一
従来、河川護岸は「壊れたら直す」の対処療法でしたが、市民生活の安全確保の観点から、
予防保全対応の効率的・効果的な維持管理へシフトすることが求められています。
そのため、河川部(管理・計画・設計)
・土木事務所の職員が参加したプロジェクトにより、
全国初「河川護岸等に関する長寿命化指針」を整備し、指針に引き続き、本市が管理する全河
川を対象として「河川カルテ」を平成 24 年末に職員自ら作り挙げました。
今後、それらを基に保全計画を策定します。
本市が管理する公共施設の保全は、市民の安全安心のために非常に重要な取組である。職員
が自らの手で協力して、指針、カルテを作成し、また今後の河川護岸等の保全に使える客観的
な評価基準を策定するなど保全計画に非常に有効な提案である。また、全国的にも先駆的な取
組みで、国、他自治体からも注目されている点を評価した。職員の経験や知恵を結集したもの
で、他の公共施設の長寿命化計画に基づく予防保全型の維持管理計画づくりに活用できること
からも、本提案の意味は大きい。今後は、PDCAサイクルを回して、常に見直しをしていく
体制を整備してほしい。
【従来の対処法】
「壊れたら直す」
→市民生活の安全安心が確保されない。
【長寿命化に向けた取組みの方向性】
計画・設計・施工・管理の各部門が連携
【長寿命化指針の内容】
●点検(要領) → 横浜市独自の様式:河川カルテ
●損傷度の評価(5段階)
:施設自体の機能に与える影響度
●対策区分の判定(5段階):損傷に対する対応策
●重要度区分(4段階):背後地の状況から評価した影響度
優先度評価
- 2-
【河川カルテ】基礎情報、損傷状況、補修履歴等を整理
優秀賞
部
土木・造園
門
提案者
提
案
概
要
講
評
【DZ-012】
水道局
人材開発課
提案名称
渡邉
水道システムを実感するための体験型水理実験装置等の構
築と、それを用いた研修の実施
保
水道システム(管路)を、総合的かつコンパクトに実験できる施設の構築にあたり、他自治
体・大学・企業等の研究機関にヒアリングを行いましたが、存在しませんでした。そのため、
新たに企画・設計・材料発注から加工・組立まで職員が直営で施設を完成させました。現在、
研修等において職員が講師となり、施設を有効活用し局職員の技術力向上と人材育成の推進を
積極的に図っています。
人材育成や技術力の向上、技術継承などは喫緊の課題であり、水道局のみならず、全市的な
課題であると思われる。そのような状況のなか、職員が主体となって研修(実験)装置の企画
から設計、製作までのすべてを担い、実現に至ったことは大きな評価に値すると考える。
これまでにこの実験装置を使い約 100 人に対して研修を行い、水理学の理論や水道工学の理
解の促進につながっており、充分な効果が得られているものと思われ、職員育成の観点での評
価が高い提案である。
普段、何気なく使っている水、
出るのが当たり前と思われている水道、
はたして、その実態は?
水道局の仕事は、安全でおいしい水を24時間、365日供給
し続けることです。
言うは易し行うは難し、これを実践し続けるためには、水道施
設の適正な計画、設計、施工、維持管理が必要になります。
水道局では、豊富な知識、経験を有する団塊世代の職員の大量
写真-1
体験型水理実験装置の全体像
退職に伴う経験の浅い職員の比率の増加を課題と考え、少数精鋭
の組織機構の実現に向け、職員の技術力向上や人材育成に取組ん
でいます。
研修において、経験不足を補うため、講義だけでなく、水圧の
全水頭
強さ、怖さを疑似体験するなど、様々な工夫をして取組んでいま
V32
2g
す。しかしながら、根本的な送配水システムの理屈を、実感をも
V22
2g
速度水頭
V12
2g
仮
想
配水池
って理解する必要性があると考え、今回、体験型水理実験装置(写
P3
ρg
真-1参照)の構築をおこないました。
P2
ρg
圧力水頭
P1
ρg
リフトアップ
図-1に示すように、アクリル水槽は、配水池を想定したもの
台
車
で、高さを台車によってリフトアップすることで高さを変えるこ
とができ、配水池の持つ、位置エネルギーの重要性を説明してお
ります。水槽からは、配水管を想定したビニールホースを伸ばし、
3箇所に分岐部を設け、ビニールホースを上に立てることで、そ
Z3
Z2
位置水頭
Z1
基準面
図-1
体験型水理実験装置の説明図
の地点での圧力を確認します。市内の配水管において、この圧力
を適正にコントロールすることが難しく、圧力が低すぎると水が
出なくなり、高すぎると漏水の危険性が増加します。これら水量
や流速、水圧をコントロールする仕組み(水道システム)につい
て、この装置を使用し、実感することで理解できるよう活用して
います。
- 3-
写真-2
実験装置を活用した研修風景
優秀賞
部
門
【SK-009】
設備・機器
資源循環局
提案者
提
案
概
要
講
評
1
施設課
提案名称
馬場
一彦
焼却工場における飛灰からの放射性セシウム溶出防止対策
木村
充、
資源政策課
裕、
都筑工場
鶴見工場
小島
卓、豊田
金沢工場
北島
秀和、荒井
秀明、
旭工場
村木
倉品
成田
宏、水谷
和貴、
謙治、高井
剛、佐久間
玲、
薫
焼却工場で発生する飛灰に含まれる放射性セシウムの処分場内水への溶出対策として、排ガ
ス処理や飛灰処理の過程で吸着剤(ゼオライト及びベントナイト)を使用することにより、飛
灰から埋立処分場の内水への溶出を大幅に抑えることができました。
吸着剤の噴霧、添加については、焼却工場のバグフィルタ等の既存設備をできるだけ活かし、
排ガス処理や飛灰処理の過程で吸着剤を使用することにより、設備改造経費を最小限に抑えま
した。
放射性物質への対策は、市民の安全安心を守る市政の重要課題である。これまで経験したこ
とのない事態に対して、汚染の拡散防止のための排水・排ガス処理システムを全国に先駆けて
構築し実践したことを高く評価できる。対象が放射性物質なのでその対応は専門家任せになり
がちであるが、職員が主体性をもって国立環境研究所資料を基に、他課とも協力しながら情報
収集に努め、現状考えられる限りの最良の溶出防止対策が実施できている。しかも短期間に方
針を決めなければならない状況でありながら、その短期間に効果的な手法を導いたことを高く
評価した。結果においても、放流水における放射性物質濃度は不検出であり、市民生活から不
安を減らすことに貢献している。焼却工場の既存設備を熟知していたから可能となった提案で
あり、問題解決への前向きの取組姿勢が強く感じられる提案である。
薬品の選定
ベントナイト、ゼオライト等様々な薬品を用いて室内実験を実施し、溶出防止に効果のある薬品を選定。
2
工場での薬品供給方法
(1)ベントナイト:吸湿により膨潤化し粘土状になるため、飛灰処理の過程でセメント代替として使用。
(2)ゼオライト:排ガス処理薬品吹込み過程で供給。各工場で設備が異なるため、「できるだけ既存設備を活か
し設備の改造は最小限に!」という方針のもと工場ごとに供給方法を決定。
各工場におけるゼオライト供給方法
効果
処分地内水中の放
射性セシウム濃度
不検出
- 4-
優秀賞
部
門
提案者
提
案
概
要
講
評
【SK-010】
設備・機器
水道局
節電・省エネのための浄水場運転管理シミュレータと電力
監視システムの開発(構築)
提案名称
浄水課
栗原
和昌、
小雀浄水場
浜村
正義、
蒲谷
黒木
昌好、
遠藤
悟
崇司
平成 23 年度の夏期に電力使用制限令に基づき大口電力需要施設(契約電力 500kW 以上)9 施設に
5%の電力削減義務が課され、平成 22 年度を基準として最大使用電力量を削減しなければなりません
でした。そこで、浄水場の運転管理をシミュレーションするソフトと電力量を監視するシステムを
開発しました。
運転管理シミュレータは、Excel を使用し、水量等の各種データと配水池水位、各種予定水量等の
当日パラメータを入力し、小雀管轄ポンプ運転台数を増減することによって、使用電力と水量・配
水池水位のバランスを演算させて、最大電力使用量を抑えるポンプ運転予定表を出力できるソフト
です(運用計画)。
電力監視ソフトは、情報端末を使用し、対象となる施設の電力量の変動を 1 分単位で監視し、最大
電力使用量を抑えるものです(電力監視)。
平成 24 年度は夏期節電に加えて、この運転管理シミュレータと電力監視システムを利用し、電力
を平滑化し、昼間電力をピークカットした運転管理も行うことにより、全体の契約電力の低減化等、
大幅なコスト縮減に取り組みました。
シミュレーションと監視システムを一体化したものを構築できたことは大きな成果であり、予定
送水量から使用電力量を事前に想定することで送水ポンプの最適な運転状況を実現することができ
ている。9施設の電力消費の事情を的確に分析しながら、75%を占める3施設の大口需要のピー
クカット契約によりコスト縮減を達成するなど、電気使用量の平準化による契約電力料金の削減効
果も大きなものとなっている。
全て直営で対応しており、業務内容の把握や改善、職員の育成という観点からも効果が大きい提
案と言える。現状は、警報が出たら再シミュレーションし、最適な節電運転を目指しているが、さ
らに一歩進めた自動化も計画してもらいたい。また、緊急事態に遭遇したときのリスク回避も合わ
せて構築することも望む。
24時間中の電力使用量の変化イメージ
凡 例
通常電力量
変更後電力量
電力使用制限令に基づき電
力使用制限時間内に使用し
電力制限時間の範囲
5%減
ていた電力を夜間等電力制
対象施設の電力量を 1 分単
10%減
位で監視。電力量が超過した
15%減
限時間帯以外の間や使用が
場合、警報が鳴る。
少ない時間にシフト.
(右イメージ図)
0
時
3
時
6
時
9
時
12
時
運転管理シミュレータ
15
時
18
時
21
時
電力監視ソフトにより対象施設の電力量を
により送水ポンプを制御
監視
線を超過すると
場外
警報が鳴る
配水池
お客様
浄水場
場内
配水池
P
成
果
P
P
H23 年度
送水ポンプ
全ての
H24 年度
平均電力削減目標達成(電力制限時
時間帯において電力
H23 年度の結果か
間内) さらに、大幅なコスト縮減
削減目標達成
ら電力平滑化が
・契約電力の低減化(883 万円)
(電力制限時間内)
可能と判断
・ピークカット契約量の増量(2,630 万円)
- 5-