インダストリーコラム

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EUREKA 欧州の研究開発拠点・創造力強化施策
欧州 35 カ国と EC が出資している EUREKA(ユーリカ)は、この度、欧州の研究開発
ならびに生産拠点としての強化と、研究者を欧州内に維持するべきとのニーズに応えて、
EUREKA がいかに対応していくかを調査報告書にまとめた。(EUREKA – A Cornerstone
of the European Research and Innovation Area)
EUREKA は、2010 年までに GDP の3%に相当する金額を研究開発費に充てることを目
指している。欧州には、EUREKA に類似したイニシアティブで、EU のフレームワークプ
ログラム(Framework Programmes:FP)というのがある。後者は、科学技術基盤の強化
と、研究を EU 政策に波及させることを目的としている。
EUREKA Cluster 2006
プロジェクト名
カバー領域
プロジェクト数*予算(百万ユーロ)
MEDEA+
マイクロエレクトロニクス(第一フェーズ
69
3,822
ITEA2
組込システム(第二フェーズ)
77
1,240
CELTIC
テレコミュニケーション
24
138
EURIMUS II
マイクロシステム技術
26
162
PIDEA+
パッケージング、多層敗戦
32
268
EUROGIA
エネルギー維持
4
25
FACTORY DNA 生産性維持
1
10
EUROFOREST
林業
6
9
NEWMEDFASTER 薬開発
NA
INSYSBIO
バイオロジー
NA
出展:EUREKA Database (March 2006)
*終了および進行中プロジェクトを含む
この2つの類似したイニシアティブは、一方で、EUREKA が市場に製品投入することや
中小企業の研究開発に重点をおいていることに対して、FP は、大規模な基礎研究のインフ
ラの提供に主点を当てているという違いがある。
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今回の EUREKA の報告書では、EUREKA と他の研究開発・イノベーションプログラム
すべての協業の必要性を唱っている。EUREKA は、2007∼2013 年に予定されている第 7
次フレームワークプログラム(FP7)の活動企画ドラフトにも明記されており、EUREKA
と FP は、共に欧州研究機関の強化にむけて、European Research Area(ERA)の設立を提
唱している。ERA は、欧州内の知識市場の創造を目的としており、欧州内での知識の流動、
研究者や技術の流動を活性化し、国家研究活動のコーディネーションの改善をはかり、欧
州研究政策を打ち立てることを目指す。
メンバー主導の EUREKA と、プログラム主導の FP であるが、それだけに EU の研究開
発の強化においては補完的な役割を果たしており、EUREKA が資金の 40%を中小企業対象
にしかも新規技術開発を主点としているのに対し、FP の中小企業対象は全体予算の 15%で
あり、かつ、FP は既に確立した技術の運用に充てられるというように棲み分けがなされて
いる。
報告書は、また、EUREKA が中小企業強化に焦点を当てていることから、ベンチャーキ
ャピタルも喚起させ、ひいては、この 1 月に出版された Aho グループ(フィンランドの元
首相、Esko Aho 氏を会長に、Alcatel Telecom の前社長兼 COO の Josef Cornu 氏、
Manchester 大学ビジネススクール教授の Luke Georghiou 氏などで構成)が「Innovative
Europe」で提唱したように、特定領域に、リソースを集中させ、新しい財政構造、人の流
動性、資金投入、機構構築などを図り、欧州の研究開発力・創造力強化に努めるという目
的にも合致していると述べている。
本文は下記 URL 参照。
http://www.eurosfaire.prd.fr/7pc/doc/1143649200_eureka_cornerstone_era_03_2006.pdf
(2006/4/18
セミコンダクタポータル編集室)
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