同性の友人関係における自己開示による親密感と孤独感との関連

演習 1
Dl狂 A08CB013・
A08CB062・ A08CBl17・ A07CB096・ A09CB501
同性 の友人関係 にお ける自己開示 に よる親密感 と孤独 感 との 関連 につい て
一女子大学生 の 自己開示量 の観 点か ら一
I。 問題
青年期 にお ける対人 関係 では 、特 に友人 関係 は重要 であ る。友人 関係 は 、個人 と個 人 の
間 の相 互 作用 を基礎 に して形 成 され る、持続 的かつ 心理 的結び つ きである (安藤 , 1999)。
友人 の機 能 は、思春期 、青年期 にお いて は親 か ら自立が進 んでい くため、親 や家族以上 に
友人 と過 ごす時間は長 くな ってい き、心理 的な支 えの点で も重要 な他 者 であ る とい える。
青年期 に形成 され る友人 関係 に関 して丹 野 。松井 (2006)は 、他 の年代以 上 に友人 関係 が
自己概念 の形成や精神 的安 定 とい っ た内的適応 の促進 に果 た してい る役割 の重要度 が 高 い
と述 べ てい る。友人 関係 に求 めるもの としては安定感や安心感 で あ り、それ らを充足す る
た めには 、 自己を開示す る こ とで相 手 に親密 な関係 を求 め 、 ここ ろの 中にあ る孤独感 を軽
減す る こ とになる と考 え られ る。
対人 関係 に関す る 自己開示 に関 しては、」ourard(1971)は 、対人関係 には相 互理 解 が重 要
であ り、 自己開示 を行 うこ とに よ り、相互理 解 が増幅 され るため 、対人 関係 には 自己開示
が重 要 である と論 じてい る。丹野 ・下斗米 ・松井 (2005)ら は、実 際 の対人 関係 にお い て 、
関係 の親密段 階 に よつて 開示 され る領域や 自己開示量が変 化 す る こ とが明 らか に され 、 自
己 開示 は 自分 自身 の弱点 を晒す こ とにつ なが るため、深 い領域 の 自己開示 は、相互 に信 頼
感 を親密 な関係 にある こ とが必 要 であ る と述 べ てい る。大学 生 に対す る調査 を行 つ た下斗
米 (1990)は 、友人 関係 にお ける 自己開示量 と親密段 階 の 関連 につ い て検討 し、開示 され
る領域 ご とに 自己開示 量 を検討 した結果 か ら、親密度 の高 い段 階 では 、社会態度 ・意 見、
恋愛 、能力 、人格 、友人 関係 、身体 ・容 姿 に関 す る 自己開示量が顕 著 に多 い こ とを明 らか
に した。 また 、開示 され る領域 ごとに 自己開示量 を検討 した研 究 で榎本 (1987)は 、 11領
域 か らなる自己開示質問表 (ESDQ-44)を
用 いて、大学生を対象に、友人 関係 における
自己開示量について検討 し、開示 される領域 ごとに 自己開示量を比較 した結果、もつとも
よく開示 されている領域は、知識 に関する領域 と思考に関す る領域であ り、開示量 の少な
い領域は性に関す る領域、家族に関す る領域、外見に関する領域であった。以上のよ うに、
自己を開示す ることは対人 関係 では重要 であ り、また相手 との親密度により自己開示量も
変化 され ると考えられ る。
青年期 の発達特徴 として安藤 (1999)は 、Eriksonが 前成人期における発達課題 として
「
親密 一孤独」な どが対象 とされてきた と述べ ている。青年期には、孤独感 を癒 して くれ
る親密な人間関係が必要 とされ 、 自己開示 ・親密 と孤独感 は深 い意味合 いをもつ関係性 で
あるといえよ う。
/ 7
自己 開示 と孤独感 との 関連 についての研 究 では 、 Chelune,Sultan,&Williams(1980)
は女子大生 を対象 とした調 査 の結果 、 自己開示 の意 志 と孤独感 との間に負 の 関係 が あ る こ
とを見 出 してお り、 自己開示 の意志 が低 い ほ ど、孤独感 が 高 い とい う結果 で あ つた。更 に
Berg&Peplau(1982)は
、大学 生の男女 を対象 とした ところ、女子 にお いてのみ 自己開
示 と孤独感 との間に負 の相 関 が認 め られ た として、 自己開示 の程度 が低 いほ ど、孤独感 が
強 い とい う結果 に至 っ た。また榎本 (1997)は 、大学 生 を対象 として、ESDQ-44と
UCLA
孤独感尺度 を用 いて研 究 を行 つた とこ ろ、 自己開示度 の低 い者 ほ ど孤独感 を強 く持 ってい
る こ とを見出 した。
これ らの先行研 究 よ り、青年期 の友人 関係 で は、親密段 階 に よ つて領域 ご との 自己開示
に変化 が生 じる と示唆 され る。 また、 自己 開示 と孤独感 との 関連 に関 して 、 自己開示 の程
度 に よ り孤独感 に影 響 をお よばす と示唆 され る。
本研 究 では 、女子 大生 の友人 関係 にお いて各親密段 階 にお ける 自己開示 の機 能 と、 自己
開示 と孤独感 との 関連性 につ いて検討す る ことは意義 のあ る こ とと考 える。
Ⅱ.目 的
本研 究 では、女子大 生 の 同性 の友人関係 を対象 とした調 査 によ り、親密感 と自己開示 (自
己 開示量)と の 関連 につい て検討す る こ とを第 一 の 目的 とす る。 さらに 自己開示 (自己 開
示内容)と 孤独感 の 関連 につ いて検討す る こ とを第 二の 目的 とす る。
Ⅲ.仮 説
第 一 に、友人 関係 にお け る親密感 が 高 いほ ど自己開示が高 く、親密感 が低 い ほ ど自己開
示 が低 い と仮説 を立てた。第 二 に、友人 関係 での 自己開示 が 多 い ほ ど孤独感 が低 く、 自己
開示 が低 いほ ど孤独感 が高 い と仮説 を立てた。
Ⅳ.方 法
1.調 査対象
愛知県 内 の私 立女子大学 生 140名 に質 問紙 を配布 し、全 回答者 127名 の うち、記入漏 れ
な どの回答 に不備 のあつた 回答者 7名 を除 き、120名 を有効回答数 とした。有効 回答者 の平
均年齢 は 19.60(± 1.65)歳 であ った。
2.測 定尺度
以下 の質問項 目か らなる質 問紙 の回答 を求 めた。
(1)
自己 開示量尺度
a.フ ェイ スシー ト
調 査対象者 の年齢 、1人 の人物 の想 定 を求 め 、その人物 の名前 のイ ニ シ ャル と年齢 の記
入 を求 めた。
大学 に入学 してか ら知 り合 っ た人で 、 日常生活 で 関 わ り合 い
知人 の想 定に関 しては、 「
/7
の 多 い 同性 の人間 を 1人想 定 して くだ さい 」と教示文 を呈示 し、1人 の人物 の想 定 を求 め、
そ の人物 の名 前 のイ ニ シ ャル と年齢 を回答 させ た。 これ は、今後 の質 問 に対 し、想 定人
物 を明確 に意識化 しなが ら回答 させ るために操作 であ り、本研 究では分析 しな い。
b.親
密感
質 問項 目は、ある特定 の人物 との親密 さの強 さを相対 的にい くつ かの親密段階 に分類
想 定 した人物 とは、 どの程度 親 しい とい えます か 」 とい う教示文
す るた め設定 した。 「
2.か な り親 し くない 」、「
3.親 しくない 」、「4.
を提示 し、「1.極 めて親 しくない 」、「
6.や や親 しい」、 「7.親 しい」、 「8.
5.ど ち らともい えない」、 「
やや親 しくな い」、 「
かな り親 しい 」、 「9.極 めて親 しい」 の 9件 法 で回答 を求 めた。
親密感 よ り親密段階 を設 定 した。親密 段 階 の分類 に関 しては、親密感評 定値 に基 づい
て 、下斗米 (1990)な どと同様 の方法 を用 いて 、調査対象者 を関係 初期 段 階、関係 中期
段 階、関係後期 段 階 と 3段 階 に分類 した。親密感評定 で 1∼6と 回答 した人物 を関係 初期
段 階、 7と 回答 した人物 を関係 中期段 階、8∼9と 回答 した人物 を関係後期段 階 と定 義 し
た。
c.自 己開示 量
生活 」 「
恋愛」 「
趣 味」 の 5項 目に設 定 し、
能力 ・学業」 「
友人 。人格」 「
下位 尺度 は、 「
丹野 ・下斗米 ・松井 (2005)ら の作成 した 7領 域 30項 目か らなる 自己開示質 問紙 を参考
に、各領域 か ら 3∼4項 目を抽 出 した もの と、女子大学生 5名 の 自由記述 に よ り 5領 域
「
30項 目か ら作成 した (Table l)。
以下 の話題 につい て 、想定 した方 と、ふだん どの程度
1.全く話 していない 」、 「
2.ほ とん ど
話 して い るかお答 え くだ さい 」 と教示文 を提示 し、「
4.か な り話 してい る」、 「
5。
3.どち らともい えな い」、 「
十分 に話 して
話 してはいな い」、 「
い る」 の 5件 法 で 回答 を求 めた。
Table l.自己開示量尺度質 問紙 の項 目
[想定 す る 下 位 尺 度 ■:人 格 ‐友 人 関係 ]
1自 分 の 性 格 〈
短 所 )に つ い て
長所 ・
2他 の 友 人 との 関 係 に 関 す る悩 み 事
3自 分 の 考 え や 感 じ方 に つ い て
4現 在 抱 え て い る悩 み 事 に つ い て
5他 の 友 人 に 関 す る好 き嫌 い に つ い て
6自 分 の そ の 時 々 の 喜 び に つ い て
[想定 す る 下 位 尺 度 4:恋 愛 ]
1こ れ まで の 恋 愛 体 験 に つ い て
2異 性 関 係 に 関 す る悩 み ごと
3異 性 の 好 み につ い て
4異 性 に 求 め る性 的 欲 求 につ い て
5片 思 い の 相 手 や 恋 人 との 出 来 事 く
の ろけ話 につ いて)
6★ 就 きた い職 業 に つ い て
困 定 す る下 位 尺 度 2:能 力 ・学 業 ]
1学 校 の 成 績 に つ い て
2学 校 に 対 す る不 満 に つ い て
3自 分 の 特 技 に つ い て
4持 つて い る資 格 や 免 許
5★ 政 治 につ い て
6★ 社 会 の 状 況 に 対 す る不 安 に つ い て
[想定 す る 下位 尺 度 5:趣 劇
1好 きな音 楽 や 映 画 に つ い て
2趣 味 に つ い て
3休 日の 過 ご し方 に つ い て
4好 きな 芸 能 人 に つ い て
5★ 1日 の メー ル 内 容 につ い て
6★ 自分 の 容 姿 につ い て
[想定 す る 下位 尺 度 3:生 活 ]
1自 分 の 親 や 兄 弟 の ことに つ い て
2過 去 の 病 気 や 怪 我 に つ い て
3理 想 の 家 庭 像 に つ い て
4家 庭 内 で の 自分 の ことに 関 して
5幼 少 期 の 出 来 事 に つ い て
6★ 将 来 の 期 待 や 不 安 につ い て
※
★ はダ ミー項 目 (下位え度 とは全 く関係 な い質 問項 目)
〆
/
(2)
孤独感尺度
既存尺度 に関 しては、改訂版 UCLA孤
2)。 ラッセル ら (1978;1980な
独感尺度 日本版 (諸井 1991)を 用 い た (Table
ど)は 孤独感 を 「
人間関係 の 中でわれわれが こ うあ り
た い とい う願 望が ある とき、そ の願 望が十分 に満 た され なか った り、逆 に心理的な満足
感 を低下 させ るよ うな結果 が生 じた時 に感 じる感 情 の一 つ 」 と定義 した。孤独感 を状況
点か ら発生 し、単 一 次元 で構成 され る感情である ととらえ UCLA孤 独感尺度 を作成
観′
した。 「
1か ら 20ま での文 章 に述 べ られて い るそれ ぞれ の ことが らを、 日頃 あなたは ど
2.ど ち らか
れ くらい感 じて い ます か」 と教示文 を提示 し、 「1.け っ して感 じない 」、 「
3.ど ち らか といえ ば感 じる」、 「4.た びたび感 じる」 の 4件 法
とい えば感 じない 」、 「
で 回答 を求 めた。
Table 2.孤 独感尺度 の項 目
★ は逆転項 目
1★
2私
3★
4★
5★
6★
7私
8私
9★
10★
11私
12私
13私
14私
15★
16★
17私
18私
19★
20★
私 は 自分 の周 囲 の 人たちと調 子 よくいつている。
は、人 との つ きあいが ない。
私 には、頼 りにできる人 が だれ もいない。
私 は、ひ とりばつちではない。
私 は、親 しい仲 間 達 のなか で欠 くことの できない存 在 である。
私 は、自分 の周 囲 の 人 たちと共通 点 が 多い。
は 、今 誰 とも親 しくしていない。
の 興 味 や考 え方 は、私 の周 囲 の 人たちとはちが う。
私 は、外 出好 きの 人 間 である。
私 に は、親 密 感 の持 てる人 たちが ある。
は、無視 され ている。
の社 会 的なつなが りはうわ べ だ けのものである。
はよく知 つている人 はだれ もいない。
は、他 の 人 たちか ら孤 立 している。
私 は、望 む ときに はいつ でも人 とつ きあうことができる。
私 に は、私 を本 当に理 解 してくれ る人たちが いる。
は、たくさん 引つ込 み 思 案 なの でみ じめである。
に は、知 人 はいるが 、私 と同 じ考 えの人 はいない。
私 には、話 しか けることの できる人たちが いる。
私 には、頼 りにできる人たちが いる。
3.手 続 き
質 問紙 を講義時間中に配布 し、集 団法 にて実施 した。調査期 間は 2010年 6月 2日 であつ
た。質 問紙調 査 の 実施 前 に 、調 査 の 目的、 プ ライ バ シー の保護 、調査方法、調査結果 の取
り扱 い に関 して説 明 し、承諾 した場合 のみ調 査 に回答す るよ うに求 めた。所要時間は 20分
であった。
V.結
(1)
果
女子大 生の 同性 の友人 関係 にお ける自己 開示量尺度 の 因子分析 の結果 につ いて
尺度項 目の平均値 と標 準偏差値 を算 出 し分析 を行 っ た。女子大 生 の 同性 の友人 関係 にお
ける 自己開示量 の項 目間に天丼効果 が 見 られ た もの は 「
政治 につい て 」、 「
異性 の好 み につ
いて 」 の 2項 目であつた。 また 、 フ ロア効果 に該 当す る項 目はみ られ なか った。天丼 効果
が 見 られた 2項 目に関 しては 、分析 に必要 と判 断 したため削除 は行 わなか っ た。
次 に、30項 目に対 して主 因子法 ・PrOmax回 転 による因子分析 を行 った。初期 の 固有値
の変化 は 9.86、2.39、1.85、1.59、1.33、1.14であ つた。累積奇与率は 55.73%で あ つた。
/
r/
項 目分析 を行 つた結果 、十分 な因子負荷量 0.35を 基準 として 、基準 を下回 る項 目は、因子
1日 のメール 内容 につい て」、「自分
に影 響 を与 える大 き さが少 ない ため、該 当す る 4項 目 「
過去 の病気や`怪我 につい て」 を除外 し 5因
理想 の家庭像 につ いて 」、 「
の特性 について」、 「
子 を抽 出 した。最終的 に因子分析 で得 られ た各因子 パ ター ンを Table 3に示 した。
口
丁ab:e3.女 子大生の同性の友人関係 における自己開示量の因子分析の結果 (主因子法 Prorax回
断
艇
蛹
9.異悩関係に関する悩み ごと
27.これまでの恋愛体験について
猾
28.異性の婦みについて
│ │ │≡
│≡
塁
!妻
:ミ
4.片思いの相手や恋人との出来事 (のろけ話について)
22.勒
確 について
14.異性に求める性的欲求について
29.好きな芸能人について
鮨
19.*1日のメ=ル 内容について
11
-.33
7.自分の規や兄弟のことについて
-.19
15.家庭内での自分の ことに関して
20.*自 分の容姿について (※)
-.14
30.他の友人に関する好き嫌しヽこついて
.17
-.06
2 1 持 つているi 針蟹窃許
5幼 沙期の出来事について
1.学校に対する不満について
こついて
13.自卿
23.自分の考えや感 じ方について
10.休日の過ごし方
11.自分のその時々の喜びについて
12.他の友人との関係に関する悩みについて
17.自分C嘔 #I帳 護斤口 り について
詞
-.33
桧
滞
齢
―. 0 4
―. 2 1
.14
.07
-.12
.13
-.15
.00
-.17
.17
J2
.12
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-.31
.05
・ ∞
.04
.06
-.23
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.09
.05
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―. 1 4
.09
.08
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.19
-.03
-.29
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1蜘
│=理
‖│ ‖
11i=:
.14
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劃
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.08
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-.01
.22
-.12
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.22
-.11
25
.17
.02
.29
08
J0
.29
.08
=137
.15
.22
.18
.25
.18
.09
12*政 治について
.09
.05
-13
.08
≡:69
-.14
17.*社会の状況に対する不安
18.*11'aα
ギ5不
房規4寺
穏錠
J3
-14
3.*就 きたい職業について
2.過去の病気や怪我について
-.29
-.19
.14
-.08
24.麟 について
-.17
-.03
.20
14
につして
26.好き粋
側
*ダ ミ■項目 ※α係数算出後に肖耶余し=ミ ロ
-.17
8 ∞ 巧 ∞
∞ 2
'轟について
18.現在抱えている悩み事
3.理想の家庭像について
-.02
.04
劃
-.08
「
褻
-.17
十
罹
.01
.33
.03
00
.09
銹嘱
異性 の
異性 関係 に関す る悩み ごと」、 「これ までの恋愛体験 について」、 「
第 1 因 子 では 、 「
/
1
︲
好 み につい て」、 「
片思 いの相手や恋人 との 出来事 (のろけ話 につい て)」、 「
学校 の成績 につ
いて 」、 「
異性 に求 める性的欲求 につい て」、 「
好 きな芸能人 につい て 」 の 7項 目で構成 され
てお り、異性 との恋 愛 に関す る項 目が示 されたため因子名 を 「
恋愛」 とした。
第 2因 子 では、「自分 の親や兄弟 の こ とについ て 」、「
家庭 内で の 自分 の ことに関 して 」、「
他
の 友人 に関す る好 き嫌 い につ いて」、 「
持 ってい る資格や免許 につ いて」、 「
幼少期 の 出来事
につい て」、 「
学校 に対す る不満 につい て」 の 6項 目で構成 され てお り、家族や学校 に関連
生 活」 とした。
す る項 目が示 され たた め因子名 を 「
休 日の過 ご し方 につい て」、 「自分 の
第 3因 子 では 、 「自分 の考 え方 や感 じ方 につい て」、 「
そ の 時 々の喜び につい て 」、「
他 の友人 との 関係 に関す る悩み事 につい て」、「自分 の性格 (長
所 。短所)に つい て」、 「
現在抱 えて い る悩み事 につい て」 の 6項 目で構成 され てお り、 自
己に関す る項 目が示 されたため因子名 を 「
人格」 とした。
政治 につい て」、 「
社会 の状況 に対す る不安 につい て」、 「
第 4因 子 では 、 「
将来 の期待や不
安 につい て」、 「
就 きた い職業 につい て」 の 4項 目で構成 されてお り、政 治や将来 につい て
の項 目が示 され たため 因子名 を 「
社会」 とした。
趣 味 につ いて」、 「
第 5因 子 では 、 「
好 きな音楽や映画 につい て」 の 2項 目で構成 されてお
り、趣 味 につい ての項 目が示 され たため因子名 を 「
趣 味」 とした。
(2)
自己開示量人度 の総得点お よび下位 尺度 間 の 関連 につい て
自己開示量尺度 の 5つ の下位尺度 に相 当す る項 目の 平均値 、SD、 相 関係数 、 α係数 を算
出 して Table4に 示 した。各下位尺度 の平均値 と SDに お いて 、 「
恋愛」下位 尺度得点 (平
生活」下位尺度得点 (平均 3.33、SD.73)、「
均 3.37、SD.91)、「
人格」下位尺度得点 (平均
3.65、SD。73)、 「
社会」下位 尺度得点 (平均 3.43、SD.85)、 「
趣 味」下位 尺度得点 (平均
3.76、SD.91)と した。
5つ の下位尺度 の 関連 を検討す るた めに相 関係数 を算 出 した ところ、 「
恋愛」下位 尺度 と
「
生 活」下位 尺度 と 「
人格」下位尺度 間 では r=.61、「
生活」
人格」下位尺度 間 では r=.60、 「
恋愛」下位尺度 間 では r=.50、 「
下位尺度 と 「
人格」下位 尺度 と 「
趣 味」下位尺度 間 では r
=.44、 「
生活」下位尺度 と 「
趣 味」下位尺度 間 では r=.30、 「
恋愛」下位尺度 と 「
趣 味」下
生活」下位 尺度 間 では r=一 .50、「
社会」下位尺度 と 「
位 尺度 間 では r=.27、 「
社会」下位
尺度 と 「
人格」下位 尺度 間 では r=― .49、「
恋愛」下位尺度 と 「
社会」下位尺度 間 では r=
―。
39、 「
29で あ った。 これ よ り、 「
趣 味」下位尺度 間 では r=一 。
社会」下位尺度 と 「
恋愛」
生活 」下位 尺度 と 「
下位 尺度 と 「
人格」下位 尺度 間、 「
人格 」下位 尺度 間 では 強 い正 の相 関
がみ られ 、 「
生 活」下位 尺度 と 「
恋愛」下位 尺度 と 「
人格」下位尺度 間、 「
人格」下位尺度 間
では負 の相 関 がみ られ た結果 とな つた。
内的整合性 の検討 をす るた めに各下位 尺度 の α係 数 を算 出 した ところ、 「
恋愛 」 では α
=.86、 「
人格」 では α=.80、 「
趣 味」では α=.89と 十分 な値 が
社会」 では α=.74、 「
生活」では α=.52と 低 かったため 、「自分 の容 姿につい て」の項 目を削除 し、
得 られ た。 「
再度 内的整合性 の検討 を行 った ところ、 α=.74と 十分 な値 が 得 られた。
〆 / 1 1 1 1 1
■塾型L旦 二盟昼量p下 位尺度間相
恋愛
恋愛
人格
_502梓
生活
502料
616持
- 390彗
趣味
_272料
社会
趣 味
平均
sD
-390料
272林
3 37
0_91
086
608料
-505替
.308持
3 33
0 73
074
-496料
442料
3 65
- 496**
308舞
α係 数
616書
608料
- 505料
と平 均 、SD
442**
-295料
Q Q Q
人格
社会
生活
3 43
- 295ホ *
3.76
0.80
0.74
0.89
**pく .01,*pく .o5
(3)
各親密段 階 にお ける 自己開示 量 の 関連 につい て
自己開示量 と親密段 階間で差 が あるか ど うか を一 元配
行 い検討 した。 その結果 、 自己開示 量が 、初期段
置分散 分析 と Tukeyの 多重比 較 を
階 よ り中期段 階、 中期段 階 よ りも後 期段
階 の値 が 高か っ たの は 、 「
恋愛 」下位 尺度 得 ′
点 (平均 3.71、SD.79)、 「
生 活」下位尺度得
(平
点
均 4.33、SD.92)、 「
(平
人格 」下位尺度 得′
点
均 3.93、SD.63)、 であった。 一 方、
「
社 会」 下位 尺度 得点 にお い ては 、後期段 階 よ りも
中期段 階、 中期段 階 よ りも初期段 階 の
値 が 高 く、平均 3.94、SD.83で あ った。 「
趣 味」 下位尺 度得点 において 、F値 では有意差
が み られ たが 、多重比 較 では有意差が み られ なか っ
た。各親密段 階 にお ける 自己開示 量の
平均値 、標準 偏差 、F値 、多重比 較結果 を Table 5に示 した
。
Tabd 5各 親 密 段 階 の 自己 開 示量
初期 段 階
中期段 階
n=16
平均 (標準 偏差 )
後期段 階
多重比 較 結 果
n=42
轡
準 偏差 )平 均 (標準偏 差 )
F値
恋愛
252(76)
319(87)
3.71(.79)
生活
1499
**
294(89)
初 <中 <後
372(102)
4.33(.92)
1499
**
初 <中 <後
人格
301(79)
349(.64)
3.93(.63)
1463
**
社会
3.94(.83)
初 <中 <後
338(81)
332(86)
353
*
初>後
355(88)
3.96(.87)
328
*
趣味
353(101)
ξξ諏臨
(4)
は
階、中期段階、後期段階を比較し、差がみられたものを不等
l糧 蟷贅 驚 李歳た 輔η電『
女子大生 の 同性 の友人 へ の 自己開示尺度 と孤 独感 の
関連 につ い て
孤独感 尺度 の平均値 を算 出 し、 「
孤独 」下位尺 度得′
点(平均 39.56,SD 3.81)とした。内的
整合性 を検討す るために検討す るために、下位尺 の α
度
係数 を算 出 した ところ、 「
孤独 」で
α =.89で 十分 な結果 が得 られ た。
また 、女子大生 の 同性 の友人 へ の 自己 開示量 の
下位 尺度 と孤独感 尺度 の相 関関係 を確認
す るため、相 関係数 を求 め table 6に示 した。そ の
結果 、「
恋愛 」尺度 と孤 独感 の 間には r=
/
―.27、
「
生活」尺度 と孤独感 の間には r=― .27、
「
人格」尺度 と孤独感の間には r = ― 。
28、
「
社会」尺度 と孤独感の間には r=.o9、「
趣味」尺度 と孤独感 の間には r=一 。
18 で あ っ た
。
Tabに6_女 子大生における同性の友人に対する自己開示量の
下位尺度と孤独感間の相 関係数
恋愛
孤独感
**p〈.01
―.273・・
生活
―.273Ⅲ
人格
社会
… 285Ⅲ
趣味
- 186*
*p〈
.05
女子大生 にお ける同性 の友人 に対す る 自己開示量の下位 尺度 において 、「
生 活」、
恋愛」、「
「
人格」、 「
趣 味」 と孤 独感 との 間に負 の相 関 が み られ た。 また 、 「
社会」 と孤独感 の 間には
相 関がみ られ なか った。
Ⅵ.考 察
(1)女 子大生 の 同性 の友人 関係 にお ける自己開示量人度 の因子分析 の
結果 につい て
今 回 の作成 した尺度 では 、2項 目の天丼効果 がみ られた。 「
政治 につい て」 は 「
学業 ・能
力」 の下位 尺度 の ダ ミー項 目として作成 した もので あ った。女子大生 は政治 につい て 関心
がない と考 えていたが 、最近 では政権交代や選挙 な どの話題 が 多 くマス コ ミが 取 り上 げて
い るため、 マス コ ミの影響 に よって友人 と政治 につ いて話す機 会 が増 えたのではないか と
考 え られ た。 「
異性 の好み につい て」 の項 目は 「
恋愛」の項 目として作成 した。友人 同士で
自己 の恋愛 を 自己開示す る こ とに よって 、友人関係 が親密化 し、 さらに、 「
異性 の好 み」 と
い う話題 は、 自分 の好 み を恋人や 好 きな芸能人 に当てはめて友人 に教 え るこ とがで き 自己
開示 しやす いの で 、天丼効果 が み られ たのではないか と推測 され た。 一 方 、ダ ミー項 目が
第 4因 子 にほ とん ど入 ったため、 フ ロア効果 はみ られ ない と考 え られた。
女子大生 の友人 関係 にお ける 自己開示量尺度 の因子分析 の結果 、仮説 として立てた 5因
子構造 はほぼ認 め られ た。まず 、「
生活」「
恋愛」「
趣 味」を表 す 3因 子が抽 出 された。また、
仮説 で立てた 「
人格 ・友人 関係」 の 因子 はみ られ ず 、 「
人格」 のみ のま とまった 因子 として
抽 出 され た。友人 関係 の因子 が抽 出 され なか っ たのは 、質 問項 目が友人 関係 に関す る悩み
や好 き嫌 い な どとい った友 人 関係 のネ ガテ ィブ な側 面 の項 目のみ であった こ と、また友人
関係 の質問項 目が少 なか った こ とが理 由 として考 え られた。 「
能力 ・学業」 の 因子 もみ られ
ず、す べ てダ ミー項 目の因子 「
社会」が抽 出 され た。 これ よ り、 「
恋愛」 「
生 活」 「
人格 」 「
社
会」 「
趣 味」 の 5因 子構造が抽 出 され る結果 となった。
第 1因 子 につい て 、 「
異性 関係 に関す る悩み」 の 自己開示量が 多 いの は、異性 につい ての
悩み事 は 、同性 に した ほ うが理 解 して も らえた り、同意 して もらえた り、適切 なア ドバ イ
ス を もらえるた めであ る と考 え られ た。 また 、親や異性 には言 い に くい こ ともある と考 え
られ るため、同性 の友人 に相談す る こ とが 多 くなるので はない か と考 え られ た。
また 、 「これ までの恋愛経験 につい て」 の 自己開示量が多 いの は、同 じよ うな経験 を して
/
い る同性 の友人 の ほ うが 、 自分の経験 に同
意 して も らえた り、友人 自身 の 同 じよ うな経験
を聞 けた りす るためで はないか と推測 され る。
第 2因 子 につい て 、 「自分 の親や兄弟 の こ とについ て」 と 「
家庭 内での 自分 の こ とについ
て」の 自己開示量が 多 いの は、自分の ことを相手 に知 っ
て もら うために話題 にす る事柄 が 、
気軽 に話題 に出 しやす い家族 の こ とや 、家庭 内 の こ とで ある
と考 え られ た。
第 3因 子 につい て 、 「自分の考 えや感 じ方 につい て」 の 自己開示
量が多 いの は 、友人 に 自
分 の こ とについ て知 っ て も ら うために 、 自分 は この 時 は こ
う考 える、 この よ うに感 じる と
言 った こ とを伝 えるた めだ と考 え られ た。 また 、 「
休 日の過 ご し方 につい て」 の項 目は人 格
よ りも第 2因 子 の 「
生 活」 の 内容 に も受 け取れ るが 、休 日の過 ご した
時間か ら感 じた事 な
どを話 してい る と推測 され る。
第 4因 子 につ い て 、 「
政治 につい て」 と 「
社会 の状況 に対す る不安 につ い て」 の 自己開示
量が 多 いの は 、 自己開示 とい うよ りは、友人 の親密度
に関わ らず 、誰 に対 して も話せ る内
容 だか らであ る と考 え られ た。
第 5因 子 につい て 、 「
趣 味 につい て」 の 自己開示 量が 多 いの は 、友人 と をす
話
るきっか け
と して 、 自分 の趣 味 につい て話す こ とが 多 い と推測 され
る。趣 味が合 えば会話 が盛 り上が
り、新 たな共 通′
点を発 見す るこ とが 可能 とな り、それ ほ ど親 し くな い
友人か ら、 か な り親
しい友人 まで 、誰 とで も話 しやす い 内容 であ る と示
唆 され た。
(2)自 己開示量尺 度 の総得点お よび
下位 尺度 間 の関連 につ い て
「
恋愛 」 と 「
人格」 の項 目間 にお い て正 の相 関がみ られ たの は 、恋愛 の
話 をす るこ とに
よつて 、人 との付 き合 い方や 価値 観 、性格 な どその の
人 人 とな りが垣 間見 えるか らでは な
い か と考 え られた。
「
生活 」 と 「
人格 」 の項 目間 において正 の相 関がみ られ たのは 、生活 の
話 をす ることに
よつて 、 どの よ うな生活 を してい るか 、家族 が どの よ
うな人 なのか把握 す るこ とがで き、
それ に よって相手 の人格が垣 間見 えるこ とがで きる と考 え
られ た。 あるい は 、家庭環 境や
幼少期 の 出来事 を 自己開示 す るこ とによっ て 、 自分 の 内面
的な人 格 が相手 に伝 わってい く
の を躊躇 してぃ る とも推 測 された。
「
社会」 と 「
生 活」、 「
社会」 と 「
人格」 の項 目間におい て負 の相 関がみ られたの は 、 「
社
会」 の質 問項 目か らではそ の人 の 「
生活 」や 「
人格」 に繋 が るよ うな話 の 内容 にな らない
か らでは な い か と考 え られ た。
「
趣味 」 の項 目は、 自己開示量尺 度 の 5つ の 下位尺度 の
平均値 の 中で最 も高かった。趣
味や好 きな音楽や 映画 に関 して は 自己開示量が 多 く、気
軽 に話す こ とが で きる と考 え られ
た。 また 、ぉ互 い趣 味や 好 きな音楽 、映画 が共 通す る
部分 で もあ り話 しやす い と考 え られ
た。
(3)各 親密段 階 にお ける自己
開示量の 関連 につ い て
「
「
恋愛 」 生活」 「
人格 」 の 3因 子 にお い て 、初期段 階 よ り中期段 階、中
期段階 よ り後期
段 階 の値 が 高か っ た こ とか ら、親密感 が 高 い ほ ど 自己開示
が 高 く、親密感 が低 い ほ ど 自己
開示 が低 い とい う仮説 は指示 され た とい えた。3因 子 の項 目内容 か ら自己 開示 内容 が個人的
な内容 のた め、親密感 が高 くない と開示 しに くい と考 え られた。
しか し、 「
社会」因子 は、初期 段 階 の値 が最 も高 く、親密感 が低 くて も自己開示す る とわ
か っ た。「
社会」因子 に含 まれ る質 問項 目はダ ミー項 目で取 り入れ た もので 因子 が構成 され 、
政治 な ど社 会的 な内容 の た め 、個人的 な内容 でな く個人 の意 見や考 えが話 の 内容 にな る こ
とか ら親密段 階 が初期段階 で も話 しや す い ことが推沢1され た。
(4)
女子大 生の 同性 の友人 へ の 自己開示尺度 と孤独感 の 関連 につい て
自己開示量下位 尺度 と孤独感尺度 の相 関係数 は、 「
生活 」、 「
恋愛」、 「
趣味」 にお
人格」、 「
いて負 の相 関 がみ られ た。この結果 は、先行研究 (Chelune,sultan,&Williams,1980;Berg
&Peplau,1982;榎
生 活」、 「
本 ,1997)と も一 致 した。 つ ま り、 「
恋愛」、 「
趣 味」
人格」、 「
の領域 の 自己開示 量が低 い ほ ど、孤独感 が高 くなる と考 え られ た。 この 点 に関 しては仮説
が支持 され た。 一 方 、 「
社会」 にお いて は相 関 が み られ ず 、 「
社会」領域 の 自己開示量 と孤
独感 には特 に関係性 はない と考 え られ た。 よって 、仮説 は支持 され なか った。
各親密段階 の 自己開示量 の結果 よ り、 「
社会」領域 の 自己開示量 は、親密感 がそれ ほ どな
い相手 に対 して 「
かな り話 してい る」 ことがわか った。 この結果 よ り、 「
社会」領域 の 自己
開示 はあま り親 しくない 友人 のほ うが 、話題提供 として 開示 しやす い た め、孤独感 も特 に
感 じないのではないか と推測 された。それ に対 して 、 「
生 活」、 「
恋愛」、 「
趣味 」 の
人格 」、 「
かな り話 してい る」、 「
領域 は、親密感 がかな り親 しい 、極 めて親 しい友 人 に対 して 「
十分
に話 してい る」 た め 自己開示量が多 い傾 向 であつた。 そ のた め、 自己開示量 が少 な くな る
と、孤独感 を感 じやす くな るので はな いか と推測 され た。
Ⅶ .総 合討論
本研 究では、女子大生 の 友人関係 にお いて 各親密段 階 にお ける 自己開示 の機 能 と、 自己
開示量 と孤独感 との 関連性 につい て検討 を行 うために、2つ の仮説 を立て検証 を行 った。
第 一 に、友人 関係 にお ける親密感 が 高 いほ ど自己 開示量 が 高 く、親密感 が低 い ほ ど自己
生活」、 「
開示量 が低 い と仮説 を立て た。 「
恋愛」、 「
人格」、領域 に関 しては親密感 が 高 い ほ
ど、 自己開示量が高 い とい う仮説 は支持 され た。 しか し、 「
社会」領域 に関 しては、親密感
が低 い ほ ど自己開示量 が 高 い結果 とな り、仮説 は支持 され なか った。 「
社会」領域 の 自己開
示 量 は、それ ほ ど親密 でない相手 には話 しや す い 「
話題提供」 として捉 えて い る と推察 さ
れ た。
先行研 究 との比 較 に関 しては 、下斗米 (1990)と 同様 、 「
恋愛」、 「
人格」に関 して 自己開
示量が多 い点 は認 め られ た。 しか し、 「
生 活」領域 に 関 して家族 の話題 を 自己開示す る傾 向
がみ られた。 この結果 は、榎本 (1987)の 家族 に関す る領域 の 自己開示量が少 な い結果 と
一 致 せ ず本研 究では認 め られ なか った。
第 二 に、友人 関係 での 自己開示量が多 いほ ど孤独感 が低 く、 自己開示量が低 いほ ど孤独
感 が 高 い と仮説 を立て た。 「
生活」、 「
恋愛」、 「
趣 味」領域 では 、負 の相 関 がみ られ
人格」、 「
た。Chelune,Sultan,&lVilliams(1980)、 Berg&Peplau(1982)、
10
榎本 (1997)と 同様 、
―
―
自己開示 量 の低 い ほ ど、孤独 感 を強 く持 つてい る こ とが認 め られ仮説 は支持 され た。 しか
し、 「
社会」領域 に関 しては相 関 がみ られず仮説 は支持 され なか つた。親密段階 と自己開示
量 の結果 を含 め、親密 感 が低 い相手 で も 自己 開示 がで きる領域 であ り、相手 に 自己 開示 量
が少 ないか らといつて孤独感 を感 じる ことはない と推察 された。
自己開示尺度 を作成 した 際 に、質 問項 目に逆転項 目でな くダ ミー項 目を作成 した。 ダ ミ
ー に関 して は、政治 。社会 ・今後 の進 路 に関す る項 目内容 とした。分析 の結果 にお いて 、
社会」領域 としてダ ミー項 目で形成 され る結果 と
ダ ミー項 目か らフ ロア効果 が抽 出 され 、 「
社会」 につ いて親密 段 階 に関係 な く話 してい る
な り、当初 の予沢Jとは違 い 、女子 大 生が 「
結果 とな つた。
Ⅷ 。 今後 の課題
本研 究 では 、女子 大生 の 同性 の友人関係 にお いて 自己開示 による親密感 と孤独感 の 関連
について 、先行研 究 を も とに検討 を行 っ た。そ のた め、研 究 にオ リジナ リテ ィを出す 点 に
関 しては欠如 して い る と考 え られ た。先行研 究 をも とに 、独 自の考 えを反映 させ る研 究 を
行 えるよ う、更 な る研 究内容 の検討 が必要であ る と示唆 された。
Ⅸ.引 用文献
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筑波大学 心理 学
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