10Gbit EthernetならびにSSDに対応した Dell EqualLogic PS6010

10Gbit Ethernet ならびに SSDに対応した
Dell EqualLogic PS6010ファミリを導入
本社業務システムをトータルに支える仮想化ストレージ・システムを構築
ロングセラー商品「ばかうけ」をはじめとする米菓の製造・販売を通じて成長を続けてきた栗山米菓。3∼5 年のサイクルで実施してきたシステム更新期
を迎え、サーバ仮想化に続いてストレージ仮想化を推進していく中で着目したのが、iSCSI である。そして、数ある iSCSIストレージ・システムを検討し
た結果、同社が選択したのは、10Gbit EthernetとSSDに対応した Dell |EqualLogic PS 6010ファミリだった。
2009 年2 月に設立60 周年を迎えた株式会社栗山米菓(以下、栗山米菓)
は、新潟県ならではの太陽、大地、大
河の自然の恵みをふんだんに受けた米を原料とする米菓(せんべい、おかきなど)の製造・販売を通じて成長を続
けてきた。その原動力は、ロングセラー商品となった「ばかうけ」や「星たべよ」をはじめ、米菓という伝統菓子にお
いて従来の枠にとらわれないチャレンジ・スピリッツにある。そして現在、同社はその理念を体現する
「Befco(ベ
フコ:Beika、Frontier、Company)」
という新たなコーポレートブランドを設定し、米菓にとどまらない食品カテ
ゴリーとの境界領域での No.1 企業を目指している。
株式会社栗山米菓
1949 年 2 月設立。米どころの新潟県
そうした中で特筆すべきが、ITに対する先進的な取り組みだ。同社グループ本社 情報システム部の部長を務め
る櫛谷文則氏は、
「業界を先駆けたオープン化への移行をはじめ、常にコストパフォーマンスを優先しつつ、3∼5
に本社を置き、せんべいやあられな
年のサイクルで IT 基盤のリプレースを実施。時代の流れに呼応した新陳代謝を繰り返しながら、自社のシステム
どの米菓の製造・販売を手がけてい
に新しいテクノロジーを取り入れてきました」
と説明する。
る。代表商品として「ばかうけ」や「星
たべよ」などがある。2010 年 1 月よ
例えば、同社は 2006 年にいち早くVMware ESX Server 2.Xを導入し、サーバ仮想化を推進してきた。そし
「 Frontier
り、
「 Beika(ベイカ)」、
て 2010 年 3 月、同社はビジネスの変化により柔軟かつ迅速に対応できる IT 基盤の実現を目指し、ストレージ仮想
(フロンティア)」、
「 Company(カ
ンパニー)」の頭文字から名付けた
「Befco(ベフコ)」という新たなコー
ポレート・ブランドを採用。従来から
の米菓と異なる食品カテゴリーとの
境界領域において、新たな価値を創
出していくことを目指している。
化を視野に入れたシステム・リプレースに踏み切ったのである。
設置から 1 時間程度で SAN 構築までのすべての作業が完了する、
仮想化対応iSCSI ストレージアレイ
これまで栗山米菓が利用してきたのは、ファイバ・チャネル
(FC)接続のストレージである。FCストレージは、大
企業の基幹系データベース・システムにも広く普及していることからも分かるように、その信頼性や高速な I/O 性
能には定評がある。しかし、一方で FC ストレージは、サーバ側に HBA(ホストバスアダプタ)のような高価な機器
を必要とし、SAN(ストレージ・エリアネット・ワーク)の初期設計や設定、構成変更、故障時のメンテナンスにも高
度な専門知識が要求されるなど、最適な運用を維持するためには大きな負担を強いられる。そこで同社が新たな
選択肢として着目したのが、iSCSI 接続のストレージだ。
こうした次期システムの検討ならびに製品選定のプロセスが、まさに最終段階に差し掛かっていた 2009 年 11
月のこと。デルより提案されたのが、当時リリースされたばかりの仮想化対応 iSCSI ストレージ・アレイ「Dell |
EqualLogic PS6010ファミリ」を中心としたストレージ・システムだったのである。同社グループ本社 情報シス
テム部 情報システム担当のマネージャーを務める石丸朗一氏は、次のように振り返る。
「一般的な Ethernet 上で SANを構築できる iSCSIストレージの使い勝手の良さは十分に認識していましたが、
FC ストレージほどの信頼性や I/O 性能は得られないのではないかという懸念を持っていました。これに対して
Dell | EqualLogic PS6010ファミリでは、10Gbit Ethernetに対応した SSD(Solid State Drive)搭載モ
デルも用意され、FCストレージにも見劣りしないスペックを備えていると聞き、強い関心を持ちました」
そして櫛谷氏と石丸氏の両氏は、東京・港区三田のデル・ソリューション・イノベーション・センター(SIC)
を訪れ、
株式会社栗山米菓
グループ本社
情報システム部
部長
櫛谷文則氏
他社の iSCSI ストレージも検討しま
したが、10Gbit Ethernetと SSD
の両方に対応した高スペックを提供
するとともに、手間いらずの容易な
運用管理を実現する製品は、Dell |
EqualLogic PS 6010ファミリの
他にありませんでした。
実機構成によるデモンストレーションとセミナーを受講。Dell | EqualLogic の実際の運用・利用イメージを目の
あたりにし、
「設置から 1 時間たらずの短時間ですべての導入作業を完了し、SANを稼働させられることが分かり
ました。また、自動化されたインテリジェントな管理機能により面倒な管理作業も不要であり、これなら十分に自力
で運用していけると判断しました」
(石丸氏)
という手応えを得て、デルの提案を採用するに至ったのである。
自動ロードバランシング機能により、
各ボリュームへの書き込みデータやアクセスを平準化
2 台の「 Dell EqualLogic PS 6010S( SSD 搭載モデル)」ならびに拡張用途の「 Dell EqualLogic PS
「PowerEdge T710(バックアッ
6010XV(SAS 搭載モデル)」、4 台の「PowerEdge R710(メインサーバ)」、
プサーバ)」から構成された栗山米菓の新システムは、2010 年 2 月に本社のサーバ・ルームに搬入された。そして
翌3 月には、早くも旧システムからの移行作業を完了し、正式に稼働を開始した。
「最初にデルから説明を聞いていたとおり、細かな設定を施さずともストレージ自身が自動的に最適な運用を
行ってくれるのは、私たちのような情報システム部門にとって非常にありがたいことでした」
と語る石丸氏が、最も
高く評価するDell |EqualLogic PS6010ファミリの特長の一つが、
「自動ロードバランシング機能」である。
これは、各サーバから Dell | EqualLogic PS6010ファミリへの I/O パスを仮想的に一本化する技術。各ボ
リュームに対する書き込みデータの配置やアクセスを自動的に平準化することにより、運用開始後のチューニング
作業を行うことなく、システム全体としてのパフォーマンスの最適化と高可用性を実現する。さらに石丸氏は、
サーバからストレージまでのリソースを一貫してプール化し、業務の都合に応じてプラットフォームを自由自在にプ
ロビジョニングできる仮想化環境ならではのメリットにも触れるとともに、
「旧システムからのソフトウェア環境や
データの移行についても、通常のバックアップ /リストアの要領で簡単に行うことができました」
と語る。
株式会社栗山米菓
グループ本社
情報システム部
情報システム担当
マネージャー
石丸朗一氏
デルのプロフェッショナル・サービス
では、ハードウェアのみならず、旧
システムから継承した OS やサーバ
仮想化ソフトウェア
(VMware ESX
Server、Windows Server 2008
Hyper-V)までワンストップでサポー
トしてもらっており、非常に助かって
います。
また、製品選定における最大のポイントであった I/O 性能について、櫛谷氏は次のように評価する。
「まだ実測値に基づく検証は行っていないのですが、約 3 か月にわたって新システムの運用を続けてきた中で、
ストレスを感じたことはまったくありません。10Gbit Ethernetや SSDといった最新の標準技術に対応した Dell
|EqualLogic PS6010ファミリは、期待どおりのパフォーマンスを発揮してくれています」
新たな商品カテゴリーの開拓や
販売ルートのグローバル化への貢献を目指す
現在、Dell | EqualLogic PS6010ファミリを中心に構成された栗山米菓の新システムは、販売管理から財
務・経理、情報系のグループウェアにいたるまで、ほぼすべての本社業務システムの運用を支えている。
そうした中で、櫛谷氏は「新システムのさらなる拡充を図りつつ、新たな商品カテゴリーの開拓や販売ルートの
グローバル化をはじめ、今後のさまざまなビジネス展開や経営改革に貢献していきたいと考えています」
と先を見
据えている。厳しい経済環境において、戦略的な IT 活用によって将来を切り拓いていこうとする同社のチャレンジ
から、今後も目が離せない。
■システム構成図
Server1、2、3、4 PowerEdge R710
VMware ESXi 4.0Server
Server5 PowerEdge T710
VMware ESXi 4.0 or Backup Server
PowerConnect 8024F
今回導入したデルのサーバ、ストレージ群
Dell|EqualLogic PS6010S
SSD100GB×16
Dell|EqualLogic PS6010S
SSD100GB×16
Dell|EqualLogic PS6010XV
SAS600GB×16
ハードウェアとサービス
●ストレージ・システム Dell |EqualLogic PS6010S
●ストレージ・システム Dell|EqualLogic PS6010XV
●仮想サーバ
PowerEdge R710
●バックアップ・サーバ PowerEdge T710
栗山米菓をサポートするデルのスタッフ
メリット
●10Gbit EthernetとSSDによる高速なストレージ I/O
●自動設定機能による容易な導入と運用
●自動ロードバランシング機能による各ボリュームへの書き
込みデータやアクセスを平準化
栗山米菓様では FC ストレージのリプレースにあたり、さら
なる高速化と安定した I/O の実現、そしてコスト・パフォー
マンスの高いシステムを求められていました。そうした要
求事項に対して、デルでは iSCSI によるストレージ・シス
テムが最適であると判断。そこで当時、タイミングよくリ
Dell |EqualLogic PS6010シリーズ
リースされた、10Gbit Ethernetに対応した SSDモデルの
「Dell|EqualLogic PS6010S」をご提案しました。10Gbit
Ethernet、および SSD対応の同モデルは、FCストレージに
匹敵する高速かつ安定した I/Oを実現するものであり、栗山
米菓様のご要望に応えることができたと自負しています。
(左から)
スモール&ミディアム ビジネスセールス本部
アカウントエグゼクティブ 北村直也
スモール&ミディアム ビジネスセールス本部
アドバンスドシステムグループ テクニカルセールスレプリゼンタティブ 伊藤浩樹
©2010 Dell inc.
●DELLロゴは、米国Dell Inc. の商標または登録商標です。●その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。●取材 2010 年06 月
デル株式会社 〒212-8589 川崎市幸区堀川町580 番地 ソリッドスクエア東館 20F Tel.044-542-4047 www.dell.com/jp