Microsoft 社によるNI LabVIEWとPXIモジュール式計測器を 使用した

家電製品、エレクトロニクス
User Solutions
Microsoft 社によるNI LabVIEWとPXIモジュール式計測器を
使用したXbox 360コントローラ用製造テストシステムの開発
■ LabVIEW™
■ モジュール式計測器
■ PXI/CompactPCI
Microsoft Corporation
Katy Gentes 氏
課題
Microsoft Xbox 360有線/無線コントローラ用の包括的な低コスト
製造テストシステムを開発する。
ソリューション
Microsoft Windows XP、
Microsoft SQLサーバ、
NI LabVIEW、
NI PXIモジュール式計測器に基づいた柔軟性の高い自動テストシ
ステムを使用して、
有線式と無線式の両方のXbox 360コントローラ
の機能的性能のテストを行う。
Microsoft社では、
Xbox 360のゲーム性能の品質保証に、PXIと
LabVIEWを採用しました。
次世代型ゲーム機用の高機能なコントローラを設計
Microsoft社は2001年、
NI LabVIEWとPXIモジュール式計測器
を使用した、
初代Xboxコントローラの機能テストシステムを実装しま
した。このシステムでは、
デバイスの通信をテストし、
データパケットを
ビットレベルで監視して、
コントローラ機能メッセージが仕様に適合し
ていることを確認します。
また、
チップレベルでも信号を監視するので、
電気信号の立ち上がり/立ち下がり時間、
最大/最小電圧レベル、
消
費電流などの測定や解析をすることができます。
2005年、同社は、
デジタルゲーム機の最新バージョンであるXbox
360と、
それに伴う新シリーズのXbox 360有線/無線コントローラのリ
リースを発表しました。Xbox 360有線コントローラでは、
メインのゲー
ム機との通信に多用途かつ低コストのUSBインタフェースを採用し
ています。USBインタフェースを使用することで、
ダンスパッドや車の
ハンドルなど、
あらゆる周辺装置を簡単に追加することができます。
Xbox 360コントローラ機能テストシステムでも、初期の Xboxコント
ローラのテストシステムと同様のテストを行いますが、
新しいコントロー
ラの信号整合性を確認してより高い品質を実現するため、
さらに高
性能な測定が必要となります。12 ビット、
200 MS/秒デジタイザ、
PXI5124など、最新のNI モジュール式計測器を使用したことで、Xbox
360コントローラの機能テストの厳しい条件をクリアすることができまし
た。
またLabVIEWグラフィカル開発環境を使用して、
100以上のテス
トを作成し、
イーサネット通信を使用して、Microsoft SQLサーバの
データベースにストレージインタフェースを組み込みました。
PXIプラットフォーム(手前)
とLabVIEWで構築したテストシステムの実行画面
PXI モジュール式計測器を使用した設計検証と製造テスト
PXIモジュール式計測器とLabVIEWを使用して、
Xbox 360コント
ローラの設計検証ラボでテストシステムを構築し、
製造ラインに実装
しました。検証/製造サイクルの中で使用した以下のNI PXIベース
のモジュール式計測器により、広範な計測機能を利用することが可
能となりました。
PXI-5124 高分解能デジタイザ(USB 通信インタフェースの解析)
PXI-4472 ダイナミック信号集録モジュール(振動フィードバックモータの解析)
PXIデータ集録モジュール
(汎用アナログI/O計測)
PXI-6509 デジタルI/Oモジュール
(汎用I/O制御)
Microsoft社では、
PXIの機能の豊富さ、
PXIのモジュール性、
ソフ
トウェアに基づいた計測方式といった利点を活用することで、検証
と製造テストの両方の条件を満たすようテストシステムの機能を迅速
に適合させることができました。
PXI-5124 高分解能デジタイザは、
Xbox 360コントローラの機能テ
ストシステムにおける主要なコンポーネントです。200 MS/秒のリアル
タイムサンプリングレートと12ビットの分解能を備えたPXI-5124デジタ
イザにより、
Xbox 360 ゲーム機とコントローラの間のUSB通信の信号
整合性を確実に検証することが可能となりました。高分解能入力と
高速サンプリングレートを備えたこのデジタイザは、USB信号、
オー
ディオ信号、
シリアルデータの測定、解析を行うのに低コストで高品
質なソリューションであり、
よりコストの高い低分解能オシロスコープに
比べて優れたオプションとなっています。
NI LabVIEWによるMicrosoft SQLサーバ、TCP/IP、
ActiveX コントロールとの通信
機能テストは、
製造ラインにおいて重要な部分です。製造ラインの
機能テストを開発する上で難しかったのは、
一定のサイクルタイム内
に可能な限り多くのテストを並列で行うことでした。Xbox 360コント
User Solutions
ローラ用の新しい機能テストシステムを使用したことで、各テストス
テーションのテストスループットを50パーセントも向上させることができ
たのです。
同社では、
一定の製造サイクルタイムの中でできるだけ多くのテス
トを行えるよう、
LabVIEWを使って複数のテストを並列で実行しまし
た。
また、
LabVIEWデータベースコネクティビティツールキットを使用し
てMicrosoft SQLサーバデータベースに接続し、
全てのテスト対象ユ
ニット
(UUT)
パラメータを保存しました。製造ラインからXbox 360 コ
ントローラが出てくると、1 1 0 以 上のデータパラメータを専 用の
Microsoft SQLサーバに送り、
そのデータを元に製造ラインやデバイ
スの機能強化を行います。LabVIEWのTCP/IP機能とActiveXコン
トロールのサポートを利用し、
カスタムインタフェースによりUSBやワイ
ヤレスコントローラと通 信を行うことができました。結 果として、
LabVIEWを使用したことで、
Microsoft SQLサーバへのデータの格
納や、TCP/IP経由での通信、ActiveXコントロールとのプログラム的
対話などの機能を備えたXbox 360コントローラ用の最適な製造テス
トシステムを開発することが可能となりました。
NI LabVIEWと PXIモジュール式計測がもたらした効果
Microsoft社では、
Microsoft Windows XP、
LabVIEW、
およびPXI
を使用して、
Xbox/Xbox 360コントローラ用の検証/製造テストシステ
ムを開発しました。PXIに基づいたシステムを使えば、
信頼性の高い
製造ラインテストを実現できるとともに、
Microsoft SQLサーバに全て
のパラメータを格納することも可能となります。PXI-5124デジタイザの
高分解能/高サンプリングレートを利用して、
12ビットの分解能と最大
200 MS/秒のサンプリングレートで測定をすることで、
低コストの自動
テストシステムが完成します。
また、
PCの性能を活用することで現在
使用しているシステムを簡単にアップグレードできるため、今後の開
発にも役立てることが可能です。
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