「化石燃料調達をめぐる環境変化について」(PDF - 資源エネルギー庁

総合資源エネルギー調査会
総合部会 第2回会合
資料2
化石燃料調達をめぐる環境変化について
平成25年4月
資源エネルギー庁
燃料調達費増大の我が国経済への影響
1.
2.
3.
燃料調達費が増大した結果、2011年、我が国は31年ぶりに貿易赤字に転落。2012年は貿易赤字が6.9兆円に拡大。
(12年度では8.2兆円の貿易赤字)
我が国の輸入額増加の主たる要因はLNGや原油。燃料調達費の削減は、エネルギー分野にとどまらず、日本経済にとって
喫緊の課題。
特に、石油価格に連動したLNG価格の値決め方式が商慣行となっており、北米等との地域間価格差が存在し、輸入価格引
【参考1,2,3】
下げの余地がある天然ガスについては、価格低下に対する取組みが必要。
【2011年から2012年の総輸入額の伸率(3.8%)に
対する品目別の寄与度】
【貿易収支及び経常収支の推移(半期ベース)】
(兆円)
30.0
25.0
貿易収支
経常収支
経常黒字は1985年以降、
最小の4.7兆円
2.0%
1.5%
20.0
1.0%
15.0
0.5%
10.0
5.0
0.0%
0.0
▲ 5.0
-0.5%
2012年(12月のみ速報)の貿易赤字は
過去最大の▲6.9兆円まで拡大
-1.0%
▲ 10.0
2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年
(出典) 貿易収支:財務省 貿易統計 ※「総輸出額-総輸入額」を記載
経常収支:日本銀行 国際収支統計
1
シェール革命が世界に与える影響
1. シェール革命で、天然ガス可採年数倍増(60年→120年)。米国は天然ガス輸出国に転換見込み。世界的な構造変化。
【参考4,5】
① 行き場を失ったLNGが欧州市場に流入、価格低下。ロシアは欧州からの値下げ要求に直面。欧州における市場シェア
も低下(2000年56%→2010年32%)。
② ロシアは、輸出の9割を占める欧州に対する価格交渉力を維持・強化に必死。アジア市場の開拓が急務(特に、中国へ
の輸出に関心大)。他方で、中国への天然ガス輸出(2006年交渉開始)は、累次の首脳会談でも価格面で合意に至ら
ず。中国はトルクメニスタンからの天然ガス輸入を拡大(中国総輸入量の5割弱(LNG換算約1,000万トン)を輸入)。
③ 日本へのLNG輸出の関心大(2013年には、ロスネフチのセーチン社長、ノヴァクエネルギー大臣、ガスプロムのミレ
ル社長が相次いで来日。)
2.新資源国モザンビークは、積極的に供給先開拓、豪州は競争激化の中で新たな供給先開拓と価格交渉に直面。
3.天然ガス市場のみならず、シェールガス増産に伴うシェールオイル増産や随伴LPG増産(我が国でもアストモスエネルギー(80万t、2013
~15年)、ENEOSグローヴ(18万t/年、2014年から)、伊藤忠商事(100万t/年、2015年から)が調達を開始)、米国内で余った石炭の輸出増による石
炭価格低下、シェールガス由来エチレンによる石油化学産業への影響等波及効果大。 【参考6】
④【ロシア】
東アジアマーケットの開拓
③【ヨーロッパ】
中東からの輸入拡大
①【北米(米国・カナダ)】
⑤【中国】
輸出国への転換
トルクメニスタンか
ら輸入拡大
⑧【日本】
②【カタール】
消滅
天然ガス輸入先
の多角化
ヨーロッパ、アジア
マーケットの拡大
⑥【モザンビーク】
供給先の開拓
既存の輸出
⑦【豪州】
供給先開拓・価格交渉
に直面
今後検討が進
むと見込まれる
輸出
2
我が国の対応の方向性
1. 天然ガスの調達価格低廉化に向けた取組み
(1)米国からのLNG輸入の早期実現:
① 北米の新規LNG輸出プロジェクトが進展。日本企業もLNG輸入を積極的に検討。既に3プロジェクトから計約1,50
0万トン/年(日本のLNG輸入量の2割弱)のLNGの引取に目処。米国からの天然ガス輸出に向け、米国政府の承
認(大統領判断)獲得に向けた働きかけ、実際にLNGの輸出が開始されるのは2017年以降となることが課題。
【参考7,8,9】
(2)供給源の多角化による競争の促進:
① ロシア(ウラジオストクLNGプロジェクト)、モザンビーク(ロブマ海上ガス田Area1プロジェクト)等への支援
② 日本企業が主導するプロジェクト(豪州のイクシスLNGプロジェクト等)を積み上げ、メジャー・産ガス国企業による寡
占状態に風穴を開ける。
(3)LNG消費国間の連携強化等による買主側のバーゲニングパワー強化:
① LNG生産国・消費国の対話(昨年9月東京で開催)、LNG消費国(韓国、インド、台湾) との協力等を通じて、石油価
格リンクからの脱却を図る。 【参考10】
② LNG輸入価格の引き下げにつながるプロジェクトに対する新たな支援策を創設、 【参考11】
燃料調達に関する効率化努力の電気料金の査定への反映。 【参考12】
③ 世界最高水準の石炭火力の導入促進
④ メタンハイドレート等国内資源開発(中長期) 【参考13】
2. シェールガス革命を契機とする構造変化(天然ガスに加えて、石油、石油ガス、石油ガス)をとらえた、更な
る、安定供給・調達価格低廉化策の取組みの検討
3
参考資料
4
参考1.燃料費調達費の増大
1.
2.
LNGの需要は約3割増加
(2010年度→2012年度)
(1) 我が国のエネルギー需要
600000
2010年度→2012年度で2,000万トン増
500000
400000
LNG輸入価格は約5割上昇
(2010年度→2012年度)
(2)天然ガス価格の推移
(単位:米ドル/100万英国熱量単位)
その他
約7,000万トン
(LNG換算)
約8,500万トン
(LNG換算)
約9 ,000万トン
(LNG換算)
原子力
水力
300000
日本原油輸入価格(JCC)
20
天然ガス
200000
100000
石油
15
石炭
10
5
0
2010年度
2011年度
2012年度
0
出典:日本エネルギー経済研究所「短期エネルギー需給見通し」
19.19$/MMBTU
25
日本LNG輸入価格
米国ガス価格(ヘンリーハブ)
16.84$/MMBTU
3.29$/MMBTU
【電気事業者(一般・卸)の火力・原子力発電比率の推移】
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
石炭火力発電比率
水力等発電比率
火力発電比率
8%
60%
5%
30%
石油等火力発電比率
原子力発電比率
2%
6%
28%
32%
32%
LNG火力発電比率
原子力発電比率
92%
18%
出典:財務省貿易統計
9%
5% 63.0%
48%
LNG輸入額は3.5兆円(2010年)から6.0
兆円(2012年)に約2.5兆円増加。
38%
32%
28.2%
(2010年度から2012年度では約2.7兆円増加)
20%
10%
26%
23%
20%
0%
(参考)2010年度
震災直後(2011年4月)
2%
直近(2013年1月)
5
参考2.エネルギー価格の高騰と価格変動の増大
2000年以降、石油価格は5倍(2008年)に高騰。価格変動の増大。低位安定的なエネルギー価格の
時代は終わり、安価での資源調達は困難化。
原油
円/l
100
92円/l
(2008/8)
原・粗油全日本通関CIF
90
80
70
60
50
40
30
17円/l
(2000/1)
20
10
0
12
10
各燃料の熱量あたりの価格推移
原油
8
6
4
2
0
(出所)エネルギー経済研究所
ガス
81089円/t
(2008/9)
LNG全日本通関CIF
22252円/t
(2000/1)
(出所)財務省貿易統計
(出所)財務省貿易統計
円/千kcal
円/t
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
LNG
一般炭
石炭(一般炭)
円/t
18,000
16,000
15983円/t
(2008/8)
石炭全日本通関CIF
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
3641円/t
(2000/1)
4,000
2,000
0
(出所)財務省貿易統計
6
参考3.我が国の化石燃料の輸入先
天然ガス
原油
その他 7.4%
その他, 6.1%
ベトナム,
インドネシア,
2.3%
3.7%
22.5
8.3
ロシア, 4.7%
13.6
オマーン, 17.2
2.9%
イラク, 1.9%10.5
7.0
ナイジェリア
5.5%
サウジアラビ
ア, 33.0%
120.7
2012年
イラン, 5.2%19.1
4.8
ブルネイ 6.8%
5.9
インドネシア
6.2
7.1%
ホルムズ依存度80%
(中東依存度83%)
総輸入:366万BD
28.0
クウェート,
7.6%
カタール 17.9%
6.5
8.3
ロシア 9.5%
2012年
5.5 UAE 6.3%
ホルムズ依存度24%
(中東依存度29%)
総輸入:87百万トン
4.0オマーン 4.6%
15.9
39.3
カタール,
10.7%
14.6
79.9
石炭(一般炭)
中国 1.5%その他 1.2%
カナダ 2.3%
アメリカ合衆国,
その他, 3.2%
2.9%
オーストラリア,
11.1%
38.4 42.4
カタール, 29.4%
146.6
2012年
サウジアラビア,
15.2%
ロシア 7.5%
8.1
387.9
ホルムズ依存度83%
(中東依存度83%)
総輸入:1320万トン
200.1
オーストラリア
18.2%
マレーシア
16.7%
UAE, 21.8%
LPガス
クウェート, 13.6%
178.9
15.7
325.8
UAE, 24.7%
インドネシア18.3
17.0%
1.3
2.41.6
2012年
ホルムズ依存度0%
(中東依存度0%)
総輸入:108百万トン
76.0
オーストラリア
70.5%
出典:財務省 貿易統計
7
参考4.シェールガスの生産拡大
○シェールガスとは、頁岩(けつがん、shale)と呼ばれる固い岩石に含まれる天然ガス。井戸に
水を圧入して岩石に亀裂を入れて天然ガスを採取する技術の進歩により、生産コストが低下
し、近年、商業化。
○シェールガスは、天然ガスの可採埋蔵量を倍増させる(約60年分→約120年分)。
世界のシェールガス可採埋蔵量
(2010年)
シェールガスの開発手法
(断面図)
水圧で亀裂を入れ、
ガスの流路を確保
地表からは垂直
に井戸を掘削
シェール層では
水平に井戸を掘削
頁
岩
層
8
参考5.北米におけるシェールガスの生産拡大と世界のLNG市場への影響
○ 2006年以降、米国・カナダでシェールガスの生産が拡大(2011年の米国の生産量はLNG換算で
1.6億トン、日本のLNG輸入量の約2倍に相当)。
○シェールガスの生産拡大により、米国のLNG輸入見通しが大幅に下方修正。
○カタールは米国のLNG輸入の増加を見越して大幅に生産能力を拡大(2008年約3,000万トン/
年→2011年約7,700万トン/年(世界のLNG生産能力の約3割に相当))していたため、LNGの
需給が緩和。このため、日本の電力会社は震災後に需要が急増したLNGを調達することができ
ている。
(LNG換算100万t)
2005年時点の見通し
実績
見通し
2011年
(実績)
2039
2037
2035
2033
2031
2029
2027
2025
2023
2021
2019
2017
2015
2013
2011
2009
2007
2005
2013年時点の
見通し
2003
160
140
120
100
80
60
40
20
0
-20
-40
米国のシェールガス生産実績及び見通し
米国のLNG輸入見通し
(単位:100万トン)
出典:EIA Annual Energy Outlook2013Early Release、2011、2009、2005より作成
9
参考6.シェール革命の影響の拡大
①石油:米国はシェールオイルの増産により石油の国内生産が増加し、輸入量が減少する見込み。国際的な価格形成に影響をもたらす可能性あり。
②LPガス:シェールガスに随伴してLPガスの生産も拡大し、米国では価格が下落。我が国でも、米国価格にて、アストモスエネルギー(80万t、2013
~15年)、ENEOSグローブ(18万t/年、2014年から)、伊藤忠商事(100万t/年、2015年から)が調達見込み。2016年には約200万
トン(日本の年間輸入量の約16%)にまで達する見込み。
③石炭:米国ではガス火力発電が増加し、石炭火力が減少。石炭輸出が増加することで欧州を中心とした他国の石炭輸入が増加。また、欧州(ドイツ
、英国)の電力消費量に占める石炭火力の割合が上昇。
④石油化学:米国での天然ガス由来エタンによるエチレン製造コストが低減。ナフサ由来のアジアの製造コストの約2分の1程度と予測され、国際的な
石油化学製品マーケットに影響を与える可能性あり。
①米国内の石油等の需給バランス
③米国からの一般炭輸出量の変化と欧州の電力消費量の変化
Mb/d
米国の火力発電構成の推移
米国の一般炭輸出の推移
EIA AEO 2013 Early Release
出典:EIA統計データより作成
②中東/米国LPG到着価格の推計比較
ドイツの電力消費量の推移
英国の電力消費量の推移
サウジ契約価格
960(2月)
945(3月)
米国モントベルビュー市場価格
(注1)サウジCPにはフレート50ドルを加算した値を表示している。
(注2)モントベルビュー価格は液化積込みコスト60ドルとフレート120ドルを加算した値を表示。
出典:各国政府統計資料より作成
10
参考7.北米からのLNG輸入の早期実現に向けて
○北米で多くの新規LNG輸出プロジェクトの検討が進展し、日本企業もLNG輸入を積極的に検討。
○既に3プロジェクトから計約1,500万トン/年(日本のLNG輸入量の2割弱)のLNGの引取に目処。
○米国からの天然ガス輸出に向け、 ①米国政府の承認が必要となること、 ②実際にLNGの輸出が
開始されるのは2017年以降となることが課題。
【北米において検討中の主要なLNGプロジェクト】
三菱商事がシェル等と共同で、カナ
ダ西海岸におけるLNGプロジェクト
を検討(生産開始は2020年頃)して
いる他、複数のLNGプロジェクトが
検討されている。
フリーポート(フリーポート社)
・液化規模:880~1,320万トン/年
・液化開始:2017年頃
・輸出許可:非FTA国へは未承認
・販売先 :大阪ガス、中部電力が
各220万トン/年の契約
締結(計440万トン/年)
三菱商事、国際石油開
発帝石等が上流権益を
保有。
我が国企業が権益を保有するシェールガス
開発プロジェクト
検討中の新規LNG輸出プロジェクト
(LNGプラント建設予定地)
コーヴポイント(ドミニオン社)
三井物産、三井石油
開発等が上流権益を
保有。
三井物産、住友商事
等が上流権益を保
有。
・液化規模:400~500万トン/年
・液化開始:2017年頃
・輸出許可:非FTA国へは未承認
・販売先 :住友商事が230万トン/年
の契約締結
キャメロン(センプラ社)
・液化規模:1200万トン/年
・液化開始:2017年頃
・輸出許可:非FTA国へは未承認
・販売先 :三菱商事、三井物産が
各400万トン/年に基本合意(計
800万トン/年)
11
参考8.LNG輸出を巡る米側の動き
○米国エネルギー省(DOE)は、昨年12月、LNG輸出が米国経済にもたらす影響に
ついて、第三者機関(NERA)に委託した調査結果を発表。主な結果は、①輸出は米国に
経済的利益をもたらす、②輸出量が多い方が経済的利益は大きい、というもの。
○当該調査結果に対するパブリックコメント期間(~2月25日)終了後、個々の輸出申請
案件(全16件)について順次審査を実施。審査順は、①フリーポート、 ③コーブポイント、
⑤キャメロン。
<推進>
<慎重>
【議員】
・超党派の13名の下院議員(共和12名、民主1名)、11名の上院議員(共和
9名、民主2名)がそれぞれ下院、上院に日本などの同盟国向けのLNG輸
出を自動承認する法案を提出。
・本年1月、バラッソ上院議員(共和、ワイオミング)らが日本などの同盟国
向けのLNG輸出を自動承認する法案を上院に提出。
・本年1月、マコウスキー上院議員(共和、アラスカ)(上院エネルギー・天然
資源委員会筆頭委員)がチュー長官宛てにFTAを未締結の同盟国への輸
出許可を求めるレターを発出。
・本年1月、インホフ上院議員、ビター上院議員(共和、ルイジアナ)、ランド
リュー上院議員(民主、ルイジアナ)・ハイトカンプ上院議員(民主、ノース
ダコタ)がチュー長官宛てにLNG輸出の早期承認を求めるレターを発出。
・本年1月、ジョンソン下院議員(共和、オハイオ)ら超党派の110名の下院
議員(共和89名、民主21名)がチュー長官宛てにLNG輸出の早期承認を
求めるレターを発出。
【議員】
・昨年12月、ワイデン上院議員(民主、オレゴン)(上院エネルギー・天然資
源委員会委員長)がチュー長官宛てに、LNG輸出が経済にもたらす影響
分析のやり直しを求めるレターを発出。
・昨年12月、マーキー下院議員(民主、マサチューセッツ)がチュー長官宛
てに、LNG輸出が経済にもたらす影響分析のやり直しを求めるレターを発
出。
・昨年12月、スタベノウ上院議員(民主、ミシガン州)がLNG輸出への懸念
(国内製造業への影響等)を表明。
【産業界】
・石油ガス関連産業、ガス産出州の商工会議所等が、自由貿易や同盟国
支援の重要性等の観点からLNG輸出申請の早期許可を求める意見(パ
ブリックコメント)を提出。
【産業界】
・ダウケミカル(化学)やニューコア(電炉)等の天然ガス消費産業の企業・
団体は、経済分析のやり直しを求めるとともに、拙速なLNG輸出許可に
反対する意見(パブリックコメント)を提出。
【環境保護団体】
・シエラクラブ等の環境保護団体は、天然ガス開発に伴う環境問題を指摘
した上で、LNG輸出申請許可に反対する意見(パブリックコメント)を提
出。
12
参考9.米国への主な働きかけ
【日米首脳会談(2013年2月22日)】
○安倍総理から、「震災以降、我が国では燃料費の削減が喫緊の課題となっている。米国からの安価なLNG輸入に強い
関心が出てきている。LNGの対日輸出が早期に承認されるよう、あらためてお願いしたい。」と発言。
○オバマ大統領からは、「今、米国ではLNGの輸出についてレビューが行われているところ。いずれにしても、同盟国とし
ての日本の重要性は、常に念頭においている。」とのコメントあり。
【茂木大臣とマコウスキー上院議員※(2013年1月17日)】※上院エネルギー天然資源委員会筆頭委員
○茂木大臣から、米国からのLNG輸出承認は、我が国にとって最も重要な課題であるとし、協力を求めた。
○マコウスキー上院議員は、日本の状況に理解を示すとともに、できる限り協力していきたい旨述べた。
(参考)これまでの米国への働きかけ
【枝野大臣とポネマン米エネルギー副長官(2012年7月24日)】
○枝野大臣から、米国からのLNG輸出について、意思決定プロセスの進展を確認。
○これに対し、ポネマン副長官から、経済分析について米国政府内でレビューしている、との説明あり。
【日米首脳会談(2012年4月30日)】
○野田総理から、震災の影響によりLNG需要が急増し、輸入価格も上昇していることを受け、米国から日本への
LNGプラント建設輸出拡大への我が国企業の関心も高いとして、協力を求めた。
○これに対し、オバマ大統領から、米国は現在政策決定プロセスの途中にあるが、日本のエネルギー安全保障は米国にとっ
ても重要であり、引き続き協議していきたい旨述べた。
【枝野大臣とチュー米エネルギー長官(2012年3月29日)】
○枝野大臣から、米国からのLNG輸出に対する強い期待を伝えた。
○これに対し、チュー長官から、日本に対する理解が示されるとともに、現在、LNG輸出が米国内のガス価格に与える影響等
について調査を行っているところ、との説明がなされた。
13
参考10.ヨーロッパ向けのLNGを同じ取引価格で日本に持ち込めた場合のインパクト
○IEAの試算では、カタールやアフリカからヨーロッパ向けのLNG取引価格に想定輸送費を加えたガス価格と
実際の日本のLNGスポット価格を比較すると、期中平均で最大$4.1/MMBtuの価格差が存在。
日本の
スポット価格
(単位:$)
アルジェリア
ナイジェリア
カタール
最大で$4.1
の価格差
(出典)IEA事務局長講演資料(H25.2.26)から作成
14
参考11.LNG輸入価格の低減に資するプロジェクト支援の強化
○北米での天然ガスの液化事業プロジェクトやシェールガス権益買収等に対するリスク
マネー供給支援を拡充
(【産投出資】平成25年度予算案:510億円(400億円)、平成24年度補正予算案:220億円)。
○また、LNG輸入価格の見込みが、日本全体のLNG輸入価格の平均より相当程度下回る
ことが見込 まれる開発プロジェクトへの支援策を強化する。
LNG輸入価格の低減が見込まれるプロジェクトを対象とした支援策の設定
<JOGMECにおける支援策の強化>
(1) 「1兆円規模」の債務保証の優先枠の創設
価格低減プロジェクトを優先的に対象とする1 兆円規模の債務保証枠を設定する。
(2)債務保証上限の引上げ
価格低減プロジェクトへの融資に対する債務保証カバー率の上限を、通常の50%から75%まで引き上げる。
【金融機関からの融資で約2,000億円資金調達するプロジェクトでの効果】
企業自身の保証による約1,000億円の調達が半分の約500億円に圧縮でき、余った約500億円の保証分を他の開発プロジェクトに
回すことが可能となる。
(3)債務保証料率の引下げ
価格低減プロジェクトについて、債務保証料率を引き下げる(0.1%程度の引下げ ※基準料率0.8%)。
【金融機関からの融資で約2,000億円資金調達するプロジェクトでの効果】
通常の債務保証期間(約10年間)合計で約10億円の企業のキャッシュフローを改善。
<NEXI((独)日本貿易保険)における支援策の強化>
○日本への輸出許可取消しリスクのてん補
我が国の電力・ガス会社が参画する場合に、NEXIが海外投資保険を通じて、リスクをてん補
15
参考12.価格交渉の本気度を示す国内制度改革(電気料金の厳正な査定)
1.申請は、今後、契約更改が行われるプロジェクトについて、契約更改後の価格を全日本平均と仮定(関電の例)。
2.査定方針案では、原価算定期間中(2013-2015 年度)、2013年度、2014年度は合意済の更改価格等が現時点で全電力会社中最も低価格
なものの価格で査定。2015年度は、天然ガス価格リンクを一部反映した原価織り込み価格が適当と した。
火力燃料費 関電 9,120億円(申請)、九電4,586億円(申請)
価格合意済
価格未合意
(関電総原価(2兆6,915億円)の約33%) (九電総原価(1兆4,933億円)の約30%)
現在の契約例A(価格7~8万円/t)
調 達 価 格
現時点(昨年7-9月)の全日本平均輸入価格(71,916円/t)
料金原価織込価格(申請)
合意済の更改価格等が現時点で全電力会社中最も低価格なものの価格
天然ガス価格リンクの契約
現在の契約例B(価格3~4万円/t)
2016/3
2013/4
原価算定期間
2017/4
16
参考13.海洋産出試験の概要について
メタンハイドレート開発の取組
 2001年からメタンハイドレートの資源量調査や、研
究開発に着手
 2001年に日加米独印の5カ国による国際共同研
究により、カナダの陸上鉱区で「温水循環法」によ
るメタンガスを回収。
 2002~06年 東部南海トラフ海域における詳細調
査
- 2002:同海域における3次元物理調査
- 2004:ボーリング調査の実施
- 2006:資源量把握の詳細調査終了
 2007-08年に日本とカナダの国際共同研究を実施
し、カナダの陸上鉱区で、「減圧法」を実証し成功
(約5.5日間)
(参考)減圧法
→地層内の圧力を下げることにより、メタンハイ
ドレートを水とメタンに分解し、メタンガスを回
収する手法
海洋産出試験について
1.海洋産出試験
 1/28~3月末頃の日程で、試験海域における最終準
備、ガス生産試験及び廃坑作業等を実施。
 海域において、減圧法によるメタンハイドレートのガ
ス生産実験は、世界初の試み。
2.ガス生産実験(3/12~3/18の約6日間)
 3/12AM5:40頃に生産実験を開始。同AM9:30頃にガ
ス生産を確認。3/18PM2時頃に実験終了。
 累計生産量は約12万立方メートル程度、平均生産
量は約2万立方メートル/日程度。
※JOGMECの速報値(3/19公表)。今後更新されていく予定。
3.試験海域:渥美半島と志摩半島の沖合
80km
50km
メタンハイドレー
ト分布域
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