第12号 - 地方独立行政法人長野県立病院機構

長野県立病院機構
職員向け広報誌
発行日:平成 25 年 9 月 24 日
発行元:長野県立病院機構本部事務局
7月 20 日カッタカタまつり~須坂病院連~
和電工大町工場に転勤になり、大町にはじめてき
たときのことははっきり覚えています。3 月ごろ
だったと思います。東京から長時間列車(当時は
ディーゼルエンジンだったと思います)に乗り松
本駅についたら、はじめてみる蒸気機関車がと
まっていました。そこからさらに大糸線に、車窓
から降る雪を見つめながら大町へとむかいました。
大町駅に降りたら、駅の屋根に多数ぶら下がった
4月1日より、木曽病院院長を拝命しました井
大きなつらら、目の前にそびえたつ北アルプスの
上敦です。簡単に自己紹介をさせていただきます。
雪をかぶった山容など、寒さとともにまぶたの裏
私は昭和 29 年(1954 年)5 月生まれです。父
に焼き付いています。テレビの民間局はわずか 1
親が昭和電工という長野県内に大きな工場を持つ
チャンネルのみで好きだったヒーロー番組はみら
会社に勤めていた関係で、幼尐時から長野県とは
れず。幼稚園へは 2.5 キロの道のりを雨の日も雪
御縁がありました。初めて長野県に来たのは 5 歳
の日もとぼとぼ歩いて通い、途中の田畑は牛を引
のときでした。それまでは東京都や神奈川県しか
いて耕す農夫のいる風景でした。しかし子供は周
知らず、新宿御苑の周辺を遊び場にしていました。
囲の環境にすぐ慣れるようで、昆虫の採集や山登
電車は山手線しか知らず、その車両は当時として
り、スキーに川遊びなど長野県の豊かな自然を満
はとてもモダンなものでした。テレビ番組は多く
喫し、楽しい尐年時代をすごしました。大町には
の民間局の番組が放送されており、幼稚園にはお
小学校 2 年までおり、父が昭和電工塩尻工場に転
迎えのマイクロバスで通っていました。父親が昭
勤したことで、塩尻で 2 年間ほどすごしたのち東
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京に戻りました。そのようなこともあり大学は信
流域と御岳山麓地域の 3 つの町と 3 つの村よりな
州大学医学部入学しました。卒業後は信州大学に
り、面積は広く香川県のほぼ同じくらいです。人
残り、第 3 内科に入局しました。第 3 内科の教授
口は平成 25 年 3 月 1 日現在 29880 人、高齢化
は神経内科が専門でしたが、神経内科のみでなく、
率は 35%と全国の 23%を上回り、老齢化と過疎
膠原病、消化器内視鏡、循環器など幅広く研鑽し
化が進行しつつある地域です。
ました。その間佐久総合病院、富士見高原病院、
木曽地域は長野県が設定する 10 の 2 次医療圏の
国立長野病院などにも勤務しました。佐久病院で
一つになっていますが、有床診療施設は当院唯一
は当時院長であった若月先生と親しく話す機会も
で、他に 13 の診療所はありますが、広大な面積
あり、農村医療を知る上で良い経験でした。関連
のため無医地区も多く存在しています。人口 10
病院勤務後は大学で研究にいそしみました。学位
万人当たりの医師数及び看護師数は 10 医療圏の
(医学卙士)取得後 1988 年から 1990 年にか
中では最も尐ないなか、これまで急性期から慢性
けて約 2 年半米国シカゴにあるノースウエスタン
期まであらゆる分野の医療サービスを高いレベル
大学微生物免疫学教室に研究員として特に脳炎や
で供給できるように職員一同奮闘してまいりまし
神経免疫疾患の研究をして過ごしました。帰国後
た。
信州大学にもどり臨床、研究をおこなっていまし
今後も地域の基幹病院として、医療スタッフの
たが、医局の教授が変わったことや、当時木曽病
充実や医療機器の更新整備を図りつつ、長野県内
院の院長をされていた小口先生に誘われたことも
の他の医療機関とも連携して、県民及び木曽地域
あり、木曽病院に移ることになりました。木曽病
を訪れたすべての方々に安心で質の高い医療サー
院では小口先生や前院長の久米田先生の地域医療
ビスを安定的に提供してゆきたいと考えています。
にかける情熱に感化され、おもに脳疾患を中心に
機構の皆さまにも引き続き木曽病院への御支援、
救急医療から慢性期まで診療に従事してきました。
御鞭撻をお願いいたします。
さて木曽地域は長野県南西部に位置し、木曽川
木曽病院が長野県下で初めて「病院機能評
価 3rdG:Ver.1.0」の認定を受けました。
オオヤマレンゲ
(赤沢自然休養林)
Contents
9月4日
中日新聞
役員コラム(井上敦理事 木曽病院長)................................ 1
本部研修センター(赤嶺医師) ............................................... 3
特別寄稿(木曽病院久米田名誉院長) ................................. 4
トピックス(医師、看護師確保の取組み)........................ 5
トピックス(職員提案表彰式等) .......................................... 6
平成 25 年 4 月~平成 25 年8月の主なできごと ........ 7
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りましたが、他のスタッフの皆さんのおかげで
次第に慣れて参りました。一日も早く皆さんのお
役に立てるようになりたいと思います。
さて、簡単な自己紹介をさせて頂きます。出身
地は大阪府で、出身大学は大阪市立大学医学部で
す。卒業は平成 14 年で卒後は沖縄県で研修を受、
6 年間沖縄県内で小児科医として勤務しました。
平成 20 年 4 月から長野県立こども病院の集中
この度、本部研修センター副研修センター長に
治療部で 5 年間、小児の救急・搬送・集中治療
着任しました赤嶺でございます。前任地は安曇野
に携わって参りました。専門資栺は、小児科専門
の長野県立こども病院、小児集中治療科です。今
医、集中治療専門医です。前職の経験から、救急
年 6 月から研修センターに参りました。歴史の
集中治療分野の様々なシミュレーション教育、ま
ある須坂市で初めての勤務ですが、須坂市の町並
た、5 病院の連携をさらに強化して医療スタッフ
みは美しく、須坂病院 7 階にある研修センター
育成の一助になるよう努力してまいりたいと思
からの眺望はとても良く、働く環境は最高です。
います。
初めての土地につき、尐々丌安はありますが、一
日も早く地図なしで移動できるようになりたい
皆様に助けていただきながら、精一杯がんばり
と思います。センターでの仕事は、臨床漬けの毎
たいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたし
日とのギャップが激しく初めは右往左往してお
ます。
家族構成は、夫、息子 2 人、実母、犬です。趣
味は英会話、洋裁、ワインテイスティングです。
研修センターホームページ、新しくなりました。New!
スタッフブログや活動報告など随時更新中です。
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手術病棟チエック、木曜日は安曇総合病院で午前内
視鏡医午後外科外来と手術、金曜日は仁愛病院で外
来(主に整形)と手術、土曜日は柏原クリニックで
外来とシャント手術、日曜日は月 1 回医師と歩く
森林セラピーということで赤沢でボランテイアに
勤しんでいます。他に国保審査と長野県国保指導監
査専門医の仕事があり、結局気楽なパート医の夢破
れ、院長時代よりはるかに仕事量は増えました。こ
の原因は、医療の集約化で、大病院に専門医と称し
1998 年 4 月、信大第 2 外科関連で誰も希望者
て一部のことしかできない医師が大量に集まり、そ
がなく、木曽の外科は引き揚げようかという事態に
のあおりで、中小病院が医師丌足であえいでいるた
なった時、木曽谷に外科は必要と単身赴任して15
めです。また医療僻地には深刻な状況がまだまだ進
年が経ちました。外科医療を full time 継続提供す
行しており、医療栺差が広がっています。患者さん
ることから外科医療ひいては病院医療の信頼を得
に請われても専門外として相手にしない楽な医療
ることができたのではと考えますが、そのためにア
を求める医療人と、何とかしてあげたいと努力する
ルコールを15 年間とらなかったことで、全く飲酒
医療人の違いが大きく、極めて尐ない後者の医療人
ができない体になってしまいました。タバコは禁煙
に負担がのしかかっている気がします。
外来開設患者第 1 号として、4 年半禁煙しました
まぐろと同じで、仕事して動き回っていないとい
が、若手医師をはじめとする職員の効率性のない働
られない性分かも知れません。パート医といっても、
きにイライラしてまた吸いはじめ、年金もほとんど
その病院の医療水準を揚げて、経営的に成り立つよ
出ない世代としては吸わなくて長生きする必要も
う 8 時~18 時(~24 時)勤務が続いている自分
ないかと医療従事者にあるまじき考えのもと、喫煙
の生活を変えられそうにありません。
を続けています。定年を待たずに退職した理由は、
院長在任中は木曽病院や県の職員の皆さんに、い
独立行政法人化が木曽病院にはそぐわないこと(使
ろいろと脅したり無理なことをお願いし、大変ご迷
命感もなく自己の生活のために勤務している者が
惑をおかけしたかと思いますが、支えてくれたこと、
多い病院と木曽病院勤務者とが同じに扱われるこ
心より感謝し御礼申し上げます。本当に有難うござ
とは我慢ならないことでした)が最大の理由ですが、 いました。
病院内でも働かない職員を養うために院長が働き
続けるのかとか、時間外手当がつかない院長のむな
しさとか、会議に出席し続ける楽しくない時間とか、
医師派遣のために派遣教授に挨拶回りに赴くとか、
歯が欠け耳が聞こえにくくなり目がみえにくく
なったこととかが加味していることは否めません。
院長 8 年も続ければ弊害があることも確かです。
❤久米田名誉院長❤
平成 25 年度へき地医療貢献者表彰受賞されました!
15 年以上にわたって山村・離島等の医療確保に尽力された
医師に対して全国自治体病院開設者協議会会長及び公益社
団法人全国自治体病院協議会会長がその功績を称え、毎年
1回実施しているものです。
(今年度は 33 回目)
表彰式は 10 月に行います。またお伝えします!
もう一つ医師確保の意味で院長を交替したとい
うことも大きな理由です。好きな手術ができる環境
があればいいと、気楽なパート医を夢見て、自己都
合とかで大幅に退職金を削られながらも退職した
次第です。
久保理事長と全自病長野県支部長及び長野県自治体病院
現在、月・水曜日は木曽病院で午前外来検査午後
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協議会会長の齊藤院長と。
ある日の昼下がり❤
それぞれの病院で医師、看護師の確保に向け様々なとりくみを行っています。その一部をご紹介させて
いただきます。
毎年、東京ビッグサイトで行われるレジナビフェア(後期 6 月、初期 7
月)には指導医、研修医が参加し研修先で迷っている学生さん、後期研修先
を悩んでいる初期研修医の方に研修プログラムや病院の特徴をお話してい
レジナビフェアとは民間企業が運
ます。時には研修医生活の裏話や指導医の世間話なんかも織り交ぜながら、
営する初期臨床研修医、後期臨床研
病院の雰囲気や研修の雰囲気を伝えています。
修医向けの就職説明会。
また、多くの病院の中からブースに足を運んでくれた方との出会いを大切
にしています。
こども病院の中村副院
長と研修医のお2人と
で和気あいあいとした
雰囲気に!
長野県内 16 校、県外 62 校へ看護部長、理事長、
医療コーディネーターで訪問し、看護師確保につと
めています。
また、年に8回行われる合同就職説明会に参加
し、多くの看護師を採用できるよう教育プログラム
の説明や病院の説明をおこなっています。また、説
明会のディスプレイも病院の雰囲気を感じてもら
えるよう工夫しています。
以下の職種を募集しています。お知り合いなどで、是非当機構で働きたいという方いらっしゃ
いましたら積極的にお声掛けください。
看護師・助産師採用試験について
日程:平成25年10月5日(会場:長野市・松本市)
平成25年12月14日(会場:長野市・松本市)
平成26年3月8日(会場:長野市)
医療技術職採用試験について
職種:薬剤師、臨床工学技士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士、精神保健福祉士
日程:平成25年11月16日
事務職採用試験について
募集区分:部長職(候補)
、課長職(候補)
、スタッフ
お 問 合 せ は
本 部 事 務 局 職 員
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課
採
用
担
当 ま で
!
9 月 5 日(木)
長野市保健所と共催
し、保健・医療・福祉
に従事する方々を対象
に公開講座「高齢者の呼
吸感染症」~肺炎・肺結核・インフルエンザ等の重
症化を予防するために~ を開催しました。
定員100名の会場にちょうど100名の参加者
で満席でした。講演後、参加者からは結核の検査に
ついて、タミフルの使用について、など質問が相次
ぎました。
会場の様子
第3回理事会で平成 24 年度「病院力アップ職員提案」の表彰式がおこなわれました。
最優秀賞、優秀賞は以下のとおりです。
平成 25 年度「病院力アップ職員提案」もまだまだ募集中です!
最優秀賞 こども病院
提案者
優秀賞
事務部
長崎 明子さん
こども病院 委託契約料の節約
提案者
優秀賞
医療機器保守の委託料見直し
放射線技術科
こころの医療センター駒ヶ根
5病院の診療情報管理士がカルテに関する相
互点検を行う
優秀賞
提案者
事務部 肥野 哲幸さん
須坂病院
職員スポーツ文化祭
提案者
臨床検査科
塚越 美恵子さん
来年4月から始まる長野県が提唱する「信州型総合医」の養成について、長野県から長野県立
病院機構の研修プログラムが認定され募集することとなりました。
本プログラムは、患者、家族、地域の視点から保健医療まで包括的に取り組むことができる家
庭医としての能力と、地域の中・小病院の診療において総合的診療能力を持つ「総合診療医」を
養成する 3 年間の後期研修コースです。
プログラム等詳細は次号(11 月発行予定)でお伝えします。
病院祭スケジュール
10 月 5 日(土)こころの医療センター駒ヶ根
10 月 14 日(祝)こども病院
10 月 26 日(土)木曽病院
10 月 27 日(日)須坂病院
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●須坂病院
・4 月から各部署代表者が経営に関することや改善項目を協議する場として「カイゼン会議」を開始し
ました。
・5 月から北棟事務室内にリユース棚を設置し、事務用品等の再利用による経費節減意識の醸成を図っ
ています。
・6 月から県が実施している研修員相互派遣事業により、中国からの海外技術研修員を 2 名受入開始。
11 月までの 5 ヶ月間、感染症病理研究、上部消化管内視鏡技術研修を実施しています。
・7 月 20 日 カッタカタ祭に参加し、職員約 70 名が参加しました。
・8 月 19 日 南7階病棟を再開しました。
・8 月 22 日 ピアノ演奏によるサマーコンサートを開催しました。
●こころの医療センター駒ヶ根
・平成 24 年度に実施した職員満足度調査結果について、説明会を院内
で 3 回にわたり実施しました。
・5 月 30 日 職員の経営参加意識を高めるため、
「経営に関する研修会」を開催し、経営状況について
情報共有しました。
・8 月 5 日 アルコール医療出前講座を開催しました。
・8 月 29 日 サイトウ・キネン・フェスティバル松本特別出前コンサートを行い、患者さん、地域住民
等約 300 名が参加しました。
・8 月 1 日、29 日 院内研修会(児童精神科の入院治療について・栄養サポート研修会)を開催しまし
た。
●阿南病院
・天龍村の乳幼児、3 歳児検診の受託を開始しました。
・5 月 18 日 新本館棟の竣工式を行いました。
・6 月 24 日 職員を対象とした接遇研修を開始しました。
・8 月 8 日 南部地区保健師研修会で阿藤医師による「乳がん検診について」講演と阿南病院見学を行
いました。
・8 月 28 日 第 1 回電子カルテ総合リハーサルを開催しました。
・8 月 29 日 旧本館棟 2 階から増築棟 4 階へ医局が引越しました。
●木曽病院
・4 月 1 日 井上院長、小出副院長が就任しました。
・5 月 9 日、10 日に病院機能評価機構の新しいバージョン「3rdG:Ver1.0」の訪問審査を受審しまし
た。
・6 月 9 日 上松町で開催された「木曽ひのきの里ウォーキング大会」に合わせ、上松町赤沢自然休養
林で「出前病院」を開き、血圧チェック、アミラーゼ測定、ストレスチェック、健康相談を行いました。
・7 月 26 日 木曽郡内の医師や行政・消防職員を対象に災害医療講演会を行いました。
●こども病院
・5 月 25 日 こども病院創立 20 周年記念事業を開催しました。
・7 月 1 日 全国初の多施設間協力型センターとして、口唇・口蓋裂センター開設しました。
・7月 6 日 塩尻会場、20 日長野会場にて公開講座「こどもの食物アレルギー」を開催しました。
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