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事務所便り
栃木県央経営労務管理事務所
№5
平成 24 年
1 月号
Page1、新年のご挨拶
Page2、トピックス 1
男女雇用均等法の施行状況
Page3、トピックス 2
セクシャルハラスメント
Page3、Page4
シリーズ
就業規則 第 5 回
固定残業代について
Page4、事例に学ぶ
備品を返却しないで退職した社員への対応
栃木県央経営労務管理事務所
栃木県宇都宮市松原 2-3-21
代表・社会保険労務士
TEL
028-627-2036
E-mail
ホームページ
FAX
渡辺良男
028-666-0436
[email protected]
http://totigikenou-pasa.p-kit.com/
新年のご挨拶
代表
渡辺良男
新年 明けましておめでとうございます。本年も昨年同様のご厚情を賜りますよう、心からお願い申し
上げます。
新しい年が始まりました。東日本大震災の被災者の方をはじめ多くの方が苦難の渦中におられますこと
は承知しておりますが、新年を迎えるにあたり、敢えて「おめでとうございます」という言葉を使わせて
いただきました。心中を察しても余りある悲しみの中にある被災者の方に対しまして、「よく新年が迎えら
れましたね、頑張りましたね」という気持ちを込めて、「新しい年が癒しと喜びの年になりますように」と
いう願いを込めて、そして「おめでとうが本当に言える日が来ますように」という祈りを込めて、新しい年
を「おめでとう」から一緒に歩んでいきたいと思ったからです。
とはいえ、政治や経済、そして国民生活の状況や将来の展望を見ますと、心寒くなる話題の多い昨今です。
私もそうですが、不安をお持ちの方が多いことと思います。それでも、最近、「昨日は過ぎ去った今日で
あり、明日は近づく今日である。人の一生は今日の連続である」という事を「倫理法人会」という会のセミ
ナーであらためて教えて頂きました。
昨日にこだわり明日を憂えるのではなく、今日を大切にしよう、その事が、より良い未来を築く礎になる
という教えですが、同じことが会社の運営にも当てはまりますね。そして、そのためのお手伝いを今年も
精一杯させて頂きます。経営者の方が後顧の憂いなく、経営という戦場の中でその手腕を存分に発揮でき
ますように、銃後の備えをお任せいただきたいと思います。そして、昨年よりも充実したサービスを提供で
きますよう一層努力精進致します事をお誓いして、新年のご挨拶とさせていただきます。
トピックス 1
平成 22 年
男女雇用機会均等法の施行状況
都道府県労働局の統計
「
雇用の分野において男女の均等な機会及び待遇の確保や出産中及び出産後の健康の確保を図ることを推進
するために、2006 年に男女雇用機会均等法が改正されてから 5 年目となった平成 22 年の状況が発表になっ
ています。
1、 都道府県労働局雇用均等室への相談(平成 22 年)
◆相談件数:23,496 件
◆労働者からの相談:12,563 件(53.5%) 事業主からの相談:6,125 件(26.1%)
その他からの相談:4,808 件(20.5%)
◆相談内容は、セクシャルハラスメントに関してが最多(50.0%)次いで、婚姻・妊娠・出産等
を理由とした不利益取り扱いが 15.3%、母性健康管理が 14.8%となっています。
(相談内容の内訳)
第 5 条関係(募集、採用)
1,244 件
5.3%
561 件
2.4%
3,587 件
15.3%
11,749 件
50.0%
第 12 条、13 条関係(母性健康管理)
3,477 件
14.8%
その他
2,878 件
12.2%
合 計
23,496 件
100%
第 6 条関係(配置、昇進、降格、教育訓練等)
第 9 条関係(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益な取り扱い)
第 11 条関係(セクシャルハラスメント)
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トピックス 2
セクシャルハラスメント(男女雇用機会均等法対策)
セクシャルハラスメントは、対象となった労働者を傷つけ、能力の発揮を妨げるだけでなく、職場の
秩序や環境が害され、会社の社会的評価にも影響を与える重大な問題で、男女雇用機会均等法によって
以下の 9 項目が義務付けられています。
1)
セクシャルハラスメントの内容やあってはならないという方針を労働者に周知・啓発する事
・就業規則に規定する
2)
・ポスターやチラシを配布したり掲示する
行為者に対して厳正に対処する方針や処分内容を文書に規定し周知・啓発する事
・就業規則に懲戒内容を規定し、チラシやポスターを用いて周知する
3)
相談窓口をあらかじめ定めて周知する事
・担当者に研修を実施するなどし、体制を整備し周知する
4)
相談担当者が、内容や状況に応じて適切に対応できるようにする事
・相談対応マニュアルを作成して対応する
5)
・人事部門とも連携し適切な対応を行うようにする
被害者、行為者双方または第三者から、事実関係を迅速かつ正確に確認する事
6)事実確認後には、行為者および被害者に対する措置を適正に行う事
7)再発防止に向けた措置を講じる事
8)相談者・被害者等のプライバシーの保護のため必要な措置を講じ、周知する事
9)相談者、事実確認協力者等への不利益取り扱いを行わないことを定めて、周知する事
この法律では、これらの義務を怠った場合の直接の罰則は定められていません。しかし、法律で義務と
して定められているという事は、被害者から民法上の債務不履行や不法行為に対しての損害賠償を求められ
る場合があるという事です。会社には労働者に対して就労にふさわしい環境を与える義務(債務)があり
ます。また、改善を図らなかった場合には不作為に対する不法行為責任や加害者に対する使用者責任を問わ
れる可能性があります。
シリーズ
就
業
規
則
第5回
固定残業代について(1)
時間外労働を管理把握しないで、役職手当や営業手当、業務手当などの手当が残業代に含まれているとして
定額手当の制度を採り入れている事業所が見受けられます。この場合、最低でも就業規則に時間外手当には
定額の手当制度を採り入れていることを明記する必要があります。そうしないと、手当を払っていても時間外
労働の賃金を要求された場合に会社側が不利になります。
更に、これらの手当に何時間分の時間外労働が含まれているのかを明記する必要があります。そして、この
含まれている時間数より多く時間外労働をした場合には、その分の割増賃金を払う必要があります。そうしな
いと、後でサービス残業として時間外賃金の支払いを求められた場合に会社にはほとんど勝ち目がありません。
それでは、手当には 30 時間分の時間外労働が含まれているとした場合で、その月の時間外労働が 20 時間だ
った場合には?・・・・
決められた手当を支給して、決められた時間外労働の時間に満たない時間の分は
翌月の手当の内払いとすることも可能です。
定額の手当制度は、一見便利な制度でもありますが、定額の手当制度を採り入れているから、時間外労働を
管理・把握していないという状況は避けなければなりません。どのような制度を採り入れていても、労働時間
の管理と把握は会社にとって必要なこと、という意識で取り組む必要があります。
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固定残業代について(2)
課長以上の役職者には時間外勤務手当を支給せず、役職手当を支給する。という就業規則を見かけます。
課長以上は管理監督者という判断なのでしょう。確かに管理監督者には深夜労働は別として、休日労働や
時間外労働に対して割増賃金の支払い義務はありません。この件についてはマクドナルドの店長のサービス
残業問題は有名ですが、注意しないと後で多額の残業代を請求されるという事になりかねません。店舗の
店長職が管理監督者にあたるかどうかの判断要素を厚生労働省が通達として出していますので、その概要を
お知らせします。課長、部長、工場長などが管理監督者とされるかどうかもこれに準じて判断されているよ
うですので参考にしてください。
管理監督者:労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者で、名称にとらわれず
実態に則して判断すべきものである。
(厚生労働省の通達の概要)
1、採用、解雇、人事考課、社員の労働時間の管理
社員の採用、解雇、人事考課、労働時間の管理に
関する責任と権限が実質的にない場合には、管理監督者性を否定する要素になる
2、労働時間
労働時間が一般の社員と同じように管理され監督される場合は、管理監督者性を否定
する要素になる
3、部下との勤務態様の相違
会社から指示を受けたマニュアルに従った業務に従事し、労働時間の
規制を受ける部下と同様の勤務を主にしている場合は、管理監督者性を否定する補強要素になる
4、給与体系、報酬額の相違
一般の社員と同等ではなく、責任と権限に見合った給与体系、金額で
なければ管理監督者性を否定することになる
事例に学ぶ
会社に備品を返却しないで退職した社員への対応
先日、ある事業主から相談を受けました。社員が事務所のカギを返却しないまま退職し、催促したけど紛失
しましたと言うばかりだというのです。また、制服や社員証、名刺、健康保険証を返却しないまま退職して
その後連絡も取れない社員がいるという話を聞くことも珍しくありません。鍵を交換した場合とか制服を補充
した場合などは新たに損害が発生することにもなりますので、このようなことが起きないように、起きても
対応ができるように準備しておきましょう。
上記の場合の対処法
ここでも就業規則が役に立ちます。対処できるように就業規則に定めておくことです
1、退職の日までに返却や清算をしないと回収が困難になる場合があります。「借入金、借入品、健康保険証
などは退職日までに返納しなければならない」ことを就業規則に明記します。
2、前項に反することは懲戒の対象であり、退職金等を減額する場合があることを就業規則に明記します。
3、それでも返納がなく損害が発生した(発生する)場合には、返納期限と損害賠償額を通知して返納を促し
ます。
4、損害賠償額を最終給与から差し引くことも考えられますが、「給与の全額払いの原則」に違反することに
なります。給与は銀行振り込みが多いかと思いますが、就業規則で「退職時の最終給与は直接手渡しで
支給する場合がある」と規定しておくことも有効です。
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