イラクサギンウワバの生態と防除対策

ひょうどの農林水産技術 No 158(20087)
2 イ ラクサギンウワバの生態 と防除対策
はじめに
定 の特性 として、死虫 率 が 高 くな る傾 向があるた
ここ数年 イラクサギ ンウワバの発生が全国的に
め、 ほ場 での効果試験 も継続 して実施 す る必 要が
も多 くな り、各種野菜に大 きな被害をもたらして
いる。そ こで、ウワバ壊 の発生消長や感受性検定
ある。
を元に、効果的な防除対策 について検討 した。
今後 の方針
今後 は他 の ヤ ガ類 ( ハスモ ンヨ トウ、 オオ タバ
内 容
コガ等) の 薬剤感受性 に も考慮 した、秋 期 の レタ
ウワバ類 はチ ョウロ (Lepidoptera)(日 本 に
5,600種
、うち 1割 が害虫)、 ヤガ科 (Noctuidae)
(日本 に1,3∞
種以上)に 属する害虫の一群である。
ス栽培 における効果的 な防除 方法 を確 立 して い く
必要がある。
三 井 清 友 ( 淡路農技 セ ・農業部)
ヤガ科 には多 くの害虫類が含まれてお り、 日本で
( 問い合 わせ 先 電 話 : 0 7 9 9 - 4 2 - 4 8 8 0 )
は約1釣種が害虫 として報告 されている (農
林有害動物 ・昆虫名鑑 、2006)。ウワバ 類
個体数/半 旬
はヤガ科 の 中 のキ ンモ ンウワバ ガ亜 科 に
350
属 し、 多 くの種 では腹脚 の前方 の 2対 を
300
欠 い てお り、 シ ャク トリム シ様 の歩 き方
をす るので他 の ヤ ガ類 と区別 しやす い。
主 なヤ ガ類 の フェ ロモ ン トラ ップによ
る発生消長 は図 1の とお りで あ る。 イラ
250
200
150
100
50
0
クサギ ンウワバ は夏 か ら秋 にか け て多 い
傾 向 にあ り、誘引数 はハ スモ ンヨ トウ以
― ハス モンヨ トウ
ー オ オ タバ コガ
ー イラクサギンウワバ
ー タマ ナギ ン ウワバ
5 月
効果 は 図2の とお りで あ る。 検 定 はキ ャ
口 1 日後
口 3 日後
日 4 日後
□ 7 日後
エスマル ク水和剤
ゼ ンター リ頴粒水和剖
ノーモル ト乳着1
ファルョン フロアフル
パ タンS G 水 溶剤
翌GN
コテツフロアブル
トルネー ドフロアブル
アファーム乳剖
れて い る薬剤 の多 くは十分 な防除効 果 が
認 め られ た。 一 方 、 同系 統 のIGR剤 や
フェニ ックス頴粒水和剤
BT剤 で も薬剤 の種 類 に よって は死 虫率
無処理
プレオフロアブル
の低 い もの もあ り、薬剤 の選択 には十 分
な注意が必要 と考 え られる。 また室 内検
' 1 月
スビノエース頴粒水和剤
り 1区 5個 体 を供試、3反 復 で行 い、死
そ の 結果、淡路地域 の レタスで使用 さ
1 0 月
ル
]ン
I―
7ァ
スフ
ロ
77 ル
ベ ツ葉 の葉片浸漬法 に よ り、1薬 剤 当 た
虫率 を求めた。
9 月
トレボン EW
エコマス ター水和剤
タ
ー
よ り採 集 した イラクサギ ンウワバ の薬剤
3 月
) J ヽメ ト ラ ンネー ト4 5
DF
アグロス リン乳剤
才
︱
2007年11月に高 あわ じ市の レタスほ場
才
t
体以上 の ウワバ類 の寄生が認め られた。
▲ コ 布︼ 卜a E〇一
7日 後 の レタス調査 では 1株 当た り 6個
7 月
図 1 フ ェロモン トラップによるヤガ類 の発生消長 ( 淡踏農技 2 0 0 3 )
上の場合 もあ る。 また2007年の レタス等
における被 害 は 9月 上 ∼下旬 に多 く、淡
路農業技術 セ ン ター 内 の 9月 中旬 の 定植
6 月
0
20 40 60 80 100(%)
図 2 イ ラ クサ ギ ン ウワバ に対 する各種葉剤 の死 虫率
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