Muroran-IT Academic Resources Archive Title Author(s) Citation Issue Date URL 横型撹拌槽内の懸濁液の撹拌所要動力 井戸川, 清; 福田, 隆至; 池田, 光二; 安藤, 公二 室蘭工業大学研究報告.理工編 Vol.10 No.4, pp.599-603, 1982 1982-11-30 http://hdl.handle.net/10258/3740 Rights Type Journal Article See also Muroran-IT Academic Resources Archive Copyright Policy Muroran Institute of Technology 横型撹伴槽内の懸濁液の撹伴所要動力 井戸川 清*・福田隆至* 池 田 光 二h 安 藤 公 一 Power consumptionrequiredfor agitationof slurryina horizontalstirredvessel KiyoshiIdogawa*, TakashiFukuda*,KojiI k e d a * andKojiAndo Abstract Power consumption r e q u i r e df o ra g i t a t i o no ft h eCaC03s l u r r yi nah o r i z o n t a ls t i r r e d v e s s e lwasmeasured,andwascomparedw i t hpowerconsumptionf o rg a s l i q u i ds y s t e m . s i n ga v e r a g ed e n s i t y Thev a l u e so fpowernumberwerec o r r e l a t e dwithFroudenumber,u o ft h es l u r r y . Ther e l a t i o nwasi ngoodagreementw i t ht h a tf o rg a s l i q u i ds y s t e m .V i s c o s i t yo ft h es l u r r yhadl i t t l ee f f e c tont h a tc o r r e l a t i o n . 1 . 緒 言 アルカリ土類化合物の微粒子を懸濁した液状の反応剤を用いる排煙ガス中の脱硫あるいは脱 硝プロセスなどで,横型撹伴式ガス吸収装置を適用する場合は懸濁液の撹伴動力を推定する必 要がある。すなわち,ガスと懸濁液との有効な接触をはかり,液中の団体粒子の完全浮遊とそ の溶解を促進させる条件下での撹伴動力を推定する乙とが操作設計に必要となる。乙れら懸濁 j 夜の流動状態は撹伴動力と密接に関連している。しかし,乙れまでに横型撹伴槽を用いた気液 囲系の撹伴動力については,ほとんど研究が行なわれていなし川。 本実験では,炭酸カルシュームの粉末を水に分散させた懸濁液を用いて撹伴動力を測定し, 気液系における動力との比較を行なった。 *北海道工業開発試験所 (Governmentl n d u s t r i a lDevelopmentLaboratory,Hokkaido,Sapporo,Japan) ( 7 3 ) 6 0 0 井戸川清・福田隆至・池田光二・安藤公二 2 . 実験装置と方法 実験装置の概要を図 -1 I と示す。用いた撹伴槽本体は槽径 D t=0.283m, 槽 長 と 槽 径 の 比 L/Dt=2の透明アクリル樹脂製の円筒槽である。撹伴羽根は羽根直径 D;=0.255mの 平 羽 根 と一段,取付けた。槽内壁には邪魔板を設置している。 タービン型のものを用い,乙れを槽中央 l 1乙示したが,安藤ら 21の場合と同ーとした。動力の測定には, 撹梓羽根と邪魔板の寸法比を図一 1 ねじりばねのねじり角度を検出する方法およびトルク検出器を用いた。撹伴液としては,炭酸 l分散させた懸濁液を用いた。粉体粒子の粒径分布の測定は主として カjレシュームの粉末を水ζ ふるい分け法や沈降注など 5 1 により行なわれている。しかし,炭酸カルシューム粉末のような 粉体は,湿気を帯ると凝集するので,その真の粒径分布を求めることはむずかしい。また,沈 降法によっても水中微粒子の凝集はさけがたし、。そ乙で真の粒径分布を求める方法としてコー o u l t e r E l e c t o r o n i c s社 ルターカウンタによる方法引を採用した。用いたコールターカウンタは C 製 ZB型である。懸濁液の粘度の測定ζ lは,東京計器製 B-8M型(ロータ直径 18mm) の回転 粘度計を用いた。撹伴液の調製は,炭酸カ jレシューム粉末を水に懸濁させ,さらに,撹伴機を 0分から 1時間撹伴して行なった。 用いて 3 1 寸一一一「寸一一一一一一-Tτー 下 0 N ~・ 00 一ー一一一一--; r . 、¥ , f 1 一寸 . j_一L_______ 「一 '-ノ ム ニ = - r 守 可 司 - 士 = 二 百 - - -司__, uーさ 」一一一 イWiト ーー一一一一一 j O t =0.283 m 01/0t=0 . 5 Wp/Ot=0 . 1 L/Ot=2、4 02/0t=0.55 Wb/Oi = 0 . 2 5 Oi/Ot=0.9 WclOt=0.05 Wi/Di=0.2 図 -1 実験装置 ( 7 4 ) 横型撹伴槽内の懸濁液の撹祥所要動力 6 0 1 3 . 実験結果と考察 使用した炭酸カ jレシュームおよび炭酸カルシューム懸濁液の性状を表ー 1ζ 1,また,炭酸カ ルシュームの個数基準の粒径分布を図 -21 乙示した。固体粒子を懸垂させた高濃度の懸濁液は 通常,擬塑性流動を示すとされているが 3 ) . 4 ), 40wt必の炭酸カルシューム懸濁液においては, L変化させ τもその粘度に変化が認められなか 回転粘度計の回転速度を 12rpmから 60rpmI った。図 -3I と動力数 ら,Np 対 Np と撹伴羽根基準のレイノルズ数 NRe の関係を示した。図示の結果か 乙懸濁液の粘性による影響が現われており,動力数はレイノルズ数単独 NReの関係 l では相関されない乙とがわかる。固液系撹伴に関する通常の縦型撹伴槽においては,固体粒子 濃度が比較的低く,粒子平均粒径が大きく,かっ,粒子の真比重が大きい場合,その動力は既 乙懸濁液の平均密度を用いる乙とによって表わされる 6)。そこで, 往の液体撹伴 l 乙関する推定式 l 気液系の横型撹伴槽の流動状態を規定するフルード数を用いて,図 -31t:図示の結果を ,Np 対 NFr の関係として点綴し, 図 -4 表-1 炭酸カルシュームと懸濁液の性状 l 乙示した。なお,密度としては懸 濁液の密度を用いた。同図から, Np と NFr の相関関係は良好であ り,国体粒子を含まない場合のデ Densityo fCaC03powder:2 .72x103kg/m3 Concentrationo f Density V i s c o s i t y CaC03s l u r r y a t2 0C Ckg/m3 J a t2 0C ータも含めて同ーの線上に散乱し ている。槽内は気液固状の激しい C w/vJ % 。 0 0 s J CFa・ 9 9 8 O -3 1 .002xl 1 .23xl O -3 5 1 0 2 0 撹乱状態となっており,レイノル 1 0 1 0 5 0 1 .54xl O -3 ズ数の影響は無視できる。著者らわ 2 0 1 1 1 0 2 .33xl O -3 4 0 1 2 3 0 O -3 5 .73xl は,高粘度液を用いた場合の撹祥 と粘度の影 動力を測定し , Np 対 NFr の関係l 響は現われないと報告しているが,本結果か . , . 80 ら,懸濁液を用いた場合にも同様の傾向が認 CaC03 60 〉、 められる。 本装置内には邪魔板を取付けていることか U E ~ 40 u ( I J ‘ - I . J . . . ら,高濃度の懸濁液を用いた場合,邪魔板近 傍での固体粒子の偏在による撹伴動力の増加 0 2 2 3 4 5 6 7 8 9 1011 1 が予想されるが,図 -41乙図示の結果からはこ のような傾向はほとんど認められなし、。換言 Dp [μm] 図-2 炭酸カルシュームの個数基準の粒径分布 ( 7 5 ) 6 0 2 井戸川清・福田隆至・池田光二・安藤公二 3 2 D t=0.283m c 。 。。 L1D t =2 r r f J [ ・1 0JP [k g J Di=0.255m N i= 1, nb=4 5 , . . , 998 1020 6 2 2 34 68 1 05 2 34 6810 NRe [ー] 図 -3 懸濁液における Np と NRe との関係 1 0 J-aqL k m : : : ; L 1 9 3 ニ 司 、 唾lめ一 m 一 4 ¥匂( 一 = ι 6 ¥ 等 、 o o - 乏1 3 0 , 内 n u一 n u . : . 2 F一/ D-L 8 6 4 l ' 3 日 二 ? と ? I . 0 叩・③俳句破蜘 1 23 3 1 0 2 2346 8 1 0 46 8 1 00 2345 NFr [ー] 図 -4 懸濁液における Np と NFr との関係 すれば,撹伴液は均一に混合されており,撹伴目的の一つでもある粒子の完全浮遊化条件が低 回転速度域においても満たされていることを示している。 4 .結 言 横型撹伴槽を用いて,懸濁液の撹梓動力を測定した。その結果,懸濁液の平均密度を用いる ことによって,動力数はフルード数で相関され,気液系の場合とよく一致した。動力数とフル ード数の関係に懸濁液の粘性の影響は認められず,レイノルズ数の影響は無視できる。 ( 7 6 ) 6 0 3 井戸川清・福田隆至・池田光二・安藤公二 使用記号 C:懸濁液中の炭酸カルシュームの濃度(% ) D ; :撹伴羽根直径 (m) Dt:撹伴槽直径 (m) Dp:固体粒子の直径 g:重力加速度 μm) 〔 (m/s2 ) L:槽 長 NFr: フルード数 (~D;.n2/g) Np:動 力 数 ( =P/ ρ. n3. D ; 5 ) 〔 ー 〕 NRe レイノルズ数(=D ; 2 . n・ρ/μ) n:撹伴羽根回転速度 P: 撹梓所要動力 ε: 液量率 〔 ー 〕 ( l / s ) (W) 〔 ー 〕 (m) μ: 懸濁液および:'7)<の粘度 ( P a . s ) (-) ρ: 懸濁液および、水の密度 3) (kg/m 参考文献 1 ) 安藤公二:化学装置.p .1 9(Feb,1 9 7 5 ) 5,4 6 6( 1 9 7 1 ) 2 ) 安藤公二・原 弘・遠藤一夫.化学工学. 3 n s t n . Chem. Engrs.,4 5, 2 5 1( 1 9 6 7 ) 3 ) Clark,B.:Trans. I 4 ) 奥田 聡,“レオロジーに p .1 5 1,丸善(19 5 9 ) 19 6 4 ) 5 ) 粉体工学研究会編,“粉体粒度測定法",第 1版,養賢堂, ( 0 年会講演要旨集, p .1 7 7( 1 9 6 5 ) 6 ) 永田進治・高石勝利・山口高正・上野治朗.化学工学協会第 3 ( 7 7 )
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