第 2 回つむぎ Workshop (20120206-08) - 明治大学

2012 年 2 月 28 日
第 2 回つむぎ Workshop (20120206-08)
【岩手県】阪井ゼミ大船渡学習支援報告
Ver. 1.3
明治大学東北再生支援プラットフォーム
副代表 阪井和男
大船渡市明治大学つむぎルームでの 2 月 6 日から 8 日までの第 2 回つむぎ Workshop に引き
続いて、2 月 24 日から 26 日まで法学部阪井和男ゼミが学習支援活動を行いました。その第 2
回つむぎ Workshop の活動報告をします。
初日の 2 月 24 日、10 名の生徒たちが学習支援を受けに来てくれました。このうち 9 名は、
前回に顔を見せてくれた子どもたちで、一人だけ高校 1 年生女子がお母さん(仮設住宅の支
援員)と一緒に勉強しに来てくれました。今回は、自習室とグループ学習の部屋を分けたこ
とと、理数系に強い社会人の方が参加してくれたのでとてもよかったです。
次は、初日の学生の感想です。
初日ということもあり様子を探りながら教えていました。この時期は、3 月 9 日に高校受
験を控えた中学三年生の生徒が 8 割近く来るという特殊な事情があるという事を聞き、談話
室でくつろいでもらうよりも、彼(彼女)らには自習室で受験勉強にいそしんでもらうことが大
事だと考えました。
しかし、実際は、中学三年生が談話室でなあなあとやっていて、中学二年生が自習室で黙々
と勉強をしており、これでいいのか、この時期受験生は、自習室を活用してもらって勉強時
間を増やして受験のための勉強をしなくてもいいのかという気持ちがありました。
(法学部 3
年・根岸孝輔)
2 日目の 2 月 25 日、この日は初の土曜開室でしたが、大船渡では珍しく大雪でした。この
時期、ドカ雪が降ると春が近いと言います。こんな日に生徒たちが来てくれるかどうか心配
していましたが、9 名の参加者が来てくれました。最初にやってきたのは、3 年生の男子中学
生です。塾に行くまでの時間を自習室がわりに一人黙々と 1 時間あまり勉強して行きました。
この日やってきたのは 9 名と、思いのほか盛況でした。歩いて 15 秒という中 3 女子が初参加
です。駐車場の雪でつくったかまくらで、ちょっと息抜きをしました。グループ学習室での
休憩中には、県庁所在地当てクイズで盛り上がりました。予定では、土日祝は 18 時までの開
室でしたが、19 時近くに中 2 女子が 2 名やって来ましたので、急遽、平日と同じ 21 時まで
開室しました。うれしい悲鳴ですね。問題集だけを持ってくる子も多いので、やはり参考書
類は一式取り揃えておく必要があるようです。
次は、2 日目の学生の感想です。
この日は大雪でした。にもかかわらず、9 人の生徒が来てくれました。連日通り女の子が
多かったのですが、戸惑うこともあまりなく接することができました。
つむぎルーム開室から継続して来てくれている生徒たちが多いことから、彼ら(彼女)の
性格が見えて来始めました。主に次の 3 つのグループに分かれます。
1. 談話室で勉強するグループ
2. 談話室でゆっくりするグループ
3. 勉強室でしっかり学習するグループ
この 3 つのグループをしっかりとみられる人数とチームワークが必要と感じました。
ちなみにこの日は雪が降ったこともあり、駐車場にかまくらを作り交流を深めました。
(法学
部 4 年・芳川直哉、法学部 3 年・阪本越百)
段々と生徒達の個性や雰囲気が分かり始め、中学三年生の中でも、大きく分けて、勉強の
場としてつむぎルームを活用している人、受験の勉強疲れを癒すために来ている人の二つの
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グループがいることがわかりました。
また、社会科目の地名当てクイズ、数学の問題を生徒と解き合いをする等、談話室だから
こそ楽しく勉強ができる状況が作れることもわかりました。
(法学部 3 年・根岸孝輔)
3 日目の 2 月 26 日、初めての日曜開室です。大雪で道が凍結していますから参加者がいる
かどうか心配していましたが、高 2 女子が二人で初参加です。昨日の進研模試の復習が目的
です。化学と数学を中心に質問を受けました。帰宅直前に聞かれた数学に難題があり帰宅時
間になっても解答が出せません。その直後にやっと解けたのでメールで解答したところ、す
ぐに「とても勉強になりました!また行きます♪」という返事が来ました。うれしいことです
が高校数学に対応できる学生が必要ですね。結局、8 名の参加者がいました。中 3 男子の 3
人組も来てくれ、2 日前に初参加の高 1 女子もお母さんと一緒に来てくれました。この日は
圧倒的に英語でしたので、帰国子女のゼミ学生・阪本越百君が大活躍でした。結局この日も
閉室時間を 2 時間遅らせて 20 時過ぎとなりました。土日祝でも夜まで勉強したいみたいです。
在室時間は 5 時間半から 7 時間までと長時間に及びましたので、こちらとしては結構ハード
でした。
次は、3 日目の学生の感想です。
一転変わって晴れ。アスファルトが少しずつ見えるようになりました。この日は 8 人の生
徒が来室。大船渡高校の生徒も来てくれました。今日も女性の方が多くいらっしゃいました。
その中でも高校の数学レベルは高く、ゼミ生もしっかりと復習が必要です。ゼミ生は自分の
得意の科目をしっかりと自覚し、その分野をしっかりと教えられる自信と実力を持つ必要が
あると思います。
この日は高校 2 年生が来て、高校の理数系の問題の難しさに打ちひしがれました。特に数
学は中学とは難易度が段違いなので文系の学生だけでは教えることは難しいと感じました。
(法学部 3 年・根岸孝輔)
次は、学生による総括です。
つむぎルームに来室するのはリピーターの子が多いのが現状なので、うまく広げていけた
らいいと感じました。さらに生徒にあった教材を揃える必要があるかもしれません。最後に
次回(3 月 3,4,5 日)
につむぎルームに来るゼミ生をしっかりと組織する必要があるでしょう。
私の私見ですが、3 番のタイプは受験を控えていて、勉強をかなりしっかりやるタイプなの
で、教えるには入念な準備が必要だと思いました。実際先生でも手こずる問題もありました
ので正直手に余る部分が多々あり、理系の人材を性急に求めるべきであると考えます。次回
(3/3-5)は先生もいらっしゃらないので、できる限り知り合いの理系の人にできる限り声を掛
けていただけるとこちらとしてはありがたいと思います。
そして参加者が少しずつ減っていることもありますが、つむぎルームから実家が近い人リ
ピーターが多くなっているのは、雪の影響はもちろんあるでしょうが、2/26 帰宅時にまた来
てくれると言ってくれたのは着実に成果が芽を出しているといってもいいのかもしれません。
(法学部 4 年・芳川直哉、法学部 3 年・阪本越百)
理数系の科目を中心に、役割を決めてゼミ生の教養レベルを底上げする必要があります。
また、理数の対策が間に合わないであろう現在において、パソコンもありますが、参考とな
る教科書、文献が少ないと感じたので自分が中学時代に使っていた教科書や、参考書などが
あれば持参すると良いと思います。ゼミ生の知り合いで理数系に詳しい人に参加していただ
くのも良いと思います。
教える過程では、ただ正解を教えるのではなく、生徒にどう考えたかを聞き、考えるプロ
セスを教えることが大事です。
つむぎルームの活動がポスター以外にも口コミで広がっていくことを考えた場合、生徒の
信頼を築くためにも同じ学生の継続的な参加が必要です。ゼミ生は忙しいとは思いますが、
継続的に参加してほしいと感じました。
ただ、必ずしも継続して行けるわけではないと思うので、少しでも情報の格差を無くすた
めに、阪井先生もおっしゃっていた、生徒のカルテなどを作り情報の共有が必要だと感じま
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した。(法学部 3 年・根岸孝輔)
初回の 2 日間にこの 3 日間を加えた延べ人数は、学年構成でみると中 2 が 6 名(12%)、中 3
が 37 名(76%)、高 1 が 4 名(8%)、高 2 が 2 名(4%)。男女比は、男子 9 名(18%)、女子 40 名(82%)。
在室時間は 1 時間 20 分から 7 時間まで分布しており、平均は 3 時間 49 分でした。
延べ学習者の学校と学年構成
在室時間の分布
37
40
15
30
10
20
5
6
10
高3
~8:00
高2
~7:00
中3
~6:00
中2
0
~5:00
高1
0
0
中1
5
0
~4:00
0
~3:00
2
5
3
~2:00
4
5
~1:00
0
11
7
来室者の自宅からの所要時間を見ると、やはりつむぎルームの近くに集中しています。そ
して、来室時刻の分布を見ると、14 時までが土日のピーク、18 時までが平日のピークになっ
ていることがわかります。
徒歩による所要時間の度数分布
4
5
~20:00
0
~21:00
~18:00
50
~17:00
30
40
所要時間(分)
0
~16:00
20
1
~15:00
10
17
11
10
~19:00
20
15
10
5
0
~14:00
生
徒
数
(
人
)
来室時刻の分布
12
10
8
6
4
2
0
勉強科目は、相変わらず理数が過半数を占めており合計 59%でした。今回は、阪井先生、
社会人の方、他・阪井ゼミの 3 人で対応しました。やはり今後の理数系担当者の不足は否め
ませんね。理数系に強い学生の支援を強くお願いしたいです。科目の構成比率は、英 23%、
国 6%、社 12%、理 28%、数 31%でした。
なお、2 月 24 日に NHK の取材を受け、2 月 25 日の NHK ニュースに放送されました。
(「被
災地の学生を支援」
,NHK 盛岡放送局,NHK 岩手,2012 年 2 月 25 日,07:35-07:36.)
図 1 グループ学習室での学習
図 2
NHK 岩手による取材の様子
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図 3
図 5
自習室での学習
つむぎルーム周辺の降雪
図 4
図 6
自習室での学習
かまくらで息抜き
図 7 自習室の設備*
図 8 自習室の設備*
*自習室の設備のうち、机と椅子はつむぎプロジェクトに参加していただいている株式会社内田洋
行から寄贈されたものです。感謝申しあげます。
以上
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