技術評価委員会 第1回「地熱掘削情報・資源採取(2件合同) 」 (事後評価)分科会 議事録 1.日 時:平成14年9月21日(金)10:00∼16:50 2.場 所:かんぽヘルスプラザ東京 「はくちょう」 3.出席者(敬称略、順不同) 分科会長 笠原 順三 東京大学地震研究所附属地震地殻変動観測センター 教授 会長代理 山冨 二郎 東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻 教授 委員 斉藤 実篤 海洋科学技術センター深海研究部 副主管 橋田 俊之 東北大学大学院工学研究科破壊制御システム研究施設 教授 福井 勝則 東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻 助教授 藤貫 秀宣 日鉄鉱コンサルタント株式会社霧島地熱工事事務所 副所長 推進者 橋本 一郎 NEDO 地熱開発室 室長 菊地 恒夫 NEDO 地熱開発室 主任研究員 堀越 孝昌 NEDO 地熱開発室 副主任研究員 久保 智司 NEDO 地熱開発室 主査 山口 勉 産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門 総括研究員 唐澤 廣和 産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門 主任研究員 當舎 利行 産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門 主任研究員 実施者 柘植 方雄 地熱技術開発株式会社 代表取締役社長 中田 晴弥 地熱技術開発株式会社 取締役 技術部長 大里 和己 地熱技術開発株式会社技術部 営業グループリーダー 岡部 高志 地熱技術開発株式会社技術部 技術グループリーダー 中嶋 智 地熱技術開発株式会社技術部 マネージャー 夘城 佐登志 地熱技術開発株式会社技術部 技術グループ サブリーダー 上入佐 光 株式会社三井造船昭島研究所 事業統括部 統括部長補佐 細野 一穂 株式会社三井造船昭島研究所 事業統括部 事業推進部 部長補佐 岩見 高 石油鑿井機製作株式会社技術部 チーフ 桑原 蒸二 株式会社テルナイト 東京技術センター 技術研究所 主席研究員 大滝 正志 株式会社テルナイト泥水技術センター 主任研究員 小西 和夫 株式会社宇部三菱セメント研究所 宇部センター セメントグループ 主任研究員 小菅 儀紀 シュルンベルジェ株式会社 長岡支店 ダウエル オペレーション マネージャー 手塚 和彦 石油資源開発株式会社技術研究所 開発研究室 貯留層計測グループ長 安田 善雄 石油資源開発株式会社開発本部 開発三部 地熱調査グループ長 上田 晃 三菱マテリアル株式会社資源環境研究部 主任研究員 加藤 耕一 三菱マテリアル株式会社資源環境研究部 傍聴者 1名 事務局 清水 智 METI 技術評価調査課 課長補佐 川村 政和 産業技術総合研究所 評価部 シニアリサーチャー 松本 毅 産業技術総合研究所 評価部 リサーチャー 井田 久雄 NEDO 技術評価部 部長 徳岡 麻比古 NEDO 技術評価部 課長 矢澤 信雄 NEDO 技術評価部 主査 他5名 1 4.議 題 議題1.開会、資料確認 事務局から分科会の設置の説明後、分科会長挨拶、配付資料の確認が行われた。 議題2.分科会の公開について 事務局から資料2−1、資料2−2に基づき説明が為された。 議題3.評価のあり方と評価の手順について 事務局から資料3−1∼資料3−6に基づき説明が為された。 議題4.評価の分担及び評価の論点について 事務局から資料4−1∼資料4−3に基づき説明が為された。 議題5.評価書の構成について 事務局から資料5に基づき説明が為された。 議題6.周辺動向調査 東レ経営研究所 岩谷特別研究員から資料7に基づいて、事務局が調査依頼したプロジェクトの周辺動向調査 について説明が為され、その後、以下の質疑応答が行われた。 笠原分科会長 :どうもありがとうございました。非常に要領よくまとめていただきまして、どうもありがとう ございました。 社会的な情勢から、経済的な問題、それから、他の電力開発のコストの問題、それから、高温 の掘削に関する技術的な問題まで非常に広範にわたっておりますが、いろいろ石油の状況を見ま しても、ここ十何年の間に圧倒的に開発の効率が上がって、非常に単価が安くなったとか、ある いは、ブラジル沖で当時、100本の水深約2,000mぐらいからの採取などという、ものす ごく技術革新が進んでおりますので、地熱のほうも、あるいはブレークスルーによって非常に進 む、あるいは低価格化ということが進むかと思いますし、それから、この問題は前からかなり問 題で、アメリカの人たちに聞いても、ここのところは非常に難しいと言っております。アメリカ は世界的に見ても難しいいろいろな問題があるかと思うのですが、ほかのこういうような項目を さらに詳しく調べていただいたほうがいいというようなご提案がございますでしょうか。 山冨先生、いかがですか。 山冨委員 :ちょっと今は気がつかなのですけれども、具体的に掘削コストというのが一つの指標になると 思うのですけれども。 岩谷(事務局) :私が見た資料では、発電のいわゆるkW当たりの開発単価では、日本は火力発電でkW10万 円とか20万円とか、地熱発電の場合、kW当たりでは85万円と出ているわけです。これは、 今は少し安くなっているかもしれないにしても、やはりかなり高いなと。ですから、どうしても 燃料は要らないという部分を差し引いても、掘削ですとか、その前の調査といった部分にコスト がかかるというのは避けられないでしょうね。 笠原分科会長 :ほかの方、いかがでしょうか。 唐澤(推進者) :私、実施者側でちょっと発言させていただきたいのですけれども、今のコメントで、石油火力 が10円/kWhhというのは大よそ合っているのですけれども、地熱は大体13円とか、16 円ぐらいで、85万円というのは・・・。 岩谷(事務局) :これは、kW当たりの建設単価です。kWh当たりの電力単価ではなくて、いわゆる火力発電 で言いますと、kW当たり10万円とか、20万円とか、そんなレベルだと思います。地熱発電 ですと、kW当たり85万円ですから、1万kWのものをつくろうとすれば85億円、そういう 計算になります。 唐澤(推進者) :ですけれども、今の話は誤解を与えると思うんです。1万kWのものを建てるのに、幾ら火力 と地熱発電が違おうと、それはコストとしては1kWh当たり幾らという話で全部、建設単価と 2 か、掘削コストとか全部入ってきますから、誤解を与えると私は思います。 矢澤(事務局) :発電コストkWh当たりの計算の中には、建設コストと燃料操業コスト等、そういったものが 含まれてきますので、今の東レさんの議論は、建設コストのみの議論ですので、トータルに見た 場合は、火力発電は燃料コストが入ってきますので、地熱の場合は燃料がかからないということ で、それは確かにもう少し包括的な視点から比較することが妥当だと考えます。 笠原分科会長 :いかがでしょうか。石油の単価を下げたのは、3D、4Dの調査によって非常に確率が高くな ったということが一番コストを下げた原因ですよね。それから、もちろん深いところからも採る 採取技術というのは非常に進んだことですが、地熱のほうの話は、今、MWDで表現されました けれども、掘削時の情報収集ということに限られたのですが、そのほかの、例えば石油でいう確 率を高くしたというようなことについては、コストを下げるところはどうなのでしょうか。 岩谷(事務局) :石油掘削の方がなぜ昔に比べると掘削コストが下がったのか。その要因分析といったようなと ころまで実は余り踏み込んで調べていないので、今日のところはそこはお答えできなくて済みま せん。 久保(推進者) :自分の出向元は石油開発関連会社です。一例を挙げるとすると現在の石油井の発見確率の向上 は、やはり多量の井戸をたくさん掘るというところによっています。ただ、井戸のコストはそれ ぞれ下がっているという話ですけれども、当然、掘削自体のクオリティを下げることはできませ ん。これは、もし井戸が暴噴等を起こすと、企業生命の終了もあり得るという甚大な影響を及ぼ すからです。 ただ、今までの掘削ですと、その井戸を仕上げた段階で生産井に転用できるとか、非常に過大 なスペックを持ってやっていた場合が多かったのです。現在最もコストエフェクトな方法の一つ の方法を紹介します。例えば大きなメジャーな会社ですと、一つのフィールドを決めますと、そ のフィールドを集中的に開発します。その前段階でのいろいろな情報収集が重要なのは当然です が、その一つのフィールドを決めて、たくさんの井戸を集中して掘るということによってどうい った効果が得られるのかというと、一つの井戸を掘るとこによってそこのフィールドの掘削上の 特性がよくわかってきます。つまり数本連続して掘ることで、その学習効果によってより短期間 で掘ることができるようになります。なおかつ、井戸の仕様をどんどんいい方向に集中できる。 そういった効果を全て見込んだ上で、ある程度の期間で集中的に開発することによって、そこが 成功すれば非常に大きなコスト削減ができるという方向で開発が行われていることが多いのです。 笠原分科会長 :どうもありがとうございました。 議題7.プロジェクトの概要 NEDO地熱技術開発室 菊池主任研究員及び久保主査から資料7−2( 「わが国の地熱開発の展開と現状」及び 「地熱井掘削時坑底情報検知システムの開発」まで)に基づき説明が為され、以下の質疑応答が行われた。 福井委員 :評価する上で確認しておきたいことがあるのですけれども、MWDの開発をすることによって、 コスト削減があるというような感じで書かれているのですけれども、そのあたりが直接的にうま くいったり、トラブル発生が少なかったり、さまざまな要因の中で、ばらつきも少なくて、トラ ブルが少ないですからコスト的に安くなる可能性が上がると。そういういろいろな要因が関わっ てきていると思うのですけれども、そのあたりが明確に書いていなくて、いきなりパッととって いますので、立ち上げのところを評価する上で少しお話しいただくか、後でデータを出していた だけるか、お願いしたいと思います。 久保(推進者) :確かに、コストの部分の削減に関してましては唐突な感じで失礼いたしました。ただ、絶対的 な評価というのはなかなか難しいところでございまして、一つ言えますのは、井戸を効率的に掘 るというのが非常な命題になっております。井戸を効率よく掘るというのは、その中に失敗がな いとか、トラブルがなく掘る、そういったものも含まれます。また、傾斜掘りをより正確に行う、 探査目的に向けて正確に掘削することも含まれます。さらに、傾斜掘りをやる場合には、高温な 環境でやるのですが、これまでであれば不可能だった傾斜掘りが可能になっております。これま でであると、もしやるのであれば、ほかの技術になるのですが、トップドライブを使い坑内を冷 却しながらビットを降下する方法、つまり非常に長い時間をかけて傾斜掘りをする必要がありま 3 した。それが、耐高温仕様であるNEDOが開発したMWDを使うことによりまして、より素早 い作業ができるようになります。そういったところをメインに、コスト削減ができる技術になる と思います。その点に関しましては、また後で資料等を準備したいと思います。 笠原分科会長 :どうもありがとうございました。 橋田委員 :世界最高水準の性能の装置ができたということですけれども、特に温度につきまして、どのよ うに200℃をクリアしたのか。どのようなフィールド検証をされたのでしょうか。 久保(推進者) :200℃の耐熱仕様の検証でございますが、その点に関しましては、委託先の方から聞いても らうのが一番いいかと思うのですが、基本的には、そういったフィールドではまだ使用していま せん。大きくは恒温槽での確認、要するに、ラボ実験で確認しております。あと、耐振動性に関 しましても同様な感じでラボ実験で確認しております。そういったベースを踏まえて、現場へ持 っていって、810mあたりの温度はたしか120℃ぐらいだったというふうに記憶しています が、そこの現場で実際の掘削で使用をして、最終確認を行っているということでございます。 橋田委員 :ちょっと詳細に入って申しわけないですけれども、200℃を達成された技術的なポイントを 市販のものと比較されて、そのポイントを教えていただけませんでしょうか。 久保(推進者) :午後のほうで説明をする予定でしたが。 笠原分科会長 :多分、全商品にスクリーニングというふうにおっしゃったのですが、それだけでなくて、ヒン シンク等であるから。ヒンシンクは扱っていないのですか。では、午後のほうで説明いただくと いうことで。 斉藤委員 :耐久温度が200℃ということですが、実際、将来的なターゲットとしては、深部地熱資源は 恐らく300℃を超える領域に入ると思うのですけれども、実際に坑内の温度は冷水の循環によ ってある程度冷やされると思いますが、200℃に耐えるセンサによって、実際にはどのぐらい の環境まで応用できるというふうにお考えでしょうか。 久保(推進者) :例えば地層温度が300℃のところでありましても、これは実際に確認された事実であります が、掘削中は120∼130℃のところで推移しておりまして、その後、泥水の循環を止めたと 同時に、温度は徐々に上昇していきます。例えば8時間後等につきましては、地層条件にもより ますけれども、200℃に達したりというふうになるのですが、その時間内でビットの交換がで きれば、次の作業にスムーズに移れるということがあります。 この機器は、とりあえず作動限界温度は200℃になっておりますけれども、サバイバル温度 というのがありまして、数時間の間230℃の環境でも大丈夫というふうになっております。で すから、あくまでも推測でしかありませんが、控えめに考えましても2000mくらいの深度ま ででしたら、地層温度300℃くらいの環境では、十分に実用に供すると考えられます。 笠原分科会長 :藤貫さん、いかがでしょうか。 藤貫委員 :解析システムのほうですけれども、これは検知装置と一緒についているというか、そのまま導 入という形でしょうけれども、解析システムだけ分離させて稼働するということは可能でしょう か。 久保(推進者) :解析システムのほうは、これは独立で使用することができます。ですから、このMWDシステ ムに限定されない利用、ほかの会社のMWD等と組み合わせた使用方法も可能であります。 笠原分科会長 :他にいかがでしょうか。 菊地(推進者) : (経済性について)先ほどのお答えですが、事業原簿の23ページの下のほうに多少記述があり ますので、ご覧になっていただければと思います。 それから、200℃という問題について、設定をされたり、名前がはっきりしなかったのですが、 現実的には、電子部品からいって、多分250℃とか、200℃というのが限界だろうと思いま す。それが一つあると思います。それから、既存のは170℃で設定してあるかと思うのですけ れども、何かほかには、200℃であれば地熱井が十分掘れるというような基準というものがあ るのでしょうか。 久保(推進者) :そのことに関しましては、このプロジェクトを立ち上げた当時のお話にもなると思いますので、 これが正確かどうかというのはちょっと問題があるかと思いますが、確かに200℃の設定に関 しましては、電子部品のほうの耐熱温度からきているものが非常に大きいと思います。それ以外、 4 地熱井の掘削という観点から申しますと、やはり高ければ高いほど安心して作業できるというこ とがありますので、掘削のほうからの決定といいますか、要請によって限定されているものでは ないと思います。 笠原分科会長 :時間が限られておりますので、それでは、ご質問等もいろいろあろうかと思いますけれども、 次に移らせていただきたいと思います。 引き続き、NEDO地熱技術開発室 堀越副主任研究員から資料7−2( 「深部地熱資源採取技術の開発の概 要」 )に基づき説明が為され、以下の質疑応答が行われた。 笠原分科会長 斉藤委員 :どうもありがとうございました。ご質問、ご意見等ございましたらお願いします。 :PTCモニタリングにつきまして、実際、どのような化学成分を分析することを目的にしてい るのかということと、あとは、実際、化学センサを地下に入れるのか、それとも水を吸い上げて、 それを後で分析するのか、どちらかという質問です。 堀越(推進者) :細かいところは、誤った回答をするといけないので、それにつきましては実施者のほうから回 答をお願いいたします。 岡部(実施者) :地熱技術開発の岡部といいます。化学成分につきましては、通常、地熱のほうで実施されてい る Na,CL とか、SIO2とか、そういった化学成分について分析を行います。採水のほうは現 位置で行います。現位置で採水を行う関係で、例えば、ODPでチムニーの近くに掘削される抗 井において、採水ばかりではなく、微生物なども現位置で採れるのではないかと考えております。 以上です。 斉藤委員 :化学センサを坑内に入れるのではなくて。 岡部(実施者) :化学センサーは坑内に入れず、メカニカルに採水をします。 笠原分科会長 :他にございますでしょうか。 橋田委員 :一言お話し中にいただいたことで、深部地熱開発は予定どおり進行していないというポイント についてちょっとお聞きしたいのですが、このお話になられた要素技術は深部地熱開発が進行し た場合において、いずれも必要不可欠な技術であるということは認識した上で、どういう障壁が 深部地熱開発を遅らせているというふうにお考えでしょうか。 堀越(推進者) :技術的には従来型の浅部地熱開発のほうが、地域の発掘を除けば、まだやりやすいのですけれ ども、浅部地熱資源ですから、今のような化石燃料(IPP)とコスト面で競争しなければいけ ない状況になっているということで、なかなか経済性がなく、開発が進んでいない。深部につい ては、確かに一番最初に述べましたように、かなり高温、しかもメリットもあるのですけれども、 技術的にはまだわからないところがあり過ぎるという状況であり、現況で特に初期投資のかかる 深部地熱についてあえてチャレンジする者がいなかったと理解しております。ただ、例えば既設 の発電所でも補充井等が必要になり、次第にその対象を浅部から深部に向かっているのは事実で あります。葛根田では当時3,000mに達したのはまだ1本だけだと思いますけれども、次第 にこれらの技術が使われているという状況です。 橋田委員 :あと、お話の範囲から外れるようで恐縮ですが、この基礎技術と大体350℃の上限をめどに というふうに理解させていただいたとして、具体的な貯留層のイメージはどのようにお持ちでし ょうか。 堀越(推進者) :深部地熱資源調査で、3,729mのところまで掘削しました。そこは葛根田の非常に熱いと ころで、どうも500℃を超えているような状況でした。3,100mを超えたあたり、温度的 には350℃を超えたあたり以深は、温度は熱伝導的な状況でありまして、対流系が形成されて いません。だから、350℃を超えるようなところだと、いずれも岩石の中の割れ目を介して流 体を採取するという感じになるのでしょうけれども、こういうような環境下だと、恐らく割れ目 がほとんどなくなってきてしまっているのではないかとイメージしています。ただ、実際に深部 地熱資源採取できるような環境でも、やはり臨界温度より低いあたりが実際には採取可能と見て いるのですが、貯留層のイメージとしては、割れ目は細かくなるというふうに考えております。 笠原分科会長 :他にいかがでしょうか。 福井委員 :余り関係ないような話ですけれども、研究題材の評価をしなければいけなくて、事業原簿を見 5 てみますと、 「再委託」とか「委託先」という言葉がございまして、その辺の意味がよくわから なくて、お教えいただきたいと思います。MWDのほうは、いきなり「再委託先」になっている のですけれども、今お話のものは、一旦多くの会社が受けておいてから、そこから、ある一部の 技術だと思うのですけれども、 「再委託」となっているのですが、その辺をちょっとお願いしま す。 堀越(推進者) :このプロジェクトが始まったときに、どう決められたかという詳しい状況はよくわかりません が、例えばセメントならセメントと・・・。 福井委員 :今回のような「再委託先」という言葉と、NEDOから聞いているのは、 「再委託先」となって いるのがMWDで事業原簿のものですね。もう一つのほうは、NEDOから下りているのが「委 託先」になって、そこから下りているのが「再委託先」と書いていまして、研究開発で評価しろ と言われると、いつもこの表しかないので、書きようがなかなかないので、そのあたりをもう少 し明確にしていただけないでしょうか。 堀越(推進者) :資料のどこでしょうか。 福井委員 :資料7−1−1の1ページ目と、資料7−1−2の1ページ目です。 堀越(推進者) :これは記載間違いだと思います。 福井委員 :定義としては、 「再委託」というのは、委託があって、そこから超過の分を違うところに投げる ときが「再委託」という感じですか。 堀越(推進者) :専門分野の技術を有しているところに一部再委託して、やっていただいております。 福井委員 :それはどこが決めるのですか。事業としては、委託先が受けておいて、されていく中で必要だ と思った時点で、基本的には委託先が再委託先を選定してNEDOに報告するなりすると。 堀越(推進者) :一般論で言うと、最初、公募します。そのときに、提案内容の中で何点か出てくるのですけれ ども、その提案書の中で、ある一部の技術については、その委託先が専門分野の会社の協力を得 る。それで、再委託というような形で、最初の段階で見えるような形で契約することが多いです。 福井委員 :最初の公募の段階からですか。 堀越(推進者) :ええ。 福井委員 :わかりました。どうもありがとうございました。 笠原分科会長 :他にいかがですか。 ダウンホールモーターが途中で計画が変更されたという大きな理由は、何かトラブルが発生し たので、ダウンホールモーターはやめたというような記述をされているのですか。どういうこと だったのですか。 堀越(推進者) :詳しい状況はわかりませんが、自分が理解しているところでは、海外でこのプロジェクトで計 画していた程度の高温化が石油分野で開発したと聞いております。 あともう一つ、深部地熱資源調査は葛根田で行われたのですけれども、葛根田のいいところは、 従来型の技術を利用して掘れるところまで掘っていくという、結局、お金はかかったのですけれ ども、4,000mの目標に対して3,700mまで掘りました。その過程で、ジオクーラーを 使い在来型の技術を使って掘削しました。このプロジェクト(深部地熱資源調査)が始まったと き、トップドライブとか、ジオクーラーなどは使えるかどうかまだはっきりしていなかったので すけれども、そういうのが使えると、ダウンホールモーターについては、当初考えていた程高温 出はなくとも掘削が可能になった。また、海外でその程度の耐熱性を有する製品が出てきた。そ れを組み合わせることによって対処できるということが平成9年の分科会で了承されて、開発が 中止されたようです。 笠原分科会長 :それともう一つは、セメントスラリが途中が高温・高強度のものと途中から変わりましたね。 それは、それ前の350℃、比重1.35のものと、耐熱350℃、1.5とは、使っていただ くようなものも違うし、それが途中から変わったというのはどういう理由からですか。 堀越(推進者) :まず、年表のところが切れてしまっていますけれども、平成10年度までで当初の目的は達成 したということです。目的とした仕様がセットされたという段階で、今後どうするかというよう なことが検討されました。それで、そのとき、いろいろアンケート等で現場のニーズを聞いたと ころ、耐熱350℃はなくてもいいけれども、やはり現場としては、250℃とか、300℃と 6 いう環境で掘削している現場がありますものですから、そういった現場からのニーズに耐熱30 0℃でもいいから、もう少し強度の強いセメントがあれば、現場では役立つというようなニーズ を踏まえて、高強度強度セメントを開発したという流れであります。 笠原分科会長 :あと一つ二つありましたら。 藤貫委員 :耐熱温度が大体350℃と温度設定されていますけれども、ほかの一部仕上がった後で使用さ れる検層関係、PTとか、新モニタリングの関係は、PTは400℃となっていますけれども、そ のトレーサ試験の中で300℃というのは、実際には300℃完成ということを書いていますけれ ども、実際は300℃以上でも、少し温度が上がっても使用可能というふうに理解してよろしいの でしょうね。 堀越(推進者) :補足説明にありましたように、そう考えますが。 藤貫委員 :トレーサーのほうで、300℃をちょっとこえてますね。 安田(実施者) :最初は、耐熱性のためのデータを取得するということでずっとやってきましたが、途中から崩 壊や吸着についてもデータを取得し、シミュレータに崩壊・吸着の式を組み入れました。従いま して、トレーサが崩壊しても、シミュレータのほうでそれを補えば 300℃までの耐熱性に問題の あるトレーサ剤でも使えるのではないかというふうに考えております。 笠原分科会長 :どうもありがとうございました。よろしいですか。それでは、もしほかにご質問、ご意見等が ございませんようでしたら、かなり時間もオーバーしていますが、これで午前の部は終了させて いただきたいと思います。 評価分科会は原則公開でございますけれども、午前中に決めさせていただきましたように、午 後の議題以降は非公開にさせていただきたいと思います。一般傍聴の方はご退席お願いいたしま す。 矢澤 (事務局) :事務局のほうから2点ほどアナウンスをさせていただきます。 資料7−1−1をご覧ください。資料7−1−1の1ページ目、真ん中あたりに「研究開発体 制」というのがありまして、ここのところで「再委託先」というふうになって地熱技術開発等とあ りますが、ここは「再」は誤りですので、 「再」を削除いただきたいと思います。 もう1点は、 「周辺動向調査」に関係しまして、先ほど議論がありましたコストのお話ですが、 23ページの下から24ページの上にかけて、ここのところにコストに関わる記述がございますの で、参考としていただければと存じます。以上でございます。 それでは、笠原分科会長、議事進行のほど、よろしくお願いいたします。 議題8.プロジェクトの詳細について 地熱技術開発(株)等から資料8に基づき説明が為され、非公開にて質疑応答が行われた。 議題9. 議題9. 全体に対する質疑 笠原分科会長 :時間がかなり超過しておりますので、申しわけありませんが、生産技術に関しては一応打切りま して、議題9の「全体に対する質疑」のほうにいきたいと思います。また、個々の質問をこの中で していただいても結構かと思いますけれども、それでは、プロジェクト全体につきましてご意見を 伺いたいのですが、その前に、このプロジェクト全体の立ち上げに、当時、NEDOにおられて担 当されました當舎さんのほうからお話しいただけますか。 當舎(推進者) :産総研の當舎です。地熱開発資源主任研究員でして、実は私、立ち上げ当時、NEDOではなく て、サンシャイン計画推進本部におりましたので、今、皆さんのご議論を聞いていると、個々の技 術はいろいろ良いのだけれども、結局、何のためにやったかということが希薄になって、皆様に誤 解を与えるのではないかと恐れております。分科会長のお許しをいただきましてプロジェクト発足 当時のご説明させたていただきます。 最初に、当時、私がサンシャイン計画推進本部にいた1990年初頭の話をして、それから個々 のプロジェクトの話について、多分、橋田先生のご質問にお答えするような格好になるかと思いま すけれども、ご説明させていただきます。 まず、発電量予測量ですが、現在、東レのプレゼンテーションで期待率が1ということで、53 7 ∼56万kW にしか上がらないという状況でしたが、1990年当時は状況がかなり変わっており ました。 幾つか数字があるのですけれども、2000年に150万 kW というような数字が出さ れておりました。これは単純に数字だけを比較するのは適切ではなく、最近出た数字は、ここ数年 の伸び率を勘案して53∼56万kW という客観的な数字として、伸び率が56にしかならないと いうことで1という数字なのですが、当時、1990年ないしはそれ以前については、皆さん、ご 存じのように、サンシャイン計画推進本部というところが政策立案を行い、NEDOがそれを実施 するということで、サンシャイン計画推進本部、これは昔の通産省ですけれども、通産省の機関と 特殊法人のNEDOが二人三脚でやっているというような状況がございました。 それで、1990年当時は、資源量は、期待量として、2000年に150万kW、その後、2 020年、350万kW と幾つか数字が出ています。しかし、それはひとえに技術的な背景プラス 政策的な背景が加味されていたというふうに聞いております。当時、26万kW が地熱発電でした が、2000年に150万kW ということは、非常に膨大な資源を開発しないといけないというこ とで、当時のサンシャイン計画推進本部の各分科会等で深部開発、当時から浅部が立地の問題等で 行き詰まりつつあるという認識がありましたので、やはり深部開発は喫緊の課題であるというふう に位置づけられておりました。したがって、深部をとにかく早急に開発して、2000年の目標値 である150万kW に少しでも近づけようというのが当時のサンシャイン推進本部の方針であった と記憶しております。 したがいまして、実はこの深部採取というのが単独で立ち上がっているわけではなくて、これと ペアになっている深部調査と一緒に平成4年に立ち上がりました。深部の開発を目指して二つのプ ロジェクトが立ち上がったので、切り離して一つ一つの評価となると、どうしてもその目的等々が 不確かになってしまいます。深部調査というペアのプロジェクトについてお話しして、その後で、 深部採取の中での生産技術とか掘削技術の関わりについて簡単に話します。 まず、そもそも深部というものがわかりませんでしたから、では、深部は何かというので深部調 査が立ち上がりました。深部調査は、どのようなものが深部の流体として生産に寄与して、どのよ うにしたら資源を評価できるかというようなポリシーでプロジェクトが進められておりました。し たがいまして、本来は深部調査があって、深部資源の性格がわかった後で深部採取が立ち上がれば よかったのですけれども、先ほど冒頭に申しましたように、2000年に150万kW の達成とい う喫緊の課題があるということで、同時並行的に実施させようとされました。ただし、深部調査と 深部採取については、同じNEDOの中での密接な関係を持って、お互いに情報のやりとりをやっ て、深部調査でわかった情報をすぐ深部採取に反映させなさい。深部採取で何かコンストレイン、 つまり高温のビットに対してはこのぐらいの径じゃないとだめだということがあれば、また深部調 査のほうに反映させて、その資源量の算定に役立てなさいと、そういうポリシーがあったと思われ ます。 したがって、全体的には、深部を開発するということで調査と採取が同時並行的に走っていまし た。深部採取の中では、多分、年表を見ておわかりのように、まず掘ることから技術の方法が始ま っています。つまり、掘らなければ生産技術というのは役立たないわけですから、まず掘ることか ら始めたということで、当時、スタートはまず掘削技術のほうが先行して走っていた。したがって、 先に走っていた掘削技術で、例えば当時、どのような目標を立てるかというと、本当は深部調査を 待たないといけないのですけれども、仮に350℃、48MPa、つまり大体4,000mぐらい の深度で350℃という作業仮説量をもって深部採取は進められました。その深部採取の中で、当 時、ビットは8・1/2インチ径が大体主流でしたから、8・1/2インチ径のビットがつくれる かどうか。まずビットのほうの製作をやって、次は、掘削泥水ができるかどうか。その泥水ができ れば、次は採取にいく。当然、ビット径が決まると、採取の生産技術とかモニタリング技術のツー ルの径が決まってきますから、そこで連携をとる。そこをNEDOが実施機関として、その上にサ ンシャイン計画推進本部がスーパーバイザーとして全体を見ていた、そういう構造になっているわ けです。 ですから、今までの議論を見ますと、各社バラバラにやっているというふうな印象を与えかねな いのですけれども、必ずしもそうではなくて、お互いに連携をとっていました。ただ、最初の設定 8 が、幸か不幸かそのままいったので、特段フィードバックがかかったように見えないけれども、ポ リシーとしてはフィードバックをかけるような方向で進んでいたということでございます。 笠原分科会長 :ご説明、どうもありがとうございました。 それでは、それを踏まえまして、全体に関してご意見、ご議論をお願いいたします。いかかでし ょうか。 菊地(推進者) :NEDOの菊地でございます。當舎さん以外にも担当された方にお話を聞いたところ、NEDO としては、深部採取、深部掘削のほうといろいろ分かれているのですが、これは、そもそもの位置 づけとしては、一つ一つが要素技術の開発であって、これを開発して成果が出れば、その一つ一つ で独立して製品になったり、成果を上げられるというような位置づけであったということで、余り お互いに連絡をとらない。ただし、その上で、十分に委員会から助言もいただいてNEDOで十分 にコントロールする、そういうような考え方で走ってきた。そういう経緯でこれを実施してきたと いうことを聞きました。答えになっているかどうかわかりませんが。 笠原分科会長 :そうすると、担当されたそれぞれの方というか、担当された会社というのは、要素技術として理 解されていたということですか。 菊地(推進者) :そういうことですね。 笠原分科会長 :他にいかがでしょうか。委員の方々、ご意見等ございませんか。 プレ最終評価の中でも少し議論になっていたのですが、成果、特許、この辺がかなり少ないとい う印象を受けるのですけれども、先ほどの産総研の報告では非常にたくさんの成果が上がっている のですが、それ以外のところでは必ずしも特許等が、あるいは発表等がそれほど起きない。それか ら、実際の学術誌に書いてあるのも大変少ないというような印象を受けるのですが、こういう点に ついて、全体についてはどなたかが答えられるのかわかりませんが、いかがでしょうか。 あるいは、プロジェクトの成果というのは、場合によっては、新しい技術なので出せないという、 特許も取らないほうがいいという場合もありますし、あるいは余り公表しないほうがいいというよ うなこともあるし、あるいは先ほどビットのところで、それぞれの個々の要素が既存技術の積み重 ねなので、ダイアグラムについてよそから持ってきたとか、そういう点について、総合化のところ は新しい技術だけれども、なかなか特許を取りにくいというような事情等もあったかと思いますけ れども、これはいかがでしょうか。 堀越(推進者) :正確な答えにはならないかと思いますけれども、NEDOのプロジェクトで開発した技術に対す る知的所有権は、はっきり覚えていませんが、平成7∼8年ぐらいまでは100%NEDOに帰属 するというような位置づけだったんです。その後、そういう形にしていたら、委託先で一生懸命開 発しても、NEDOプロジェクトを委託してやっていると開発したものはNEDOの所有権だとい うような形にしていては、プロジェクトが終わった後に委託先が、今度は自分たちが開発したんだ けれども、使うとなったとき、NEDOの技術を何かしらの形で借りて使うという形で、ロイヤリ ティをNEDOへ支払うような制度になっていたのです。 そのような制度だったために、特許申請などが少なかったのかなという感じがあります。平成7 ∼8年を境にして、委託先とNEDOの持ち分が50%・50%になりました。さらに11年度か ら、バイドールといったルールに基づいて、100%委託先の知的財産でよいというように時の流 れの中でそのような変遷がありました。 ただ、NEDOの事務局側というか、担当レベルで言いますと、よく理解できればいいのですけ れども、そうでない場合は、実際に実施された方が希望されれば「それはどんどん特許を申請した 方がいいですよ」と奨励しますが、そうでない場合は、 「何か特許が取れるようなものがあったら 特許をとってね」というような姿勢ではありました。実施された側の方からその辺の実態というか、 状況をお聞きできればと思います。 笠原分科会長 :それぞれの担当の会社等で何かコメントございますか。 大里(実施者) :地熱技術開発の大里でございます。発表とは違いまして、PTモニタリングで先ほどの光ファイ バーに絡みまして、ここにもありますが、1件特許を出しておりました。ただ、私どもの技術その ものが、基本的な技術は工業用の光ファイバーとか、いろいろな技術の組み合わせ技術ということ で、組み合わせ技術として特許庁にも特許を出していたのですけれども、なかなか特許を認めてい 9 ただけなかったという経緯がございまして、その辺が、地熱の場合、こういう組み合わせ技術等々 というのが多くて、なかなか特許を認めてもらえない。先ほどの検層も多分そうだと思うのですけ れども、そういうことがあるのではないかというふうに、今やっている段階で申し上げました。ご 参考になればと思いますが。 笠原分科会長 :地熱の光ファイバーのほうは、私も大体理解できますので。そのこともあるのでが、他にコメン ト等いかがでしょうか。 福井委員 :コメントではないですけれども、評価する側として、プレ最終のときにちょっとやらせていただ いたのですが、そのとき、資環研は入っていなかったのですけれども、今回は入られていて、どう いう位置づけでどう入っているかがこれを見てもよくわからなくて、さっきお金が出ていると言わ れたのですが、これを見ますと通産から出ているような感じで、どういうふうな経緯でここ に・・・。それで、どういう評価をすればいいか、位置づけがよくわからないので明確にしていた だけないでしょうか。 堀越(推進者) :体制は先ほどご説明しましたけれども、一番の頭は経済産業省のニューサンシャイン計画推進本 部の事業で、NEDOがその政策を実施するという形で実施して参りました。NEDOと国立研究 所とは、ニューサンシャイン計画推進本部(NSS)の下でカップルド研究ということで、データ とか結果に対しても解析・評価を行うということで、産総研側とカップルド研究という形で進めて きたという内容でした。今回の評価を一緒に受けることについては、評価本部に説明していただき たい。 矢澤(事務局) :私の理解では、 (旧)通産省、現在の経済産業省から、NEDOと産総研と両方にお金が出て、そ れで共同で研究を行っているという体制だと理解しております。 井田(事務局) :これは、恐らく予算の話も、ニューサンシャインのお金がそちらにいって、指定研究の部分が先 ほどの予算の額だと思うのですけれども、 (旧)通産省のNSSというところは、本来は両方、工 技院の研究所でやっていることと、NEDOに委託していることと両方を組み合わせて、ポリシー を持ってやっていたはずなんです。それが明確になって、役割分担はこうだというのがあった上で やられているはずなんだけど、実際、今こうやって見ると非常にわかりにくい。それは、そういう 評価が下されてしかるべきだと私は思っています。 現在はどうなっているかといいますと、ご存じのとおり、工技院が独立行政法人化されまして、 そちらにいくお金とNEDOのプロジェクトというのが、最近できるプロジェクトは分かれていま して、そこははっきりプロジェクトの予算というものと、産業総合研究所になって公金でなさる研 究と、あらかじめ予算の段階ではっきり分かれたようになったのですけれども、それが昔のNSS のときには、はっきり分かれないで、一つの予算の括りとして行われていたということがあって、 それをNSSの一つの括りということでプロジェクトとして評価しようということで、今回は両方 が合同事務局でやるという仕組みになっているということです。 ご指摘のとおり、そこは若干わかりにくいということは問題で、そこも今、制度改革をしている ところでもあります。 笠原分科会長 :もし一緒に評価するのだとすると、最後の産総研のカップルド研究に関する成果というか、資料 がわれわれのもとには全然きていないので、これは、これだけ立派な成果を上げられたのですから、 もう少し詳しい資料を出していただきたいというふうに思いますけれども。 山口(推進者) :前もってお手元に「NEDO原簿」というのがいっていると思うのですが。 矢澤(事務局) :資料番号で言いますと、資料7−1−1と7−1−2でございます。 山口(推進者) :これはMWDと採取技術に分かれておりますが、例えばMWDで言いますと、事業原簿の27ペ ージ、それから採取技術のほうで言いますと29ページにございます。これは私どもの提出した資 料であります。 笠原分科会長 :そうすると、23、24ページに書いてある論文の発表の数は入っていないんじゃないですか。 山口(推進者) :論文の部分は省かせていただきました。これは「NEDO原簿」という名前で、これはあくまで もNEDOの資料です。NEDOの資料というのはおかしいですが、NEDOが持っておられるべ き原簿ということで理解しておりますので。 矢澤(事務局) :基本的に、NEDOのフレームワークの中の形に産総研のものを入れていただいたというような 10 形になっております。 笠原分科会長 :評価する場合はどうすればいいんですか。 井田(事務局) :NEDOの原簿ではなくて、NEDOと産総研の共通のものです。論文リストはつくっておりま すので、つけさせていただきます。 笠原分科会長 :論文リストと同時に、これは特に評点にもなっておりますので、こちらにも是非・・・。あるい は追加というか、別になるのですか。これを一緒にすると大分変わってしまいますけれども、一つ、 関連研究というか、カップルド研究としてのこういう表をつくっていただいたらいいのではないで すか。 それ以外はいかがでしょうか。 斉藤委員 :他の方面に波及効果はどのようなものがあるかということで、その一つとして、学術分野にいか なる波及効果があるかということがたびだび話題に出て、ODPという言葉が出てきましたが、そ れに関してちょっとコメントしますと、ODPというのは国際深海掘削計画でありまして、20年 間続いている国際科学プロジェクトですが、2003年にODPは終了して、IODPという形に 生まれ変わります。ますます規模の大きな科学プロジェクトになりまして、ご存じのように、 「地 球」という掘削船が現在建造中であります。そこでの科学目標というのは、一つに、地震発生帯へ の直接掘削、つまり7km ぐらいの穴を掘って、そこでモニタリングをする。あともう一つは、人類 未踏のマントルまで直接穴を掘るモホール。これらは超深部であり、なおかつ非常に高温な環境で の掘削ですので、今日ご報告いただいた技術は非常に役に立つというふうに考えます。 また、IODP以外では、ICDPというのがありまして、やはり陸上掘削に関しても国際プロ ジェクトが進行していて、例えば雲仙火山であるとか、ハワイであるとか、活火山の可動掘削など という科学的に非常にプライオリティの高いプロジェクトも進行しておりますから、まさにこうい った技術は科学の分野にトランスファーできると思われます。つまり、確実に科学のニーズはどん どん増えていっておりますので、私も実際に関わっていて、喉から手が出るほど欲しい技術がたく さんこの中にはありますので、ぜひ学術分野にこういった技術をトランスファーするべきだと思い ますし、波及効果が大きいということをぜひ声高に踏み込んで提言をしていくべきであるというふ うに考えます。 笠原分科会長 :IODPでは、 「地球」のほうはライザー掘削になりますので、先ほどのマッド、それからセメン ティングも、坑内計測等もやりますので、セメンティングをするので、この辺は非常に有効ですし、 それからMWDも、高温型のMWDは非常に有効だというふうに思います。 他にいかがでしょうか。 山口(推進者) :先ほどの分科会長のご指摘といいますか、表に付け加えろとおっしゃられたのは、例えば表にあ ります概要の中で、私どもの研究が明示的に見えるようにしろという指示でしょうか。 笠原分科会長 :私は、採取技術のほうの事業原簿の24ページの表みたいなものに付け加えてほしいと言ったの ですが。両方関係あるのでしたら両方を・・・。 山口(推進者) :論文リストをという意味ですね。 笠原分科会長 :そうです。 山口(推進者) :わかりました。ありがとうございます。 笠原分科会長 :他にいかがでしょうか。 橋田委員 :ちょっと外れてしまって申しわけないのですが、今回は、特に深部地熱の開発に関わるモニタリ ング手法の開発とMWDを含めまして、あと、採取に関する二つのプロジェクトを聞かせていただ いたわけですけれども、私どももエネルギー関係をやらせていただいているのですけれども、特に 日本の場合、地熱は将来の環境のことを考えますと、やはり続けるべきであると私たちは考えてい るんです。今回は評価ということですけれども、やはり将来のことを考えると、国としても、エネ ルギーとして多様な取り組みをする必要があろうと個人的には考えているのですけれども、そうし たときに、今回の評価結果が何らかの形で上に上がっていく。あるいは、将来に展開できるという ような形がとれないかなというふうに個人的には思っていまして、ぜひそういう方向でもお考えい ただければと思っています。 笠原分科会長 :私も、いろいろ高温の計測とか、あるいは掘削を使って計測とか、あるいはツールとか、いろい 11 ろ関係してきたのですけれども、なかなか高温の技術は大変で、今回の成果を見ましても、世界的 なレベルでいろいろ研究をされておりますので、この技術をぜひ応用して、地熱開発ということも ぜひ発展するようにできたらいいのではないかというふうに思います。 議題10. 議題10.今後の予定 事務局から資料10に基づき説明が為された。 その他、閉会 笠原分科会長 :それでは、長時間にわたり、また、過密なスケジュールの中、ご説明及びご審議いただきまして、 大変ありがとうございました。 これで今回の評価委員会を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 (閉 会) 12
© Copyright 2024 ExpyDoc