産学協同実践的 IT 教育訓練概要(教育訓練):琉球大学 <現在実施されている、学生に対する教育訓練の概要> 講座名 講座の目的・特徴 修得できるスキル 「組込みソフトウェア講座」 本講座は、大学院における組込みソフトウェア開発エンジニアの育成を狙いとする。 ETSS ベースのモデルカリキュラム(二年間)を策定すると共に、産学連携によって、教 育訓練プログラムを構築・実施する。具体的には、それぞれ専門分野の異なる専攻の 大学院生が受講対象となるため、「基礎講座」「基礎演習講座」「プロジェクト演習講 座」の 3 つの講座を段階的に受講させ、プロジェクトメンバーとしての共通基盤的な専 門知識の形成をしつつ、プロジェクト演習の教育訓練へと発展させる。 通信機器の組込みソフトウェア開発スキル 自立的な問題解決スキルとヒューマンスキル 到達目標 組込み系企業が即戦力として求める、組込みソフトウェアの分析・設計・開発・テス トの一連の工程の実践業務を遂行ができるレベル。 ITスキル標準/ ET スキル標準 との対応 ETSS における職種ソフトウェアエンジニアのエントリレベルに対応。 受講対象者 情報工学専攻、電子・電気工学専攻、機械システム工学専攻の 1 年生を対象に希 望者を募集。各専攻の単位取得を前提、審査の上、各専攻から 3 名程度選出。定員 9 名。 条件:各学科の各学士課程における、プログラミング関係科目、デジタル系科目、制 御系科目等を履修済みまたは同等の知識を有すること。 講座の位置付け 本教育訓練プログラムは、理工学研究科の情報工学専攻、電気電子工学専攻、 機械システム工学専攻から履修することができる選択科目として位置付ける。 実施形態 平成 18 年度後期の短期集中講座。 開講日程 (基礎講座)平成 18 年 10 月 25 日(水)∼11 月 10 日(金)<4 日> (基礎演習講座)平成 18 年 11 月 7 日(火)∼11 月 24 日(金)<8 日> (実践演習講座)平成 18 年 11 月 27 日(月)∼12 月 26 日(火)<8 日> 竹内俊治 ㈱コンピュータ工学研究所 携帯電話の制御ソフトウェアおよびアプリケーションソフトウェアの開発従事。また、 基本ソフトウェアを利用するユーザーに対する技術指導や研修を担当している。 鈴木健一 ㈲エムジーウェーブ取締役社長 DSP ボード、あるいは専用IC開発メーカーのエンジニアとして活躍し、高い実務能 力を身に着けている。 安里博一 ㈱マグナデザインネット ハードウェアエンジニア 地上デジタル放送のワンセグを受信する携帯電話用チップや自動車等いわゆる移 動体における地上波デジタル放送の受信機を設計した実績をもっている。 講師所属・氏名・ 業務実績等 見並一明 ㈱トヨタ IT 開発センター HMI 系の技術開発に従事し、'05 年よりグループリーダーとして、情報系を中心にソ フトウェアプラットフォームの技術開発に従事している。 神山一弘 ㈱マグナデザインネット プログラムマネージャ ハードウェア関連の設計、LSI 設計に関わる設計コンサルティング、LSI 組み込み型 のコンフィギュラブルプロセッサのフィールドサポートエンジニア。現会社にて、ワイ ヤレス LAN 関連の HW と SW の開発に取組んでおり、現在に至る。 和田知久 琉球大学 工学部情報工学科 教授 OFDM 通信システム設計、システム・オンチップ(SOC)設計、デジタル回路、アナロ グ回路、コンピュータアーキテクチャ。 現在は、通信・放送関連の信号処理系の VLSI アーキテクチャとシステム設計に関する研究 宮里智樹 琉球大学 工学部情報工学科 助手 制御理論、ロバスト制御のためのシステム同定。現在は、ネットワーク制御、 無線通信における電波伝搬モデリングに関する研究 単位数 5 単位 1 <教育訓練内容・スケジュール> 回 日 内容 講師 1 ・ 2 ・ 3 10/25 (水) 10/26 (木) 11/1 (水) 「組込みソフトウェア基礎講座」 第 1・2 コマ 15:00∼18:10、第 3・4 コマ 9:00∼12:10、第 5・6 コマ 15:00∼18:10 ETSS 概説<第 1 コマ> 開発プロセスとモデリング手法概説①・②・③<第 2 コマ・第 3 コマ・第 4 コマ> モデリング演習①・②<第 5 コマ・第 6 コマ> コンピュータ 教育工学 研究所 竹内俊治氏 4 11/10 (金) 「組込みソフトウェア基礎講座」 第 7 コマ 9:00∼10:30、第 8 コマ 10:40∼12:10 車載エンベデッドシステム<第 7 コマ> エンベデッドシステム S/W<第 8 コマ> トヨタ IT 開発 センター 見並一明氏 Magna 神山一弘氏 5 ・ 6 11/7 (火) 11/8 (水) 「組込みソフトウェア基礎演習講座」 第 1・2 コマ、第 3・4 コマ 16:40∼19:30 VHDL、FPGA 基礎<第 1 コマ・2 コマ> 基本的回路の VHDL シミュレーション<第 3 コマ・4 コマ> 琉球大学 吉田たけお 助手 7 11/13 (月) 「組込みソフトウェア基礎演習講座」 第 5・6 コマ 16:40∼19:30 外部音声取り込みと出力 DRIVER 回路設計<第 5 コマ・6 コマ> 琉球大学 吉田たけお 助手 MG Wave 鈴木健一氏 8 11/14 (火) 「組込みソフトウェア基礎演習講座」 第 7・8 コマ 16:40∼19:30 FPGA ボードへの DRIVER 回路設計<第 7 コマ・8 コマ> MG Wave 鈴木健一氏 9 ・ 10 ・ 11 11/15 (水) 11/21 (火) 11/22 (水) 「組込みソフトウェア基礎演習講座」 第 9・10 コマ、第 11・12 コマ、第 13・14 コマ 16:40∼19:30 高度信号処理回路としての FFT とは<第 9 コマ・10 コマ> FFT 回路設計演習Ⅰ<第 11 コマ・12 コマ> FFT 回路設計演習Ⅱ<第 13 コマ・14 コマ> 琉球大学 和田知久 教授 12 11/24 (金) 「組込みソフトウェア基礎演習講座」 第 15・16 コマ 16:40∼19:30 FPGA 音声処理システムへの FFT の組込み<第 15 コマ・16 コマ> 琉球大学 和田知久 教授 MG Wave 鈴木健一氏 13 ・ 14 ・ 15 11/27 (月) 11/28 (火) 11/29 (水) 「組込みソフトウェア実践演習」 第 1・2 コマ、第 3・4 コマ、第 5・6 コマ 16:40∼19:30 EDK をもちいた PcwerPC 開発の基礎<第 1 コマ・2 コマ> HW/SW 混在回路の設計(組込みソフトウェア導入編)<第 3 コマ・4 コマ> HW/SW 混在回路の設計(組込みソフトウェア実践編)<第 5 コマ・6 コマ> 琉球大学 宮里智樹 助手 Magna 安里博一氏 16 12/1 (金) 「組込みソフトウェア実践演習」 第 7・8 コマ 16:40∼19:30 最終プロジェクト案作成・調整<第 7 コマ・8 コマ> 17 ・ 18 ・ 19 12/5 (火) 12/12 (火) 12/19 (火) 「組込みソフトウェア実践演習」 第 9・10 コマ、第 11・12 コマ、第 13・14 コマ 16:40∼19:30 最終プロジェクト演習 1<第 9 コマ・10 コマ> 最終プロジェクト演習 2<第 11 コマ・12 コマ> 最終発表会準備・リハーサル<第 13 コマ・14 コマ> 20 12/26 (火) 「組込みソフトウェア実践演習」 第 15 コマ 14:00∼17:00 発表会<第 15 コマ> 琉球大学・ 教員 和田知久 宮里智樹 吉田たけお 琉球大学・ 教員 和田知久 宮里智樹 吉田たけお MG Wave 鈴木健一氏 Magna 安里博一氏 全員 2 <教材・課題・評価方法> 使用教材 組込みソウトウェアエンジニアリング、デジタル回路の基礎シミュレーション 1∼3、 LM4550 ドライバ RTL、ETSS 実習教材、FFT 設計(1)∼(3)、codecdriver と FFT/IFFT を組み合わせる、EDK の使い方(初級編)/(中級編)、PowerPC システム 設計について/ PowerPC システム設計(実践編)、Virtex-4 ML403Embedded Platform 開発ボード ※副教材 『組込みスキル標準 ETSS 概説書』、『組込みソフトウェアの開発のための 構造化モデリング』、『組込みソフトウェア開発のための ETSS 標準ガイドブック』、 『VHDL で学ぶディジタル回路設計』 課題 オリジナルな要求条件を設定し、H/W と S/W を自由に組み合わせた実装を最終報 告会で発表する。 評価方法 知識試験およびスキルチェック、成果発表内容などによる総合評価。 サポート体制 講座を担当する企業派遣実務者のほか、琉球大学工学部情報工学科担当教員 3 名を担当として、各種問い合せなどに対応できる体制を敷く。 その他留意点 スキルの自己評価に関する不慣れさに対する考慮が必要である。 <今後の教育訓練導入・展開計画> 次年度以降の 教育訓練展開予定 2007 年度の集中講義(情報技術演習Ⅱ、Ⅲ)として本教育訓練を実施予定。 理工学研究科における組込み系専攻の設置を検討する。 次年度以降の 産学連携推進計画 2007 年度以降、マグナデザインネット、エムジーウェーブとの産学連携により、社 会人を対象とした公開授業の実施を検討する。 2005 年度より、経団連のバックアップのもとに検討している専門職大学院制度を 活用した「高度IT大学院」への組込み系科目の追加を検討すると共に、アジア諸国 の人材育成も積極的に検討を進める。 本教育訓練事業および過去 2 年間の教育訓練事業の継続のために、若手大学 教員の実務能力強化を目的としたFDの実施を検討する。 教育訓練導入・ 展開責任者 琉球大学工学部情報工学科 教授 和田 知久 琉球大学工学部情報工学科 助手 宮里 智樹 <本教育訓練に対する企業の期待> 企業にとっての 本教育訓練の意義 及び取り組み 企業から受講生へ の期待 企業内人材育成等 責任者 産学連携によって教育訓練プログラムを構築・実施することは、大学院にお ける本格的な組込みソフトウェア開発エンジニアの育成体系を具現化し、継 続的かつ発展的に組込み分野における IT 業界の人的ニーズへの対応が期待 できる。企業サイドとしては、この試みの実効性の高いものとするためにも、 開発実務の最前線にいるエンジニアを積極的に参画させ、現場の技術ノウハ ウがしっかりと組み入れられるように、事業推進プロセス全般に亘って支援 していく考えである。 就職する前に、組込み系ソフトウェアエンジニアリングの基礎事項を把握するとと もに、質の高いモチベーションを持ってもらいたい。 本教育訓練で体験するPBLを通して、学部・大学院で学ぶ幅広い知識と深い考 察力の、有効な活用方法を習得してもらいたい。 株式会社マグナデザインネット 代表取締役社長 松尾龍一 有限会社エムジーウェーブ 取締役社長 鈴木健一 株式会社コンピュータ教育工学研究所 代表取締役社長 江島夏実 3
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