単分子解離のRRK・RRKM理論(128KB) - someda lab

単分子分解の RRKM 理論
単分子分解(熱分解)
Lindemann-Christiansen mechanism+改良(Hinshelwood)
+1 ( E )
k
→
A + M ← A * (E ) + M
k −1
2 (E )
A * (E ) k
→ products
A*(E)は常に(低圧でも)温度 T のカノニカル分布にあると考えると実験をよく説明する.
分子内でエネルギーが再分配されている.
1 回の A + M 衝突で A*が平衡になる.
→分子内エネルギー再分配(IVR Intramolecular Vibrational Energy Re-distribution)
Rice-Ramsperger-Kassel 理論
分子は N 個の調和振動子からなるとする.振動子は同一の振動数を持つとする.
全エネルギーE を N 個の振動子にランダムに分配する.任意の振動子のエネルギーが E*を越えた
ときに解離が起こると考える.
E = mhv
(1)
E* = m * hv
(2)
とする.m 個の量子(ボール)を n 個の振動子(箱)にランダムに分配したとき,ある振動子に
m*個以上の量子が集中する確率 P(E)を求める.m 個のボールを n 個の箱に分配する場合の数
N=
(n + m − 1)!
m!(n − 1)!
(3)
(n-1)個の箱に(m−m*)個以下の数のボールを分配する場合の数
W =
(m − m * + n − 1)!
(m − m *)!(n − 1)!
(4)
すると
(
W
m − m * + n − 1)!m! (m − m *)
mm  m − m * 
=
≈
=
P (E ) =

N (m − m *)!(n + m − 1)! (m − m *)m − m* m n + m −1  m 
m − m*+ n −1
を得る.ただし,m→∞とし,Stirling の公式 ln N ! ≈ N ln N を用いた.
解離速度は,この確率に分子振動の振動数を乗じたものと考える(根拠薄弱).
n −1
(5)
 m − m*
k RRK (E ) = vP(E ) = v

 m 
n −1
 E − E *
= v

 E 
n −1
(6)
RRK 速度の大きさは,振動数 v と同程度の大きさになるが,これは実測の速度より小さい.
RRKM 理論
=ミクロカノニカル遷移状態理論
k RRKM (E ) =
K ≠ (E − E a )
hρ ( E )
(7)
累積状態数と状態密度の評価に独立調和振動子近似を用いると RRK 公式に帰着する.
(調和振動子の状態密度)
N 個の独立調和振動子からなる系の累積状態数 K(N)(E)は
K ( N ) (E ) =
1  N 1  N
E
∏
N !  i =1 hν i 
(8)
1  N 1  N −1
E
(N − 1)! ∏
i =1 hν i 
(9)
状態密度ρ(N)(E)は
ρ ( N ) (E ) =
で与えられる.
式(8)および(9)を用いると式(7)は式(6)に帰着する.