消防技術安全所報 48号(平成23年) 救急隊員用ヘノレメットの改良に関する検証 赤野史典ぺ細谷昌右ぺ高井啓安本*山口至孝ぺ千葉博* 概 要 救急隊の用いる「現行型」ヘルメットと、軽量で通気性・フィット性に優れた「改良型」ヘルメットに ついて、救急隊員の身体に及ぼす生理的負担と使用感を測定・評価した。「現行型」と比較して「改良型 J は、救急活動中の隊員の筋の負担が小さく、またヘノレメット内の温湿度の上昇が抑制された。長時間着用 時の快適性の経時的変化についても、「改良型 j の方がより快適な水準で推移することが確認された。 1 はじめに 現在、救急現場で救急隊員の頭部を保護する目的で使 用しているヘルメットには、消防隊が火災現場や救助現 場で使用しているものと同じ仕様の型(保安帽。以下、 2年から救急資器材として 「現行型j という)と、平成 1 車両に配置され、妨害行為防止用兼感染防止用として活 用されている型の 2種類がある。どちらのヘルメットも、 保護帽(労働安全衛生法第 4 2条)の規格を満たした強固 な構造を持ち、頭部を保護する上で十分な強度を有して いる。一方で、強固な構造であるが故に重量が比較的重 く、耐電性や貫通防止性を確保するために通気孔がなく、 長時間や件数の多い救急活動において、使用感・快適性 に優れているとは言い難い。 近年、他の用途として用いられる、保護帽の規格によ らないヘルメットについては、軽量化や通気性の向上が 図られている。中でも、登山用やサイクリング用などの 用途のものは、発泡スチロールの内装体に、外殻として 薄いポリカーボネートで覆う構造を持ち、強度を保持し つつ、軽量であり、通気性に優れている。 当庁の山岳救助隊には、既に登山用のヘルメットが導 入されている。これは保護帽の規格でなく、欧州規格 (EuropeanStandard,EN12492~ 登山用)により安全性 を担保されたものである。保護帽の規格と欧州規格につ いては、試験方法の詳細は異なるが、耐衝撃性能につい ては概ね同程度である、と言える。 本検証では、軽量で通気性に優れたヘルメット(以下、 ) を、欧州規格(登山用 /EN12492) 「改良型 j という 0 の基準を満たした市販品の中から選定し、これを現行型 と比較することで、救急隊員の身体に及ぼす生理的負担 と使用感を測定評価し、今後の救急隊員用ヘルメットの 後方 改良に寄与させることを目的とした。 図 1 本検証で採用した改良型の外観 *活動安全課 **清瀬消防署 30 規格(用途) 素材(外殻) F R P 労働安全衛生法(保護帽) ポリカーボネート 欧州規格(山岳用 /EN12492) 2 検柾 心マの質を一定に保つために、被験者にはメトロノー へノレメット着用による、①救急活動中における頚部、 ム(クオーツメトロノーム SQ-77/セイコ一社製)によ 肩部、腰部の筋活動量の変化、②へノレメット内の温湿度 りテンポ ( 1 0 0回/分)を、訓練人形に接続されたパソ の変化、③長時間着用による快適性の変化について、そ コン画面(レールダール P Cスキルレポーティングシステ れぞれ「現行型 j と「改良型』で比較した。なお、本検 ム Ver2.2.1/レールダールメデイカルジャパン社製)に 証に採用した改良型ヘルメット(メテオ 3/ ペツノレ社製) より心マの圧迫の深さ ( 3 8 5 0 m m ) を、それぞれ教示し の外観については、図 1に示す。また、それぞれのヘル ながら実施した。 メットの特徴については、表 1に示すとおりである。 ( 2 ) ヘルメット内温湿度の測定方法(図 3) 1 )、( 2 )については救急標準課程以上の 被験者は、検証( 熱環境室内にて、ヘルメットを着用した被験者に 3 5 研修修了者の男性 1 0名、検証( 3 )については消防職員 6名 分間※座位を保持させ、ヘルメット内に設置した小型温 とした。 湿度計(ハイグロクロン/問ラボラトリーズ社製)を用 ( 1 ) 筋活動量の測定方法(図 2) いて温度・湿度の変化を 1分間毎に測定した。計測した 訓練用人形(レコーディングレサシアン/レールダー 測定値は、測定終了後にパーソナルコンビュータに取り ルメデイカルジャパン社製)を用いて、ヘルメットを着 込み、解析ソフト(RhM anagerv e r 1 .09/KN ラボラトリ 用した被験者に 2分間の胸骨圧迫心マッサージ(以下、 ーズ社製)にて解析した。 「心マ」という)を実施させた。この時の被験者の頚部 c a l e )検査法にて、ヘル 併せて、 VAS(Visual AnalogS (僧帽筋上部繊維/第 7頚椎腕突起から 3 0凹上部、 2 0凹 メットの着装感に関する被験者の主観的評価を調査した。 外側)、肩部(僧帽筋中部繊維/肩峰と第 7頚椎腕突起を VAS検査には、質問用紙として A4用紙に、質問項目毎に 0 阻 結ぶ線の中点)、腰部(広背筋/第 4腰椎練突起の 4 水平の 1 0 c mの直線を引いたものを用意した。被験者には、 上部、 30mm外側)の筋活動量(筋の負担)を、双局誘導 質問項目毎に 1 0 c mの直線の左端を、その質問内容の最良 筋電図法(テレマイオ G2/Noraxon社製)にて導出し、 の状態、右端を最悪の状態とイメージさせ、調査時点で アナログ信号をサンプリング周期 1 0 0 0 H zでA/D変換しパ 自覚している感覚の位置を 10cmの直線上に rXJ印でチ ーソナルコンピュータに取り込み、解析ソフト(マイオ ェックさせた。各質問毎の、直線の左端から rXJ印まで の距離を計測し、 VAS値とした。 2} リサーチ XP/Noraxon社製)を用いて積分筋電図 ( I E M G ) の値として求めた。誘導電極にはペースト付きの使い捨 なお、熱環境室内の温湿度の設定条件は、@通年条件 てのもの(ブルーセンサー/酒井医療社製)を用い、被 験者の皮膚に十分な前処理を実施した後に貼付した。 1) 図2 0 ( 1 7' t 、 60%) と⑤夏季条件 ( 3 0C、70%) とした。 (※平成 2 0年中の出場 秒より)3) 病院到着までの平均 3 5分 3 4 筋活動量の測定の様子 図 3 ヘルメット内温湿度の測定の様子 3 1 ( 3 ) 長時間着用による快適性の測定方法 (n:;10) 半 額対筋電図 (2分間拘骨 圧迫 I~\マ〉 且波 120 被験者に対して、へノレメットを安静状態にて 3時関連 着 用 無 続で着用させた。この時の、ヘノレメットの快適性に関す A S検査法にて測定した。測定 る被験者の主観的評価を V 白現行型 100 し 80 のタイミングは、着用開始時を含む 1時間毎とし、測定 河 60 │ す る 終了までの計 4回調査した。被験者の安静状態を長時間 保つため、被験者には身体的負荷の少ない、事務室内で { 祖 40 比 苅 20 l の通常事務を行わせた。(図的 率 % O 頚 副 作 pく 0 . ' 0 5 ) 宥部 車部 図 5 筋活動量の測定結果 ( 2 ) ヘルメット内温湿度の測定結果 r現行型jのいずれも、 ヘルメット内温度は、「改良型 L 被験者がヘルメットの着用を開始した直後から上昇を始 5分経過した以降は、③通年条件、 めた。着用開始から約 1 ⑤夏季条件のいずれについても、「現行型j の方がより高 い温度にて推移した。(図 6、 7) 3 5分経過後の温度は、@通年条件、⑤夏季条件のいず 0 れについても、「現行型 J ( ③2 61 'C、⑤3 3 . 7C) の方が ‘ 「改良型 l( ③2 4 .g o C、⑤3 3 .1t) より高く、両者には有 図 4 長時間着用による快適性の測定の犠子 ( 4 ) 意差が認められた。 統計方法 27 i 分析には積分筋電図 ( I E M G ) 値、温度、湿度、 VAS値 へ;~ へJbメット内温度変化(@通報1防 t = = 局 町 一一-~と三一寸: ル 25 トー一一 ー一一一一一コ~二一一一一 _ . J メ 24 1. 一 一一 一 一一 ~. ," '- - . , . :t手----- " '_?ω 卜 一 一づ ヂ ー--一一一一一一一一一 内 22 卜一一←--; 巧〆_.".,",一一一ー一一一 一一 一 j 思 21 ト--一一 iヤム一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一一 一一一一一一一一一 一 度 20 トーっ今仁 一一一二翌盟 を用いた。 I E M G値については、被験者毎にそれぞれの条 争 胴 1 2 3 件(f現行型」を着用、「改良型Jを着用)について 3回ず つ測定し、その平均値を被験者の値として用いた。また、 被験者聞の I E M G値を正規化するために、それぞれの被験 EMG値を測定し、こ 者について着用無し条件についても I . C19 の値を 100%としたときの、各条件における値の相対比 // 一現行型 トーカI.~~~~~------~~~~ I i ; ! ! i i ソフト社製)を用いて t検定を行い、統計学的有意水準 18 ト4一一一一一一一一一一一---(I"!三1旦2~ 17 . J 一 一 一 一 一一一一 ー し ! o 5 10 15 20 2 5 3 0 35 1 8 喜謂経過 C 分) c " ' -mく0.D1) は 5%以下とした。 図6 ,,../ 率を算出し、比較した。 統計処理は、表計算ソフト(エクセノレ 2007/マイクロ 3 結果 ( 1 ) 筋活動量の測定結果(図 5 ) 心マを実施中の被験者の筋活動量は、着用無し条件を 100%としたとき、頚部において、「改良型」が 102%、「現 行型jが 108%となり、「改良型Jの方が筋の負担が少な く、統計学的に有意差が認められた。その他の部位につ いては、有意差は認められなかった。 32 ー 』 ヘルメット肉温度(⑧通年条件)の測定結果 ヘルメット内湿度は、「改良型 J、「現行型Jのいずれも、 VTS (③通年条件〉ー ← ! 10 被験者がヘルメットの着用を開始した直後から上昇を始 めるが、その後、③通年条件では 50%台への低下傾向を 示し、⑤夏季条件では 70%台の水準を推移した。(図 8、 1 9) 5 3 5分経過後の湿度は、③通年条件については、「現行 型J( 5 4 .7%) の方が「改良型 J (50.2%) より高く、両 4 3 2 者には有意差が認められたが、⑤夏季条件については、 両者 (73.0%、72.0%)に顕著な差は認められなかった。 O フィット感 装着感 i 80: 0 2 = : 1 . 0 . _ 9 S 7 6 活動性 機動性 快適感 清涼感 頭霊感 o<Q.Q5~ い t 車 車 O く U;υ1) ヘルメット丙沼産主化(@通年条件) j へ75 図1 0 ③通年条件における着装感 (n=10i ( V A S ) の結果 i Jし 一 ; メ70 -- 09876543210 i ッ i ト65 ! 内 7 1 毘60 - 摂551 % ! ~50 502 45 5 O 10 15 20 25 陪閉経過(分) 図8 30 35 t 、 * " 0 <0 .05 ) ヘルメット肉湿度(③通年条件)の測定結果 VAS ハ)民 u ハ)民 へんメッ卜悶湿度玄化(⑤望季条件) (n 三1 0) ど 竺空 会 三 吉 三 1 i J) 活動世 機動性 侠適感 j 胃涼感 図1 1 ⑮夏季条件における着装感 頭霊感 〈 牢 D <0 .05) ( V A S ) の結果 ( 3 ) 長時間着用による快適性の測定結果(図 1 2 . . . . . . . 1 6 ) ヘルメットを 3時関連続着用させた際の、 V A S検査法 による、へノレメットの快適性に関する被験者の主観的評 KJ) 価は、いずれの項目についても、時間経過とともに上昇 ハU ヘ ル メ ッ ト 内 温 度(%) 8 7 7 6 6 5﹀ ハ5 フィット感 装音感 (最悪な状態へ近づく)した。「改良型 j と「現行型Jを 比較すると、「改良型 Jの評価が、いずれの項目について 45 O 5 10 15 20 25 30 も低値(最良の状態に近い)であった。統計学的な有意 35 時間経過〔分) 差は、「暑さについて J で認められた。 図 9 ヘルメット内湿度(⑮夏季条件)の測定結果 J可EE 者の主観的評価は、③通年条件、⑤夏季条件のいずれに ついても、全ての質問項目で「改良型Jの方が「現行型J より低値(最良の状態に近い)であった。統計学的な有 意差は、「快適感、清涼感J 、「頭重感 Jの質問項目で認め られた。(図 1 0、 1 1 ) 越さ l こついて (VAS) 09876543-210 V A S検査法による、へノレメットの着装感に関する被験 い~ 開胎開 1時間後 2時尚後 6 ) 3時間後 図1 2 暑さについて(VA S )の経時的変化 33 竺! h p<0 i ー 一 ( f i :~ 叫 … 町 一ー 一寸 一 j 一 6) 9 - 8 7 6 5 4 一一 2 一 一 一一 し一一 民間 ! O 図 ! -J 一 一一一一一 fI 0 . , . --- 白 N紛 .(n= 6) J 1塑竺一 一空白問後 一一 竺 時 1 3 ムレ感について ( V A S )の経時的変化 窮昆ざ!こついて CVAS) ( 1 1 二、 4 6) 考察 ( l ) 筋活動量について 110 I9 ヘルメットの重量が救急隊員の筋活動量へ及ぼす影響 8 が大きい動作として、本検証では心マを選択し被験者に 7 6 実施させたところ、頚部の筋活動量(=筋の負担)につ 5 いて、「改良型 j の方が少ない、という結果を得た。これ 4 3 は、「改良型 j と「現行型 j のヘルメットの重量の差を反 映した結果であると考えられる。筋活動量の差が 6%だ 2 O 意識上の這切について 09876543210 -b.レ感l こついて (VAS) 10 った点については、頭部の重量(約 5 " '6k g ) に対する 一 一一 一 一一 一一 一 開始時 図 1 時間後 ヘルメットの重量の差 ( 3 1 5g/約 5 " '6%)と、ほぽ一 2時間後 3時間後 致していた。 1 4 窮屈さについて ( V A S )の経時的変化 実際の救急活動については、ヘルメットの着用は本検 証で設定 (2分間の心マを実施)した時間よりも長時間、 高頻度であり、また活動内容も様々であることから、ヘ ノレメットの軽量化は疲労軽減や筋骨格系に生ずる各種障 害の予防に寄与するものと期待できる。 ( 2 ) ヘルメット内温湿度について 救急隊員が一般的にヘルメットを着用する時間として、 出場 病院到着の平均 3 5分間、被験者にヘルメットを着 用させた際のヘルメット内温湿度を測定した結果、「現行 型 j と比較して「改良型 j の方がヘルメット内温湿度の 上昇が抑制される、という結果を得た。これは、ヘルメ ットの 1 7 か所に設置された通気孔による換気効果を反 映した結果であると考えられる。本結果は、測定条件の 均ーを図るために、被験者を安静状態として測定した。 実際の救急活動については安静状態ではないことから、 本検証で得た結果よりも、頭部からの発熱・放熱・発汗 がより高まり、通気孔による換気効果は更に期待できる。 併せて実施した、へルメットの着装感に関する被験者 の主観的評価を測定した結果、「改良型 J の方が、「快適 感、清涼感 Jr 頭重感j に対する評価が有意に高い、とい う結果を得た。これは先述の、客観的な測定手法を用い て得た、「筋活動量 j や「ヘルメット内温湿度 j に関する 結果と一致した。つまり、「改良型jヘルメットの軽量さ と快適さの効果は、救急隊員の主観的感覚として、十分 に認識できる水準にある、と言える。 34 ( 3 ) 長時間着用による快適性について 救急活動においては、病院選定等に長時間を要する事 案もあることから、長時間ヘルメットを着用した際の、 快適性に関する被験者の主観的評価を調査した。その結 果、いずれの項目についても時間経過とともに不快さの 程度は増すものの、「改良型」の方がより低い水準で推移 することが明らかとなった。 以上のことから、「改良型 Jヘルメットの着用により、 救急隊員への身体的・精神的な負担を抑制し、より質の 高い救急活動の実践に繋がることが期待できる。 一方で、被験者によっては「現行型」の方が快適であ ると評価する項目(意見)も確認された。直接身体と触 れる部分の素材や形状、サイズの調整方法については、 導入の際に慎重に検討する必要があると思われる。 5 おわりに ( 1 ) ヘルメットの軽量化により、頚部への負担を軽減す ることができる。 ( 2 ) 通気孔により、ヘルメット内の温湿度の上昇を抑制 することができる。 ( 3 ) 上記( 1 ) ( 2 )の効果は救急隊員に認識でき、長時間の着 用においても「改良型 J の方が身体的・精神的な負担が 少ない。 [参考文献] 1 ) 藤海祐基、藤村昌彦、河村光俊、奈良 勲:ノート型パソコ ンの画面表示角度が生体に及ぼす影響、理学療法科学、 1 6 ( 4 )、 2 0 9 2 1 3、 2 0 0 1年 2 ) 日本疲労学会:抗疲労臨床評価ガイドライン、 2 0 0 8年 2月 3 ) 東京消防庁救急部:救急活動の現況平成 2 0年、 2 0 0 9年 9 月 4 ) 加 藤 浩 、 ほ か 6名・随意収縮強度別(幅MVC) による表面 筋電図周波数特性、理学療法学、 2 5( 7 ) 、 4 2 5 4 3 1、 1 9 9 8年 35 S t u d yo nt h ei m p r o v e dh e l m e t sf o rE M Sc r e w F u m in o riAKANOぺMasasukeHOSOYAぺHiroyasuT A K A I** , Y oshit a k aYAMAGUCHド ペ H i r o s h i CHIBA* Abstract Thephysicalburdeno nt h eEMSc r e w ' sbodyandt h eusabilityweremeasureda n devaluatedf o rt h e “currentt y p e " h e l m e tandt h e “improvedt y p e " h e l m e tt h a ti slighter,morebreathableanddesigned withbetterf i t . Comparedwitht h e “currentt y p e " .t h e “improvedt y p e " showedl o w e rs t r e s so nt h e c r e w ' smusclesduringemergencymedicalservices,andreducedt h erisei ntemperaturea n dhumidity i n s i d et h eh e 1 m e t . Chronologicalchangesi nc o m f o r td u r i n gl o n gweara1soconfirmedt h a tt h e “i m p r o v e d type" r e r 日a ineda t amore comfortable l e v e l . 申 O p e r a t i o n a lS a f e t yS e c t i o n * * K i y o s eF i r eS t a t i o n 36
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