「進化するネットワーク仮想化とメタアーキテクチャ」 中尾 彰宏 - NICT

進化するネットワーク仮想化と
メタアーキテクチャ
中尾彰宏
東京大学
2010年6月23日
1
Vision:新世代には複数多様なNWが普遍的
!   異なる要件を持つアプリケーションが氾濫
! 
! 
クラウド型コンテンツ配信(YouTube, Daily Motion)
ネットワーク遠隔外科手術
!   Elephantsは独自のNWを構築しつつある?
! 
! 
! 
Google, Amazon, YahooのData Center NW
研究者より先に新しいNWを定義する可能性
Data Center NW は ACM SIGCOMMのHot Topic!
!   従来のNWにとらわれない新しいNWの研究が開始
! 
! 
NwGN (Japan), GENI/FIND(US), FIRE(FP7)
大学院生が新しいネットワークを定義しつつある
疑問:1つのアーキテクチャに収束させるべきなのか?
2
クラウド型動画配信の問題
3
Vision:新世代には複数多様なNWが普遍的
!   異なる要件を持つアプリケーションが氾濫
! 
! 
クラウド型コンテンツ配信(YouTube, Daily Motion)
ネットワーク遠隔外科手術
!   Elephantsは独自のNWを構築しつつある?
! 
! 
! 
Google, Amazon, YahooのData Center NW
研究者より先に新しいNWを定義する可能性
Data Center NW は ACM SIGCOMMのHot Topic!
!   従来のNWにとらわれない新しいNWの研究が開始
! 
! 
NwGN (Japan), GENI/FIND(US), FIRE(FP7)
大学院生が新しいネットワークを定義しつつある
多様な複数NWを収容する共通なインフラが必要
4
ネットワーク仮想化とは?
定義
!   要求の異なる複数のネットワークアーキテクチャやサービスを
同時収容する基盤(メタアーキテクチャ)技術
!   コンピュータ・ネットワーク資源を仮想化技術により分離
(Resource Isolation)し,アプリケーション毎に特化し自由に
プログラム可能な「独立ネットワーク」を複数共存させる技術
社会的意義
•  アプリケーション毎,ユーザ毎の独自インターネットの実現
•  クラウド・センサーのみならず新たなサービス利用シーンに
必要なネットワーク機能を自由に創ることが可能
•  従来と新規NWの同時運用による持続進化可能性の実現
•  新しいネットワークを試験運用するテストベッド機能の包含
•  インフラとサービスの分離による新しいビジネスモデルの確立
5
ネットワーク仮想化の概念
Slicing a Network (of Networks)
Slice (スライス)とは 「ネットワーク全体で予約可能な
コンピュータ・ネットワーク資源の集合体」
Network 3
ISP2
Network 1
ISP1
Network 2
ISP2
Resource Isolation
ISP1
ISP1
ISP1
ISP2
ISP2
ISP2
ISP2
ISP2
ISP2
Slice1
IPv4
Slice2
IPv6
Slice3 NonIP
6
NW仮想化が実現する新世代NW像
スライスN
スライス1 スライス2
パケット
キャッシュ
NW
センサー
集約・分配
NW
クラウド
アクセス
NW
ID/Loc
NW
動画配信
NW
放送配信
NW
レガシー
(従来)
NW
新世代
NW
各スライスの資源を用いて独立に創造できる様々な異なるネットワーク群
スライスで分離されたコンピュータ・ネットワーク資源
多様な端末
(アプライアンス・センサー)
データやサービス
の多様な供給形態
クラウド1
クラウド2
ネットワーク仮想化基盤
7
NW仮想化が実現する メタ・アーキテクチャ
クラウド・プラットフォーム
スライス1
NW内部のパケットキャッシュ
パケット圧縮などによる
冗長トラフィックの削減
パケット伸張
パケット圧縮
キャッシュ
スライス2
NW内部で大量センサー情報を
集約・再分配処理しクラウドへ
ネットワーク内部での集約統計処理
クラウド・プラットフォーム
Application: Cloud Access Virtual Network
!   ネットワークエッジまでを含めたリソースの仮想化
!   クラウド・アクセスにおける新世代プロトコルの適用
!   クラウド・アクセスの高度化(堅牢化・効率化)
Cloud Computing
Platform
9
NW仮想化がもたらす利便性
従来のVPN・論理ルータなどとの相違点
(A) メタ・アーキテクチャによる複数NWの収容
! 
複数の独立なスライス(各社デモ)をE2Eで同時運用可能
(B) ネットワーク機能の自由な創造
(C) アプリケーションに特化したネットワークの実現
(D) 要件の違いによるコンピュータ資源の機能選択
(E) Non-IP (E2E)ネットワークプロトコルの実現
10
仮想化ネットワーク管理・制御システム
複数の仮想化ノードに指示を行い、仮想ネットワークを
動的に構築するためのネットワーク管理・制御を実現
※ 管理コンソールのイメージ (NTT未来ねっと研 提供)
論理ネットワークの設計者
①論理ネットワーク定義の投入
仮想化
NMS
統計情報
仮想化
EMS
②物理資源の予約と
論理ノード/リンクの設定指示
仮想化
EMS
③仮想化ノード装置への設定
NW仮想化基盤
④論理ネットワークが構築され
る
仮想化ノードプロジェクト
WebGUI : Slice Overview
12
NW仮想化がもたらす利便性
従来のVPN・論理ルータなどとの相違点
(A) メタ・アーキテクチャによる複数NWの収容
! 
複数の独立なスライス(各社デモ)をE2Eで同時運用可能
(B) ネットワーク機能の自由な創造
(C) アプリケーションに特化したネットワークの実現
(D) 要件の違いによるコンピュータ資源の機能選択
(E) Non-IP (E2E)ネットワークプロトコルの実現
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実現できる複数NWアーキテクチャ
デモの内容
メタ・アーキ NW機能の
テクチャ
自由な創造
P2P
Packet
Cache
Slice 1
Packet Cache
Flexcast
Slice 2
Flexible
Multicast
センサーデー
タ収集配信N
W
Slice 3
Stream
Computing
Slice 4
IP-EthernetChimera
(IPEC)
Slice 5
Appに特化した
NW
Comp資源
の機能選択
Non-IP
(E2E)
SlowPath
FastPath ※
CONA
Overlay
センサー
データ処理
(集約・再分配)
Stream
Computing
IPEC
(ID/LOC++)
ID収容
SlowPath
FastPath
Non-IP
Ephemeral
Multicast
IPEC
(L2/L3集
約)
※ 実装は終わっているが今回のデモには含まれない
14
Slice 1: Cache Oriented NW Architecture
目的:クラウド動画配信やP2Pにおける冗長トラフィック削減
• 
• 
仮想化ノードのプログラマビリティとストレージ利用
P2Pパケット・クラウド型動画配信など冗長トラフィックを
仮想ネットワークに閉じ込め、 NWノードでバイトレベルの
キャッシュを行うことで冗長部を削減
P2P パケット
ハッシュ&
キャッシュ
パケット再構築
キャッシュ
Slice 2: ダイナミック多地点映像配信
可用性と帯域利用効率に優れた多地点映像配信方式※を、仮想化NW上に実現
  段階的導入が可能,可用性・帯域利用効率が高い
  仮想化ノードに自由かつダイナミックに機能導入が可能
  多地点配信に特化した非IPプロトコルの採用を想定
ネットワーク 仮想化ノード
仮想化基盤
端末
Node-sliver
Flexcast
端末
仮想化ノード
Flexcast
Node-sliver
仮想化ノード
Flexcast
Node-sliver
※ “Flexcast” (NTT未来ねっと研により開発)
端末
Slice 3: 集約・再分配型センサーネットワーク
フィールドから多種多様なデータを収集し加工して配信するサービスに適用
センサーネット
(フィールド)
AGW 多種多様な
情報収集
配信
データ振分
センサー
UserA
Slice1
データ1
Slice2
データ2
・・・
多種
混在
•  従来システムの問題
–  センサー種別の増加
–  大量データ流入
振分アプリの開発コスト増大
スケーラビリティ不足
•  適用効果
–  ネットワークへ機能オフロード
–  センサ特有の通信方式を隠蔽し、分散処理
利用者
利用者・アプリはサービス(データ処理)に専念できる
仮想化ノードプロジェクト
アプリX
Slice 4: Stream Computing Platform の実現
多様な大規模情報をリアルタイムで収集・分析・活用される情報社会
に対応する Stream Computing Platform を仮想化ノードにて検証
Ephemeral Multicast
生存期間の短い、
大量のマルチキャストへの
効率的な対応
<仮想化ノードでは>
・ 独自プロトコルを実装し検証可能
(出力INFに基づいたSource Routing)
・ 既存のIPにとらわれない、任意のパケット
フォーマットで End to End の通信を実現
In-Network Processing
On-the-Flyプロセッシングを実現する
柔軟な処理能力の切り替え
<仮想化ノードでは>
・ ネットワーク内に計算資源を確保可能
・ 処理要件に応じ適切なノードを柔軟に構成可能
(Slow-Path、Fast-Pathの自由な組合せ)
Slice 5: L2/L3統合・非 IP プロトコル IPEC
!   IPEC の特徴
! 
Ethernet よりスケーラブルなグループ学習機能をもつ.
•  1 個の端末について学習するとグループ全体が学習され通信できる.
•  グループ単位に学習するため,スケールする (広域ネットワークに適している).
! 
グループ単位の移動に効率的に対応できる.
•  グループ単位で移動したとき,1 個の移動した端末について学習すると,他の端末
ともその学習情報によって通信できる.
! 
ループをふくむネットワークにも対応できる.
•  Ethernet とはちがってデータパスにループがあっても学習・転送できる.
!   IPEC のアドレス形式
! 
アドレスは ID とグループとで構成される.
•  ID: 個々の端末の識別子 ̶ Ethernet のアドレス (MAC アドレス) に相当
•  グループ: ユーザ・グループの識別子 ̶ 階層アドレスや場所の表現 に使用
0
4
8 バイト
Group
ID
!   IPEC のパケット形式 (any format)
0
Total
length
2
10
18
20
22
バイト
group
Dest addr Src addr Src
Age
Payload
length
22年度研究開発
(A) メタ・アーキテクチャ実現に向けた機能拡張
(B) テストベッド基盤技術としての発展
(C) 多様な複数アーキテクチャ同時運用の
実証実験による有用性・利便性検証
20
プレゼンテーション
!
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!
!
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!
!
!
!
!
  3/31 報道発表
  4/15 NICT内部デモ
  4/26 総務省デモ
  6/1 日経コミュニケーション記事
  6/2 NICT理事長向けデモ
  6/9-11 Interop展示
  6/23 NwGN Workshop
  7月 GENI Engineering Conference (GEC)デモ
  8月末 JGN2Plusへの展開
  10月 Washington DC NSFデモ?(未定)
21
仮想化ノード+AGWのJGN2PLUS展開(2010年8月)
22
まとめ
!   Network Virtualization is one of the key
technologies for proceeding further in defining
NwGN architecture(s)
!   We are turning this vision into reality..
Net-Virtualization Research Lab Contact:
[email protected]
[email protected]
http://www.nvlab.org
Information
Akihiro NAKAO
23