日本システムウエア

相次ぐ市場参入
ひとくちにクラウドコンピューティングといっても、様々な種類の
サービスが存在する。今回のクラウドコンピューティングEXPOに
も、様々なレイヤーのサービスが展示されており、利用者は、そのサー
ビスがどの部分をクラウド化してくれるサービスであるかを知ってお
aSだった。日本では、
として登場したのがSa
ィングで最初にサービス
有名だ。アマゾンは、世
提供しているアマゾンが
ォームやハードウェアを
式でサービスプラットフ
DCのほか、クラウド形
クラウドコンピューテ 米国系企業では、SF
ている。
﹁Azure﹂も提供し
向けSaaS技術である
ベースのサービス事業者
いるほか、ウインドウズ
フトをSaaS提供して
運用実績で安定稼働
各種メニューがそろう
日本システムウエア
ると5項目で、クラウド
アントサービスなどを含
の長年の運用実績や運用
えて提供できるのが強
は、NSWのデータセン の無償提供を開始した。
み﹂とITソリューショ
た各種ノウハウなどを交
ビスで、企業の要件に合 の機能限定版をSaaS
ン本部桐林亨事業企画部
の継続化や見直しといっ
せてリソースを必要な分 型 で 提 供 す る も の で 、
ター内に設置された仮想 グル ー プ ウ ェ ア や ブ ロ
だけ割当、または、状況 ﹁無償アプリを利用して
長は説明する。
サーバーを貸し出すサー グ、資産管理アプリなど
に応じて、リソースを拡 もらうことで、仮想サー
張、縮小が可能なため、 バーの具体的な使い方を そのほか、大企業を中
る。
心にプライベート・クラ
中堅企業向けの﹁プライ
ウドの導入や検討が進ん
データセンター﹁NSW
環境で構築・運用された
リューション事業本部の
︵NSW︶は、中堅・中
む﹁共通基盤サービス﹂、 T C O の 削 減 に つ な が 知って欲しい﹂とITソ
小企業がクラウド環境や
でいるが、NSWでは、
ベート・クラウド構築
竹村大助主任はいう。
クラウドセンター﹂をは
サ ー ビ ス を 導 入 、ま た
台以上を保有
システムの延命対策とし
ポート切れといった既存
ライベート・クラウド構
する中堅企業向けに﹁プ
サーバー
メモリーはサーバーの役
そのほか、ハードのサ
ス﹂などだ。
け の ﹁ S a a S サ ー ビ 具体的には、CPUや
築サービス﹂も提案す
運用をサポート
Sサービス﹁BlueS
て基盤にブルースパイダ
る。
サービス﹂、各種業界向
pider︵ブルースパ
ーを活用する﹁システム
じめ、基盤部分のIaa
メニューを用意してい
割に応じて適切に割り振
延命パック﹂なども提供 自社保有サーバーをプ
は、利用する際の様々な
る。
イダー︶﹂やシンクライ 現在特に注力している
れるほか、ストレージ容
している。
メニューは大きく分け
のが、Ia
量は必要な分だけ拡充す
を遂げた日本ユニシス
据えてきた大手SI会社
﹁クラウド
を利用した
タセンター
SWのデー
ー﹂と、N
プリケーションレベルを
初期導入支援に加え、ア
移行から運用開始までの
想サーバーなどを、専任
ノウハウが求められる仮
サービスは、専門知識や
けでなく、仮想環境への 一方のクラウド・監視
仮想サーバーの貸出しだ
応するもので、﹁クラウ こうした取組みで中堅
のオペレーターなどが対
という。
を試算することができる
減率や電気使用量削減率
後に見込まれるCO2削
無料で行う予定で、移行
メントやプランニングは
企業のプライベート・ク
含めたサポートも提供す
ド環境の導入や利用とい
ラウド構築需要を掘り起
る。
また、今回から、ブル
った際の最も大事な運用
運用・監視
となる。
ースパイダー上で稼働す
ジャパン、帳票ソフトの
ブルース
器に参入したほか、ソフ
ウイングアークテクノロ
こしていきたい考えだ。
をセットにしたソフトベ
トバンクテレコムが﹁ホ
ジーズ、最近では、大手
面を、自社データセンタ
の強みをいかしたサービ
ンダー向けサービスを発
企業向け国産ERPベン
る各種アプリケーション
ィングに全社的に注力す
ス メ ニ ュ ー を 用 意 し て、 を持っており、更に技術
表、ネットワンシステム
ワイトクラウド﹂を発
んだ電通国際情報サービ
同システムのノウハウを
データが、信金などの共
の動きとしては、NTT
するサービスを打ち出し
クラウドをVPNで実現
クラウドやプライベート
ビジネスに乗り出した。
構え、コンソーシアム型
ズもプラットフォームを
ど、著名なパッケージベ
アプリケーションズな
ダーの雄であるワークス
のASPでは豊富な実績
る姿勢を見せている。ま
ションズも、パブリック
表、NTTコミュニケー
市場に参入している。
的な強みであるOSSを
た、かつて日本にシェア
スや、データセンタービ
リングビジネスを持ち込 そのほか大手ベンダー
ジネスに注力してきた住
ている。
ラや仮想化技術に強みを
特徴を出している。野村
としてメニューに加えて
協業で、課金やサポート
早くマイクロソフトとの
自動化の高い技術力を武
シアティブは、仮想化・
ーでは、KDDIがいち インターネット・イニ
ェアのサイボウズ、ネオ
CA、弥生、グループウ
でも、会計システムのP
アプリケーション分野
速すると予想される。
り、今後もこの流れは加
事業参入を果たしてお
ンダーが次々とクラウド
スを占有できるため、プ
総合研究所は、金融分野
模システムや大量のトラ
ーションズも、それぞれ
環境に移行し、運用を開
ログラムの実行時間を予
た。
測することが可能になっ
併せて、この環境で日
な性能でサービスが提供
ンザクション処理が実行
本IBMのコラボレーシ
できることを検証した。 さらに4月には、セキ
される本番業務でも十分
ョンプラットフォームで
ム全体のパフォーマンス
ベンチマークテストを実
ーの3千ユーザーによる
ドミノ﹂を用いたサーバ
行﹂をサービス化し販売
・ツウ・バーチャル︶移
る﹁P2V︵フィジカル
化環境への移行を実現す
ンラインが提供する仮想
バッチ処理実行環境を提
ッドクラウド環境﹂での
ドを連携する﹁ハイブリ
テムとパブリッククラウ
し、自社設備の業務シス
ュア・オンラインを中継
︵じょうもん︶﹂を付加
を容易に向上させるサー
施した。
月にはセキュア・オ
日立ソフトウェアエン
し、社内システムへのア
ビス基盤技術︵スケール
ある﹁ロータスノーツ/ ジニアリングは、日立製
アウト︶を開発し、自社 このテストで、しきい
タル機能、コミュニティ
時間0・2秒以下の応答
ーバーから仮想サーバー
を開始している。物理サ
ている。
供するサービスを開始し
ットコム社が提供するS
サーバー︶を対象にセキ
ドやネットワークの設計
aaS型のCRMサービ
へ移行することで、ハー セールスフォース・ド
・手配・構築および保守
ス﹁セールスフォース・
時間で処理可能で、大規
・管理・障害対応作業を
ドットコム﹂、マイクロ
ソフト社が提供するウイ
﹁Windows
Az
行環境に最適なサービス
ンドウズの開発環境・実
今年に入って、3月に
ure﹂などパブリック
クラウドで格納したデー
CPU当りのクロック数
を最大3GHzまで保証
チ実行環境で処理した結
タを一旦セキュア・オン
開始した。これにより、
果を自社設備の業務に反
ラインに取り込み、バッ
顧客が利用する仮想マシ
映させることができる。
保証サービス﹂の提供を
ンは一定のCPUリソー
する﹁仮想マシンCPU
仮想マシンに割り当てる
バッチ処理環境
軽減する。
ュア・オンラインの仮想
値である平均レスポンス
クセスに生態認証を導入
オフィス業務サポートサ
︵SNS︶などのグルー
業務システム︵
している。
して、2007年から統
ービス﹁セキュアオンラ
USBを使って、自宅の
プウェア機能をそろえて
内の
作所のクラウドソリュー
o us
Cloud︵ハ
ーモニアス・クラウド︶﹂
合IT基盤サービス﹁S
イン・デスクトップサー
月には、SaaS型
ecure
Onlin
休暇申請管理、出退勤申
請管理、出張・旅費申請
ビ ス﹂
の提供を開始した。
これまでに200社以上
管理などのワークフロー
e︵セキュア・オンライ
の企業への導入実績があ
PCをシンクライアント
施設予約、掲示板、ポー
と、スケジュール管理、
化し、社内システムへ安
いる。
月には、仮想
化技術を利用してシステ
宅勤務サービス﹂に、指 さらに
全にアクセスできる﹁在
2009年2月には、
る。
ン︶﹂を提供している。
のラインアップの一つと 仮想環境に移行
ション﹁Harmoni
仮想化などの実行環境整備
始している。
持つ伊藤忠テクノソリュ
通信系も次々と
商情報システム、インフ ﹁コミュニティクラウド﹂ ネットワーク系ベンダ
が特徴だ。
前面に打ち出しているの
パイダー
サービス﹂
境へ移行する際のアセス
ライベート・クラウド環
ることができる。
は、新たな事業の柱とし
ーダー企業である米IB
やメーカーが次々とクラ
ースパイダ ブルースパイダーは、
スの﹁ブル
ーやアプリケーションを
マイクロソフトは、デ
てクラウドコンピューテ
M社は、ユーザー企業に
ィブ・クラウド〟企業と
ウド戦略を発表してい
TCO削減を支援
aSサービ
事業者に提供するほか、
共有することに拒否反応
でに世界的に普及してい
ータセンターへの投資を
い日本の企業には、あえ
個別のクラウドシステム
は異なったアプローチで
る。富士通、NEC、日
30
いて損はない。一般的なカテゴライズとしての、クラウドコンピュー
ティングの種類を見てみる。
市場の拡大止まらず
米国企業のセールスフォ
ビジネスモデル確立か
ース・ドットコム︵SF
米国のマイクロソフトの
を見せるユーザーもまだ
界最大のECサイトを運 Azureは、Saa
を構築していた。そのデ
データセンターにAzu
多く、大手企業向けとし
DC︶社が米国での成功
大きく注目を集めるきっ
ータセンターの中で、普
reプラットフォームを
Sプラットフォームのパ
かけとなった。
段使用しないIT資源を
持ち、SaaS事業者向
営するために、世界各国
特に2007年4月、
て、従来では考えられな
時間貸しすることによっ
て成長が期待される分野
を受けて次々と国内の大
民営化を半年後に控えた
けにPaaS提供してい
ッケージとしてサービス
日本郵政公社に5千名ク
い価格でのサービスを実
だといえる。
に巨大なデータセンター
ラスの大規模導入を行っ
る。国内では弥生が、こ
郵政公社が外資系企業で
るWebメールの﹁G
加速しているといわれて
のAzureサービスを ハードメーカーからサ
現した。
あるSFDCを選択した
ウド型の表計算ソフトや
メール﹂をコアに、クラ
ず、通常のシステム開発
て有償とすることで導入
を構築する﹁プライベー
昨年5月のエコポイント
クラウドコンピューティ
ービスべンダーへと転身
大きな理由が﹁サービス
おり、同社のこの分野で
利用している。
スタートまでの期間の短
ワープロソフトなどをセ
のサービス拡大は確実な
―
さ﹂にあったといわれて
ットにしたビジネス・ア
やパッケージ製品の導入
し易くなったといわれて
トクラウド﹂をいち早く
制度の情報システムや経
ングをビジネス化しよう
統合IT基盤を提供
いる。
提供を開始している。
ーグルApps﹂の有償
情勢となっている。
公共分野で実績
当時は、日本の大手I
では、わずか半年での大
いる。販売およびサポー
提唱している。クラウド
ズ分野における世界的リ
T企業のほとんどがSa 特に無償サービスにリ 一方、エンタープライ
大手も続々参入
プリケーション群の﹁グ
界に衝撃を与えた。日本 また、グーグルは、す
たことは、国内のIT業
企業に導入したことが、
日本システムウエア
静脈認証システム﹁静紋
14
スクを感じ、導入が難し
い案件だった。そのため、 トは、大手SI会社がパ
規模システム導入は難し
ートナーとなり、積極的
コンピューティングの効
済産業省の意見収集サイ
立製作所の大手メーカー
12
東7-7
東 7 - 50
日立ソフト
aSに取り組んではおら
簡単なカスタマイズ作業
に行っている。
率的な資源の利用方法
でインフラ投資なしに短
異なった角度で
ービスを提供してきた大 国内では、これまでシ
を、企業内システムに適
期間でシステム構築が可
ステムインテグレート
能なSaaS型で提案し
︵SI︶を事業の中心に
用するものだ。
がらも採用されたという
Web系企業や〝ネイテ
手IT企業は、これらの
たSFDCが、外資系な 一方、旧来型のITサ
経緯がある。
ト﹁電子経済産業省アイ
と考えている。
SFDCはその後も、
ディアボックス﹂、更に
中心に据えたクラウド戦
は、いずれもIBM同様、
体で採用されるなど、大
クロソフト社は、グルー
略を発表してきた。特に
プライベートクラウドを
企業ばかりではなく政府
プウェアのExchan
国内では、他社とサーバ
11
界最大企業である米マイ
・公共分野でも実績をあ
geなど、自社の一部ソ
左から中嶋慶氏、國友真由美さん、安部路氏の 3
人が展示会場ブースで来場者に説明を行う
10
28
は甲府市などの地方自治 パッケージソフトの世
げている。
SaaSサービス
SaaSサービス
・プラスチック型商品券販売
・入出庫・在庫管理(ORBIS for SaaS)
・PDM応用(レシピ管理など)
・FreeCloud(BlueSpider付属無料Apps資産管理など)
・その他SaaS
共通基盤サービス
共通基盤サービス
・クラウドデータ連携サービス(DataSpider)
・シンクライアントサービス
(仮想デスクトップ、仮想開発環境、スマートフォン)
・共通IT基盤サービス(ミドルウェア)
IaaSサービス
IaaSサービス
・BlueSpider
・BlueSpider延命パック
・仮想基盤構築
プライベート・
プライベート・クラウド構築
クラウド構築
・アセスメント・プランニング(ツール)
・構築(仮想化・自動化)
・マイグレーション(現行システム→仮想環境)
・運用 リモート監視/運用/テクニカルサポート
NSWクラウドセンター
NSWクラウドセンター
・クラウド運用・監視サービス
・テクニカルサポートサービス
・ヘルプデスクサービス
水曜日 (4)
2010年5月12日