平成22年度公共事業コスト縮減の取り組み結果について 公共事業コスト縮減の取り組みは平成9年度から実施しており、平成21年度からは新た に策定した「公共事業コスト縮減のためのガイドライン」に基づき、取り組みを進めている。 1 コスト縮減への取り組み方 (1)検討時期 公共事業における「計画」「設計」「実施」の各段階においてコスト縮減を検討 「計画段階」 :概略・予備設計、各種の長寿命化計画、河川整備基本計画等、詳細設計 に先立って工事の概要等を策定する段階 「設計段階」:工事内容を定める詳細設計等の段階 「実施段階」:工事の積算や工事実施、変更の段階 (2)対象事業 兵庫県が実施する全ての分野の公共事業(土木、農林水産、広域水道、警察、学校、そ の他県立施設等)を対象。 「計画段階」 :計画対象物の概算総事業費が1億円以上と想定される各種計画、概略設 計、予備設計 「設計段階」:設計対象物の概算総事業費が1億円以上と想定される詳細設計 「実施段階」:工事発注設計金額が3,000万円以上の工事 (3)取り組み内容 より安く、より早く、より効率的に社会資本を整備する取組を3つの目標(早く、安く、 効率よく) 、5つの観点(初期コストの縮減、将来負担の縮減 等)、17方針(早期の合 意形成、設計への創意工夫、LCCの削減 等)、38施策(各種PIの実施、新技術・ 新工法の導入、現地の特性を十分配慮した独創的・合理的広報の採用 等)に体系化し、 多様な観点からコスト縮減。(表1) 2 平成22年度取り組み結果 (1)検討対象事業数、取組実施事業数 段階 検討対象事業数 取組実施事業数 取組実施割合 計画 設計 実施 57事業 150事業 653事業 46事業 139事業 639事業 81% 93% 98% 計 860事業 824事業 96% (2)取り組み内容 検討の段階や事業の特徴に応じて、1つの事業で実施した取り組み数には多寡はあるが、 実施824事業において、1,595件の取り組みを実施しており、概ね1事業あたり2件 の取り組みとなっている。 〔段階別内訳〕計画99件、設計401件、実施1,095件 【計画段階】の取り組み ①施策:「新技術・新工法の導入」 (事例)・排水機場において、ポンプ口径小型化のため吸込速度の高速化技術を採用 [代表事例] ・奥地保安林の斜面保全において、ジオグリッドと改良土を用いた全面緑化が可 能なシンプルな法枠GTフレーム工法(NETIS 登録)を採用することで、環境 保全とコスト低減を図る 等7件 (GTフレーム工法) 概要 施工状況 ②施策:「アセットマネジメント計画の策定」 (事例) ・県立赤穂海浜公園について、アセットマネジメント手法を取り入れた長寿命化 計画を策定しライフサイクルコストを縮減[代表事例] 等14件 ③施策:「施設管理体制・方法を事前検討した上での施設整備 (事例) ・下水処理場の計画において、完成後の管理運転体制を検討した上で施設計画を 行うことでライフサイクルコストを縮減 等9件 ④その他14施策において69件の取り組みを実施 【設計段階】の取り組み ①施策:「CGなどを活用した事業調整の実施」 (事例) ・(都)園田西武庫線の地元への説明会資料にCGを活用 等3件 ②施策:「新技術・新工法の導入」 (事例)・(都)尼崎宝塚線において、鋼箱桁とRC橋脚の剛結構造の採用[代表事例] ・(国)250 号の災害防除事業において、老朽化した吹付モルタルを補修・補強す るReSP工法(NETIS 登録)を採用[代表事例] ・(砂)北谷川砂防事業において、砂防ソイルセメント工法を採用[代表事例] ・既設県営住宅の耐震改修工事において、柱や梁を高延性材で巻き立てるSRF 工法を採用[代表事例] ・道路切土部の地山補強に、安全な逆巻き施工によるコンクリートパネルと補強 材を用いたPANWALL工法(NETIS 登録)を採用 等24件 (硬質地盤クリア工法) (PANWALL工法) 概要図 概要図 施工状況 ③施策:「現地の特性を十分配慮した独創的、合理的工法の採用」 (事例) ・硬質地盤で騒音対策を必要とする箇所での仮設締切工の施工において、経済性、 工程短縮等の効果のある硬質地盤クリア工法(NETIS 登録)を採用 ・(国)250 号網干大橋の橋側歩道橋の設置において、既設橋梁部の幅広路肩を利 用して歩道幅員を確保する計画を採用[代表事例] ・ 丹波市の奥地保安林保全対策において、高所法面掘削機による法切工を採用 [代表事例] 等37件 ④施策:「関係機関との計画調整」 (事例)・ため池改修と県道拡幅との計画調整による事業の効率化[代表事例] ・加古川工業用水道管と明石市水道管の共同施工[代表事例] 等23件 ⑤施策:「既存施設の活用」 (事例)・既設の治山ダムを嵩上げ・増厚により補強し、機能強化を図ることでダムの新 設を削減 等22件 (治山ダム嵩上げイメージ) 嵩上げ部 増厚部 ⑥施策:「現地資材の活用」 (事例) ・(二)洲本川の護岸工事の設計において、現地発生土を中詰材に流用する環境配 慮型ブロックを採用[代表事例] ・河川護岸整備の設計において、既設護岸として使用していた間知型自然石を新 設護岸に再利用 等27件 ⑦施策:「LCC最小の工法、材料の使用」 (事例) ・下水処理設備の反応タンクにおいて、酸素移動効率(供給空気量に対して水に 溶解する酸素量の割合)の高いマグターボ送風機を使用したメンブレンパネル 式散気装置を採用 等17件 (メンブレンパネル式散気装置) 給気口 散気パネル 散気パネル ⑧施策:「雑草防止対策等の実施」 (事例) ・都市公園の植樹計画において、植栽面積を少なくしマルチング層を設置するこ とで植樹管理、除草に掛かる管理費用を縮減 等6件 ⑨施策:「自然エネルギーの活用」 (事例) ・学校設備の設計において、貯水タンクの設置により、雨水を屋上緑化散水や便 所洗浄水へ利用する計画を導入及び太陽光発電設備の設置 等14件 ⑩施策:「必要エネルギー量の縮減」 (事例) ・建築設備の設計において、ヒートポンプエアコン、全熱交換機、節水型衛生器 具、高断熱サッシ、長寿命照明(LED)等の採用により光熱費や水道代等を 低減 等18件 ⑪その他24施策において210件の取り組みを実施 【実施段階】の取り組み ①施策:「その他「早く」整備するための取り組み」 (事例) ・電線共同溝の工事において、関連するガス、水道管布設工事の実施機関と事前 に日程調整等を行い円滑な工事進捗を実施 ・複数の工事関係者による工程調整会議の定期的な開催により、円滑な工事進捗 を実施 等38件 ②施策:「より詳細な情報に基づく設計施工」 (事例) ・県営住宅の工事において、施工前の現地精査により擁壁仕様を変更[代表事例] 等48件 ③施策:「関係機関との計画調整」 (事例) ・建設発生土情報交換システムを活用し他機関と協議することで建設発生土の有 効利用を実施 等113件 ④施策:「仮設構造物の共有」 (事例)・連立事業で使用した仮橋を近接する街路事業の仮橋に再利用 ・近接工区で使用した仮設ガードレール及び基礎を再利用 等46件 ⑤施策:「現地資材の活用」 (事例)・内田海岸の消波堤設置工事において、既設消波ブロックを再利用[代表事例] ・基盤整備工事において、現地で発生したコンクリート殻を、自走式破砕機によ り現場内で骨材として再生し利用[代表事例] ・河川護岸工事において、コンクリート殻をかごマット工や袋詰め玉石工の中詰 めに利用 ・急傾斜地崩壊対策工事において、現場で発生した伐採木を、チップ化して工事 用進入路の表土に活用 ・道路拡幅工事において、既設のL型街渠やU型水路を再利用 等104件 ⑥施策:「資材のストック・ストック資材の活用」 (事例) ・老朽化した下水道管路の対策において、非開削で供用しながら仮排水なしで施 工できるSPR工法(NETIS 登録)により管路を更正 ・(二)千草川河川改修工事において、既設護岸の石材を再利用[代表事例] ・津居山港において、浚渫土砂を漁場改善に有効利用[代表事例] ・他工事で不要となり仮置きしていたガードレールを、仮設カードレールとして 有効活用 等52件 ⑦施策:「雑草防止対策等の実施」 (事例)・河川堤防天端に雑草防止効果のある真砂土舗装を施工 ・歩道リニューアル工事において、近隣住民の意見を取り入れ、植樹桝を撤去す ることにより植樹管理のコストを低減 ・高規格道路のIC内の法面に雑草抑制効果の高い新芝を吹付するティフブレア 工法(NETIS 登録)を採用 等37件 ⑧施策:「車線数を維持する施工方法の採用」 (事例) ・道路拡幅工事において、旧歩道部を有効に活用できる施工手順により現道車線 数を常に確保 等34件 ⑨施策:「工事の予告、工事サイン計画による渋滞緩和」 (事例) ・交通量の多い現道の舗装工事において、工事内容・期間等の徹底した事前周知 や的確な迂回路サイン表示等により、工事中の円滑な交通流を確保 等82件 ⑩施策:「騒音振動を考慮した工法の採用」 (事例) ・急傾斜地崩壊対策工事において、消音型アンカー削孔機械と防音シートを併用 した騒音対策を実施 等127件 ⑪その他13施策において414件の取り組みを実施 表1 コスト縮減施策体系表 主な検討段階 目標 【3】 観点 【5】 取組方針 【17】 施策 【38】 計画 設計 実施 段階 段階 段階 ① 重点投資 1 供用時期の公表 ② 完成に先立つ供用 1 部分供用・暫定供用の実施 ○ ○ 1 各種PI等の実施 2 CGなどを活用した事業調整の実施 1 公共事業事前地籍調査の実施 2 土地収用制度の活用 ○ ○ 3 筆界特定制度の活用 ○ ○ ○ 1 インハウスVE ○ ○ 2 設計VE ○ ○ 3 既存計画の見直し ○ ○ 1 新技術・新工法の導入 ○ ○ 2 現地特性を十分配慮した独創的、合理的工法の採用 ○ ○ 3 より詳細な情報に基づく設計施工 4 ローカルルールの適用 ○ ○ 5 施設の複合機能化 ○ ○ 1 関係機関との計画調整 ○ ○ 2 民間事業の活用 ○ ○ 3 住民参加型の直営施工の実施 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ③ 早期の合意形成 Ⅰ 早く ④ 円滑な用地確保 ① 多角的な設計精査 ② 設計への創意工夫 Ⅱ 安く (1) 初期コストの 縮減 ③ 施工方法の創意工夫 ○ ○ ○ ○ 1 仮設構造物の共有 2 使用機材の共有 ○ 1 既存施設の活用 2 現地資材の活用 3 資材のストック・ストック資材の活用 1 アセットマネジメント計画の策定 2 LCC最小の工法、材料の使用 3 事前に維持管理計画を策定した上での施設供用 ○ ○ 1 雑草防止対策等の実施 ○ ○ 2 旧施設の適正処理 ○ ○ ○ 3 施設管理体制・方法を事前検討した上での施設整備 ○ ○ 1 自然エネルギーの活用 ○ ○ 2 必要エネルギー量の縮減 ○ ○ 1 車線数を維持する施工方法の採用 ○ 2 現道工事における早期交通解放 ○ 3 工事の予告、工事サイン計画による渋滞緩和 ② 濁水被害の抑制 1 利害関係者と事前調整による被害の抑制 ③ 騒音、振動発生の抑制 1 騒音振動を考慮した工法の採用 ① 実績の蓄積 1 施設情報のデータベース化 ○ ② データベースの活用 1 既存データベースの有効活用 ○ ④ 機材、仮設の共有化 ⑤ 資源の再利用・有効利用 LCCの削減 ① (施設の更新サイクル 更新までの修繕) (2) Ⅱ 将来負担の 縮減 安く 管理コストの縮減 ② (除草、点検、 日常保守、消耗品 交換等) ③ 運転コストの縮減 (光熱費、水道代等) ① 渋滞発生の抑制 (3) 社会的損失 の縮減 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ Ⅲ 効率よく ○ (3)代表事例 段階 番号 計画 設計 実施 設計・工事等名称 取り組み内容 1 洗戎川排水機場予備設計業務 排水機場におけるポンプ口径小型化のための高流速化技術の採用 2 県立赤穂海浜公園 公園施設長寿命化計画策定業務 赤穂海浜公園の維持管理費縮減に向けた取り組み 1 尼崎宝塚線(小浜南)宝塚ICランプ橋・道路詳細設計業務 鋼箱桁とRC橋脚の剛結構造の採用 2 (国)250号災害防除事業設計業務 老朽化吹付モルタル法面の補修・補強 3 通常砂防事業設計業務 砂防ソイルセメント工法(INSEM)の採用 4 県営長田天神高層住宅2号棟長期使用対策工事にかかる調査設計業務 計画案コスト比較による耐震改修工法の最適化 5 (国)250号網干大橋橋側歩道橋詳細設計業務 既設橋梁部の幅広路肩を利用した歩道設置 6 洲本川護岸工事(上流工区)設計業務 護岸ブロックにおける環境保全型ブロックの採用 7 姫ヶ池地区 ため池等整備計画設計業務 ため池改修と県道拡幅との計画調整 8 加古川工業用水道事業設計業務 共同施工による工事費用の分担 9 奥地保安林保全緊急対策工事 高所法面掘削機による法切工の採用 1 千草川河川改修工事(その5)(その6) 既設護岸石材を石積工に流用 2 津居山港港湾修繕工事 漁場改善への浚渫土砂の活用 3 内田海岸消波堤設置工事 消波堤への既設消波ブロックの活用 4 船津浄水場浸水対策工事 幅広の止水矢板の使用による打設枚数の縮減 5 経営体育成基盤整備事業五斗長地区第4-2工区工事 自走式破砕機による骨材再生工 6 森林基幹道整備事業 プレキャストガードレール基礎工による工事費削減 7 増殖場造成事業 大規模投石礁の造成について 8 福祉センター1期建築工事 空調負担の抑制と雨水の潅水利用 9 県営加古川平岡鉄筋住宅4・15号棟新型改修工事 現場精査による施工方法の変更に伴うコスト縮減 【施策名:設計への創意工夫(新技術・新工法の導入)】 計画1 排水機場におけるポンプ口径小型化のための高流速化技術の採用 実施箇所 :(二)洗戎川 (西宮市浜町) 業務名 :地震・高潮対策河川事業 洗戎川排水機場予備設計業務 概要 : ポンプ吸込流速の高速化(V=3m/s⇒V=4m/s)により口径小型(φ900⇒φ800) を図ったポンプを採用。 効果・コスト縮減額:約7.4百万円(主ポンプ17.4百万円減、主原動機10百万円増) (コスト縮減率 2.2%) ・ポンプ口径:従来φ900×2台⇒今回φ800×2台 (従 口径 吸込流速 概要図 来) 従来口径 V=3m/s ( 新 ) 高流速化後の口径 V=4m/s 数値流体力学を踏まえた数値解析を行うことにより、 羽根車廻りの複雑な流れを解析し、キャビテーションの 発生を抑える限界速度まで流速の高速化を行うことでポ ンプの小型化を図った。 また、羽根車の羽根やケーシングパイプの肉厚UPを 行い高速化に耐えうる構造にした。 ※キャビテーション:液体の流れの中で圧力差により短時間に泡 の発生と消滅が起き、ポンプ吸込み効率を 低下させる現象。 団体名:阪神南県民局 尼崎港管理事務所 【施策名:LCCの縮減(アセットマネジメント計画の策定】 計画2 赤穂海浜公園の維持管理費縮減に向けた取り組み 実施箇所:兵庫県立赤穂海浜公園 事業名 :兵庫県立赤穂海浜公園 公園施設長寿命化計画策定業務 概要 :公園施設に損傷等が発生した後に対処する事後的管理から、計画的な施 設点検・維持補修等を行う予防保全的管理へ転換し、施設の長寿命化及びラ イフサイクルコスト縮減を図ることを目的に公園施設長寿命化計画を策定 効 果 ・適時適切な修繕・改築による既存ストックの長寿命化及びライフサイクルコスト縮減 ・施設に応じた管理水準の設定による維持管理の適正化 ・計画的な修繕・更新計画の策定(維持修繕・更新費用の平準化) ・施設老朽化に対する安全対策の強化 《ライフサイクルコスト縮減イメージ》 【従来型の維持管理】 健 全 度 更新 更新 【管理方式によるライフサイクルコストの違い】 【長寿命化計画に基づく維持管理】 更新 健 全 度 (費用) 更新 修繕 修繕 目標管理水準 使用限界 (経過年) 耐用年数 健 全 度 累積更新費用 使用限界 耐用年数(長寿命化) (経過年) 健 全 度 累積更新費用 団体名:西播磨県民局 光都土木事務所 【施策名:設計への創意工夫(新技術・新工法の導入)】 設計1 鋼箱桁とRC橋脚の剛結構造の採用 実施箇所:(都)尼崎宝塚線 宝塚市小浜 業務名 :尼崎宝塚線(小浜南)宝塚ICランプ橋・道路詳細設計業務 概要 :鋼箱桁とRC橋脚の剛結構造の採用によるコスト縮減 効果 ・剛結構造採用により橋梁延長を縮小、中間支点の支承を省略 ・15,000千円のコスト縮減 (従 来) (側径間) (中央径間) (側径間) 橋梁の両端に上向きの力が発 生しない最小側径間長で橋長 が決まるような場合、「剛結 構造」を採用することで側径 間長を縮小しコスト縮減が可 能。また、支承を省略するこ とによりコストを縮減。 支承 ( 新 ) (側径間) (中央径間) 剛結構造 (側径間) :負反力(上向きの力) 団体名:阪神北県民局 宝塚土木事務所 【施策名:設計への創意工夫(新技術・新工法の導入) 】 設計2 老朽化吹付モルタル法面の補修・補強 実施箇所 :(国)250号(赤穂市高野) 事 業 名 :(国)250号 災害防除事業設計業務 概 要 :老朽化した吹付モルタル法面に対して、吹付モルタルを除去せず、 空洞部へのモルタル注入(地山密着)及び鉄筋挿入工(斜面補強)と鋼繊維 補強コンクリートで法面を補修・補強 効果 ・老朽化吹付モルタルの産業廃棄物処理を無くした ・斜面高所でのはつり作業が無くなることにより、大規模な仮設防護柵が必要な くなった ・コスト縮減額約13百万 コスト縮減率約35% (従来:はつり→新たな吹付) 問題点 (新:ReSP工法) イメージ図 既設吹付の はつり取り ・通行車両への危険性が高く、安全 性の確保が困難 ・産業廃棄物のガラ処分が問題 不安定土塊の すき取り 新たな吹付 地山表層の風化領域が厚さ0.5m程度 までであれば適用が可能 団体名:西播磨県民局 光都土木事務所 【施策名:設計への創意工夫(新技術・新工法の導入)】 設計3 砂防ソイルセメント工法(INSEM)の採用 実施箇所 工事名 概要 :(砂)北谷川 多可町加美区山野部 :通常砂防事業設計業務 :砂防工事で発生する現地発生土砂とセメントを施工現場内で混合し、砂防えん堤 の堤体へと活用することによりコストの縮減を図る。 効果・コンクリート量および発生残土の低減を図ることができ、環境への配慮とコスト縮減を目標とす る工法である※ 。 (※現地発生材が改良可能な土質であり、かつ広い作業ヤードの確保が容易である現場においてのみ採用が可能) ・本体工事にかかる経費および、残土処分にかかる経費を削減することにより、直接工事費を 約214百万円から約192百万円に縮減(コスト縮減額22百万円、コスト縮減率10%) (従 来) ( 新 ) イメージ ソイルセメント (現地発生土とセメントの混合) コンクリート 団体名:北播磨県民局 加東土木事務所 【施策名:設計への創意工夫(新技術・新工法の導入)】 設計4 計画案コスト比較による耐震改修工法の最適化 実施箇所:神戸市長田区長田天神町6丁目5-2,3 業務名 :県営長田天神高層住宅2号棟長期使用対策工事にかかる調査設計業務 概要 :既設県営住宅(44戸)の耐震改修工事 中間階の柱及びコア部分と住棟を繋ぐ梁を高延性材で巻き立てるSRF工法により耐 震補強を実施 効果 ・これまで耐震補強において実施されてきた内付け鉄骨ブレース補強工法(在来工法)、PCア ウトフレーム補強工法と今回採用の巻立て工法(SRF工法)とを比較検討 ・柱巻立て工法(SRF工法)は、他の工法に比べ、工期短縮等のメリットがあるのはもちろんの こと、コスト面においても約3,000万円と縮減できる。 (鉄骨ブレース補強工法約5,000万円、 PCアウトフレーム補強工法約16,800万円) (従 来) 内付け鉄骨ブレース補強工法 (在来工法) ( PCアウトフレーム 補強工法 新 ) SRF工法 団体名:県土整備部 住宅建築局公営住宅課 【施策名:設計への創意工夫(現地特性を十分配慮した独創的、合理的工法の採用)】 設計5 既設橋梁部の幅広路肩を利用した歩道設置 実施箇所:(国)250号(姫路市網干区余子浜) 業務名 :網干大橋橋側歩道橋詳細設計業務 概要 :橋側歩道橋の設置計画において、新設の単独橋を架設するのではなく、 既設車道橋にアルミ床版を添架し、現道の幅広路肩の幅員を利用するこ とにより歩道幅員を確保しコスト縮減を図る。 効果・従来計画 606,044千円 新計画 325,552千円で▲280,492千円の縮減が図れる ・橋脚工事が少なくなるため河川への影響が少ない(既存橋脚は一部補強) ・既存橋梁からの施工が可能であり、周辺への影響が少ない ・設置部材(橋脚、支承等)が少なくなるため維持管理に有利である (従 来) ( 新 ) 団体名:中播磨県民局 姫路土木事務所 【施策名:資源の再利用・有効利用(現地資材の活用)】 設計6 護岸ブロックにおける環境保全型ブロックの採用 実施箇所:(二)洲本川水系 洲本川 工事名 :洲本川護岸工事(上流工区)設計業務 概要 :環境配慮型空積みブロックを採用 中詰に現場流用土を使用 効果 ・空積み及び中詰を流用土にすることで、工事コストが約63,000千円縮減 ・コスト縮減率 18.8% (従 来) ( 新 ) 団体名:淡路県民局 洲本土木事務所 【施策名:施工方法の創意工夫(関係機関との計画調整)】 設計7 ため池改修と県道拡幅との計画調整 実施箇所:神崎郡福崎町南田原 業務名 :姫ヶ池地区 ため池等整備計画設計業務 概要 :堤体敷が県道となっており、ため池の改修に合わせて県道の改修計画を進めたこと により、それぞれが調整すべき事項についてスムーズに進めることができた。 効果・ため池改修計画と県道改修計画を効率的に進めることができた。 ・取水施設の設計では、県道担当者から工法や施工方法等に対して助言があり、県道占用 協議をスムーズに進めることができた。 ・地元調整を一体的に行うことができた。 ・単独で計画した場合と比較して、効率的に作業を進めることができ、設計に要する時間 を短縮することができた。 計画標準断面図 団体名:中播磨県民局 姫路土地改良事務所 【施策名:施工方法の創意工夫(関係機関との計画調整)】 設計8 共同施工による工事費用の分担 実施箇所:明石市 二見町 事業名 :加古川工業用水道事業設計業務 概要 :工業用水道管(海底管)の布設にあたり、明石市水道管と共同施工を行 うことにより、費用を分担することで工事費の縮減。 効果 ・海底管布設(推進)工事を共同施工し、工事費用を分担することにより、概算工 事費が約234百万円から約204百万円に縮減 (コスト縮減額30百万円 コスト縮減13%) 単独施工 工業用水道管 共同 施工 区間 工業用水道管 推進さや管 φ400 Φ800 発進立坑・到達立坑・推進さや管 ・エアモルタル充填を共同施工し、 費用を分担 共同施工 エアモルタル充填 工業用水道管 L=20 0m エアモルタル充填 明石市水道管 団体名:企業庁 推進さや管 φ1200 工業用水道管 明石市水道管 φ400 φ400 東播磨利水事務所 【施策名:設計への創意工夫(現地特性を十分配慮した独創的、合理的工法の採用)】設計9 高所法面掘削機による法切工の採用 実施箇所:丹波市 青垣町大名草字ゼナガ 工事名 :奥地保安林保全緊急対策工事 概要 :急峻な山腹斜面において、法切工はこれまで人力による施工が一般的に行われてき たが、労働者の安全性の確保と工期の短縮およびコスト縮減を図るため、高所法面 掘削機(RCM)を導入した。 効果 高所法面掘削機(RCM)を導入したことにより、 ①高所危険作業の日数を著しく減らし、機械施工にしたことにより約200日の工期を短縮 ②人力施工から機械施工にしたことにより、約170万円のコストを縮減 (従 来):人力による法切 ( 新 ):高所法面掘削機による法切 団体名:丹波県民局 丹波農林振興事務所 【施策名:資源の再利用・有効利用(資材のストック・ストック資材の活用)】 実施1 既設護岸石材を石積工に流用 実施箇所:(二)洲本川水系千草川 洲本市 物部・上物部 工事名 :河川改修工事(その5)、河川改修工事(その6) 概要 :近隣河川で取り壊した石積の石材を、当箇所の緩傾斜石積階段工・ワン ドに流用した。 効果 ・新材購入不要 縮減額 5,600千円 ・既設護岸石材処分費不要 縮減額 300千円 ・上記縮減率 3.2% (従 来) ( 新 ) 再利用 団体名:淡路県民局 洲本土木事務所 【施策名:資源の再利用・有効利用(現地資材の活用)】 実施2 漁場改善への浚渫土砂の活用 実施箇所:津居山港(豊岡市) 工事名 :港湾修繕工事 概要 :従来、航路泊地の浚渫土砂は、揚土し処分場へ陸上運搬し処分していた が、浚渫土砂を土運船で運搬後海洋投入し漁場の改善を行った。 効果・浚渫土砂を漁場の改善・改良に有効利用することにより、水産資源の増加が 期待できる。 ・残土処分にかかる揚土、陸上運搬及び処分費が削減でき、直接工事費が約 19,000千円から約5,000千円に縮減 (コスト縮減額 約14,000千円 コスト縮減率 約70%) (従 来) 揚土後、処分場への運搬・処分 ( 新 ) 土運船からの海洋投入 団体名:但馬県民局 豊岡土木事務所 【施策名:資源の再利用・有効利用(現地資材の活用)】 実施3 消波堤への既設消波ブロックの活用 実施箇所:内田海岸(洲本市) 工事名 :消波堤設置工事 概要 :海岸侵食が進行し背後地への越波が著しい海岸において、防潮護岸前面 の既設消波ブロックを新設消波堤へ流用し、コストの低減を図る。 効果:既設ブロックを活用することにより、直接工事費を 約103,000千円から約95,600千円に縮減。 (コスト縮減額 約7,400千円 コスト縮減率 約7%) 2.10 (従 6.73 (1 来) /3 :4 5.47 ) 消波ブロック 消波ブロック 4.0t型 6.73 +3.10 (1 :4 /3 既設消波ブロック 2.10 H.H.W.L + 2.25 H.W.L +0.65 ) T . P ± 0 .0 0 L.W.L −0.80 -1.70 既設消波ブロックの活用 基礎捨石 1 0 ∼ 4 00 k g 2.10 ( 新 ) 6.73 (1 /3 :4 5.47 ) 新規消波ブロック 新規消波ブロック 4.0t型 流用消波ブロック 流用消波ブロック 6.73 +3.10 (1 :4 /3 2.10 H.H.W.L + 2.25 ) 新設消波堤の完成 H.W.L +0.65 T . P ± 0 .0 0 L.W.L −0.80 -1.70 基礎捨石 1 0 ∼ 4 00 k g 団体名:淡路県民局 洲本土木事務所 【施策名:設計への創意工夫(新技術・新工法の活用)】 実施4 幅広の止水矢板の使用による打設枚数の縮減 実施箇所:企業庁姫路利水事務所 船津浄水場 工事名 :船津浄水場 浸水対策工事 概要 :浄水場の浸水対策工として重力式擁壁+止水矢板工による輪中堤工法を 採用した。幅広の止水矢板の採用により矢板の打設枚数を減らことで工 事コストを縮減。 効果・矢板打設枚数を減らすことで打設機械の運転時間を短くでき、排出ガスが削減され、 環境負荷が軽減された。 ・幅広矢板(標準40cm,幅広60cm)を使用したことにより、矢板枚数を490枚(1,470枚 →980枚)削減し、工事費を約119,000千円から約116,000千円に縮減 (コスト縮減額3,000千円、コスト縮減率2.5%) 標準断面図 (場内) 止水矢板 (場外) コンクリー ト擁壁 60 コンクリート擁壁 cm 止水矢板 団体名:企業庁姫路利水事務所 【施策名:資源の再利用・有効活用(現地資材の活用)】 実施5 自走式破砕機による骨材再生工 実施箇所:兵庫県淡路市 工事名 :経営体育成基盤整備事業(農業生産法人等育成型)五斗長地区 第4-2工区工事 概要 :現場内で発生したコンクリート殻については、従来なら処分を行っていたが、自走 式破砕機により現場内で骨材粒度0∼40㎜に再生し敷砕石として利用 効果 ・コンクリート畦畔や災害復旧で実施したブロック積擁壁等、既設構造物の取壊しが一定量 発生する場合、現場内処理を行った方がコスト縮減となる ・第4-2工区では約200㎥のコンクリート殻が発生し、処分した場合(処分費用+新材購入) 1,991千円が必要となるが、現場内処理を行った場合1,083千となり907千円の縮減となる 団体名:淡路県民局 洲本土地改良事務所 【施策名:設計への創意工夫(新技術・新工法の導入)】 実施6 プレキャストガードレール基礎工による工事費削減 実施箇所:森林基幹道 池ノ尾線 工事名 :森林基幹道整備事業 概要 :林道整備において、積雪地に施工する鋼製L型擁壁工のガードレール基礎 にコンクリート二次製品を使用し、施工コストの縮減を図る。 効果・ガードレール基礎が擁壁工を兼ねるため、擁壁工の高さを0.5m縮減。 ・土工断面が減少するため、地山掘削、埋め戻し量を縮減。 (コスト縮減率約5%(直接工事費)) (新) 鋼製L型擁壁+ プレキャストガードレール基礎(プレガード) (在来)鋼製L型擁壁のみ ガードレール基礎部 擁壁 擁壁 擁壁の高さが低減 団体名:但馬県民局 朝来農林振興事務所 【施策名:設計への創意工夫(現地特性を十分配慮した独創的、合理的工法の採用) 実施7 大規模投石礁の造成について 実施箇所:姫路市家島町地先 工事名 :増殖場造成事業 概要 :大規模投石礁の造成にあたり、効率的・効果的な事業を推進するため、 石材規格の検討、施工管理方法の見直し、施工実態に合致した積算基準 の採用を行った。 効果 ・大規模投石礁の中詰材について、規格石材より安価な雑石を採用 ・石材投入の施工管理方法について、従来の潜水士船による投入指示方式から、潜水士による 段階潜水確認及び音響探査機等の測量機器を用いた施工管理方法に変更 ・約200 百万円から約150 百万円に縮減(コスト縮減額50 百万円 コスト縮減率25%) (従 来) ( 新 ) 捨石(雑石) 捨石(600-1000kg) 42,050m3 29,770m3 捨石(600-1000kg) 12,280m3 団体名:中播磨県民局 姫路農林水産振興事務所 【施策名:運転コストの縮減(自然エネルギー量の縮減)】 実施8 空調負担の抑制と雨水の潅水利用 実施箇所:神戸市中央区坂口通2丁目1 工事名 :福祉センター1期建築工事 概要 :屋上緑化とエコガラスの採用による断熱と、雨水利用した潅水により電 気代と水道代の節減 効果・屋上緑化によるスラブへの断熱効果 ・通風配慮・複層、エコガラスによる冷暖房費の抑制 ・雨水利用の潅水による水道費の抑制効果 (新)屋上緑化と散水施設 (新)エコガラス 団体名:健康福祉部 社会福祉局福祉法人課 【施策名:設計への創意工夫(より詳細な情報に基づく設計施工) 実施9 現場精査による施工方法の変更に伴うコスト縮減 実施箇所:県営加古川平岡鉄筋住宅 工事名 :県営加古川平岡鉄筋住宅4・15号棟新型改修工事 概要 :施工前に既存擁壁の根入れ深さの調査を行い、想定以上の深さが確認できたため、 予定していた仮設土留めを取り止め、新設する擁壁の仕様についても最低限必要な 重力式擁壁にすることで工事コストを縮減 効果 ・仮設土留め及び新設擁壁の仕様変更により、屋外付帯工事の直接工事費が約6,700千円 から約3,700千円に縮減(コスト縮減額3,000千円 コスト縮減率45%) (従 来) ( 新 ) 団体名:県土整備部 住宅建築局公営住宅課
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