環 境 報 告 書 2012 - 大多喜ガス

環 境 報 告 書
2012
大多喜ガス株式会社
ご 挨 拶
日頃より当社の事業にご理解、ご協力をいただき誠にありがとうござい
ます。
当社は平成 18 年 9 月の国際的な環境マネジメントシステム規格である
ISO14001 の認証取得以来、従来にも増して環境負荷の低減に取り組んで
きました。
創業以来、貴重な国産資源である千葉県産天然ガスを主原料とした都
市ガス(“千産千消”エネルギー)を供給するガス事業者として、地域社会
の発展に貢献してまいりました。これからもお客さまへ最適な“エネルギーミックス”を提案し、環境に優し
い天然ガスの普及促進とエネルギーの効率的な利用を推進してまいります。また、自然災害や人為的災
害に対する保安レベルの向上によるお客さまへの安心・安全の提供、事業活動における省エネ・省資源
の推進、廃棄物の適正処理などを通して、環境保全と更なる地域社会の発展に貢献してまいります。
2012 年 4 月 23 日
【ISO14001 審査登録証】
目 次
1.環境方針(P1)
2.環境マネジメントシステム組織図(P2)
3.環境重点管理項目と環境目標および達成度(P2)
4.環境目標達成への取り組み(P3~P10)
5.会社概要(P11~P12)
取締役社長 渡部 均
1.環境方針
当社は、ガス事業者として環境問題に積極的に取り組んでいくことを表明し、下記の通り環境方針を作成し
ました。
大多喜ガス(株)は経営基本理念である、「快適なエネルギー・幅広いサービスの
提供と、豊かな暮らし・明るい街づくりへの貢献」を基本方針として、全従業者が事
業活動において、環境負荷を低減し地球環境との調和を推進するシステムを継続
的に実行することを宣言し、以下の環境方針を定めます。
1.環境負荷に優れたエネルギーである天然ガスの利用を拡大し、供給地域の
総量的環境負荷低減に努めます。
2.お客様サービスの向上維持を進め、お客様の効率的ガス消費を支援し、環
境負荷低減に寄与します。
3.会社と従業者は、省エネルギー・省資源・廃棄物の低減を実行し、業務に関
わる環境負荷の低減を推進します。
4.天然ガスの安全・安定輸送・供給の維持と信頼性を向上し、事故等による突
発的環境影響を防止します。
5.環境負荷低減・環境汚染の予防等、都市ガス従業者としての基本素養の向
上・維持のために、継続的な教育や技術・技能の向上・伝承に努めます。
6.環境関連の法規等を順守し、企業の社会的責任を果たし、環境方針の実現
の為に構築したシステムを継続的に改善します。
平成17年12月20日 作成
平成21年 3月26日再承認
大多喜ガス(株)
取締役社長 渡部 均
1
2.環境マネジメントシステム組織図
環境貢献活動を全社一丸となって推進するため、以下のような組織を構築し、活動を行っています
(平成 23 年 12 月末現在)。
社 長
内部監査チーム
役 員
内部監査責任者
経営企画部
環境管理責任者
本 社
市原事務所
千葉事務所
八千代事務所
成東事務所
環境管理担当者
環境管理担当者
環境管理担当者
環境管理担当者
環境管理担当者
(供給部長)
(供給部長)
(供給部長)
(供給部長)
(地域営業部長)
(技術部長)
(地域営業部長)
(地域営業部長)
(地域営業部長)
(地域営業部長)
(広域営業部長)
(広域営業部長)
(総務部長)
(経理部長)
(経営企画部長)
(監査室長)
3.環境重点管理項目と環境目標及び達成度
当社の事業活動の中で環境に影響を与えている要素を全て洗い出し、その中で特に大きな影響を与えると
考えられるものを環境重点管理項目としました。そして、環境重点管理項目をもとに環境目標を定め、環境貢
献を図っています。
環境重点管理項目
ガスの販売
省エネタイプガス機器
目
標
達 成 度
小口の獲得販売量
1,047 千 m3
小口の獲得販売量
1,489 千 m3
大口の獲得販売量
5,874 千 m3
大口の獲得販売量
2,171 千 m3
省エネタイプガス機器 1,492 台の販売
省エネガス機器
エコドライブ実施環境の整備
整備完了
環境意識の向上 EMS運用レベル 4 以上
レベル 3
の販売
エコドライブ
環境意識
(自社基準)
2
1,681 台
評価
未達成
達成
達成
未達成
4.環境目標達成への取り組み
1.ガスの拡販
平成 23 年度は、家庭用の需要に対しては、新築住宅の獲得、他燃料への切り替え防止、他燃料から
の切替促進に重点的に取り組みました。業務用の需要に対しては、空調やボイラー等の需要獲得に取り
組みました。また、工業用の需要に対しては積極的に他燃料からの切替促進に取り組みました。日頃より
着実な営業活動に取り組んだことにより、下記のような実績を上げることが出来ました。
CO2排出量抑制による環境負荷低減
天然ガスは燃焼時において、大気汚染や地球温暖化の原因となる硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物
(NOx)、二酸化炭素(CO2)の発生が少ないクリーンエネルギーです。当社は、この「環境にやさしい」天
然ガスを主原料とした都市ガスの拡販を推進しています。
出典
1)「IEA(国際エネルギー機関)Natural Gas Prospects to 2010」(1986)
2)火力発電所大気影響評価技術実証調査報告書 1990.3/エネルギー総合工学研究所
業務用のお客さまへガス・コージェネレーションシステムを始めとした高効率ガス機器の
普及促進
ガス・コージェネレーションシステムは、都市ガスを燃料としてガスタービンやガスエンジン等で発電を
行い、その際に発生する排熱を給湯や冷暖房に有効に利用することにより、省エネと CO2排出削減に
貢献します。
①熱と電気を同時に必要とされるお客さまにガス・コージェネレーションシステム
■従来方式による発電システムの例(火力発電)
■ガス・コージェネレーションシステムの例
3
燃料転換によるCO2削減量
年度削減量(t)
累計削減量(t)
120,000
300,000
100,000
250,000
80,000
200,000
60,000
150,000
40,000
100,000
20,000
50,000
0
平成 23 年度は設備投資を見送られる
お客さまが多く、燃料転換による CO2削
減は小さな伸びに留まりました。
0
H18
H19
H20
H21
CO2年間削減量
H22
H23
CO2累計削減量
②高効率で快適な空調をお求めのお客さまに GHP・吸収式冷温水発生機
GHP(ガスヒートポンプエアコン)は、コンプレッサーの駆動をガスエンジンで行い、
快適な冷房とエンジン排熱の利用でさらに効率的でパワフルな暖房を実現できるシ
ステムです。
ガス吸収式冷温水発生機の冷房は、水の気化熱を利用して冷水をつくるシステム
で水の蒸発・吸収・凝縮を繰り返します。冷媒は水のためオゾン層を破壊しません。
平成 23 年度は、平成 22 年度に比べ吸収式
GHP・吸収式冷温水発生器稼動実績
(kw)
は微減となりましたが、GHP が増加したため
160,000
全体で増加し、環境負荷低減に貢献しました。
140,000
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
H18
H19
H20
吸収式
H21
H22
H23
GHP
4
2.お客さまの効率的ガス消費の支援
家庭用のお客さまへエコジョーズ、エコウィル、エネファーム等の高効率ガス機器の普及
促進
平成 23 年度も引き続き、天然ガスの利用を拡大するためにガス機器の拡販に取り組みました。その中
でもエコジョーズ、エコウィル、エネファーム、高効率ビルトインコンロなど省エネ型ガス機器の拡販に重
点的に取り組みました。
「エコジョーズ」
エコジョーズは、これまでは空気中に捨て
ていた排熱を再利用することにより、従来
型の給湯器に比べ最大約 15%の省エネを
達成し、CO2の削減に貢献しています。
平成 23 年度もエコジョーズ販売目標台数を上回る
エコジョーズ年度別販売台数とCO2 累計削減量
(t)
(台)
1,800
1000
1,600
900
1,400
800
※エコジョーズ CO2 累計削減量とは、従来型給湯
1,200
700
付風呂釜が 1 年間に排出する CO2 とエコジョーズ
1,000
600
500
給湯付風呂釜が 1 年間に排出する CO2 を比較した
400
ときの当社試算削減量の累計。
800
600
300
400
200
200
100
0
0
H18
H19
H20
販売台数
H21
H22
H23
CO2累計削減量
5
台数を販売し、CO2 削減に貢献しました。
「エコウィル」
エコウィルは、都市ガスで動くガスエンジンを介して発電を行い、その際に発生する排熱を利用して、給湯・
暖房を行うコージェネレーションシステムです。
「エネファーム」
エネファームは、都市ガス(天然ガス)から取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて発電し、その
時発生する熱を捨てずにお湯として回収する、環境に優しい高効率の家庭用コージェネレーションシステム
です。平成22年度より販売を開始しました。
EW、EF販売台数とCO2累計削減量
(システム)
90
(t)
250
80
200
70
60
平成 23 年度のエコウィル(EW)とエネファーム(EF)
設置システム数は目標を大きく上回り、着実に増加し
ています。
※エコウィル(EW)、エネファーム(EF)CO2 累計削減
50
40
30
20
150
量とは、従来型給湯暖房システムが 1 年間に排出す
100
る CO2 とエコウィル(EW)、エネファーム(EF)給湯暖
50
10
0
0
H18
H19
H20
EW販売システム数
CO2累計削減量(t)
H21
H22
H23
EF販売システム数
6
房システムが 1 年間に排出する CO2 を比較したときの
当社試算削減量の累計。
3.省エネルギー・省資源・廃棄物の低減への取り組み
1)電気使用量の削減
電気使用量の削減については、取り組みが根付いたため平成 23 年度の目標とはしておりませんが、運用
ルールに基づき、削減に取り組んでおります。
2)掘削土等の抑制
通常、ガス導管の埋設工事は道路を掘削して行うため、掘削土等が発生します。そこで、掘削土等を抑制
するために、パイプスプリッター工法(PS 工法)、簡易推進工法、ecoボール使用の促進に努めています。
【PS 工法】
PS 工法は、非開削で既設ガス管を入れ替える工法です。
従来の開削方法に比べて掘削土等の発生が少なく、また、
舗装復旧にかかる時間や費用を低減できます。平成 23 年度は
本支管入替総延長に対して 59%(5,385m)を PS 工法で施工し、
通常の開削工法に対して掘削土等を約 3,200 ㎥(当社試算値)
削減しました。
【簡易推進工法】
簡易推進工法は非開削でガス導管を設置する工法です。
道路に埋設されたガス導管からご家庭にガスを供給するための
配管工事において、丸型または角型の立坑と簡易推進工法を組
み合わせて行うことにより、掘削土等が減少し、舗装復旧にかか
る時間や費用を低減できます。平成 23 年度は 43%(207 本)を簡易
推進工法で施工し、通常の開削工法に対して掘削土等を約 460m3
(当社試算値)削減しました。
7
【eco ボール】
ecoボールは道路掘削工事などにおいて、複数回掘削・埋め戻しを行う際の仮埋め戻し材料(代替路床材)
です。仮埋め戻し後の再掘削作業時間が削減され、山砂の購入、残土処理などが削減されます。平成 23 年
度は 353 掘削坑で施工し、山砂を 851 ㎥(当社試算値)削減しました。
ecoボール
施工例
3)廃棄物の適正な処理
本社及び各事務所では廃棄物の削減とリサイクルの促進に
取り組んでいます。各事務所から排出された新聞、雑誌、ダン
ボール等の紙類、空き瓶、空き缶、ペットボトル容器及び廃ポ
リエチレン管は分別保管されリサイクル原料となっています。
また、事業系一般廃棄物、産業廃棄物は、所管の自治体より
許可を受けた収集運搬業者、処分業者に委託し、適正に処理
しています。
※写真
茂原本社に設置された産業廃棄物保管場所
4)低排出ガス自動車の導入促進
天然ガス自動車は CO2 や窒素酸化物(NOx)の排出量が
ガソリン車に比べて少ない、環境にやさしい自動車です。
当社供給エリア内には、茂原市、市原市に天然ガススタンドが
あります。また、市原、八千代、千葉、成東の各サービスセンター
構内には天然ガス充填装置を設置しています。
社有車 112 台中 33 台が天然ガス自動車となっています
(平成 23 年 12 月末現在)。また、低排出ガス自動車、
ハイブリッド自動車も導入し、環境負荷の低減に努めて
います。
8
4.ガス使用時の事故の防止
ガス使用時の事故を未然に防止するため、都市ガス警報器の普及促進、不完全燃焼防止装置のついて
いない(以下、不燃防無し)ガス器具の取替・取り外し促進、不良給排気設備の更新にも積極的に取り組ん
でいます。また、ガスをより安全にお使いいただくための周知にも取り組みました。
(%)
都市ガス警報器の普及率は上昇傾向にありました
都市ガス警報器普及率
30.0
が、最近 2 年間は横ばいとなっています。
29.0
28.0
27.0
26.0
25.0
24.0
H18
(台)
H19
H20
H21
H22
H23
不良給排気設備残存数は、新規発生分を加えて
不良給排気設備残存数
も全体で減少してきています。
450
400
350
300
250
200
150
H18
H19
H20
H21
H22
H23
平成 20 年度の残存数が増加しているのは、不燃
不燃防無しガス機器残存数
(台)
防無しガス機器の対象を拡大したためです(従来の
4,000
不燃防無し開放型小型湯沸かし器、不燃防無し浴
3,500
室内設置 CF 釜、金網ストーブに加え、不燃防無し
CF 機器、不燃防無し FE 機器も対象化)。対象機器
3,000
については 全社的な取外し、取替えキャンペーン
2,500
の実施と地道なお客さま折衝の取り組みにより着実
に減少しています。
2,000
1,500
H18
H19
H20
H21
H22
H23
9
5.環境・安全意識の向上
平成 23 年度も引き続き社員、協力会社へ環境・安全教育を実施しました。
6.地域社会における環境貢献活動
当社は地域社会の環境の保全・向上に貢献するため、各地域にお
いて行政や団体が主催する環境保護活動に積極的に参加し、平成
23 年度はさらに活動を推進しました。清掃活動では、主に川沿いの
土手の粗大ごみの撤去などを行いました。美化活動では、会社周辺
の花壇整備などに取り組みました。これらの取り組みは地域住民よ
り高い評価を受けています。
会社周辺の花壇整備
10
5.会社概要
設
資
本
立
昭和 31 年 8 月 13 日
金
2,244 百万円
主な事業内容
①都市ガスの供給・販売
②ガス機器等の販売
③上記①、②に関連する工事
本
社
サービスセンター
〒297-8567 千葉県茂原市茂原 661
●茂原サービスセンター
〒297-8567 千葉県茂原市茂原 661
●市原サービスセンター
〒290-0055 千葉県市原市五井東 3-12-5
●八千代サービスセンター 〒276-0046 千葉県八千代市大和田新田 346
●千葉サービスセンター
〒266-0032 千葉県千葉市緑区おゆみ野中央 4-35-2
●成東サービスセンター
〒289-1326
当社供給エリア図
11
千葉県山武市成東 650-7
お客さま件数
平成2 3 年度
1 5 3 ,9 0 9
7 ,4 9 5
平成2 2 年度
1 5 3 ,5 2 4
7 ,5 6 1
平成2 1 年度
1 5 2 ,8 8 1
7 ,9 4 3
1 5 2 ,1 2 3
平成2 0 年度
平成1 9 年度
8 ,6 7 2
1 5 0 ,8 4 2
1 3 0 ,0 0 0
8 ,2 3 1
1 4 0 ,0 0 0
1 5 0 ,0 0 0
1 6 0 ,0 0 0
(件)
家庭用
その他
ガス販売量
ガス源構成比
(平成23年度)
平成2 3 年度
7 3 ,0 4 3
平成2 2 年度
7 5 ,0 1 9
平成2 1 年度
7 5 ,2 1 6
6 7 4 ,9 9 9
平成2 0 年度
7 6 ,8 8 8
6 8 1 ,6 0 0
平成1 9 年度
7 9 5 ,6 4 5
県産
天然ガス
・BOG
13.8%
LNG
85.1%
6 4 3 ,7 6 5
7 4 ,5 7 8
0
オフガス
1.1%
9 1 0 ,5 3 9
2 0 0 ,0 0 0
4 0 0 ,0 0 0
6 0 0 ,0 0 0
8 0 0 ,0 0 0
1 ,0 0 0 ,0 0 0
(3 9 MJ/ m 3 換算・ 千m 3 )
家庭用
その他
売 上 高
5 3 ,8 0 7
平成2 3 年度
5 6 2 1 ,4 4 5
259
5 8 4 1 ,2 3 8
291
4 3 ,4 2 4
平成2 2 年度
4 2 ,3 1 9
平成2 0 年度
9 0 8 1 ,4 0 2
263
3 4 ,1 3 2
平成1 9 年度
0
1 0 ,0 0 0
2 0 ,0 0 0
ガス
9 5 .9 %
1 ,0 0 4 1 ,4 9 9
135
3 0 ,0 0 0
4 0 ,0 0 0
5 0 ,0 0 0
6 0 ,0 0 0
(百万円)
ガス売上高
2 .6 %
0 .5 %
1 .0 %
5 4 4 1 ,2 2 9
379
3 7 ,2 3 9
平成2 1 年度
売上構成比
(平成23年度)
受注工事売上高
器具販売売上高
12
その他
大多喜ガス株式会社
2012 年 4 月
編集
経営企画部
〒297-8567 千葉県茂原市茂原 661
TEL 0475-25-3584 FAX 0475-22-2785
URL http://www.otakigas.co.jp/