第1部 第17回 東京都臨床工学技士会総会 【会長挨拶】 会員の皆様、本日は梅雨時の雨にも関わらずお集まりいただき、ありがとうございます・・・ 今年も恒例となった加納会長からのご挨拶により総会が開会されました。 今年度の技士会の活動は、「法人化について」、「技士会の活性化」、「看護との関わり」について お話がありました。 まず、法人化についてですが、社会的に認められる職能団体として法人化は必要です。 各地の都道府県技士会も法人化を進めていますし、東臨工としても法人化準備委員会を設立し 準備を進めまていきす。 会の活性化については、東臨工は若い世代の活躍を期待しています。今後は会員サービスを 充実させます。若い世代の参加をお願いいたします。 看護との関わりについて、東臨工として看護協会の催し物にも積極的に参加しています。 東京都看護協会の看護教育プログラムにも講師として参加する事が決まりました。 今後も看護師との関係を深めていきます。 最後に、世界的に見て日本の臨床工学技士のような業務範囲の広い国家資格ありません。 病院側の期待も大きく、幅広い知識、スキルが要求されますが、東臨工としてバックアップして いきますので、今後もよろしくお願いいたします。 【議案】 第1号議案 平成17年度事業報告 第2号議案 平成17年度決算報告 平成17年度監査報告 第3号議案 選挙管理委員会報告 第4号議案 定款改正 第5号議案 平成18年度事業計画(案) 第2部 第14回 東京都臨床工学技士会学術大会 一般演題 【Ⅰ】 ME、循環、その他 1.ME機器故障時及び不具合時の点検依頼書の活用について 板橋中央総合病院 臨床工学科 松田 晋也 先生 2.当院における携帯電話院内使用について 三井記念病院 MEサービス部 久保 景子 先生 3.人工呼吸管理中に呼気側フィルタが突然外れた? 順天堂大学医学部付属順天堂医院 臨床工学室 玉井 美江 先生 4.脳神経外科領域における臨床工学技士の業務について 順天堂大学医学部付属順天堂医院 臨床工学室 藤井 昭光 先生 5.自己血回収装置による回収血を患者に戻したときの血中ヘパリン濃 度の検討 東海大学医学部付属八王子病院 MEセンター 徳留 大剛 先生 6.FlowTrac Sensor と Vigileo Monitorの使用経験 日本医科大学付属病院 ME部 月川 一彦 先生 7.鼠径部位に恒久的ペースメーカーを植え込んだ希有な1例 財団法人結核予防会 新山手病院 臨床工学科 長屋 孝治 先生 ランチョンセミナー 『透析における血液ガス測定の有用性』 講師:バイエルンメディカル株式会社カスタマーサポート部 牛越 智 先生 血液ガス分析装置は POCT(Point of Care Testing)において、手術 室や ICU など、ベッドサイドで使用されていおり、緊急性を伴うような多 数の項目を測定することが可能です。例えば、血液ガス、電解質、ヘモ グロビン分画、代謝の項目(グルコース、ラクテート)など、実測データー と演算データーと合わせ数十項目を測定することができます。 透析領域では、酸塩基平衡やイオン化 Ca の確認に使用されている。 血液ガス分析装置を用いることで、透析患者様の呼吸器疾患や代謝系 疾患の治療方針、治療薬の投与量の決定の目安になります。 また本セミナーでは、POCT と透析療法での有用性と、当社の POCT に最適な血液ガス分析装置を紹介する。 第4回 都民公開講座 『都民のための救急処置』 ∼救急蘇生法の最新知識∼ 講師:帝京大学医学部救命救急センター教授 坂本 哲也 先生 一般市民がおこなえる救急蘇生の1つに AED(体外式半自動除細動器)があります。 2005年の統計によると、都内で突然心臓が止まって救急車を呼ばれ る方が1日あたり約26件ありました。 そのうち約1割の患者様が心室細動とい不整脈です。 119番で救急車を要請してから救急隊員が現場に到着するまで時間が 年々増えてきています。その理由としては、交通渋滞や救急車の要請 自体が増えてきて手が回らないなどが挙げられます。 10年前は平均5分台でしたが、今では平均6分44秒となっています。 突然の心停止の原因として一番多いのは心疾患、次に脳卒中(脳出 血、脳梗塞)、窒息事故、外傷によるものの順となっています。 心肺蘇生の救命率は、1分遅れる毎に7∼9%づつ低下します。 心室細動になっても直後に心肺蘇生を行えばほとんどの人は救命でき ますが、9分経過してしまうと救命率は10%以下となり、10人に1人し か 助けることが出来ません。 先ほどの救急車が到着するまでの時間、6分44秒では救命率が約3 5%まで低下し、3人に1名しか助けることが出来なくなってしまいます。 救急蘇生で大事なことは、 ①速やかに119番に連絡する。AED を持ってきてもらう。 ②市民の皆さんが、専門家が到着するまで心肺蘇生をする。 ③市民の皆さんが AED を操作する。 ④病院で適切な処置を行うことです。 この機会に市民の皆様も、是非、救急心肺蘇生やAEDの使い方などに 興味を持たれたら如何でしょうか。 一般演題 【Ⅱ】 透析、特殊血液浄化 8.透析業務支援システム更新による業務改善 日産厚生会玉川病院 臨床工学科 五十嵐 一生 先生 9.バスキュラアクセス(VA)からの圧力が血液流量に与える影響 博樹会 西クリニック 田口 幸雄 先生 10.CHDF(持続緩徐式血液濾過透析)の手技の統一化を目指して 日本医科大学付属病院 ME部 土屋 直俊 先生 11.当院においての血漿交換料法業務における臨床工学技士の役割 について 順天堂大学医学部付属順天堂医院 臨床工学室 瓜田 拓也 先生 J 12.慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)に対し 血漿吸着療法が有用であった一例 松和会 池上総合病院 臨床工学室 高居 陽平 先生 パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 『どこまでやるか?医療機器の保守管理』 1.中央管理機器の保守管理 日産厚生会玉川病院 臨床工学科 井上 博満 先生 当院では平成7年7月より人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプの 3機種の中央管理を開始し、もうすぐ12年目を迎えようとしている。 開始当初より他業務との兼務で実施していたことにより、貸出・返却業 務が煩雑になることが度々見られ、十分な保守管理が出来ていなかっ たのが現状であった。昨年4月より、ME機器管理業務改善を目的とし て 機器のバーコード管理を開始した。 今回はバーコード導入前後業務の比較を中心に報告する。 2.人工呼吸器の保守管理 日本大学医学部付属板橋病院 臨床工学技士室 土井 麻友子 先生 人工呼吸器は生命維持管理装置である。我々臨床工学技士は患者に 装着されている人工呼吸器から器材室に返却された人工呼吸器まで、 また、人工呼吸器購入検討から廃棄に至るまで管理する。人工呼吸器 が医療事故等で患者はもちろん医療者にとっても不利益な機械とならな いように保守管理システムを構築し、 運用しなければならない。それには、臨床に足繁く通うことと人工呼吸器 自体を熟知することが望まれる。 3.対外循環装置の保守管理 東邦大学医療センター大橋病院 臨床工学部 別所 郁夫 先生 開心術における生命維持管理装置として、人工心肺装置本体や、心筋 保護装置、自己血回収装置、また補助循環装置などが使用され、体外 循環装置と総称されている。 この装置類の重要性から日常のメンテナンスを行い、装置の状態を把 握し、緊急手術を含め、即座に使用できるようにしておく必要がある。今 回、当院の体外循環装置を中心とした保守点検についてまとめたものを 報告する。 4.血液浄化装置の保守管理 東京女子医科大学東医療センター ME室 芝田 正道 先生 2004年末の慢性透析療法を実施している患者数は24万8千人を超 え、透析装置台数も9万7千台を超えている。近年における医療法や薬 事法の改正も伴い、臨床工学技士による透析装置の保守点検、管理業 務は必須であり、修理も日常的なものとなってきている。その反面、技士 によって実施された保守点検や修理によって引き起こされた事故に対す る責任は重大である。技士はその責任を十分に理解したうえで、業務を 実施すべきであり、また、メーカ側も予知保全機能のさらなる充実化な ど、保全性向上による保守業務の支援が求められる。 5.病院設備の保守管理 順天堂大学医学部付属順天堂医院 臨床工学室 鈴木 廣美 先生 医療機器を作動させるには電気設備と医療ガス設備が必要である。 これらの設備点検が患者の生命を守ることにつながる。病院に限らず、 建物の設備には法廷の点検義務があり必ず行うことになっている。 病院が行われる設備点検時事は、施設担当者と医療機器を扱う臨床工 学技士が共に協力して行う必要がある。この時、臨床工学技士は病院 設備とどのように 関わりを持つかを考えたい。 6.日本臨床工学技士会から見た医療機器の保守管理 横浜労災病院 那須野 修一 先生 医療機器の保守管理は、その性能維持と有効性の確保のためにはぐ 可決である。これらは医療機関における唯一の工学的資質を持つ医療 職として臨床工学技士の業務とされる。しかし医療機関の状況や環境に より実際に出来る範囲は異なる現状にある。そこで日本臨床工学技士 会の立場から行うべき保守管理の範囲と行う上での注意を周辺法律を 鑑み考える。 7.行政から見た医療機器への保守管理 東京福祉保険局健康安全室薬務課 谷崎 希実子 先生 東京都では従来から医療機器の安全確保のため医療機器メーカーや 販売店の指導を行ってきた。 しかし、医療事故を防ぐためには製造・流通段階での適切な管理に加使 用段階での安全性を確認 する必要がある。そのため、平成14年度からは都内の全病院を対象に した立ち入り調査を開始した。今回は、その結果に基づき医療関係者の 保守点検の現状と課題について報告する。 ディスカッション 様々な質疑応答がありましたが、各施設で試行錯誤しながら機器保守 業務を実施されている ことに、とても共感でき、さらなる保守管理の必要性・重要性を感じまし た。 今後も機器管理業務についての管理推進、検討会が行われていくと思 いますが、 皆さんはどう思われますか?
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